厚労省・新着情報

(令和5年6月2日(金)10:41~11:01 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
 2点申し上げます。医療DXの推進に関する工程表について本日の閣議後、第2回医療DX推進本部が開催され、医療DXの推進に関する工程表が取りまとめられました。医療DXについては医療分野でのデジタルトランスフォーメンションを通じて、国民の皆様が切れ目なくより質の高い医療を受けることが可能となるなど我が国の医療の将来を大きく切り拓いていくものであります。今後とも国民の皆様のご理解をいただきながら、医療界や産業界とも一丸となり医療DXの実現に向けてしっかりと取り組んでいきたいと考えております。
 2点目ですが、マイナンバーカードを活用するサービスについては関係省庁が連携して国民の皆様の信頼を確保すべく対応をしているところです。マイナンバー総合フリーダイヤル0120-95-0178にお問い合わせいただければ、マイナンバーカードに関する国民の皆様からのお問い合わせに適切に対応できるよう、改めて各省庁間での連携を徹底させていただきました。厚生労働省だけではなくデジタル庁と総務省のホームページにおいても周知を行っております。今後とも国民の皆様がマイナンバーカードの健康保険証としてのご利用に当たってご安心いただけるよう、引き続き必要な対応に取り組んでまいります。私からは以上です。

質疑

記者:
少子化対策に関してお伺いします。昨日のこども未来戦略会議ではこども未来戦略方針の素案が示されました。素案では児童手当の拡充など3月のたたき台からより具体的な対策が盛り込まれています。少子化に歯止めがかからない中でこういった対策を行う意義について改めて大臣のお考えをお聞かせください。また財源については年末までに結論を得るとしましたが、今後厚労省としてどのように関わっていきたいかについてもお聞かせください。
大臣:
まず昨日開催されましたこども未来戦略会議において示されたこども未来戦略方針案には、厚生労働省の関係でも出産費用等の経済的負担の軽減、障害児や困難な問題を抱える女性への支援、育児期を通じた柔軟な働き方の推進など様々な内容が盛り込まれております。特に長時間労働の是正などを進め夫婦ともに育児・家事に参画できるようにすることは大変重要であり、今後とも働き方改革の取組を強力に推進していきたいと考えております。こども・子育て支援の推進により少子化・人口減少の流れに歯止めをかけることは社会保障そのものの持続可能性をより高めることにも繋がるものであります。厚生労働省としてもこども家庭庁など関係省庁と連携しながらこども・子育て支援の一層の充実に努めていきたいと考えております。またこども未来戦略方針案においては今後3年間の集中取組期間において実施すべき加速化プランの内容に加え、将来的なこども・子育て予算の倍増に向けた大枠が示されるとともに、今後戦略方針の具体化を進め年末までに「戦略」を策定する旨が盛り込まれております。まずは引き続きこども未来戦略方針の取りまとめに向けて丁寧な議論が進んでいくものと考えております。
記者:
人口動態統計の速報値によると、今年1月から3月の出生数は前年同期比で5.1%減となり少子化に歯止めがかかっておりません。近く外国人を除いた2022年の概数も発表されますが77万人前後になる見通しとされています。改めて深刻化する少子化への受け止めと原因、対策についてお聞かせください。
大臣:
まず外国人なども含めた人口動態統計速報値でみますと、出生数は令和4年の1年間で79万9,728人、令和5年1月から3月の動向をみますと対前年同期比ではマイナス5.1%となっています。また婚姻数は令和4年の1年間で3年ぶりに増加したものの、令和5年の1月から3月の対前年同月比ではマイナス14.2%となっており、婚姻数の動向も含めて注視していく必要があると考えております。減少の理由については出生数は昨年の減少傾向と同水準であることから、コロナ禍以前からの中期的な減少傾向に加えて婚姻数が減少したことなどもコロナによる影響が考えられると認識しております。また少子化そのものの背景については個々人の結婚や出産、子育ての希望の実現を阻む様々な要因などが複雑に絡み合っており、その中で感染症の流行が結婚行動や妊娠活動に少なからず影響を及ぼした可能性もあるものと考えております。こども・子育て政策の推進はまさに我が国の社会機能の維持にも関わる待ったなしの課題であります。昨日まさにこども未来戦略会議において、こども未来戦略方針の素案が提示されました。更に引き続き議論していくとともに、こども・子育て支援の一層の充実に努めていきたいと考えております。
記者:
こどもの付添い入院に関連し、昨日NPO法人が全国アンケートの結果を公表しました。その結果によると付添いは制度上任意であるにもかかわらず保護者の7割は入院の必須条件になっていたと回答しています。また本来は医療従事者が従事すべきケアの多くを保護者が担っている状況も確認されました。NPO法人は厚生労働省に改めて実態把握と対応策の検討を求めていますが、この結果に対するご見解と今後の対応についてお聞かせください。
大臣:
