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報道資料
令和5年3月16日
インターネットエコノミーに関する日米政策協力対話 (第13回会合)の結果

 3月6日及び7日の2日間、総務省と米国国務省は、ワシントンDCにて、「インターネットエコノミーに関する日米政策協力対話」(第13回会合)を開催しました。
 本対話は、産業界が参加する官民会合と政府間会合の二部構成で、インターネットエコノミーに関する幅広い議題について対話が行われました。

1 第13回会合の共同声明内容

 日米両国は、2023年3月6日、7日にハイブリッド形式にて米国主催で実施された第13回インターネットエコノミーに関する日米政策協力対話(IED)において、デジタル経済の成長を支えるためのオープンかつ相互運用可能で、信頼できるセキュアなデジタル連結性と情報通信技術への共通のコミットメントを新たにした。
 
総括
 この対話は、両国の民間部門代表との間で行われた、オープンで相互運用可能でありセキュアな5G無線技術、ネットワーク及びサービスの推進、第三国におけるデジタル経済の発展を支援するための官民連携、人工知能(AI)、データ保護とプライバシー、自由なデータ流通、デジタルフリーダムの推進、サイバーセキュリティ能力構築等に係る国際協調、インターネットとデジタル連結性への公共の信頼を深め、責任ある管理を促進する官民連携及びグリーンで持続可能な成長に貢献する情報通信技術(ICT)の活用などの分野についての議論を含むものであった。両国政府は、在日米国商工会議所及び日本経済団体連合会からの民間部門の代表が日米両国政府に対して提示した共同声明を歓迎した。
 両国は、設備、ソフトウェア及びサービスを提供する企業が、デジタル経済の発展を支えるとともに、サイバーセキュリティを強化し、プライバシー、知的財産権、デジタルフリーダム及び人権を保護することを、国、企業、市民が確実に信頼できるよう、先進国及び新興国においてオープンでセキュアかつ強靱な5Gネットワークの発展及び展開を推進する重要性を認識した。両国は、セキュアで信頼性の高いグローバルな海底ケーブルネットワークを促進し、従って重要な個々のケーブルに関する必要な情報交換を継続することの重要性を認識した。また、両国は、マルチステークホルダー・モデルに基づいた、包摂的で、オープンな、透明性のあるインターネットガバナンス・システムへのコミットメントを再確認した。さらに、両国は以下の分野で協力することで一致した。
 
(1)5G及び6G/Beyond 5G
 両国は、セキュアな5Gの発展、オープンな無線アクセスネットワーク(Open-RAN)及び仮想無線アクセスネットワーク(vRAN)などの革新的な方策を可能にする環境の促進に関して、第三国における協力を継続することを決定した。さらに、第三国におけるOpen RANプロジェクト(テストベッド、パイロット又は概念実証プロジェクトを含む。)を共同で支援する。両国は、より多様で強靭かつセキュアな通信のエコシステムを育成及び促進する上で、オープンで相互運用可能なネットワークアーキテクチャ及び通信サプライヤーの多様性の価値を強調した。また、2030年代における、よりセキュアで強靭、かつエネルギー効率の高いネットワークの実現という目標に向け、次世代ネットワーク(6G又はBeyond 5G)技術に関する協力(研究開発及び国際標準化を含む。)を強化することの重要性を認識した。
 
(2)グローバル・デジタル連結性パートナーシップ(GDCP)
 グローバル・デジタル連結性パートナーシップ(GDCP)を活用して、共通のビジョンを持って共に関与する優先的な国の特定を議論することにコミットする。また、両国は、包摂的なインターネット接続を促進し、セキュアなICTインフラに関する協力を拡大し、サプライヤーの多様性を促進するための努力に基づき、GDCPを通じて、四半期ごとの会合及び必要に応じて民間企業を関与させ特定のトピックに対応するアドホックな集中会合を行うことを約束した。
 
(3)越境プライバシールール(CBPR)
 APEC以外の管轄区域からの参加を可能にするとともに、政府、認証企業及び消費者の利益を拡大することを目的として、2023年初頭にグローバル越境プライバシールール(CBPR)フォーラムを稼働するために、グローバルCBPRフォーラムのメンバーとともに二国間連携及び多国間連携を継続する。グローバルCBPRフォーラムは、信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)を支援するために、データ保護制度間の相互運用性を促進しながら、効果的なデータ保護及びプライバシーを支援する。
 
(4)信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)
 2023年の日本のG7議長国を通じるものを含め、信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)の具体化と越境データ流通実現に関するコンセンサスを形成する。両国は、新たなOECDテクノロジーグローバルフォーラムと昨年採択された「民間部門が保有する個人データに対するガバメントアクセスに関する宣言」を歓迎した。日本と米国は、同宣言で明らかにされた信頼性のあるガバメントアクセスに関する原則を国際的に普及させるための努力を継続する必要性を再確認した。
 
