経産省・新着情報

2023年3月7日(火曜日)
9時20分~9時36分
於:本館10階記者会見室

冒頭発言

特になし。

質疑応答

韓国向け輸出管理措置

Q:韓国向けの輸出管理で2019年から強化している規制を正常化すべく、政策対話を開く日韓の合意があったとのことですけれども、このことの受け止めをお願いします。
また、改正する時期のめどは付いていらっしゃいますでしょうか。対話の中で日本側として重視するポイントはどこでしょうか。昨日は韓国で徴用工問題の発表がありましたが、政策対話の再開に影響したのでしょうか。
以上、よろしくお願いします。

A:輸出管理の運用見直しについてのお尋ねであります。輸出管理運用見直しは、軍事転用の可能性がある貨物の貿易、あるいは技術の移転、これを適切に管理するための制度、措置であります。労働者問題とは全く次元の異なる問題であります。
昨日の発表は、韓国からWTOの紛争解決手続を中断するという意思が示されましたので、政策対話を再開する環境が整ったという判断をしたものであります。その政策対話の開催時期や開催方法などは、現時点で具体的なことは未定でありますけれども、今後、韓国側と調整して、できるだけ速やかに開催する予定であります。
いずれにしても、政策対話においては、韓国側の審査体制など、輸出管理の実効性についてしっかりと確認し、韓国側の今後の姿勢を見極めていきたいと考えております。

原発再稼働

Q:よろしくお願いします。
石川県の北陸電力志賀原発について伺います。大臣は石川県の出向経験もあり、お詳しいとは思うんですが、先週末に大きな再稼働に向けた原子力規制委員会の審査会合で、敷地内原発に、敷地内にある断層が活断層ではないとする北電側の主張が了承されました。この件について、活断層の可能性を指摘する有識者調査団の判断が覆るのは、東北電力東通原発に続き2例目ということですが、審査の申請から8年7か月に掛かって得られた結果について、大臣の受け止めをお聞かせください。

A:原子力規制委員会の個別の発電所の審査内容については、高い独立性を有しております原子力規制委員会が判断を行うものでありますので、私からはコメントは控えたいと思いますが、その上で申し上げるとですね、今回北陸電力はですね、敷地内の断層を徹底的に調査して、多くの証拠データを持って審査に取り組んだと、そして一定の評価を得たものと承知しております。安全性の確保を最優先としてですね、原子力発電所の再稼働を進めていくということは、安定的で低廉な価格による電力供給を実現していく上で極めて重要でありますので、電力各社にはですね、今回北陸電力が粘り強く、また、徹底的に調査をして取り組んだということでありますので、そうしたことも参考にしながら、踏まえながらですね、原子力規制委員会の審査に的確に対応して、そして発電所の安全確保に万全を期していただきたいと思います。

韓国向け輸出管理措置

Q:先ほどの1問目の質問に関連してなんですが、韓国向けの輸出管理についてなんですけれども、改めてお伺いですが、昨日の経産省の発表ですと、両政府で2019年7月以前の状態に戻すための関連協議を進めるというふうに書かれていたと思うんですけれども、輸出管理というのは基本的には各国の判断というのが大前提になると思うんですけれども、この文言だけ読むとかなり戻すことを前提としたような協議というふうにも見受けられてしまうんですけれども、これについて協議とはどういう位置付けで進めていこうというのか、お考えをお願いいたします。

A:まず、御案内のとおり現在、3品目、フッ化水素、レジスト、フッ化ポリイミドですね、個別の許可の制度を取っているわけでありますけれども、まずこの3品目について何か現時点で方針を決定したという事実はありませんので、これから政策対話を行っていくということですから、何か結論を予断することは控えたいと思いますし、まずはですね、韓国側の輸出管理の体制、実効性、これについてしっかりと確認をしたい、そして韓国側の今後の姿勢をですね、見極めていきたいということであります。そのことに尽きると思いますね。今の段階で何か予断を持って取り組むということではなくて、しっかりと実効性を見極めたいと考えています。
それから、輸出管理の見直し、今回の運用の見直しでありますけれども、日本国内の運用の見直しということでありますので、何か他国と協議を行うという対象ではありません。この点は何も何か変更があるわけではなくですね、国内の運用でありますので、私どもとして政策対話を行うことで韓国側の審査体制とかですね、輸出管理の実効性をしっかりと見極めていきたいと思います。その上で、日本として判断をしていくということであります。
いずれにしても、韓国側の今後の姿勢をよく見極めていきたいと思います。

Q:輸出管理の関係で確認です。日本政府は徴用工と輸出管理は全く別物の見解であると、昨日総理や外務大臣もおっしゃっていたかと思うんですけれども、政策対話の場において徴用工の解決策を示したことは、輸出管理厳格化の解除に当たって考慮すべき要因には全くならないと、こういうふうに理解してよろしいでしょうか。

A:はい、全く関係ありません。韓国側の輸出管理の審査体制とか実効性、これを判断していくということ、見極めていくということです。

GX脱炭素電源法案

Q:おはようございます。よろしくお願いします。
原発GX法について伺います。3月1日、参院予算委で辻元清美議員が、原発が停止していた期間を加算して稼働期間を60年超まで延長可能だとする閣議決定は、停止期間中も劣化は進むとしてきた原子力規制委員会の方針と矛盾していると指摘しています。この矛盾については、後日理事会で協議となっていましたが、その後の進捗を伺えればと思います。
また、従来の方針を変更してまで稼働期間を延長するリスクとその効果をどのように試算されているのでしょうか。例えば2021年の第6次エネルギー基本計画では、2030年のエネルギー需要を満たす一次エネルギー供給源として原子力は9%から10%程度が見込まれていますが、この比率は変化するのでしょうか。
以上です。よろしくお願いします。

