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令和5年9月22日(金曜日)
教育、科学技術・学術、スポーツ、文化、その他

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福島県(大熊町立学び舎ゆめの森、富岡町の廃炉関係施設)への出張について,北海道大学における研究不正事案について,旧統一教会に対する認識と今後の対応,神宮外苑地区再開発に関するイコモスからのヘリテージアラート,日本大学ラグビー部におけるいじめ報道について,日本私立学校振興・共済事業団の調査結果を受けた今後の大学教育の在り方について,国立科学博物館のクラウドファンディングなど今後の博物館の振興方策について

盛山正仁文部科学大臣記者会見映像版

令和5年9月22日(金曜日)に行われた、盛山正仁文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和5年9月22日盛山正仁文部科学大臣記者会見

令和5年9月22日盛山正仁文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

盛山正仁文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 私から発言をさせていただきます。
 昨日ですけれども、できるだけ早い時期での訪問を希望しておりました福島県に行ってまいりました。最初に訪問いたしました福島県大熊町は、東日本大震災の後、会津若松市で教育活動が実施されてきたところです。今年度から約12年ぶりに大熊町で学校再開を果たしたというんですかね、再開されました。そして新しい校舎で教育活動を開始することになりました。昨日の出張では、「大熊町立学び舎ゆめの森」という校舎の落成式典に出席してまいりました。落成式典は、子供たち、生徒さんですね、の司会進行によって大変あたたかく和やか、またユーモラスなというのかな、そういう我々大人だったら考えつかないような、そういうような雰囲気の中で行われました。地域の関係者の方々と大熊町で学校再開できた喜びを共有し、これから新しい校舎で行われる学び、あるいは大熊町の未来に希望を抱かせていただくような素晴らしい会でありました。この会に続きます内覧会では、工夫を凝らした最新の学校建築の見学とあわせて、新しい校舎で学んでいる子供たちと対話をいたしました。学校の特色であります、自分の未来を自分で切り拓いていく力を育む探究的な学びである「ふるさと創造学」が、子供たちの中にしっかり根付いているということを感じて大変嬉しく思いました。その後は、富岡町の東京電力廃炉資料館、そしてJAEAの廃炉環境国際共同研究センターを訪れまして、東電福島第一原発の事故当時の状況、廃炉に向けた基礎・基盤的研究の状況、産学の組織の垣根を越えた人材育成の状況を伺い、意見交換を行いました。この出張で、震災から12年ちょっと、12年半ほど経ちました。復興に向けた歩みが着実に進んでいることを目の当たりにしたという感じです。児童生徒の教育環境の充実、東電福島第一原発の廃炉の現場を支える長期的な取組への支援など、引き続き、着実に進めてまいりたいと考えております。
 私からは以上です。

記者)
 先日、北海道大学の化学反応創成研究拠点に所属している研究者に論文の不正が見つかったと発表されました。こちらは文科省のWPI、世界トップレベルの研究拠点にも選ばれておりまして、そういうところで不正があってしまったということについての大臣の受け止めと、だいたい年間10件くらい、こうした論文不正、文科省のお金を使っているところで出てきております。再発防止策についてもしあればお聞かせください。

大臣)
 北海道大学の調査におきまして、元特任助教による特定不正行為が認定されたということは、研究活動に対する国民の皆さまの信頼を損なうものであり、極めて遺憾だと考えます。文部科学省といたしましては、大学の調査結果を精査したうえで、特定不正行為が認定された者に対し、競争的研究費等への応募資格を制限する措置を講じる予定です。文科省では、研究不正防止のためのガイドラインに基づき、不正防止の取組が適切に実施されているか確認するなど、引き続き、公正な研究活動に向けた取組を推進してまいります。

記者)
 統一教会問題について一つお伺いします。盛山大臣、青山副大臣、山田政務官が統一教会と接点があったことについて、大臣は現在及び今後、関係を持たないことを徹底するので懸念にあたらないとおっしゃっています。しかし大臣や副大臣、政務官の釈明からは統一教会の活動が日本人の資産を吸い上げて韓国の韓鶴子総裁のもとに集める反日カルトによる国際的な組織犯罪だという真剣な危機感がほとんど感じられません。改めてお伺いします。大臣は統一教会の思想活動についてどのような御認識をお持ちでしょうか。反日カルトであり組織犯罪であるという認識はおありでしょうか。

