外務省・新着情報

ALPS処理水(韓国専門家現地視察団の訪日)

【読売新聞 横堀記者】福島第一原発の処理水放出をめぐり、韓国の視察団が、現地の視察に訪れています。日韓関係改善の流れが進む中で、外務省としては、今回の視察を通じ、どのような成果を期待しておりますでしょうか。お願いいたします。

【小野外務報道官】韓国につきましては、これまで局長級の説明会などの機会を通じて、ALPS処理水の安全性について、科学的根拠に基づき、丁寧に情報提供や説明を行ってきています。そのような状況において、5月7日の日韓首脳会談では、岸田総理から、IAEAのレビューを受けつつ、高い透明性をもって、科学的根拠に基づく説明を誠実に行っていく旨述べた上で、両首脳は、韓国国内における理解を深めるという観点から、東電福島第一原発に、韓国専門家で構成される現地視察団を5月中に派遣することで一致をし、現在、その視察団が、まさに訪日しているところです。
 視察団は、5月22日に日本側と東京で会合を行いまして、昨23日から本24日まで、東電福島第一原発を訪問し、ALPS処理水の海洋放出関連施設を視察しつつ、日本側から丁寧な説明や情報提供を受けているところです。また、明日25日には、総合的な会合を再び東京で行いまして、韓国側からの質問等に対し、日本側から科学的根拠に基づく丁寧な説明等を行う予定となっております。
 政府としては、今回の韓国専門家現地視察団の受入れや、また、これまでも行われてきている局長級の説明会等の機会を通じて、引き続き、高い透明性をもって科学的根拠に基づく誠実な説明を行うことにより、ALPS処理水の海洋放出の安全性について、韓国国内における理解が深まるように努めていく方針です。

G7広島サミット(ゼレンスキー・ウクライナ大統領の対面参加の意義)

【朝日新聞 長﨑記者】広島サミットに、ウクライナのゼレンスキー大統領が、対面で参加したことについてちょっと伺います。招待国の中には「ウクライナとロシアの戦争については国連で話すべきだ」といった声も上がったようですけれども、議長国として、ゼレンスキー大統領の対面参加の意義について、ちょっと改めて教えてください。

【小野外務報道官】御指摘の発言は、ブラジルのルーラ大統領の記者会見におけるご発言かと思いますけれども、その発言については承知しているところです。
 今般のG7広島サミットにおきましては、ルーラ大統領も含めて招待国が参加をしたセッションにおいて、第一に、主権、領土一体性の尊重といった国連憲章の原則を守るべきこと、第二に、対立は対話によって平和的に解決をすること、第三に、力による一方的な現状変更の試みを許してはならないこと、そして、第四に、法の支配に基づく国際秩序を守り抜くといった点について、参加国の間で一致を見たところです。
 また、日・ブラジルという観点で申しますと、サミットの機会に20日に行いました、日・ブラジル首脳会談においても、両首脳は、ウクライナ情勢に関連して、力の支配ではなく「法の支配」こそが重要であり、法の支配に基づく国際秩序の維持及び強化に向けて協力していくというところで一致をしました。
 我が国としては、今回のゼレンスキー大統領の対面参加も含めたG7広島サミットの成果を、招待国も含めて一致した諸点等踏まえながら、引き続き、法の秩序に基づく国際秩序の維持並びに強化に向けて、連携をしていくべく、外交努力を重ねていきたいと考えています。

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