経産省・新着情報

2023年6月27日(火曜日)
11時58分~12時12分
於:本館10F記者会見室

冒頭発言

お待たせいたしました。
私から冒頭5点申し上げます。

経済産業省幹部人事

まず本日、経済産業省幹部の人事異動について、閣議で承認を頂きました。発令は7月4日となります。
まず、2年間にわたって、私を含む歴代大臣を事務方トップとして支えてこられた多田事務次官の後任に、GX推進法の総括責任者であって、経済産業政策の新機軸を牽引してきた飯田祐二経済産業政策局長、角野中小企業庁長官の後任には、須藤内閣府福島原子力事故処理調整総括官を登用いたします。
また、平井経済産業審議官の後任に、エネルギー分野をはじめ、国際的な経験と人脈の豊富な保坂資源エネルギー庁長官を登用いたします。
通商政策、GX推進法の詳細な制度設計、半導体、蓄電池戦略といった様々な重要施策の継続性、それから大阪・関西万博の開催準備、さらには、先般成立した知財関連法案、そして経済安保法の非公開特許などに万全を期していく観点から、以下のような人事であります。
松尾通商政策局長、畠山産業技術環境局長、野原商務情報政策局長、茂木商務・サービス審議官、濱野特許庁長官など、関係幹部を留任させます。加えて、省内の組織経営改革の継続性も重視して、藤木大臣官房長についても留任をさせます。
また今後、成長戦略の大きな課題となります産業構造転換の円滑化、また、スタートアップ支援の強化のため、カーボンニュートラルへの主要製造業の取組を主導してきた山下製造産業局長を経済産業政策局長に登用するとともに、吾郷スタートアップ創出推進政策統括調整官を局長級の地域経済産業審議官に登用し、首席の統括調整官を兼務させます。
あわせて、地域産業政策と中小企業政策の連携の観点から、須藤中小企業庁長官に地域経済産業グループ長も兼任をさせます。
また、ALPS処理水の海洋放出をはじめとする福島復興再生に万全を期すため、この分野に豊富な経験を有します新居総括審議官兼地域経済産業グループ長を、内閣府福島原子力事故処理調整総括官に登用するとともに、片岡福島復興推進グループ長を留任させます。
さらに、地方で、また省外で活躍してきた人材を活用していく方針でありますので、その観点から伊吹近畿経済産業局長を製造産業局長に、また村瀬内閣府政策統括官を資源エネルギー庁長官に、それぞれ登用いたします。
その他は配付資料のとおりであります。龍崎大臣官房審議官を政策立案総括審議官に抜擢をいたします。また、平成入省の若手を重要局長ポストに多く抜擢をしております。政策の継続性と新陳代謝の両立を図っていきたいと思います。
これからも一人一人の職員の専門性も重視をしながら、年次や職種にとらわれない、適材適所の人事を行っていきたいと思います。
最後になりますけれども、今回勇退することになります多田事務次官、平井経済産業審議官、角野中小企業庁長官及び小澤資源エネルギー庁次長には、長年にわたる公務への貢献に感謝を申し上げたいと思います。私が経産省職員の頃にも一緒に仕事をしていた仲間でありますが、改めて感謝したいと思います。

資源エネルギー庁組織見直し

それから2点目、経済産業省組織令を改正いたしまして、水素・アンモニア政策の一体的な推進など、GXを推進する体制を整備いたします。具体的には、資源エネルギー庁の省エネルギー・新エネルギー部に水素及びアンモニアに特化して需要と供給の両面で政策を担う水素・アンモニア課を新設いたします。
また、資源・燃料部において、従来の石油、天然ガスに加え、非化石燃料を含めた政策を推進するべく、国内外の上流開発を推進する資源開発課、それから国内の供給体制を整備する燃料供給基盤整備課、そしてCCSやカーボンリサイクルなどを推進する燃料環境適合利用推進課、を新設するなど、GX推進に万全を期していきたいと思います。
私は1985年、昭和60年にこの資源エネルギー庁石油部計画課に入りました。その石油という名前も、天然ガスという名前も、石炭という名前も、今回この資源エネルギー庁、経産省からは、課の名前としてはなくなることになります。時代の大きな変化を感じているところでありますし、新しい時代に向けてエネルギー政策をしっかりと推進していきたいと決意を新たにしているところであります。

