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プレスリリース

海洋環境の変化に対応した漁業の在り方に関する検討会の取りまとめについて

令和5年6月7日
農林水産省

海洋環境の変化を要因として、イカ、サンマ、サケや地域における主要な魚種の不漁が継続する一方、これまで漁獲されていなかった魚種の増加も見られる中、このような海洋環境の変化に対応し、漁業経営の安定を図るためには、適切な資源管理の推進に併せて資源の変動を踏まえた漁獲対象魚種の変更など最適な操業形態への転換を実現していくことが必要です。
こうした状況を踏まえて、資源変動に対応した適切な漁業経営・操業の在り方や当面の対応策について検討するために、令和5年3月から5月にかけて「海洋環境の変化に対応した漁業の在り方に関する検討会」を5回開催し、対応の方向性について取りまとめを行いました。

1.取りまとめの概要

本検討会で取りまとめられた対応の方向性は、以下のとおりです。

(1)資源調査・評価の充実・高度化
(ア) 資源評価等に関する米国等関係国との情報交換の促進
(イ) 詳細な海洋環境データや漁業データの収集のための新たな機器の活用や漁船活用型調査の実施等調査手段の充実
(ウ) 水産資源の分布・回遊や生態に関する情報収集の強化、藻場・干潟の調査推進など調査・評価内容の充実
(エ) 漁業者への科学的情報の迅速な伝達と、漁業者からの情報の丁寧な聞き取りなど対話の促進


(2)漁法や漁獲対象魚種の複合化・転換
(ア) 海洋環境の変化による資源変動に対応した漁法・魚種の追加・転換、サケに依拠する定置の操業転換、養殖業との兼業化・転換などの推進
(イ) 大臣許可漁業のIQの運用方法など複合化等に向けた制度面の対応の検討
(ウ) 試験研究機関による収益性の実証や、スマート技術の活用促進など経営形態の変更を後押しする取組の推進


(3)養殖業との兼業化・転換
(ア) 魚粉の国産化や低魚粉飼料の開発等の飼料対策
(イ) 人工種苗の普及推進等の種苗の確保
(ウ) ニーズやコストを踏まえた兼業先・転換先の選択
(エ) 既存の養殖業の生産性向上
(オ) 養殖業の輸出・国内流通対策


(4)魚種の変更・拡大に対応し得る加工・流通
(ア) スマート技術による流通の効率化や、資源状況の良い魚種への加工原材料の転換等の推進
(イ) 水産エコラベルの取組等の推進や輸出先国のニーズに対応したサプライチェーンの構築による新たな魚種も含めた輸出対策の強化
(ウ) 資源管理や環境に配慮した漁業への消費者理解の増進


(5)複合化等の取組を行う経営体の確保・育成等
(ア) 複合化等に取り組む漁業者をサポートする体制や仕組みの整備
(イ) 必要な知識・技能の習得促進等による人材の確保・育成
(ウ) 複合化等をサポートする漁協の体制の強化・充実

2.添付資料

〇取りまとめ概要(PDF : 1,685KB)
      本文(PDF : 311KB)

3.参考

<検討会URL>
海洋環境の変化に対応した漁業の在り方に関する検討会:水産庁 (maff.go.jp)

お問合せ先

漁政部企画課

担当者:山本、小山、明永
代表:03-3502-8111(内線6576)
ダイヤルイン:03-6744-2343


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