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令和5年3月14日(火曜日)
教育、科学技術・学術、文化

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「戦略的創造研究推進事業」等における令和5年度戦略目標等の決定、旧統一教会への報告徴収・質問権の行使、勤務間インターバル制度、自民党教育・人材力強化調査会「子育て時期の経済的負担を増加させない制度設計」を求める提言の報道、ノーベル文学賞受賞者の大江健三郎氏の逝去

永岡桂子文部科学大臣記者会見映像版

令和5年3月14日(火曜日)に行われた、永岡桂子文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和5年3月14日永岡桂子文部科学大臣記者会見

令和5年3月14日永岡桂子文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

永岡桂子文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭に私からは1件、お話をさせていただきます。
 この度、「戦略的創造研究推進事業」の令和5年度の「戦略目標」を決定をいたしたので、ご報告いたします。戦略目標は、30年以上に渡りまして、その時々の科学の潮流を俯瞰し、文部科学省にて定められている研究の大きな方向性であり、これまで、ノーベル賞のiPS細胞の山中先生など、有力な若手研究者の発掘に貢献してきました。具体的には、1つ目が「海洋と二酸化炭素の関係性」の解明など、将来のフロンティア開拓への貢献、2つ目が、新たな半導体になりうる材料の研究など、次世代のサイエンスの育成、そして3つ目が、人々のストレスに焦点を当てた研究など、挑戦的なライフサイエンス基盤の創出に関する全部で六つの目標を設定しております。4月以降ですね、これらの戦略目標に基づきまして、JST、そしてAMEDにおきまして、研究費の公募が始まります。全国の研究者の皆様方から、意欲的な提案を期待しているところでございます。
 以上です。

記者)
 明日15日が旧統一教会に対する4回目の質問権の締め切りとなっていますけれども、どういう回答を期待するかということと、あと解散請求の判断の見通しとか5回目の行使はあり得るのか、その辺の見通しについて考えをお聞かせください。

大臣)
 現時点では、旧統一教会に報告を求めていた資料について、回答があったとは聞いておりません。けれども、明日が回答期限でございますので、相手方においてですね、事実を正確に回答していただきたいと考えているところでございます。また回答があり次第ですね、これいつもなんですけれども、事務的にお知らせはしたいと考えております。そして5回目ということでございますが、予断をもってお答えすることは差し控えますけれども、提出されました資料をやはり分析をした結果ですね、それを踏まえまして、更に報告を求めたり、質問をしたりということはあり得ると、そういうふうに考えております。

記者)
 「勤務間インターバル」という考え方について伺いたいと思います。先日、小倉大臣が4月に発足するこども家庭庁で、終業から次の始業までの時間を11時間最低設けるという「勤務間インターバル」を導入する方針を示されました。これはヨーロッパで多い考え方ですけれども、既に国内でも福岡市ですとか岡山県ですとか、そういうところで導入の考え方もあって、教員の働き方改革にもこういう勤務間インターバルを11時間置くべきではないかという声も有識者の方から出ております。この勤務間インターバルの11時間を作ることを教員の働き方改革に取り入れるという考え方をどのように受け止められるかということと、もう一つはこども家庭庁と同じように文部科学省の職員の皆さんにもそういう働き方の導入をどのようにお考えなのか伺いたいと思います。

大臣)
 地方公務員であります教師の勤務条件等は各自治体でですね、条例などで定めるものだと思っております。また、インターバル制につきましては、文部科学省としては、給特法に基づく指針におきまして、「終業から始業まで一定時間以上の継続した休息時間を確保すること」と、そういうふうに示しておりまして、各教育委員会に教職員の健康等の確保に向けた取組というものを促しているところです。例えば、今年度福岡市で、今お話ありましたけれども、福岡市におきまして、教育委員会を含めた、インターバル制が導入されたと伺っております。承知しております。一方、公立の学校の教員ですね、学校の先生につきましては、日々の授業の時間が決まっております。時間割で朝は決められているということもありますので、そういう課題もあるというふうに思っております。今後ですね、制度化につきましては、公立学校の教員の業務の課題ですとか性質にもこれをしっかりと踏まえながら、国家公務員や一般の地方公務員の検討状況も踏まえて、検討が必要と、そういうふうに考えております。
 それと文部科学省のことですね。文部科学省におきましても、職員の生活時間ですとか睡眠時間、これ大変確保するというのは重要です。特に、非常に日々激務にさらされている彼らでございますので、彼ら彼女でございますので、やはりしっかりとした休息時間というのは必要だと思っております。フレックスタイム制や、それからあとは早出遅出の勤務というのが活用されておりまして、本当に健康維持に努めてきたところではございます。国家公務員の勤務制度ですね、これに関しましては政府全体で検討すべき事項でございますので、「勤務間インターバル」については、現在、人事院のほうで研究会ですね、人事院の研究会で「勤務間インターバル」も含めた柔軟な勤務時間制度のあり方に関する検討、これが進められているようでございます。この政府の全体の動きもしっかり見ながらですね、文部科学省といたしましても、引き続きまして職員の健康維持に努めてまいりたいと思っております。