A:まず、今回の措置についてでありますけれども、これは東京電力福島第一原発の事故の反省、教訓、これを我々は一時たりとも忘れることなく、福島の復興にも取り組むということでありまして、正にその教訓であります最大の教訓である原子力における利用と規制の峻別ですね。それまでは経産省で一緒にやっていたわけですけれども、独立した原子力規制委員会が安全規制についてはしっかりと独立した立場で判断していくという、この大きな峻別、これを踏まえて、両者の分離を法制面でも再整理、徹底するべく再整理をするということでありますので、この大原則は福島の教訓以来、我々として最も大きな教訓ということで、規制と利用を分けるということであります。
そして、その独立した原子力規制委員会は、かねてから運転期間の在り方は安全規制ではなく利用政策であるという、そうした見解を示されておりまして、これを踏まえて今回の改正案では、利用政策の観点から電気事業法に運転期間に関する規定を設けるということにしたわけでありますけれども、その際も福島の事故後に決めました40年プラス20年の1回の延長という、この大きな枠組みは引き続き維持をするということであります。他方で、利用政策の観点から、将来の安定供給の可能性、選択肢の確保、これは極めて重要な課題でありますので、実質的な運転期間の60年というこの上限は維持しながら、新規制基準への適合作業などに伴ってやむなく停止していた期間、これについては利用政策側の判断として、運転期間のカウントから除外をするということにしたわけであります。
今回の北陸電力も、証拠データをたくさん集めて、いろんな取組をして新基準に対応したわけであります。そうした期間をですね、実際にどの期間を延ばすかというのは、それぞれの個別例で変わってきますけれども、新基準への適合作業に伴って停止した期間について、他律的な要因で止まっていたものについては、利用政策側の判断として、運転期間のカウントから除外する、そして申請ができるということにしたわけであります。
ただ、言うまでもなく、原子力規制委員会の世界で最も厳しいとも言われる厳格な安全基準、安全規制、これをクリアしないと運転ができないということは変わりがありませんので、仮に40年やろうと思っても、30年の検査でもう無理だと言われるかもしれないし、20年延長、60年やりたいと言っても無理だと言われるかもしれないし、さらに、止まっていた期間を追加で延長申請しても、劣化などがあって安全基準を満たさなければできないということでありますので、今回のこの方針は、将来においてもエネルギー需給が不確実であるという、そういうリスクを踏まえながら、運転期間の延長の可能性も含めた安定供給の選択肢の多様化という観点から定めたものであります。したがって、何か運転期間の延長について何らかの数値目標、これを想定しているわけではありません。
原子力のウエートにつきましては、第6次のエネルギー基本計画におきまして、2030年度の電源構成に占める割合を20から22%とする方針を維持するということを明記しておりますので、今回の運転期間の延長によって何か原子力の比率を引き上げるということではありません。
これを換算すれば、一次エネルギーで御指摘の9から10ということになるわけでありますけれども、いずれにしても、2030年、46%削減を目指して省エネを行い、再エネも36から38%導入し、原子力についても20から22%維持していくということであります。それを目指して取り組んでいくということであります。
必要な規模は維持をしてまいりますけれども、長い目で見て原子力への依存度は低減するという大きな方針も変わりがないということであります。
そして、このような事柄について、私自身、国会で参議院予算委員会でも答弁をしてきておりますので、今公式の見解をということで求められて理事会で協議がなされております。私どもとして真摯に対応してまいりたいと思いますので、理事会の決定に従っていきたいと思います。

電気料金

Q:お願いします。
電気料金について1点お伺いします。
先週3日の電取委の会合で、値上げを申請している大手7社が、最新の貿易統計価格に基づいて燃料費を算定してきまして、北陸電力を除いて6社、申請時点より減少する結果となりました。経産省として、これを採用する方針なのかということと、今後の審査の方向性等を含めて教えていただきたいと思います。

A:先般の岸田総理の御指示も踏まえまして、先週3日に開催されました電力・ガス取引監視等委員会の公開の審議会ですね、御指摘のように、電気料金の改定申請に関して、どの時点の燃料価格を採用すべきかという点が議論をされたところであります。
御存じのことかと思いますけれども、審議会の委員からは、再計算するにはかなりの労力が掛かるということを考えれば、現状どおり申請することも合理的な選択肢という意見もありましたし、一方、相当変動しておりますので、燃料価格、為替、大きく変わっておりますので、パブリックコメントなどでも最新の為替、燃料価格を用いるべきとの御指摘が多いと、これも重く受け止めるべきだという御意見もありました。
また、分かりやすさを第一に考えれば、できる限り直近の数字を使うのがいいのではないかという御意見も多くあったと承知をしております。
現時点で具体的な結論には至っておりませんが、こうした御意見も踏まえ、引き続き、どういう形で、どの時点の燃料価格を採用するのがふさわしいのか、国民の多くの皆さんに御理解いただけるのか、そうしたことも頭に置きながら検討を進めたいと考えています。

以上

最終更新日:2023年3月22日

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