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2023年5月25日

新市場を創出し、イノベーションを社会実装するには、当該市場に適合した外部環境(規制・基準・社会通念等)を構築することが必要です。一方、多くの日本企業は、こうした「外部環境の構築」を苦手としており、革新的なプロダクト・サービスが思うように普及しないといった課題に直面しています。
このため、本プロジェクトでは、新市場創出サービス(顧客が目指すイノベーションの社会実装に向け、ステークホルダーと協力し、新市場の創出に必要な外部環境の構築を支援するサービス)に注目し、当該サービスを効果的に活用するためのメソッド・ノウハウをまとめたガイドブックを作成しました。
本ガイドブックを普及させ、新市場創出サービスの効果的な活用が増加することで、イノベーションの社会実装を後押ししたいと考えています。

1.本プロジェクトの背景

複雑化・成熟化した現代社会において、新市場を創出し、イノベーションを社会実装するには、当該市場に適合した外部環境(規制・基準・社会通念等)を構築することが必要です。一方、多くの日本企業にとっては、規制・基準や社会的関心のような外部環境をマネジメントするスキルや経験が不足するため、外部環境の構築を含めた事業戦略の立案とその実行を苦手としていることが課題です。

このため、本プロジェクトでは、「新市場創出サービス」に注目しています。

参考 本プロジェクトの経緯

  • 2021年6月:社会実装チーム発足。新市場創出サービスの調査を開始。
  • 2022年5月:新市場創出サービスの「国内産業マップ」と、その市場規模の試算を公表(資料はこちら外部リンク)。
  • 2023年5月:新市場創出サービスの効果的活用に役立つ「新市場創出サービス活用ガイドブック」を作成(資料は本ページ下段の「関連資料」)

2.新市場創出サービス

新市場創出サービスとは、「中長期的な社会・経済の流れを利用して、問題設定やストーリーテリング等を通じてステークホルダーの共感・理解を獲得し、協力を募ることで、顧客が目指すイノベーションの社会実装に必要な外部環境の構築を支援するサービス」 を指します。主なサービス提供者は、戦略コンサルティング、PR会社、政策コンサルティング、法律事務所、規格策定機関等です。

新市場創出サービスのイメージ
新市場創出サービスのイメージ

 
新市場創出サービスのイメージとしては、上記の図のように、まず、革新的なプロダクト・サービスの社会実装を目指す事業者が、新市場創出サービス提供者と連携して、その社会実装によって生じる価値を様々なステークホルダーに説明し、共感・理解の獲得を目指します。次に、新市場創出サービス提供者や協力を得られたステークホルダーと共に外部環境の構築(社会的関心の喚起、規制や基準の変更等)を進めることで、顧客等の行動変容を促し、社会実装(新市場創出)を実現するというプロセスとなります。

3.ガイドブック

革新的なプロダクト・サービスの社会実装を目指す事業者が、外部環境の構築に必要なスキルを社内で確保すること(内製化)が困難な場合には、新市場創出サービス提供者と契約を結び、外部環境の構築を外注することが合理的です。しかしながら、新市場創出サービスの活用に不慣れな場合には、「新市場創出サービスの意義が伝わらず社内の説得に失敗する」、「契約した新市場創出サービス提供者とのプロジェクトに対する考え方の差が埋まらず連携が上手くいかない」など、「典型的な障壁」に阻まれることで、新市場創出サービスの効果的な活用につながらない場合があります。
このような障壁を回避し、新市場創出サービスの効果を高めるため、この度、「新市場創出サービス活用ガイドブック」を作成しました。本ガイドブックでは、新市場創出に向けた標準的なプロセスを3つのステップで定義した上で、各ステップに必要な取組を新市場創出サービス提供者に外注する場合の判断基準や確認事項等をまとめるとともに、外注の際に直面しやすい「典型的な障壁」の例示とその回避方法を記載するなど、実務における様々な場面に応じた知見を整理しています。

本ガイドブックが多くのプロジェクトに利用されることで、イノベーションの社会実装の後押しを行いたいと考えています。

ガイドブックの概要
ガイドブックの概要

関連資料

関連リンク

担当

産業技術環境局 基準認証政策課長 比良井
担当者:社会実装チーム 加藤、岩間、植松、田中
電話:03-3501-1511(内線 3413~5)
メール:bzl-Shakai-Jisso-Team★meti.go.jp
※ [★]を[@]に置き換えてください。

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