まず患者の負担による付添看護は、入院患者の負担軽減や看護の質の確保の観点から原則として禁止されております。他方で付添いに関する患者や家族等の意向もあることから、医師の許可を得て家族等が付き添うことは差し支えないこととしている、ただし当該保険医療機関の看護要員による看護を代替または補充する目的でということは認められていないところです。小児の入院患者への家族等による付添いについては、これまで令和3年度に入院患者への家族等による付添いの実態について調査し、調査結果を中央社会保険医療協議会においてご議論いただき、こうした議論を踏まえ医療機関に対し家族の方々に対する丁寧な事前説明を依頼・周知するといった対応を行ってまいりましたが、今般ご指摘の調査において入院中のこどもに付き添う家族の実態や課題が改めて示されたものと承知しております。
 これを踏まえ今後こども家庭庁を中心に小児の入院医療機関を対象とした調査が実施されると聞いております。厚生労働省としてもこれらの調査に連携して対応するとともに、調査で得られた実態や患者のご家族・関係団体のご意見も踏まえながら必要な対応を検討していきたいと考えております。更に不適切な運用に関する情報提供を地方厚生局においても受け付けることとしておりますので、現場の運用を確認し適切でない事態があれば必要に応じ指導等を行いたいと考えております。また小児の入院患者の対応については、現在診療報酬においてこどもの療養生活や成長発達等に着目した評価として病棟への保育士の配置に関する加算を設けておりますが、令和6年度診療報酬改定に向けてこの加算も含めた小児入院医療の評価の在り方について中医協において議論が開始されたところであります。
記者:
冒頭の医療DXの推進に関する工程表についてですが、具体的に医療DXの工程表の中で何に取り組んでいくのかということと、特に重点的に取り組むことについて教えてください。また試案がパブコメで公表されていたと思いますが、そこからパブコメを受けた内容の変化等あれば教えてください。
大臣:
まず大きな柱は3つであります。全国医療情報プラットフォームをまず構築していくということで、2024年度中の電子処方箋の普及、あるいは介護保険・予防接種等に係るマイナンバーカードを利用した情報連携の実現こうしたことを図っていく。それから2点目は電子カルテ情報の標準化等であります。現在3文書6情報に加えて透析情報などの標準規格化を推進すると同時に、標準型電子カルテいわゆる診療所等で活用できると思いますが、それの開発着手を2024年度から進めていくということ、それから診療報酬改定DXであります。2024年度からプログラム開発に着手し2026年度には診療報酬の算定、またそれぞれの患者様の負担の算定こうしたことができる共通算定モジュールを本格的に提供する、こうした中身を盛り込ませていただいております。それからパブコメからどう変わったかは後ほど事務当局から説明させていただきます。
記者:
冒頭にありましたマイナンバーのフリーダイヤルについてお伺いします。まずフリーダイヤルなのですが、全国で大体何人くらいの方が委託を受けて応対されるのか、それからコールセンターで対応できないものは担当省庁において対応を検討するとありますが、コールセンターで対応できないものとは具体的にどのようなものを想定されているのでしょうか。それから関係省庁でどこが担当するかわからない場合は結局たらい回しになってしまうのではないかという懸念がありますが、これについての大臣の見解をお聞かせください。
大臣:
まずどういった体制を敷くかについてはデジタル庁が中心となっておりますので、そちらに聞いていただければと思います。その上でコールセンターで対応できない、まさに一般的なものでなくかなり個別性の高いもの等については、例えば保険証の関係であれば私どもの方でしっかり対応させていただきたいと考えておりますので、まずコールセンターで受けていただくわけですが、その後どう私どもの方に繋げていくのか、こうしたことをしっかり整理させていただきたいと考えております。それから担当省庁が不明な場合でも基本的にはデジタル庁を中心にそうした差配がされていくということになると思いますので、そういった方向で決定し適切な対応を図っていきたいと考えております。
記者:
一元的に情報発信というのは、どのような形、どのようなスタイルで発信されていくのでしょうか。
大臣:
まさにどのくらい相談件数があるのかという数字的な話、どういった相談があるのかという話、そういったものをデジタル庁が中心となって取りまとめそれを発信していくということ、そして一般の方もそれを参考にしていただく、あるいはそれを見た上で自分もと思えばまたここへ電話していただいて、ご自身のことについてご相談等していただければと思います。
記者:
マイナンバーの件で1点お伺いします。こちらのマイナンバー総合フリーダイヤルですが2015年に高市総務大臣の時代にもフリーダイヤルがあったと思うのですが、それが継続しているものということで改めて周知なのでしょうか。それとも今回のトラブルを受けて改めて設置したものなのか教えてください。
大臣:
