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渡辺復興大臣退任記者会見録[令和5年9月13日]

令和5年9月13日(水)12:22~12:36 於)復興庁記者会見室

1.発言要旨

 先ほど、閣議におきまして総理に辞表を提出してまいりました。この機会に、改めて所感を申し上げたいと思います。

 昨年の12月27日、就任に際して岸田総理から「被災地に寄り添いながら、各省庁の縦割りを排し、現場主義に徹したきめ細かな対応により福島の本格的な復興・再生、東北の復興総仕上げに全力で取り組むように」という御指示をいただいたところであります。

 この御指示をいただいた上で、在任中は被災各県を25回訪問し、地域の方々からの御意見を伺いながら現場主義に徹底したところであります。この間に様々な取組を進めてまいりましたが、まずはALPS処理水に対する理解醸成や、被災地産水産物の風評払拭と魅力発信の推進、更には、特定復興再生拠点区域外の避難指示解除に向けた取組、「創造的復興の中核拠点」でありますエフレイの設立、東日本大震災からの復興政策10年の振り返り、海外への知見の共有、このような難しい課題についても可能な限り前進させてきたところであります。

 とりわけエフレイにおきましては、私が前回の復興大臣のときに提唱したものでありまして、今回、その設立に至ったことは非常に感慨深いものがございます。また、ALPS処理水に関しては、復興庁として、科学的根拠に基づいた正確な情報や三陸・常磐ものをはじめ、地域の魅力を国内外へ積極的に発信してまいりました。新大臣の下でも、これまでの取組を一層推進し、復興をさらに前に進められることを期待しております。

 今後とも復興庁が「現場主義」に徹底し、残された課題と向き合い、復興を加速していくことを期待するとともに、私自身、一政治家として被災地に寄り添い、復興が成し遂げられるよう、引き続き応援していく所存であります。

 報道関係者の皆様方におかれましても、在任中は大変お世話になりました。心より感謝を申し上げまして、所感とさせていただきます。ありがとうございました。

 

2.質疑応答

(問)非常にお疲れさまでございました。2点お伺いしたいと思います。1つ目は、今おっしゃっていただいた、いろいろな施策があったと思うのですが、一番御苦労されたことは何かということと、あと、次の復興大臣は、報道等では名前が挙がっています土屋先生がなられるということですが、どういうことを引き継いでいかれたいか、その2点をお願いします。

(答)ありがとうございます。今回、私が復興大臣として就任したのは、他の大臣に比べて約4か月ほど実際には少ない期間でありました。この期間をいかに取り戻すかということが、まず第一前提でありました。そのために、まず被災地にできるだけ訪問していく。前回、私、復興大臣を経験してございますので、各自治体の長とは面識がありました。その点は大変プラスでありました。

 そういった状況を踏まえながら、特に今回重要だと、苦労したというよりも、一番しっかりと取り組んでいかなければならないという課題は、やはりALPS処理水の問題であります。これは、特に漁協関係の皆様方にいかに理解してもらうか、大変重要な課題でありますので、私は漁協の皆様方と直にお話しさせていただき、理解醸成を深めていくように努力させていただいたところが、私が今回取り組んできた中の一番の問題であります。

 そして、新大臣に期待するところでありますが、新大臣も、やはり現場主義に徹していただきたい、そのように思っているところであります。被災地の状況を自分の目で、そして自分の耳で聞く、私はこれが一番復興大臣としての原点ではないかなと、そのように思っておりますので、まず現場主義に徹底していただいて、そして被災地や被災者に寄り添ながら復興を着実に進めていっていただきたい、そのように思っております。

(問)9か月ほどの期間、お疲れさまでございました。今回、2度目の登板ということになりましたが、前任者の更迭というところから引き継いで再登板という形になったかと思うのですが、1度目の復興大臣のときとの違いであったり、難しさと、まずは現地との信頼関係の回復といったところからのスタートだったと思うのですが、その辺りの苦労であったり、思いを聞かせていただけないでしょうか。

