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西村大臣閣議後記者会見録 (令和5年6月2日(金)10:01~10:17 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 本日は冒頭2件、お話をさせていただきたいと思います。
 1点目が中間貯蔵・環境安全事業株式会社の人事についてでございます。中間貯蔵・環境安全事業株式会社の代表取締役社長 小林正明氏が、6月22日開催予定の株主総会をもって任期満了となり、退任される予定であります。
 その後任として、同社で設置された第三者委員会において適任と判断された、鎌形浩史氏を充てることについて、本日の閣議で了解が得られましたので、御報告を申し上げます。今後、株主総会と、取締役会の決議を経て、6月22日に正式に認可される予定です。
 もう一つが、環境月間についてでございます。今月6月は環境月間、そして来週の5日は環境の日であります。
 環境省では、国民の皆様に広く環境の保全について理解を深めていただき、積極的に環境の保全に関する活動に取り組んでいただけるように、環境月間の期間中、様々なメディアの皆様と連携した広報活動を実施してまいります。
 今年度は、主に若い世代の皆さんをターゲットにして、SNSやWebメディア、ラジオなどを利用して、脱炭素、熱中症対策、生物多様性、食品ロスなどについて広報を行ってまいります。
 特に、今年度は、脱炭素に向けた個人の行動をテーマにしたダンスを作成、公開して、吉本興業様の芸人の皆さんにも協力いただきながら、YouTube等で展開することによって、ダンスを楽しみながら、環境を意識するきっかけをつくってまいりたいと考えています。
 ダンス動画は、6月5日に公開予定であります。報道機関の皆様におかれましても、環境月間期間中に、是非様々な形で、環境問題に関する理解向上に御協力いただけますよう、よろしくお願いを申し上げます。冒頭は以上でございます。
 

2.質疑応答

(記者)幹事社の共同通信藤原です。よろしくお願いします。環境月間についてお伺いします。環境月間、今回、今年は若者をターゲットにするということですけれども、この内容の狙いとか、そのターゲットを若者にした狙いを教えてもらってもいいでしょうか。お願いします。
(大臣)これまでの環境月間というのは、主に「エコライフフェア」と呼ばれるイベントの参加者への啓発等を中心に行ってきたわけでございますが、SNSなど、近年国民の情報収集手段が変化してきているのに合わせて、昨年より、メディア、ラジオ、YouTube等を活用した情報発信によって、比較的環境への関心が低い層にも情報が届くようにというふうに変更してきております。
 特に18歳から29歳という、いわゆる若年層は、近年実施した世論調査におきましても、他の年齢層に比べて、地球環境問題や、プラスチック問題への関心が低いという結果が出てきております。まさに未来を担う若者の皆様に、環境問題を考えるきっかけを提供することが重要であるというふうに考えておりまして、今年度の環境月間では、主に若者をターゲットにした企画を実施することにしてきたわけでございます。
 
(記者)朝日新聞の市野です。現在パリで会議が続いている、国際的なプラスチック汚染に対する条約についてお伺いいたします。この交渉に先立ちまして、政府は26日に、プラスチック汚染に関する高野心連合(HAC)への参加を表明しております。この狙いであるとか意義を教えてください。
(大臣)我が国はプラスチックのいわゆる大量消費国、そして排出国を含む、できるだけ多くの国が参加する、実効的かつ進歩的な条約の策定、こういったものを目指しまして、第2回の政府間交渉委員会、INC2においても、議論をまさにリードしているところでございます。
 4月に開催されましたG7の気候・エネルギー・環境大臣会合では、2040年までに、追加的なプラスチック汚染をゼロにするという高い野心を掲げて、議長国として合意に導いたわけでございますが、先般の広島サミットにおいても、この野心について首脳間で共有したというふうに承知しております。
 この野心的な条約策定を目指す有志連合でありますHACは、我が国が引き続き条約交渉をリードしていくとともに、HACの中においても日本の立場というものをしっかりと主張して、可能な限り反映していく。こうした観点からも重要なものであるというふうに考えて、今回参加を決定したということでございます。
(記者)HACに関してはですね、例えばプラスチックに関して、上流での生産規制という形を支持していますけども、一方で、日本が既に条約交渉において提出している意見書の中では、そこまでは求めていないという形で、この見解に差があるように見えるのですが、この差についてはどのように考えておられるのか教えてください。
(大臣)HACは日本を含むいわゆる参加国が、それぞれ様々な考えといったものを持っている中で、今後の議論においても、こうした多様な考えを踏まえて、各国間で協力していくこと、これを前提としていると承知しております。
 日本に関しまして、ライフサイクル全体において、プラスチックによる環境汚染を抑制すべきであるという主張を行ってきております。このライフサイクル・アプローチ、これを大前提として、生産、消費の段階に求められる取組を、各加盟国の実情に合わせて実施していくべきものだというふうに考えておりまして、これを踏まえない一律の生産規制を支持するものではありません。
条約交渉におきましては、日本の立場や考えを丁寧に説明して、実効的な条約の策定に向けて、議論をリードしてまいりたいというふうに考えています。
(記者)ありがとうございました。改めてなんですけども、そういった中で、日本であったりとか、あるいは欧州との意見の相違というものがある中で、今回の条約交渉において、日本が主導したいとか果たしたい役割というものをどのように考えておられるか、改めて教えてください。
(大臣)追加的なプラスチック汚染、これを低減させていく、この大目標を地球、世界全体において達成していきたいというふうに考えておりますので、そうした中でこれまでの他の条約交渉においても、それぞれの国の実情、そしてまた考えといったものをしっかり踏まえながら、様々、G7においてもそうでしたけれど、考えを取りまとめてきたわけでございます。
 このHACにおいて、先ほど御指摘のあったものが冒頭出ていたのを承知しておりますけれども、こちらの策定というのをこれからしっかりやっていくわけでございますので、そうした中で日本もその中に入って、日本の考え、そして多様な各国の考え、それを踏まえながら実効性のある条約というものをまとめてまいりたいというふうに考えております。
 
