外務省・新着情報

岸田総理大臣のウクライナ訪問

【NHK 森田記者】まず、総理のキーウ訪問についてお伺いします。外務省として、今回、このG7前のタイミングでの、キーウ訪問の意義を、改めてお伺いしたいのと、今回、外務省からも、山田審議官等同行していますけれども、今回どのような体制で臨まれたのか教えてください。

【小野外務報道官】今般、岸田総理は、ウクライナを訪問し、ロシアによるウクライナ侵略による被害などの状況を直接視察すると共に、ゼレンスキー大統領と首脳会談を行い、ウクライナ国民に対する日本の揺るぎない支援と連帯を伝えました。この訪問を通じまして、日本は、G7はもちろん、グローバル・サウスも含めた国際社会全体をリードし、「法の支配」に基づく国際秩序を守り抜くという決意を示すことができたと考えています。
 今般の訪問に当たりましては、官邸及び外務省関係者が、総理に同行しています。現地の安全対策や、各国首脳等のこれまでのキーウ訪問を踏まえ、最小限の人数とすることとしました。
 これ以上の詳細につきましては、今後の首脳の安全の確保の観点等より、お答えは差し控えたいと思います。

習近平・国家主席のロシア訪問

【読売新聞 依田記者】中国の習近平(しゅう・きんぺい)主席の、ロシア訪問についてお伺いします。今回の会談によって、中露の協力関係が、誇示されたわけですが、中国からロシアへの武器支援が懸念される中、会談をめぐる日本政府の受け止めをお聞かせください。

【小野外務報道官】習近平・国家主席は、訪問中のロシアにおきまして、21日にプーチン大統領とのテタテの会談及び夕食会、22日に首脳会談等を実施し、ロシアと中国の経済協力に関する共同声明等を発出したと承知しています。
 また、プーチン大統領は、共同記者発表において、「中国によって提出された和平案の条項の多くが、ロシアのアプローチと一致しており、西側及びキーウが、平和的解決の準備ができたとき、その土台となり得る」などと発言したと承知しています。他方、両首脳からは、ロシアのウクライナ領土からの即時撤兵等についての言及はなかったと承知しています。
 ロシアは、ウクライナに対する攻撃を現在も続けているほか、プーチン大統領も、併合したウクライナの一部地域は、交渉の対象ではない旨述べるなど、和平に向けて歩み寄ろうとする兆しは一切見られておりません。こうした現実に、まずは目を向けていく必要があると考えています。
 そもそも、国際法違反の侵略を行っているのはロシアでありまして、いかなる解決策も、この前提を踏まえなければならないというのが、我が方の立場です。
 我が国としては、ウクライナ情勢をめぐるものを含むロシアと中国の動向を、引き続き、注視しています。同時に、中国に対しては、様々な機会を通じまして、引き続き、責任ある対応を強く求めてまいります。

ウクライナへの非致死性装備品支援

【毎日新聞 青木記者】日・ウクライナの首脳会談について伺います。総理は、首脳会談の後に、NATOの信託基金を通じて、殺傷能力のない、殺傷性のない装備品をウクライナに提供するというふうにおっしゃいました。これ、どのような装備品を提供することを今の段階で検討されているのか、また、殺傷性のないものというのに、どういうふうにそれを担保するのか、今の時点でのお考えを聞かせてください。

【小野外務報道官】ゼレンスキー大統領に対して、岸田総理から、NATOの信託基金を通じた非致死性装備品の支援に3,000万ドルを拠出するということを伝えたところです。非致死性の軍事分野への支援を想定しているわけですが、その具体的な中身については、今後調整し、細部を確認した上で、支援していく方針であります。

岸田総理大臣のウクライナ訪問(情報管理)

【朝日新聞 長﨑記者】私も総理のキーウ訪問について伺います。情報管理とか、総理の安全確保をめぐって、報道協定を結んでも良かったんじゃないかという声が、今日の自民党の部会で出たと聞いています。これについての受け止め、あるいは、今後の対応について教えてください。また、もう一点なんですが、これ、質問というかお願いに近いんですが、今回の総理の歴史的な訪問、この意義に鑑みて、通常のように、インド出国の時間付けのようなものを出していただくことはできないでしょうか。もう既に、総理、ウクライナを出国して、その安全性の水準は上がっていると思います。以上です。よろしくお願いします。

【小野外務報道官】最初の点ですが、今般の岸田総理のウクライナ訪問につきましては、ウクライナ政府と慎重に調整を重ね、安全確保に万全を期した形で実施をしました。
 秘密保全、安全対策や危機管理等において、遺漏のないよう、最適な方法を総合的に検討し、安全対策の関係上、情報共有には、厳に限られたものとするなど、情報管理に十分に配慮して準備をしたものです。
 今般の訪問に際しての具体的な方策の詳細について申し上げることは控えますが、安全対策や危機管理対策、情報管理については万全を期しているところです。
 それから2番目の点ですが、今般の訪問につきましては、最大限、今申し上げましたとおり、安全対策、危機管理対策、情報管理について、配慮を万全を期しているところでありまして、それを踏まえて、具体的な対応についても実施してきており、その点については、御理解をいただきたいと思っています。

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