大臣)
 今の御質問に対しましては、先日御出席ではなかったと思うんですけど、この場でもうすでに明らかにしているところでございます。自民党の調査にもしっかり答えてございますし、いずれにせよ、私も含め他の政務3役も含めまして、現在及び今後において、旧統一教会関連団体との関係を持たないことを引き続き徹底していくということに尽きると思います。それから旧統一教会のあり方、その他、今後のものにつきましては現在検討を進めているところでございますので、現時点ではこれ以上お答えすることはできません。

記者)
 冒頭発言に関連してお尋ねをしたいと思います。先ほど大臣冒頭で、できるだけ早期に福島県を訪問したいという気持ちがあったというふうにおっしゃっていたと思うんですが、大臣、選挙区が神戸1区ということで震災もあった土地だと思いますけれども、福島に対する思いというのはどういうものがあるのか、聞かせていただけますでしょうか。

大臣)
 東日本大震災発災後ですね、伺ったことはあるんですが、実は福島には伺ってなかったものですから、そういうことが一つと、それから避難区域の方々、親御さんは大変だったと思うんですけれども、お子さん方も親御さんと当然、普通は一緒に動かれるわけですから、それでこれまでとは違う環境で勉強せざるを得ない。それが今回、大熊町でございますけれども、本当にやっと戻ることができた。当時、例えば小学校6年生だったとするとそのお子さんはもうね、今や大学生かどうかということになるので、同じお子さんが戻っているわけではないということにはなるんですけれども、この大熊町で学ぶことができる、自分たちの故郷で、という言葉がいいかどうかわからないんですけれども、そこで学べるということに対してやっとそういう環境が整ったということでもありますし、そういうような拠点、素晴らしい施設であるということは前から伺っていたものですから、そういう施設を見たいという気持ちと、それからそういうところでどういうふうにこれから教えていくのだろうか、ソフトの面というのかな、ハードの施設も見たかったんですけどソフトの面、そしてまたお子さんが新しい学校でどういうふうに感じておられるのか、そういうことを文科大臣になったわけでございますので一度自分の目で見てみたい、お話を聞いてみたい、そういうふうに思っていたということです。

記者)
 明治神宮外苑の再開発事業についてお尋ねします。今月、ユネスコの諮問機関であるイコモスが明治神宮外苑の再開発についてのヘリテージアラートを発出、要は再開発の見直しを東京都及び事業者に求めました。イコモスは日本政府としての対応を求めていまして、スポーツ庁が事業者の一部を監督する立場であることや、文化庁が地域文化の振興及び文化庁の文化財の保存活用などを所管していることを踏まえまして、大臣の所感であったり対応方針があればお聞かせください。

大臣)
 私達も関係しているというのは今御指摘があったとおりであります。しかしながら、この神宮外苑地区の再開発につきましては、東京都が、平成30年に策定した神宮外苑地区のまち作り指針等に基づきまして、具体的なまちづくりを担う東京都、そして新宿区・港区が地権者をはじめとする関連事業者と協議しながら検討を進めてきたものであります。そして、都市再開発法に基づいて本年2月に東京都が認可したものでございますので、本再開発事業については、東京都、新宿区・港区において地権者をはじめとする関係事業者と協議しながら適切な対応をしていくべきものというふうに考えているということです。

記者)
 確認ですが、イコモス側としては日本政府としての対応を求めているんですけれども、大臣自身及び文科省としては都及び区のほうで対応するべき話だと考えていらっしゃるということでよろしいでしょうか。

大臣)
 はい。一義的には都、区、そして事業を進めている方、そういう方が地域の皆さんも含めてですね、合意をうまく作り上げてほしいなというふうに考えております。

記者)
 日本大学ラグビー部の部員間でいじめが疑われている問題で、昨日21日には被害届が警視庁に受理されました。この問題についての文科省とスポーツ庁での把握状況や、もし対応状況があれば教えていただければと思います。あと、大学再建に日本大学が取り組んでいる中で、問題がアメフト部に続き続出していますが、この点についても受け止めがあればお願いいたします。