(記者)河北新報の馬場と申します。今日、改正福島復興特措法が成立する見通しとなっていますけれども、復興拠点外の住民の帰還に向けて、環境省としてどう取り組んでいくかということをお伺いします。
(大臣)復興拠点外の、特定帰還居住区域についてですね。それに関しましては、しっかりと除染、また、地域の皆様の声というのが、様々、状況に応じていろんな御意見を逐次いただいております。そうしたものを踏まえながら、しっかり除染をしながら、帰還されたいという皆様が、安心して戻ってこられて、そして居住できるような、そういったことを今環境省としてもですね、まさに住民の皆様に寄り添いながら考えてきているところでございます。
 
(記者)毎日新聞の岡田です。昨日ですね、改正外来生物法の施行で、アメリカザリガニとアカミミガメの規制が始まりましたけど、初日を終えて、トラブルとか違反とかですね、報告は上がっていないか教えてください。
(大臣)現在のところ、私のほうにはそういったトラブルが起きたということの報告はございません。
 これまでも繰り返し申し上げてきましたけれども、こういった特定外来生物が、日本の生態系に及ぼす影響といったものを、ともかく広く国民の皆様に周知して、理解していただく。そして、一緒にこの生物多様性といったものを考えていける、そういったものが今回の目的でございます。
 今、御指摘のあったようなですね、売買であったりとか、放したりとかいう話は現在のところはまだ聞いておりませんけれど、もしそのような事実があった場合でもですね、しっかりと、この本来の、今申し上げたような趣旨を理解いただけるように丁寧に周知広報をしっかりやってまいりたいというふうに考えています。
 
(記者)エネルギーと環境エネルギージャーナル社の清水です。国交省の動きに関連して環境省のスタンスを伺います。
 2030年までの国土利用の在り方というものを、先日国交省の審議会がアウトプットしました。これに、環境省も30 by 30とか、あるいは脱炭素地域づくりとか、そういうものの考え方をインプットしているようですが、国土の今後の土地利用を含めた活用の在り方では、極めて重要な問題だと思います。どうでしょうか。環境省として、そういう地域循環共生圏構想とか、あるいはもちろん脱炭素地域の実現とかをやっていますけれども、大臣としての基本的な国土利用の在り方に対する考え方というのがあったら1点、教えてください。
(大臣)まず、国土を活用して経済的に発展していくということは重要なことだと思いますし、ただ、これまでそういったものが中心に我が国が行われてきた。しかしながら、この地球環境問題ということを日本国民全体が共有して、しっかり自然を守り、今御指摘のあった30 by 30も含めたですね、地域、陸域、海域を守っていこうという考えが、今、国としても方針として定まっているわけでございます。
 そうしたものをしっかり守っていく。そして、いい意味での活用が図られていくという両輪がうまく回っていくようにしていかなければなりません。今、御指摘のあった国土交通省のみならず、農林水産省、林野庁、こういったところとも今連携をしながら、自然環境を守りつつ、そして、国立公園満喫プロジェクトではないですけれども、よい意味での活用を図って、それが地域の活性化につながるような、そういったWin-Winの関係、これが形づくられるように、これは省庁連携しながら今やっているところでございます。
(記者)1点だけ具体的な話なのですが、これに関連して、リニア中央新幹線の大阪までの延伸というのを強く打ち出しています。一極集中の解消とか、あるいはそういうインターネットなんかの普及で、働き方、生活の在り方も変わってきているのに、リニア中央新幹線が必要だという必要論の一色のようですけども、これについては大臣、どうお考えですか。静岡なんかも自然環境の観点から反対という方針もあるようでしたけれども、どうですか。
(大臣)リニアに関しましては、それが必要かどうかという話は環境大臣として申し上げることは控えさせていただきたいと思いますが、その上で、先ほど申し上げたように、日本全体の将来に対しての経済的な発展、そしてまた地域の振興といったものは考えていかなければならないだろうと思っておりますし、今お話のあった自然環境の話がございます。こういったいろいろな御指摘に関しましては、環境省として環境アセス、環境影響評価を含めてですね、しっかりと自然環境が保持できるような意見というのは申し上げていきたいというふうに思っています。
 
会見動画は以下にございます。
https://www.youtube.com/watch?v=Z_wys4gkjoI&list=PL9Gx55DGS7x6EKIxL2xudMsVk4iNBVPnE 
 

(以上)

 
 

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