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令和5年8月29日(火曜日)
教育、科学技術・学術、その他

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自殺予防週間に向けた4大臣連名のメッセージ,グローバル人材育成のための「せかい×まなびプラン」の公表,中央教育審議会における「教師を取り巻く環境整備について緊急的に取り組むべき施策(提言)」について,認知症・脳神経科学の研究開発,東京電力福島第一原子力発電所の処理水放出に関連した、中国における日本人学校への嫌がらせ

永岡桂子文部科学大臣記者会見映像版

令和5年8月29日(火曜日)に行われた、永岡桂子文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和5年8月29日永岡桂子文部科学大臣記者会見

令和5年8月29日永岡桂子文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

永岡桂子文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 本日、私のほうから2件ございます。
 まず1件目でございます。9月10日から9月16日までは「自殺予防週間」となります。先日8月15日に、児童生徒や学生等の皆さんへ、私からメッセージを発信したところでございますが、本日、厚生労働省、そしてこども政策担当、孤独・孤立政策担当大臣(注)とともに、若い世代の皆さんに向けまして、改めてメッセージを発信いたします。先日もお伝えいたしましたけれども、悩みや不安を抱えていても、どうか一人で抱え込まずに、身近な人に話してみたり、身近な人に話しづらい時は、若い世代を対象としたSNSでの相談窓口もありますので、ぜひ利用をしてみてください。文部科学省といたしましても、自殺予防週間に先立ちまして、8月1日から、関係府省庁と連携をいたしまして、子供・若者の自殺防止に向けた取組を強化しておりますが、引き続きまして、児童生徒や学生等の命を守るための取組に全力を尽くしてまいります。
 2件目でございます。教育未来創造会議の第二次提言やG7富山・金沢教育大臣宣言を踏まえまして、この度、私の問題意識を基にですね、関係部署と意見交換を行いまして、「せかい×まなびのプラン」を取りまとめました。本プランでは、世界と日本・地域を結ぶ「大学」の国際拠点化の推進、そして産官学をあげました高校・大学段階の留学支援強化、そしてG7、ASEAN等重点地域との戦略的連携強化、それから国際頭脳循環の促進、戦略的な国際展開のための情報収集・留学生誘致機能強化、そして在外教育施設の機能強化、この六つを令和6年度概算要求の重点施策として掲げております。本プランを踏まえまして、必要な取組が実現できるように、来年度予算これをしっかりと確保してまいりたいと思っております。
 以上でございます。
(注)「孤独・孤立政策担当」は、正しくは「孤独・孤立対策担当」です。

記者)
 昨日、中教審の特別部会で教師を取り巻く環境整備について緊急的に取り組む施策の提言が大臣に手交されましたが、まずはこの提言について大臣の御所感をお願いいたします。また提言では改革の具体的な工程を示すことが求められていますが、具体的なスケジュールは現時点でどのようにお考えでしょうか。

大臣)
 昨日、中央教育審議会の「質の高い教師の確保特別部会」が開催されまして、「教師を取り巻く環境整備について緊急的に取り組むべき施策」について御提言をいただきました。この提言におきましては、子供たちへの教育の質の向上のための学校におけます働き方改革等につきまして、できることを直ちに行う、そういう考えのもとで、国、都道府県、そして市町村、各学校など、それぞれが主体的に取り組むべきであること、そして保護者や地域住民、企業など、社会全体が一丸となって課題に対応していくことの重要性について示されているところでございます。また、提言では、持続可能な勤務環境整備等のための国におけます予算の確保を求めております。具体的には、小学校高学年の教科担任制の強化ですとか、教員の業務支援員の全小・中学校への配置をはじめとした支援スタッフの配置の充実、そして主任手当や管理職手当の額の改善等の処遇改善等が盛り込まれておりまして、これらをですね、来年度の概算要求に反映をさせて、そしてしっかりと対応してまいりたいと思っております。本日、私が本部長を務めます「学校における働き方改革推進本部」を開催をいたしまして、早速ですね、本提言を踏まえた私からのメッセージを出す予定でございます。いただきました御提言の内容、これを速やかに実現をすることができますように、私自身が先頭に立ちまして取り組み、働き方改革、処遇の改善、学校の指導・運営体制の充実、これを一体的に進めてまいりたいと考えております。そしてスケジュールについてですが、今回の提言におきましては、来年度に向けて準備が必要なものは、今から計画的に取り組むとともにですね、今年度からできることは直ちに着手をするということが求められているものと承知をしております。このため、文部科学省といたしましても、先ほど申し上げましたけれども、本日、学校におけます働き方改革推進本部を開催をいたしまして、取組の加速化に向けて、私のほうからもメッセージをお示しする予定でございます。これとともにですね、来年度の概算要求におきまして、提言を踏まえ必要な経費というものをしっかりと盛り込む方向で最終調整をしております。また、6月に閣議決定をされました骨太方針2023では、2024年度から3年間を集中改革期間といたしまして、来年度から小学校の高学年の教科担任制の強化ですとか教員の業務支援員ですね、この小・中学校への配置拡大というものを速やかに進めること、そして2024年度中の給特法の改正案の国会提出の検討をすることなどが盛り込まれております。このような骨太の方針を踏まえまして、中央教育審議会におきまして、5月に諮問した事項につきまして、来年の春頃に一定の方向性を示すことを目途といたしまして、さらに議論を深めていくこととしております。今後の検討を踏まえながらですね、改革の具体的な工程を示すことになるとそう考えております。

