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バングラデシュのシップ・リサイクル条約締結に向けた協力を促進することに同意

令和5年5月25日

 令和5年5月18日(木)から22日(月)にかけて、世界最大の船舶解撤国であり、シップ・リサイクル条約の発効の大きな鍵を握るバングラデシュ人民共和国を民間企業等とともに訪問しました。同国のフマユン工業大臣を始め、バングラデシュリサイクル協会、主要なシップ・リサイクルヤード関係者ともに、両国のシップ・リサイクルの取組について協議しました。バングラデシュの2023年内の早期条約締結に向け、両国が具体的な取組を促進することを確認しました。
 国土交通省では、官民連携し、同国の条約早期締結とシップ・リサイクル条約の早期発効に向けた取組を引き続き進めてまいります。

1.背景・経緯
 シップ・リサイクル条約は、船舶の解体について、安全・環境に配慮した船舶の再資源化のための国際ルールをIMOにおいて我が国主導で策定したもので、我が国は、平成31年3月に同条約を締結しました。
 バングラデシュは世界最大の船舶解撤国であり、同国がシップ・リサイクル条約を締結すれば、同条約の発効に向け大きく前進することとなります。
 このような背景を踏まえ、国土交通省ではこれまでも同国の早期締結に向けた協力を進めておりましたが、先月26日には、岸田総理とハシナ首相との首脳共同声明を受け、バングラデシュ人民共和国工業省との間で「シップ・リサイクル分野における協力覚書」を署名しました。
 今般、同協力覚書に基づき、両国におけるシップ・リサイクル分野での協力を促進するために、船舶の解撤をヤードに依頼する日本の船主、シップ・リサイクルヤードの条約適合性認証を行う船級協会などの関係者とともに、同国を訪問しました。
 
2.訪問結果
(1)バングラデシュ工業省との会談
 在バングラデシュ日本大使館の岩間大使、(一社)日本船主協会の友田副会長(代表団長)等とともに、バングラデシュ工業省を訪問し、フマユン工業大臣等と会談を行いました。
 シップ・リサイクル条約について、当方より年内の早期締結を改めて要請したところ、最終的な国内手続きを進めており、早ければ来月には締結するための国内手続きを終了したいとの回答がありました。廃棄物処理施設(TSDF)の整備について、4月26日の岸田首相とハシナ首相との共同首脳声明及び協力覚書での本件の言及に謝意が示されるとともに、早期の整備に向けた支援について要望がありました。日本より、JICAが廃棄物処理施設整備の技術支援にかかるプレ公示(調達予定案件情報)を掲載したことを示しつつ、早期整備に向けた支援について関係機関との調整を加速すると回答いたしました。
 最後に、安全かつ環境に配慮したシップ・リサイクルに向けて、バングラデシュの締結が最重要であり、引き続きシップ・リサイクル分野での協力を促進していくことを相互に合意しました。
(2)バングラデシュ船舶リサイクル協会(BSBRA)セミナー及びシップ・リサイクルヤ―ド訪問
 日本船主協会、海運会社、日本海事協会等とともに、同国の船舶の解撤が主に行われているチョットグラム(チッタゴン)を訪問しました。同地において、バングラデシュ船舶リサイクル協会(BSBRA)が主催するセミナーに参加し、シップ・リサイクルヤードの経営者に対し、同国の締結による条約の発効の重要性について説明しました。
 また、シップ・リサイクルヤードを訪問し、船舶の解体手順や廃棄物の処理方法等の条約の適用状況を実際に確認しました。

左4番目から、フマユン工業大臣、岩間大使、友田日本船主協会副会長(代表団長)、スルタナ工業省事務次官、吉田船舶産業課国際業務室長

BSBRAとの意見交換

左4番目から、友田日本船主協会副会長、タヒールBSBRA会長、吉田船舶産業課国際業務室長

バングラデシュのシップリサイクルヤード(※)にて解撤前/解撤中の船舶

※PHP社

 今回の訪問の成果も踏まえ、今後は、同国の条約締結が確実になされ、速やかに条約発効要件を満たすことができるよう、関係機関との調整を進めていくとともに、廃棄物処理施設の整備等の早期実現に向けて、日本政府内やJICAなどの関係機関との検討を加速していく予定です。

添付資料

報道発表資料(PDF形式:839KB)

お問い合わせ先

使節団派遣結果について:国土交通省海事局船舶産業課 鈴木
TEL:03-5253-8111
(内線43625) 直通 03-5253-8634
シップ・リサイクル全般について:国土交通省海事局海洋・環境政策課 髙橋
TEL:03-5253-8111
(内線43922) 直通 03-5253-8118

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