(5)国際場裡における協力
 国際電気通信連合(ITU)において、共通の目標を推進するためにさらに協力する機会を模索する。日本及び米国は、国際電気通信連合(ITU)、経済協力開発機構(OECD)、アジア太平洋経済協力(APEC)、G20、G7、インターネットガバナンスフォーラム(IGF)、日米豪印、インド太平洋経済枠組み(IPEF)や他のフォーラムにおけるものを含め、多国間及びマルチステークホルダーの取組を通じて、グローバルなデジタル経済政策環境を向上するため、緊密に協力することにコミットする。
 
(6)今後の日米協力
 2023年にICTまたはデジタル政策のトピックに焦点を当てた1つ又は複数のワークショップを、両国及び第三国の協力のもと、マルチステークホルダーが参加して開催する機会を探求する(例:5G /Open RAN、海底ケーブル、衛星、データセンター、AIガバナンス、サイバーセキュリティ能力構築、デジタルフリーダム等)。また、両国は、信頼性が高くセキュアなICTサプライチェーンとより包摂的で公平なデジタル連結性に貢献する原則としての信頼、そして法の支配の重要性を認識した。
 
(7)インターネットエコノミーに関する日米政策協力対話の改称
 政策協力の目的及び基本的な運営形態を維持しつつ、社会のデジタル化の進展と経済発展・成長を支える基盤としての重要性を反映し、「インターネットエコノミーに関する日米政策協力対話」を「デジタルエコノミーに関する日米対話」に改称することで一致する。
 
(8)インターネットガバナンスフォーラム(IGF)
 2023年10月に日本の京都で開催されるインターネットガバナンスフォーラム(IGF)のマージンで、日本が主催し米国が支援するサイドイベントにおいて、未来のインターネットに関する宣言(DFI)の原則の取組を強化することで一致する。
 
(参考)第13回会合 出席者
日本側:吉田博史総務省総務審議官をはじめとして、総務省、個人情報保護委員会、デジタル庁、外務省、経済産業省、国土交通省等の関係者
米国側:ナサニエル・フィック 国務省サイバースペース・デジタル政策局大使をはじめとして、国務省、商務省国家電気通信情報庁、商務省国際貿易局、国立標準技術研究所、国際開発庁、通商代表部、連邦通信委員会、連邦取引委員会等の関係者

2 次回会合について

 2023年中を目処に開催する予定です。

【別紙】
 政府間共同声明(和文)(2023年3月16日)
 政府間共同声明(英文)(2023年3月16日)
 
【参考】インターネットエコノミーに関する日米政策協力対話の概要
 「インターネットエコノミーに関する日米政策協力対話」は、総務省と米国国務省との間で、インターネットの経済的側面に焦点を当てた政策全般について、定期的に実施している政策対話です。
 

【関係報道資料】
インターネットエコノミーに関する日米政策協力(平成22年6月16日)
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02tsushin06_02000027.html
インターネットエコノミーに関する日米政策協力対話(第1回会合)の結果(平成22年11月1日)
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin06_01000005.html
インターネットエコノミーに関する日米政策協力対話(第2回会合)の結果(平成23年6月11日)
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin06_01000011.html
インターネットエコノミーに関する日米政策協力対話(第3回会合)の結果(平成24年3月23日)
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin06_02000030.html
インターネットエコノミーに関する日米政策協力対話(第4回会合)の結果(平成24年10月20日)
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin06_02000039.html
インターネットエコノミーに関する日米政策協力対話(第5回会合)の結果(平成26年3月31日)
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin06_02000057.html
インターネットエコノミーに関する日米政策協力対話(第6回会合)の結果(平成26年9月19日)
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin08_02000040.html
インターネットエコノミーに関する日米政策協力対話(第7回会合)の結果(平成28年3月2日)
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin08_02000065.html
インターネットエコノミーに関する日米政策協力対話(第8回会合)の結果(平成29年9月25日)
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin08_02000088.html
インターネットエコノミーに関する日米政策協力対話(第9回会合)の結果(平成30年7月27日)
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin08_02000101.html
インターネットエコノミーに関する日米政策協力対話(第10回会合)の結果(令和元年10月17日)
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin08_02000109.html
インターネットエコノミーに関する日米政策協力対話(第11回会合)の結果(令和2年9月25日)
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin08_02000114.html
インターネットエコノミーに関する日米政策協力対話(第12回会合)の結果(令和3年11月18日)
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin08_02000126.html
 

連絡先
国際戦略局 国際経済課
担当 :平木補佐、福田係長、大内官
電話 :03-5253-5928

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