(答)前任者が途中で退任するという事態を受けての復興大臣就任ということであります。少なくとも被災地との関係において、4か月間で一生懸命信頼関係を築いてきた前任者でありますが、4か月では残念ながら信頼は勝ち取れないというふうに、私はその当時思っておりました。

 したがって、私自身は前回の復興大臣の経験を生かしながら、被災地の皆さん方に直接触れ合うことを最優先的に考えておりました。被災地の皆さん方に寄り添うということは、前回の復興大臣のときの信頼の上に立って、これから復興を成し遂げていこうということをお話しさせていただき、被災地の皆さん方、自治体の長の皆さん方は、この点については十分理解していただいたというふうに思っております。

(問)9か月間お疲れさまでした。先ほどの冒頭の御挨拶の部分の続きのところなのですが、残された課題というところをおっしゃっていただきましたが、後任の大臣に特にここは重点的に取り組んでほしいというような、課題の部分を教えていただければと思います。

(答)まず一点は、当然、ALPS処理水の対応であります。これは、やはり理解醸成をさらに進めていくことと、更には、三陸・常磐ものの魅力の発信をどのようにしていくか。そうすることによって、被災地の皆さん方の不安の払拭につながっていくだろうというふうに思っております。

 したがって、新大臣におかれましては、先ほども申し上げましたが、現場主義を徹底して、被災地の皆さん方の声を聞いていただく。これが大事だというふうに思っておりますので、しっかりとその点については新大臣のほうにはお伝えしたい、そのように思っております。

 更に、エフレイという新しい組織が4月1日に発足いたしました。これは少なくとも新しい福島を牽引する創造的復興の中核拠点であるというふうに位置付けられておりますので、このエフレイをしっかりとした形で推進していっていただきたい。これは正に福島復興に関わる一番重要な要素であるというふうに私自身感じておりますので、その点についても新大臣にしっかりとお伝えさせていただきたい、そのように思っております。

(問)9か月、お疲れさまでした。在任中を振り返ってみて、処理水の海洋放出、エフレイの設立、様々あったかと思うのですが、復興庁として、省庁を横断する復興の司令塔としての役割は果たせたと思うか、その辺を伺おうかなというのと、あと、大臣は会見の中で、よく、震災の教訓や継承は大事だというふうにおっしゃっていたのがすごく印象的だったのですが、新大臣にどのようにやっていっていただきたいかなど、その辺をお願いいたします。

(答)まず1点目でありますが、私自身は復興の現場を訪れていって、復興庁の役割というものを考えていったときに、被災地の皆さん方との連携がすごく大事であります。

 復興庁の役割というのは、省庁横断的な役割を担っていくわけでありますが、役割として、まず経済産業省や環境省、農水省、こういった役所が中心でありますが、特に地震・津波の地域においては国交省が役割を果たしてきたわけであります。そのような意味では、正に復興庁はそれぞれの役所横断的な役割を十分に果たしてきたと、私はそのように思っております。

 なかなかこういった組織は他の省庁ではありませんが、復興庁の職員は本当に情報を共有しておりますので、十分復興庁の役割は成し遂げてきたというふうに思っております。

 震災後、12年たちました。そこで様々な課題が生じているのですが、特に風化の問題です。12年たって、この東日本大震災のことをそのまま継承するということが、一般的に薄れてきたという認識は私もあります。したがって、これをいかに継承していくかということは大変重要な課題だということを私は思っておりまして。

 その中で、各被災地においては伝承館というのがございます。この伝承館を巡って、現場に行っていろいろな話を聞く、語り部の皆さん方から直接話を聞く、こういう機会が大変必要ではないかなと、そのように思っておりますので、今後は、例えば教育分野において、防災教育の一環として行っていただくとか、様々な対応ができるというふうに思いますが、風化に対してもしっかりと取り組んでいただきたいということで、新大臣にはお伝えしていきたい、そのように思っておりますし、私は一議員としても、風化防止のために被災地のそういった伝承館等を訪れていきたいな、そのように思っております。

 記者の皆さん、本当にありがとうございました。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

(以  上)

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