経産省・新着情報

2023年4月4日(火曜日)
9時21分~9時37分
於:本館10階記者会見室前

冒頭発言

おはようございます。私から冒頭3点申し上げます。

再生可能エネルギー・水素等関係閣僚会議

1点目、本日、岸田総理御出席の下で、再生可能エネルギー・水素等関係閣僚会議を開催いたしました。
まず、再エネにつきましては、導入拡大に向けて、関係府省庁が連携して取り組むべきアクションプランを取りまとめ、決定いたしました。特に国産再エネの導入拡大に向けまして、ペロブスカイト太陽電池、それから浮体式の洋上風力発電につきまして、需要の創出、量産体制及び強靱なサプライチェーンの構築に取り組むこととしております。
特定の国に依存せずに、国内でサプライチェーンを構築しながら、国産の再生可能エネルギーを導入拡大していきたいということであります。特にペロブスカイト太陽電池は、次世代の太陽電池として期待されております。日本が強みを持つ技術、材料を活かして、2030年を待たずに、早期に社会実装していければと思います。
御存じのように、軽量で柔軟でありますので、ビルの壁にも貼れたりします。非常に効率よくできるということでもありますし、生産体制が整えば、非常に安くできるということでもありますので、国内で開発を急いでいきたいと思いますが、その際、GX経済移行債の活用も含めて、開発、実装を加速していきたいと考えております。
それから、水素につきましては、GX実行に向けた基本方針を踏まえて、水素基本戦略の改定に向けた政策の骨格の方針のとおり進めていくことを決定いたしました。具体的には、水素の導入目標は、今2030年の300万トンと2050年の2,000万トンという目標があるんですが、その間であります2040年における水素などの導入目標を、1,200万トン程度を軸に検討していくことという点。それから、海外でも欧米中心に、水素への投資が加速しております。我が国においても、現時点で官民合わせて15年間で15兆円の投資計画を検討中であります。政府として規制・支援一体型での包括的な制度整備を行うべく、準備を加速していくことの方針を確認したところであります。いわゆる既存燃料等の値差支援なども含めて、進めていきたいと考えております。
今後、5月末を目途に水素基本戦略を改定するとともに、制度整備の具体化を図っていきたいと考えております。
総理からは、関係府省庁は縦割りを排して、相互に連携して取り組むようにという指示がございました。関係省庁と連携しながら取り組み、加速していきたいと思います。詳細はこの後、事務方から説明があります。

ビジネスと人権

2点目です。人権尊重のためのガイドライン活用に向けた実務参照資料について、本日公表いたします。昨年9月に策定いたしましたガイドラインに対しては、企業に求められる人権尊重の取組の全体像が理解できるといった産業界からも高い評価を頂く一方で、これから取組を始める企業を中心に、もっと具体的な取組方法を知りたいとの声も寄せられておりました。
このため、今日公表いたします実務参照資料におきましては、多くの中小企業の皆さんをはじめとして、これまで本格的に人権尊重の取組を行ったことがなかったような企業にとっても、ガイドラインに沿った取組が進めやすくなるよう、詳細な解説や多くの事例を盛り込んで、企業の実務の担当者の皆様の役に立つようにいたしました。実務参照資料がガイドラインとあわせ活用されることで、企業の人権尊重の取組が進展するとともに、リスクの低減、企業価値の向上等を通じて、我が国の国際競争力強化につながることを期待しております。何より企業の予見可能性を高めるということが大事でありますので、既にアメリカともタスクフォースを設置することを決めておりますけれども、こうした国際的な取組も進めながら企業の予見可能性を高めながら人権尊重の取組を進めていきたいと考えております。
この点についても、後ほど事務方から説明させたいと思います。

G7貿易大臣会合

それから3点目、本日夜、日本時間の夜ですが、第1回のG7貿易大臣会合をテレビ会議、オンラインで開催する予定であります。パンデミックやロシアのウクライナ侵略など、世界経済がかつてない危機にさらされている中で、自由で公正な貿易体制の維持、強化、そして経済安全保障の強化をテーマに議論を行う予定であります。
今回の会合の議長として何点か申し上げますと、1点目にまず、WTOにおける紛争解決制度の機能回復、それからデジタル貿易などをめぐる新たな課題についての議論を加速していきたいと思います。
それから2点目に、強靱なサプライチェーン、これを築いていくためG7や同志国との間で貿易、投資、協力関係の更なる強化、これを図っていきたいと思います。
そして3点目として、更に経済的威圧につきまして、抑止と影響緩和のためG7で緊密に連携して取り組んでいく対処していくというそうした方向性について是非議論を提起し、G7でしっかりと議論を行っていきたいと考えております。
これらの課題についてG7の結束を是非確認しながら、今後の議論の方向性を打ち出して、5月の広島サミット、そして10月の大阪・堺での貿易大臣会合につなげていきたいと考えております。
私からは以上です。

質疑応答

G7貿易大臣会合

Q: よろしくお願いしいたます。
今もお話ございましたが、本日のG7の貿易大臣会合についてお伺いいたします。今、挙げていただいた点いろいろありますけれども、この中で大臣が特に重要だと考えているテーマを教えてください。加えて、その点について具体的な成果として、どういった点を合意というか、求めたいかという点についても併せて教えてください。

