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令和5年3月21日
マーク・ブラウン・クック諸島首相兼外相と握手する林外務大臣
マーク・ブラウン・クック諸島首相兼外相と会談する林外務大臣

 現地時間3月20日午前11時(日本時間21日午前6時)から約50分間、クック諸島を訪問中の林芳正外務大臣は、マーク・ブラウン・クック諸島首相兼外相(Hon. Mark BROWN, Prime Minister and Minister for Foreign Affairs of the Cook Islands)を表敬したところ、概要は以下のとおりです。

  1. 冒頭、ブラウン首相からの歓迎の言葉に続いて、林大臣から日本の外務大臣として初めてクック諸島を訪問でき嬉しく思う旨述べるとともに、両者は、二国間関係及び太平洋島嶼国地域での協力を更に強化していくことで一致しました。
  2. 林大臣から、PIF議長であるブラウン首相を本年5月のG7広島サミットのアウトリーチ会合に招待したい、「自由で開かれたインド太平洋」を推進する上でのパートナーであるクック諸島の参加を心から歓迎する旨述べ、ブラウン首相から招待は光栄であり、感謝する、議論に積極的に貢献したい旨述べました。
  3. 林大臣から、日本は20年以上にわたり、太平洋・島サミット(PALM)を通じてクック諸島を含む太平洋島嶼国の諸課題の解決を支援してきたことに触れ、保健医療体制の強化や上下水インフラ環境のための支援等を説明しました。ブラウン首相からは、御指摘の支援に加え、消防能力など様々な分野での草の根レベルを含むこれまでの日本の支援に感謝する旨述べました。
  4. 林大臣から、日本を取り巻く安全保障環境が戦後最も厳しく複雑な状況にある中、昨年末に新たな国家安全保障戦略を策定し、防衛力を抜本的に強化していくこと、太平洋島嶼国を含む途上国と協力し、気候変動分野の支援を強化していくことについて説明し、ブラウン首相から、気候変動が地域にとって最大の脅威であり、日本の取組を評価する旨言及がありました。
  5. 林大臣から、岸田総理が今般発表した「自由で開かれたインド太平洋」のための新たなプランを通じて、日本は「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、太平洋島嶼国との間でも透明性・包摂性のある協力を幅広く進めていく旨説明し、両者は一層の連携強化を確認しました。
  6. 両者は、太平洋島嶼国の情勢について議論を行い、林大臣から、ブラウン首相が今年2月から太平洋諸島フォーラム(PIF)議長となったことを踏まえ、その成功を祈念しつつ、地域をめぐる環境が大きく変化する中で、地域の一体性が益々重要であることを指摘しました。その観点から、林大臣は、先月のPIFへのキリバスの復帰の歓迎、また、PIFの「ブルーパシフィック大陸のための2050年戦略」への強い支持を表明しました。さらに、林大臣から、日本はこれからも太平洋島嶼国自身のアジェンダを尊重し、日本の強みを生かした協力を行っていく旨述べました。
  7. 両者は、ALPS処理水の海洋放出について意見交換を行い、林大臣から、安全性が確認されない海洋放出は行わない旨直接伝えるとともに、今年2月のブラウン首相をはじめとするPIF代表団の訪日及びPIF特別首脳会談を踏まえ、太平洋島嶼国との集中的対話を強化し、引き続きブラウン首相と協力していきたい旨述べました。この機会を捉え、林大臣は、二国間関係強化やALPS処理水の海洋放出に関する日本の立場を示した岸田総理大臣からの親書を手交しました。これに対し、ブラウン首相から、2月のPIF代表団受入れに改めて感謝するとともに岸田総理、林大臣からの安全性を保証する発言をPIFの首脳にしっかり共有した、日本が取組を強化していることを評価するとともに、引き続き連携していきたい旨述べました。
  8. 両者は、東シナ海・南シナ海情勢、ウクライナ情勢、核・ミサイル問題や拉致問題を含む北朝鮮への対応についても意見交換し、緊密に連携していくことで一致しました。
  9. 両者は、来年開催予定の太平洋・島サミット(PALM10)に向けて、本年開催予定のPALM中間閣僚会合での協力を確認しました。

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