記者)
 今、幹事社さんからの質問もあった中教審の提言についてなんですけれども、今、工程表とスケジュール感についてはこれから考えるというお話と、それから3年間の集中改革期間に取り組むというお話だったんですけれども、私はそれに関連して、集中期間が終わって工程が終わった時に教員を取り巻く環境がどのように変わっているのか、そのゴール設定をどういうふうにお考えなのかというのを伺いたいと思います。と申しますのは、昨日の中教審の審議でも将来環境がこれからよくなっていくんだという希望を学校の先生に持たせることが大事だという御指摘が複数の委員の方から出ています。やっぱりそのためにはゴールがどういうふうになるのか、例えば持ちコマ数の問題であったり勤務時間の問題であったり、それがどういうふうに、どんな感じになっているのかというゴールについて大臣のイメージを伺えないでしょうか。

大臣)
 昨日ですね、中央教育審議会の特別部会からいただきました提言では、今般の改革の目指すべき方向性といたしまして、一つ目に教師のこれまでの働き方を見直しをして、そして長時間勤務の是正を図ることで教師の健康を守ることということはございます。そしてもう一つは、高度専門職であります教師が新しい知識、そして技能等を学び続け、それからそれでこそですね、子供たちに対してより良い教育を行うことができるようにすることというものが示されたわけでございます。3年間の集中改革期間を通じまして、働き方改革、処遇の改善、そして学校の指導・運営体制の充実を一体的に進めることで、御提言いただいた方向性を達成いたしまして、そしてですね、教師が教師でなければできないことに全力投球できる環境の実現というものを目指してまいりたいと、そう考えております。

記者)
 まさに中教審の委員の皆さんからは教員が希望を持ている状態ということなんですが、3年終わった時に、今の大臣の御説明ですと一体的に改革を進めるのはわかるんですけど、例えば自分の勤務時間がどのくらい減ることになるんだろうとか、もしくは小学校の先生だったらば持ち時間が20時間くらいになって、自民党は20時間ということを示していますけれども、そうすると毎日1日1時間くらい空き時間が取れるとか、そうやって具体的なイメージがあると希望が持ちやすいと思うんですけれども、そうしたイメージというのは何かありますか。

大臣)
 中央教育審議会のほうには来年春頃に最終的な御意見というものをまとめていただくことになっております。今のところはですね、緊急的に御提言をいただいて、今やらなければいけない、またやるべきであるということをですね、御提言いただいたわけでございます。ですから具体的なことというのは今は少々お待ちいただければと思いますけれども、やはりですね、3年の集中期間が終わり、そしてですね、教師の方々が本当に教師でしかできない仕事、これをしっかりできるようにすることというのが今の考えとなっております。

記者)
 今の質問に引き続きになってしまう部分もあるんですけれども、ちょうど1年前の大臣の就任に伴う合同インタビューの際に伺った、採用試験の倍率低下への危機感だったりとか、教員の働き方改革に力を入れるとそこでもおっしゃっていました。おっしゃっている文言としては今も変わらずにおっしゃっている部分もあると思うんですけれども、この1年という節目であえて伺うんですけれども、大臣がおやりになりたいとおっしゃっていた取組、働き方改革を総合してですけれども、今、御自身この1年の取組をどう評価なさっているのか、改善は着実に進んできたという御認識なのか、1年の振り返りというのをちょっとお聞かせいただければと思います。あと前の質問にもちょっとかぶっちゃうかもしれないですけれども、この1年、改革の着地点をどこに見据えていらっしゃるのか、お気持ちの部分も含めてお聞かせいただければと思います。