記者)
 大臣はお正月、新年の挨拶の時に男女の働き方ということで男性の育児とか、そういう思いを込めたご発言をなさったと思うんですけれども、そういうことを考えた時にもこども家庭庁が4月からやると言っていることを大臣の任期中に一歩踏み込むというお考えはないでしょうか。

大臣)
 それは育休の話でしょうか。

記者)
 そうです。

大臣)
 育休はできるだけ取っていただきたいと考えております。文部科学省におきましても。なかなかそこのご家庭ご家庭で色々事情があろうかと思いますけれども、やはりですね、育休というのは大事です。ところが育休を取ってしまった場合にですね、それの文部科学省内での仕事のサポートを誰がするかというのも大変大きな課題になっておりますので、そこのところはですね、しっかりと調整をしながらですね、やっていく、そして何と言っても上司の心意気というのも大事なので、上司の皆さん方、ご自分はもう子育てが終わっているという方が多いかと思いますけれども、その皆さん方の幹部の方々もですね、ご理解をいただきながらしっかりと育休制度をこの文部科学省の中でもやっていただきたいと思います。一番文部科学省は国家公務員の中でも育休を取っている人が多いほうです。

記者)
 勤務間インターバルを11時間設けるということは育休とか、要するに家庭に一定の時間居るということをきちんと大切にする働き方だと思います。だからそういうことであれば大臣の方針と非常に制度として導入してくるところとが、非常にマッチするのではないかと思うんですが。

大臣)
 ある程度必要なことではあろうかと思います。いつもいつも残業に明け暮れるということではやはり家庭の生活というのも、また本人の健康のためにも良くないとは思いますので、しっかりこの「勤務間インターバル」、これは賛成はしているところです。

記者)
 高等教育機関の奨学金の関係でお尋ねしたいんですけれども、自民党の教育・人材力強化調査会が10日に少子化対策と関連した教育的な支援に関して提言をまとめて、その中で子育て世帯の経済的な負担を増やさないような貸与型奨学金の返還のあり方の制度を考えていく提言をまとめました。この提言に対してどのように大臣として考えてらっしゃるか伺いたいです。関連して昨日、衛藤晟一元少子化対策担当相が党の会合の中で地方に帰って結婚したら奨学金を減免したり子供を産んだら更に減免するというような発言をされたそうなんですけれども、こういった取組に関してもどう考えてらっしゃるか伺いたいです。

大臣)
 確かに子供を育てる中でですね、やはり借りていた奨学金の返済というのはやはり生活に大変大きくのしかかってくるものだと思っております。自民党の調査会において今おっしゃいました指摘の内容を含めた論点整理が示されたというのは承知をしております。文部科学省といたしましては、奨学金を返済されている方の更なる負担軽減ですね、これを図るために子育てなどのライフイベントを踏まえまして柔軟に返還ができるように、これは減額返還制度の見直しというものを進めているところでございまして、今回のご指摘も踏まえながら引き続きまして教育に係る経済的な負担軽減に取り組んでまいりたいと考えております。自民党の調査会の中での議論ということでございましたけれども、これは提言をまとめる前の一つのご意見というので過程で出された意見であると承知しておりますので、このご指摘の点に関わらずですね、やはり負担の軽減、今の私も自分の経験からお話し申し上げましたけれども、これは非常に重要、少子化対策にもこれは重要な論点であるというふうに承知しておりますので、引き続きまして文部科学省としてもですね、教育に係る経済的な負担軽減に取り組み、しっかりと進めてまいります。

記者)
 小説家でノーベル文学賞を受賞された大江健三郎さんが今月3日に亡くなったということなんですけれども、現代を代表する小説家であるということだけでなくて文学者の立場から核兵器廃絶・平和の問題に向き合い、憲法改正に対する反対意見であるとか脱原発など社会問題についても発言されていました。大江健三郎さんが亡くなったことについて大臣の受け止めをお聞かせください。

大臣)
 本当に日本の文学界の中で大きく日本文学に貢献された大江氏がお亡くなりになられましたと伺った時に本当に寂しく感じました。心よりお悔やみを申し上げたいと思います。大江氏はノーベル文学賞を受賞されていまして、やはり故川端康成氏に次ぎまして我が国で二人目のノーベル文学賞の受賞者ということでございます。本当に大江氏の優れた作家活動、これ国際的にも大変高く評価をされておりましたもので、私達日本の国の文学界にとりましても、文化史にとりましてもですね、特筆される方であったと、そう思っております。また実際ちょっと私事になるのですが、実は私、すごく昔、30年ぐらい前になるかと思うんですけれども、実は家が近所だったらしくて、私が自転車に乗って買い物に行く途中で大江健三郎さんにばったり会ったことがあるんです。その時に息子さんの光さんと共にですね、道を歩いてらっしゃったのでこの人が大江健三郎さんだ、話題の光さんと共に一緒に歩いてらっしゃるんだなと、その印象が大変大きくてですね、大変私、今回の訃報に接しまして寂しく思っているところでございます。その時私はただの主婦でございましたので話しかけることもなく、ただ拝見をさせていただいたというのが思い出に残っております。

(了)

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