大臣)
 今おっしゃいました、いじめ・ハラスメント、こういう事案について、報道等を通して承知しております。当文科省としましては、日本大学に対し、事実関係の把握、原因究明に向けた調査の徹底、再発防止のための取組、体制の構築を求めているところです。そして現在、日本大学でその対応を進めているところであると我々は理解しております。ということで、日本大学におきまして、御指摘のアメフト部のことも含めまして、社会の信頼に応えることができるよう大学側としてのしっかりとした対応をお願いしたいというふうに今は考えているところです。

記者)
 今の日大の不祥事に関しまして、先週も御質問させていただいたんですが、検証結果の提出についてその後進捗等はございましたでしょうか。

大臣)
 今のところ私は何も聞いておりません。連絡を待っている状況のままです。

記者)
 改めまして日大のアメフト部の不祥事、新たに未成年の集団飲酒というのが一部報道で出ておりますが、次から次へとそういった不祥事があからさまになることについて改めましてどのように受け止めていらっしゃいますか。

大臣)
 大変残念なことだなということに尽きると思いますし、そして今御指摘がありましたように、次から次へというか、それをどう表現するかあれなんですけど、過去にもやはり問題になってしっかりとした対応ということでいろいろ問題になって、大学側としてもある程度取り組んできたはずであるにも関わらず、こういうふうにまた今回ですね、出てくるというのは大変残念なことと思っております。いずれにしても繰り返しになりますけど、まずは大学側からのですね、報告を待って、そのうえで対応を考えることになろうかと思います。

記者)
 先日、日本私立学校振興・共済事業団が発表した今年の私立大の入学者数の話なんですけれども、発表によると半数強がいわゆる定員割れを起こしていたということでした。特にその発表の中で目立つのが一部の小規模な私立大の定員割れというところでした。今後さらに少子化の振興が進んで私大の再編や撤退が進むと地方から大学が消えていく可能性もあります。となれば地方と都市部の進学率などの格差も今以上に開きかねないと思います。地方における高等教育の機会の損失にもつながりかねない問題かと思いますが、文部科学省として、大臣として今後どのような対応を行っていくのか、見解をお願いいたします。

大臣)
 少子化の急速な進展他によりまして、特に地方の私立大学をめぐる状況が大変厳しくなっているという御指摘でございます。地方の若者の教育機会が失われることのないよう、各大学が、時代の変化や社会のニーズに対応し、教育研究の質を高めつつ、自ら経営力の強化、改革に取り組むことが重要であるというふうにまずは一般論として考えます。そしてこれまでも、積極的な改革を行う私立大学に対して、重点的な支援を行っているところでありますが、今やっております令和6年度の概算要求では、将来を見据えたチャレンジ、連携・統合等の経営改革を行う私立大学に対する一層の支援、教育や経営に係るデータをフル活用して、学校法人への経営相談の充実等を図るためのシステム構築などに必要な経費を計上しているところです。また、私立大学だけではなくて、「急速な少子化が進行する中での将来社会を見据えた高等教育の在り方について」、来週25日(月曜日)に開催予定の中央教育審議会へ諮問することを予定しております。諮問理由については、その際に、つまり来週ですね、私から御説明をしますけれども、中教審においては、将来社会を見据えた高等教育のあり方について、是非、積極的な御議論をいただければと考えています。ここまでが文科省としての答弁で、私個人で考えていることを若干補足いたしますと、やっぱり我が国の少子高齢化は大変深刻な問題ですね。だからこそこども庁ができたということにもなるわけなんですけど、2020年段階の最新の国勢調査で高齢化率が27ですね、これが2045年は37ぐらいなるんじゃなかったかと思います。そしてどこが減っていくかというとやはり地方部なんですよね。秋田が一番今、高齢化率が高いところで、2020年の国勢調査では高齢化率37%、人口96万人。これが2045年、これは国立人口問題研究所の現時点での最新の推計がそれしかないんですけど、 高齢化率が50%になって人口が60万に減っていくんですね。別にこれは秋田だけの話じゃないわけです。私大の、地方の大学の経営環境が厳しくなる、学生さんが減る、これも我々文科省としてもやらないといけない話なんですけど、各地域がそれだけ高齢化が進み人口が減っていく、そこ自身もやっぱりなんとか取り組んでいかないと変えていかないと、学校側だけの努力というのでは当然何ともならないというふうに私は思います。地域において、大都市だけで日本が成り立っているわけではないですから、地域においてどのようにその地域の将来、いろんなサービスが必要になってくるわけなんですけど、それをどうやってしっかりとした経済とともにですね、そういうようなシビルミニマムという言葉はちょっと古いかもしれませんが、国や地方公共団体の公的なサービスをどこまでどういうふうにしていくのか。教育だってやっぱり広い意味だったらそうだと思いますね。私立だけではなくて国公立も含めて、要は教育の機会がその地域でいい、例えば高等学校が、そして大学がなければ他の地域に出て行かざるを得ない、下宿かなんかしていかざるを得ない、そういうふうにもなるわけですし、学校側としても、特に私立の場合にはとても経営が成り立たないということにもつながっているわけですから、そういったもっと大きな枠組みの中での地域を支える、こういったことも含めて考えていかないといけないというふうに思います。すいません、最後のところは私の私見でございます。