これは元々あったものです。ただそこに電話をしてもたらい回しになっている等色々ご指摘をいただいておりますので、そこから先の扱いも整理させていただいたと思っておりますし、このガイダンスをあの時代に比べれば例えば公金受取口座登録制度というのは新たなものでありますから、入り口は一緒ですが中の分類は改めて今の課題に応じて分類させていただいております。したがって番号を押していただいて、保険証の関係であればまず繋がった後4を押していただいてその後2を押していただくと、健康保険証の関係についてより特化した窓口でご相談いただける、こういう仕組みになっておりますので、そこ自体は今回用に逐次強化してきている中身であります。
記者:
たらい回し予防としては相談ごとに番号を分けたというところが大きいのでしょうか。それ以外に既存のフリーダイヤルから変化させた、たらい回し予防の部分があれば教えてください。
大臣:
まずこういう形で分類して、相談する方がその案件に対して適切な窓口に行きやすく整理をさせていただいているということ、それからそこに行った後においても全部その窓口で答えられるものではありませんから、それについてどこかわからなければまずデジタル庁で差配をし、そして厚生労働省であれば厚生労働省にその話を繋いでいただき、厚生労働省から例えばその方に中身をお聞きしご相談に応じる、こういう仕組みということです。
記者:
少子化対策の関係で伺います。財源のところで徹底した歳出改革が言われていて、これは「歳出改革によって得られる社会保険負担軽減の効果を活用しながら」という文言を見ると社会保障費が想定されているかと思いますが、これまでも厚生労働省は社会保障費を歳出改革で毎年1,000億、2,000億円生み出してきたかと思いますが、今後の歳出改革はこれまでの規模の歳出改革を通じていくというイメージなのか、それとも少子化対策のためにこれまでよりも踏み込んだ大規模な歳出改革が必要だとお考えなのかお聞かせください。
大臣:
まず具体的にこの3.5兆円という規模を考えますと、それに対して歳出改革とそれから既定予算の活用等が入っているわけでありますが、どれによってどれだけやるかというのは提示させていただいていないわけでありますので、それらを通じてこれまでの歳出改革等してきた姿勢で実質負担が生じないように努力をしていく、そうした考え方・姿勢を書かせていただいているということですので、具体的な話はまさに書いてありますとおり年末の予算編成等々で決まるということになります。
記者:
特に今の段階ではこれまで以上の取組が必要という認識ではないということでしょうか。
大臣:
これまで以上と言っても年度年度によって歳出抑制額は違っていますので、これまでということ自体どこで決めるかというのは一概に言いがたいだろうと思いますが、ただこれまでもその状況の中で必要な歳出改革に取り組んできた、その姿勢は引き続き堅持しながら進めていくということです。
記者:
麻しんについてお伺いします。今年になって感染者の確認が相次いでいますが、厚生労働省が現状把握されている全国の感染者数、また予防に向けた注意喚起があれば教えてください。
大臣:
麻しんについては2015年のWHOによる我が国の麻しん排除認定以降、国内由来の麻しんの発生はみられていませんが、海外からの輸入事例やその輸入事例を発端とした限定的な国内流行については継続して報告されており、2019年までは毎年100例以上報告されておりましたが、2020年の新型コロナの流行以降麻しんの報告は低調となっております。他方海外では継続的に報告されており、新型コロナ対策の平時への移行の中で国際的な人の往来も増加してきておりますので、再び報告数が増加している状況であります。具体的には6月1日現在で国が把握をしている本年の麻しんの報告数は11例であります。毎週発表させていただいておりますが、基本的に疑いがある段階で報告していただいて出させていただいておりますので、中には疑いがあったけれども調べてみたらそうではなかったという事例もありますので若干数字がぶれるということがありますが、できるだけ早く公表させていただくべく取り組ませていただいております。
 厚生労働省からは自治体や医療機関に対し麻しんに対する注意喚起を行い、医療機関における疑い事例の早期診断や自治体における調査等の徹底を依頼するとともに、自治体への実地疫学の専門家の派遣も行っております。厚生労働省のホームページやSNS等を通じ、麻しんに関して国民、医療機関、海外渡航者及び定期接種の対象年齢のお子様を持つ保護者向けに情報発信しております。また私からも5月16日の記者会見で、医療機関への受診の方法の留意点、麻しんの定期接種の重要性とその接種の呼びかけ、海外渡航者に母子手帳等を確認した上での予防接種の呼びかけなどを行ったところでありますが、特に定期接種を受けるべきお子様、1歳から2歳にかけてそして就学前の1年間、2回接種をしていただくこととなっております。そこでの接種率が従前よりもやや下がっているということもございますので、ぜひそうした適齢期のお子様に関しては確実に定期接種を打っていただけるよう検討していただきたいと思いますし、仮にその時期を過ぎてしまったというお子様についても新型コロナの影響で接種できなかった方については引き続き定期接種として受けられる取り扱いとしておりますので、接種の検討をお願いしたいと考えております。

(了)

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