大臣)
 昨年、私も着任をいたしまして、やはり学校の先生が本当になり手が少ないと、採用試験を受ける方々が少なくなっているという話、それからあとはやはり、これは学校のそれぞれの教育委員会で違うとは思いますけれども、やはり正規職員だけではなくて非正規職員が少なくなっているという話も伺っておりました。これはやはり文部科学省としてはですね、教育に関しましては日本の未来を育てる仕事であると、そういう私は認識がございますので、これはしっかりと対応しなければいけないと、そう思ってやってまいりました。私が着任しました時は学校の先生方のですね、働き方についての質問というものをそれぞれやっておりまして、非常にまだそれがまとまらない状態でございました。この春にですね、それが速報値が出まして、それでやはり何をしたらいいかということをしっかりと現実的に考えられるようになる時期になりまして、それをですね、中央教育審議会に諮問いたしたわけでございます。中教審のほうでもですね、一生懸命取り組んでいただいているわけでございますが、先生方の御意見等ですね、日々、会議の度にいただいているわけでございますので、そういう点で特に今回ですね、普通ですと来年までまとめということではなるわけではないわけですけれども、非常に重要だと、学校の先生の働き方改革等は重要だと、日本の未来を作るにあたって学校の先生がしっかりしていなければいけないし、またなり手が少ないということも問題でございましたので、そういう点で臨時的にですね、お話を取りまとめいただいたわけでございます。そこのところもですね、これの実態の、学校の先生の働き方の実態の非常に、非常に厳しいという状況を何とかして乗り越えていきたいと思って今おります。そして学校の先生になりたいというね、お子さんをはじめ、その方々をこれからどんどん増やしていけるような、そういう取組に最終的にはしたいと思っております。

記者)
 話題変わりまして、脳神経科学に関する取組について伺います。最近、エーザイの認知症薬のレカネマブの関連ですとか、健康・医療戦略推進会議などでも脳神経科学の研究開発について非常に注目が集まっていますけれども、文部科学省としては新年度予算の概算要求も含めてこのような脳神経科学の取組、研究などについてどのように進めていくのか教えていただけないでしょうか。

大臣)
 やはり超高齢社会時代を迎える我が国でございます。今回の認知症に関します脳神経疾患に対する予防治療薬、そのための研究開発というのは、文部科学省にとりましても大変重要な課題であると思っております。認知症等の脳神経疾患の発症・進行抑制・治療法の開発につきましては、やはり関係省庁と連携をいたしまして政府全体として取り組んでおります。先日25日にですね、内閣府の取りまとめのもとで、「認知症・脳神経疾患研究開発イニシアティブ」が公表されました。これらを踏まえまして、文部科学省といたしましては、令和6年度の概算要求におきまして、認知症の治療等に資する脳科学研究の推進に必要な経費というものはしっかりと盛り込む予定でございまして、具体的な内容を検討しているところでございます。今後とも、関係省庁と連携をしながらですね、脳神経疾患・精神疾患の克服に向けまして、脳神経研究、これをしっかりと推進してまいりたいと思っております。

記者)
 先日、東京電力福島第1原子力発電所の処理水の海洋放出が始まりましたが、中国国内で日本人学校への投石が行われているというような報道がなされていますが、文部科学省としての受け止めとか今後の対応などがありましたら教えてください。

大臣)
 24日木曜日以降ですね、中国におけます複数の日本人学校におきまして、石や卵が投げられるなどの事案が発生したとの報告を受けております。現在のところ、中国以外も含めまして、各校におきまして児童生徒及び教職員に被害が及んだとの連絡は来てはおりません。しかしながら、このような事案が発生したことは極めて遺憾でありまして、憂慮をしているところでございます。中国側に対しましては、政府として中国におけます在留日本人等の安全確保に万全を期することなどを強く求めております。文部科学省といたしましても、やはり関係機関と連携をしながら現地の情報収集や注意喚起を行うとともに、各校に対しまして、児童生徒及び教職員の安全確保を第一に対応して、そして速やかにですね、文部科学省に現地の状況及び学校の対応を報告するよう伝えております。また、学校における対応につきましては、在外公館と連携するように、伝えております。引き続きまして、各校及び外務省とですね連携をいたしまして、必要な対応を講じてまいりたいと思っております。

(了)

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