記者)
 博物館行政について大臣の御認識をお伺いしたく質問させていただきます。国立科学博物館が8月7日から始めたクラウドファンディングですが、3か月間の予定で今日あたりが折り返しのようなんですが、現在のところ目標の1億円に対して7億6,000万円が集まっているということです。これは好ましい結果である一方で、ナショナルミュージアムがこのような光熱費をクラウドファンディングに頼らなければいけないという窮状に国は無策だ、あるいは十分なお金を全然出していないなどという批判も集まっているところだと思います。東京国立博物館の館長が今年初め、文芸春秋に寄稿されまして、光熱費が足りないということを訴えておられました。大臣の専門は観光ということで伺っております。これらのナショナルミュージアムが今後の観光拠点として期待されるところだと思いますが、こういった施設の足元、基盤がなかなか十分ではない、揺らいでいるという現状に大臣は現在どうお考えか、今後どうすべきかなどお聞かせいただければと思います。

大臣)
 今御指摘がございましたし、テレビその他報道でもですね、大変厳しい状況、博物館が悲鳴を上げているということは承知しています。特にやっぱりこれはウクライナの影響もこういうところに出てきているんだと思いますが、原因はいろんな資源が上がりまして、そういった点で博物館、美術館、その他の運営費、維持費ですね、冷房費を含めまして、こういうのが大変高騰していて厳しいんだと、こういうことでございます。それでクラウドファンディング自身に対しては今、記者の方がおっしゃったように大変ありがたいことだなと感謝申し上げたいと思いますが、いずれにせよ法人の、つまり博物館であり美術館であり、こういった法人の安定的な運営のために国から法人への予算措置のあり方についていろんな御意見を頂戴しております。独立行政法人は国の政策目的を実現するための実施機関として国から措置する運営費交付金とともに、自主財源も併せて活用しながら自主的、自立的な業務運営を行うということが求められているところであります。当省としましても必要な交付金を確保するとともに、法人が寄付をはじめとする自主的な予算獲得に努力されることを促進するということで、政策実現に向けて安定的な博物館運営がなされるように、引き続き取り組みたいというところでございますが、海外の博物館でもですね、大英博物館、そしてメトロポリタン、ニューヨークのですね、もそうだったと思いますが、やっぱり入口入ってすぐ寄付金箱のようなものもございますし、そのドネーション、寄付の文化というのはイギリスやアメリカはたぶん日本以上に定着しているんじゃないかなと思います。フランスなんかも、別にルーブルに限らずですね、いろんなところが力を入れているわけですから。そういったところもやっぱりお手本、参考にしながら、我が国の博物館というか文化芸術行政、どういうふうにしていくべきであるのか、これはやっぱりこれからしっかり考えていかないといけない、取り組んでいかないといけないということかと思います。ただ若干勇み足になるかもしれませんが、予算というのは結局その時点で何をどの程度大事であると考えて予算付けをしていくかという、プライオリティの順番みたいなものですからね、そんな中でこれまで文化芸術行政について日本は他の国より低いんじゃないか、力が入っていないんじゃないかと言われてもきているわけでございますから、そういうことも併せて何がどこまでできるかわかりませんですけれど、検討を進めていかないといけない大変重要な課題だと思います。観光の点でもというお話もありましたけど、もちろんインバウンドの外国人に対してうまく見せて理解を深めていただく、それも大事ですけど、やはりまずは我々国民の皆さんにですね、いろんなところがあるんだというのを見ていただき知っていただき、関心、御興味を深めていただく、それがまず大事なことじゃないかなと思っております。

(了)

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