復興庁・新着情報

渡辺復興大臣記者会見録[令和5年8月8日]

令和5年8月8日(火)15:26~15:38 於)福島県漁業協同組合連合会(本所)1階 研修室

1.発言要旨

 先ほど、野﨑連合会会長をはじめとします、福島県漁業協同組合連合会の方々と意見交換をしてまいりました。

 意見交換の場では、まずこちらからALPS処理水の海洋放出について、IAEA包括報告書において人体や環境への影響が無視できるとの結論が示されたこと、IAEAは放出後も安全性確保にコミットしていることを説明した上で、我が国に対する諸外国・地域の食品等の輸入規制の動向や早期規制撤廃等に向けての取組、また、風評影響の払拭に向けて流通関係者、消費者、観光関係者に対する科学的根拠に基づいた正確な情報発信や「三陸・常磐もの」の魅力発信についての取組、水産業者や加工業者への支援の取組など、政府の取組について説明させていただいたところでございます。

 先方からは次のような発言がございました。廃炉の完遂と、そのときに漁業が存続しているようにすること。安全性は分かるが、20年を超える安全性を守ることができるのか 。想定外という言葉は聞きたくない。仲介業者をはじめ、漁業・水産業には様々な関係者がいて、その全てを守る必要がある。風評を100%出さないでほしい。発災以来12年間、復興庁が支援をしてきていることに感謝している。本件への対応についても、復興庁には大変期待している。そのことによって日本が世界から評価されるようなものになってほしいという、このような発言がございました。

 引き続き現場主義を徹底して、地元の方々の声をしっかりと受け止めながら、関係省庁とも連携し、検討して、政府一丸となって被災地の復興に向けて全力で取り組んでまいりたいと思います。

 私のほうからは以上でございます。

 

2.質疑応答

(問)政府では、月内にも処理水の放出に向けて、今、調整を進めているところですが、野﨑会長との意見交換で漁業者との理解というのは深まったというふうに、あるいは理解の進展具合というのはどのように感じておられるでしょうか。

(答)基本的に、処理水の放出の時期については、全く白紙でございます。私どもは、まだいつ放出というようなことは決めておりませんし、私自身も、今大事なことは理解醸成をいかに深めていくかということにあるというふうに思っているところでありまして、今回、野﨑会長との意見交換、こういったことを重ねることによって理解はさらに深まっていくだろうというふうに思っております。

 様々な関係機関においても、理解醸成はこれからも深めていく必要があるというふうに考えております。

(問)処理水の放出時期についての質問は出なかったのですか。本日は出ていなかったのですか。

(答)出ておりません。

(問)今日の話し合いで大臣自身は、理解というのは深まったかどうか、そこに限定してお話ししていただければと思うのですが。

(答)理解が深まるかどうかというのは、相手の考え方だと私は思っております。理解が深まるように私たちは努力することが大変重要だということで、今、私たちに与えられているのは、いかに理解醸成を深めていくかの努力をしていくことにあるというふうに思っているところであります。今回、私は漁連の皆様方と様々な意見交換をさせていただいた、こういうことの積み重ねということが大変重要だというふうに思っております。

(問)大臣は、安倍内閣で2018年に最初の復興大臣を拝命されて、5年のスパンで処理水を巡る漁業者の方々の動向というのをご覧になっていると思うのですが、5年前に比べると随分と違う状況にはあるというふうにお感じになりましたか。

(答)新しいステージに来ているというふうに私は思っています。12年間たって、その間、私も前回の復興大臣のときは、今回のようにALPS処理水の放出という問題はありませんでした。したがって、復興をどのように成し遂げていくかということを重点で対応してきたわけでありますが、今回はALPS処理水の海洋放出という新たなことのステージに行くわけでありますので、この部分については漁業者の皆さん方の意見というのは大変重要だというふうに思っておりますし、漁業者のみならず、漁業者の皆様方が安心してご商売できるような、なりわいができるような環境をつくっていくことが本当に大事だというふうに感じているところであります。

(問)中国、香港の輸入規制について、これを止めることができるのかどうか、現段階での状況について大臣の見解を教えてほしいと思います。私は別に香港、中国の規制が正しいものとは全く思っていませんが、これを防げないまま処理水というものを流すことで、漁業関係者、加工業者も含めて不安はかなり強いと思うのですが、規制と放出時期の関係について、大臣のお考えを教えてください。

(答)まず、中国、香港の輸入規制についてということでありますが、日本産に対する輸入規制に関して現在、香港、中国は全品の通関の手続をしているので、かなり遅延しているということは、私自身も認識しているところであります。復興庁として、考え方としては、まずは少なくとも政府一丸となって、特に外務省を中心として、科学的根拠に基づいてしっかりと対応していくこと、これが大変重要だというふうに思っておりますので、まずその点を外務省として対応していただきたいというふうに思います。

次に中国、香港が現状のままでありながら、放出をしたときに漁業者の皆さん方が大変不安を覚えるのではないかというお話でありますが、この点については、やはりしっかりと漁業者の皆さん方を支援していく、これが我々の基本的な立場であります。復興庁としては、まさに被災されたこの地域の復興を最優先に考えていくわけでありまして、そのための漁業者の皆さん方への支援というのは大事な要素だというふうに思っております。

(問)中国、香港の規制はコントロールできるものなのですか。

(答)コントロール?

(問)それを撤廃できるものなのかということです。

(答)私自身ですか?これは、よく私は分かりません。少なくとも国際的な基準からいうならば、IAEAの国際基準は、まさに安全性が合致されているということを言っているわけでありますので、この部分は、中国、香港以外の国はかなり理解していただいているというふうに思っております。EUをはじめとしまして、西側のほうは、新たに規制の撤廃をしているということもありますので、この部分は世界的に評価していただいているのではないかなと、そのように思っております。

(問)これまで、経産大臣を含めて何度かこの場に立ち会わせていただきましたが、政府の方々のお話、理解醸成等の内容については繰り返しのお話のような印象があります。今後、放出に向けて具体的に新たに取り組むようなことについて教えていただけますか。理解醸成を海外・日本の漁業者を含めて深めるための具体的な新たな取組を教えてください。

(答)新たな取組についてということでよろしいですか。

(問)はい。

(答)少なくとも、私どもの対応は、今は多くの関係団体に理解を深めていくことが大事であります。そのための対応として、例えばマスコミの皆さん方に宣伝したりして、広告したり、又はテレビやネットで、こういった安全性について理解していただくような環境を整えていく、こういったことを進めてまいりたいというふうに思っております。

 このように、今の段階では理解醸成という、ありとあらゆる分野において、我々は理解が深まるような対策として広報・宣伝に尽力していきたいというのが復興庁として特に考えているところでございます。

(以  上)

    発信元サイトへ