内閣府・新着情報

2023年5月
堀 雅博
内閣府経済社会総合研究所客員主任研究官、一橋大学経済学研究科教授
前田 佐恵子
内閣府経済社会総合研究所特別研究員
菅 史彦
内閣府経済社会総合研究所客員研究員、九州大学経済学研究院准教授

要旨

本研究では、「国民生活基礎調査」のデータを用い、1990年代から2000年代にかけての日本における所得格差について、包括的な分析を試みた。先行研究よりも高い精度で所得不平等を測定するために、国勢調査の個票データを利用してウェイトを作成し、8つの異なる所得の定義で4つの所得不平等指標を算出した。その結果、我々が作成したウェイトを用いて算出された所得不平等指標は、ウェイト補正しない場合、および提供されたウェイトを用いて補正した場合に比べ、高い値をとることがわかった。不平等指標の水準は高くなる一方、ウェイト補正によって不平等指標のトレンドが大きく影響を受けることはないことも明らかになった。また、帰属家賃を考慮した所得を用いた場合、不平等指標の水準は下がり、上昇ペースも緩やかになることもわかった。さらに、本研究では不平等指標の値が上昇した原因についても分析を行った。その結果、等価可処分所得ベースで見ると、1990年代における所得不平等の上昇の32~57%程度は人口構造と世帯構成の変化で説明できることがわかった。中でも、高齢化、世帯構成の変化、および世帯内就労者数の変化は、所得格差の拡大に大きな影響を与えている。


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精度の高いウェイトを用いた所得格差の測定open pdf in new window(PDF形式 4.5MB)

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全文の構成

  • 1 Introduction
    page2
  • 2 Related Literature
    page4
  • 3 Data Sources
    page6
  • 4 Empirical Methodology
    page9
  • 5 Results
    page18
  • 6 Conclusion
    page28

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