韓国向け輸出管理

3点目、外為法に基づきます輸出貿易管理令別表第3の国に韓国を追加する政令改正案につきまして、本日6月27日付で閣議決定を行いました。6月30日付で交付、7月21日付で施行いたします。
今回の改正に先立ちまして、韓国とは4月に合計8日間、38時間にわたり政策対話を実施いたしました。その中では、韓国の輸出管理の現場にも訪問して、韓国の輸出管理の体制、制度及び運用の状況、さらにはそれらの実効性について厳格な検証を行ったところであります。韓国との間では、今後とも双方の制度又は運用全般に関し政策対話を継続し、必要に応じて制度又は運用の見直しを含め、適切な対応を講ずるフォローアップの枠組みについても合意をいたしました。この枠組みを担保する覚書を締結し、今後仮に韓国から第三国への不適切な輸出が確認されるなどの問題が生じた場合には、韓国に対して適切な対応を求めていきたいと考えております。
今回の改正案につきましては、4月28日から5月31日まで34日間にわたり、パブリックコメントを実施いたしました。パブリックコメントでは、第三国への流出懸念や検証が不十分であること、輸出管理以外の日韓間の懸案などを理由として、国カテゴリーの見直しを行うべきではないとする御意見があった一方で、韓国の輸出管理が改善された、日韓ないし日米間の連携を図るべきことなどを理由として、韓国を別表第3の国に追記すべきとする御意見も頂きました。
この反対意見についてですが、第三国への流出懸念や検証が不十分であるとの反対意見につきましては、政策対話での厳しい検証、その結果をもって同国で十分な対応策が講じられていることを確認しております。また、国カテゴリーの取扱いと輸出管理以外の懸案を関係づける意見につきましては、両者は峻別して考えるべき課題であると考えております。頂いた御意見につきましては、これらの精査を行った結果、今般の見直しの方向性について特段の修正の必要性は認められないと判断をいたしました。
当省としては、先ほど申し上げましたとおり、韓国との間で合意したフォローアップの枠組みの下で、改正後の制度が適切に運用されるよう取り組んでいきたいと思います。
我が国としては今後とも韓国を含め、同盟国、同志国と連携しつつ、厳格な輸出管理を通じて国際的な平和及び安全の維持に貢献をしてまいりたいと考えております。
なお、本件につきましては、後ほど事務方からブリーフィングをさせていただきます。

GX実行会議

4点目、本日、第6回のGX実行会議が開催されました。先月、GX推進法及びGX脱炭素電源法が国会で成立をしたところであります。これを受けて、我が国のGX実現に向けた成長志向型カーボンプライシング構想などの新たな政策を実行段階に移してまいります。本日の会議では私から各国の関連政策やその動向に加え、今回実現したGX経済移行債について、世界で前例のない国によるトランジションボンドとしての発行や、それを財源とした20兆円規模の投資促進策など、新たな政策の内容と今後の実行に向けた課題などを説明いたしました。構成員の皆様からは、速やかに実行段階に入るべき、前例にとらわれず世界に遜色のない施策を打っていくべき、またトランジション・ファイナンスの重要性などについて御意見を頂きました。本日の議論を踏まえ速やかに施策を進めていきたいと考えております。
会議の詳細については、後ほど事務方から説明させます。

ALPS処理水

5点目であります。ALPS処理水放出設備についてであります。本年度第1四半期中の工事完了を目標に進めてまいりましたが、昨日26日に、シールドマシンの撤去など、必要な作業が終了したところであります。並行して実施をしている試験運転を経て、本日工事完了となる見込みと聞いております。引き続き安全性の確保に緊張感を持って対応していただきたいと考えております。
本年1月のALPS関係閣僚会議におきまして、このALPS処理水の海洋放出の時期は、海洋放出設備工事の完了、それから工事後の原子力規制委員会による使用前検査、それからIAEAの包括的報告書の発出などを経て、本年春から夏頃に海洋放出を開始することを見込むとお示しをしているところであります。
工事が本日完了となる見込み、そして原子力規制委員会の使用前検査も、順調にいけば28日から行われると聞いております。IAEAの報告書も、そう遠くない将来発出されるものと思いますので、引き続きこの安全性の確保や風評対策に万全を期すとともに、利用者の方々など地元を始めとする皆様に丁寧に説明をし、意思疎通を密にしながら、繰り返し更に丁寧に説明も重ねていきたいと考えております。
私からは以上です。

質疑応答

JSR

Q: 昨日、産業革新投資機構が半導体素材を手がけるJSRを買収すると発表しました。今回のその買収についての受け止めと、また、国内の半導体産業の国際競争力強化の考え方について大臣の見解をお伺いしたく存じます。よろしくお願いします。

A: 今回、産業革新投資機構(JIC)が中心となって、JSR株式会社を非公開化し、構造改革や業界再編を進める体制を整備していくと、こういう方針は聞いて承知をしているます。
個別の投資判断はJICが行うものですけれども、本件は、今後の産業競争力の核となる先端半導体の開発・生産能力の鍵となる半導体材料について、その中核を担うJSRを中心に構造改革や事業再編を進め、半導体材料分野の国際競争力を高めるものである。我が国の産業競争力の強化に向けて極めて重要な取組であると認識をしております。
御案内のように、JSRは極めて高い技術力を有しておりまして、フォトレジストについては世界で日本が90%のシェアを持っている中で、JSRは中核企業の一つであります。半導体材料の総合メーカーとして、様々な開発・生産に向けてソリューションを提供していける企業であると認識をしております。

アルバニーあるいはアイメックとも連携をしております。そうした中で、今後、この半導体材料分野での日本の競争力を高めていく重要な取組であると理解をしています。

以上

最終更新日:2023年6月28日

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