A: 本日の会合では、自由で公正な貿易体制と経済安全保障について取り上げる予定であります。WTOにつきましては、まさに世界の自由で公正な貿易の体制の中核であります。来年2月に第13回のWTO閣僚会議が開かれる予定でありますが、それに向けてWTOの機能回復ですね、これと強化のために何が必要かという点は是非議論したいと思っております。
そして2点目の経済安全保障、これをG7の貿易大臣会合で議題として取り上げることは初めてであります。昨年のドイツでもいろんな議論、経済的威圧について議論を行いましたが、経済的安全保障として取り上げることは初めてでありまして、特にサプライチェーンの強靱化、同志国、有志国でどのように進めていくのか、また経済的威圧への対応、これも一国のみではなかなか対応できるものではありませんので、G7の間での具体的な協力について是非議論を進めたいと考えております。
こうした課題への対応についてG7で結束を確認しながら、途上国を含む、いわゆるグローバルサウスと言われる国々含めて、G7以外の同志国との連携、このことも含めて今日しっかり議論し、方向性を打ち出していければと考えております。

電力会社情報漏洩・規制料金

Q: 電力会社関連で2点お伺いします。

1点目は電力各社が顧客情報を不正に閲覧していた問題で、経産省は業務改善命令を出す方針とのことですけれども、改めて大臣はこの事案についてどう受け止めていらっしゃるかということに加えて、もう一点は、一方で電力各社は規制料金の値上げ申請について再算定をしました。不祥事で国民の視線も厳しい中ではありますけれども、どう値上げの申請をしていくのか、今後の方針について伺えればと思います。

A: まず、一般送配電事業者による非公開情報の漏えい事案に関して、関西電力送配電、関西電力、それから九州電力送配電、九州電力、それから中国電力ネットワークの5社に対して、経済産業大臣から業務改善命令を行うよう、3月31日付で電力・ガス取引監視等委員会から電気事業法に基づく勧告がございました。
これまでも申し上げていますけれども、この一般送配電事業者による非公開情報の漏えい事案、これはその中立性、信頼性に疑念を抱かせるものでありますので、私としても極めて遺憾であると認識しております。その上で、電力・ガス取引監視等委員会からの勧告内容を受け止めて、そして必要な手続を行った上で、厳正に対処していきたいと考えております。
また、電力料金の改定申請については、電気事業法に基づいて定められた手続や審査ルールに従って、燃料の調達価格や経営効率化の取組状況も含めて、厳格、丁寧に審査を行っているところでありますけれども、既に、直近の燃料価格ということで、再算定の数字が各社からも出てきているところでありますし、様々なこうした電力会社の取組、これを頭に置きながら、国民の皆さんが納得していただける、そのような審査を厳格に行っていきたいと考えております。

半導体輸出管理

Q: 先月末、半導体製造装置の輸出管理で、政府が新たに23品目加える措置を経産省として行いましたが、先日、中国の外務省の報道官が反発する姿勢を示したんですが、これについての受け止めをお聞かせいただけますでしょうか。

A: 3月31日にパブリックコメントを開始いたしました半導体製造装置に係る輸出管理措置についてでありますけれども、これは関係国の最新の輸出管理動向なども総合的に勘案して、我が国として必要と考える措置を導入するものでありまして、何かアメリカに追随するとか、そういったものではございません。また、全地域向けの輸出を管理対象に追加するものでありますので、特定の国を念頭に置いてのものではないということであります。
我が国の輸出管理は、かねてから国際ルールに整合的な形で実施しておりますので、今回の措置も含め、同様の方針の下、適切に対応していきたいと考えております。
いわゆる禁輸措置ではありませんので、軍事転用のおそれがあるかないかをしっかりと審査をするということでありますので、その点、軍事転用のおそれがないということであれば、輸出は可能であります。そういったことも含めて、パブリックコメントを実施しておりますので、パブリックコメントも踏まえ、最終的に判断をしていきたいと思いますけれども、仮に国際ルールに照らして不当な措置が海外の国から講じられた場合には、国際ルールに基づいて適切に対応していきたいと考えております。

先端半導体

Q: 半導体に関連しまして、ラピダスがベルギーの半導体の研究機関のimec(アイメック)と新たな合意をしたと聞いております。具体的にはimecの方の進出なども含めた様々な協議があったように聞いていますが、その具体的内容と今後の支援の方針についてお願いいたします。

A: 御指摘のラピダス社とベルギーのimecでありますけれども、昨年12月に、次世代半導体プロジェクトの連携に関する基本合意書として締結したところであります。
そして今回は、先月の29日に、今後の連携の具体的内容として、次世代半導体の量産実現に向けて核となるEUV露光技術の開発・連携を進めていくことで合意いたしました。改めて契約を締結したと聞いております。こうした開発連携が具体的に進んでいけば、imecの日本での活動も拡大していくものと期待しているところであります。
2020年代後半の、いわゆる最先端の次世代半導体製造拠点の確立に向けて、ラピダス社を中心にしながら、中核としてimecのような最先端の知識、経験を有する海外研究機関との連携が具体化をしていくということで歓迎したいと思います。
今後もプロジェクトがスピーディーに進捗していくことを期待したいと思いますし、引き続き次世代半導体プロジェクトの進捗をしっかりと注視をしながら、必要な支援、これはもう最大限行っていきたいと考えております。

私もどこかでチャンスあれば視察をしたいなと思っているところであります。

以上

最終更新日:2023年4月4日

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