議案審議経過情報

(注)下記の表で内容がない箇所は、現時点で情報が未定のもの、もしくは情報がないことが確定したものです。

項目 内容
議案提出者 内閣
衆議院審議時会派態度 全会一致
衆議院審議時賛成会派 自由民主党・無所属の会; 立憲民主党・無所属; 日本維新の会; 公明党; 国民民主党・無所属クラブ; 日本共産党; 有志の会; れいわ新選組
衆議院審議時反対会派
議案受理年月日 2023-03-10
公布年月日 2023-05-26

要項または提出時法律案

第二一一回
閣第五一号
   著作権法の一部を改正する法律案
 著作権法(昭和四十五年法律第四十八号)の一部を次のように改正する。
 目次中「第六章 紛争処理(第百五条-第百十一条)」を

第六章 裁定による利用に係る指定補償金管理機関及び登録確認機関

 

 

 第一節 指定補償金管理機関(第百四条の十八-第百四条の三十二)

 

 

 第二節 登録確認機関(第百四条の三十三-第百四条の四十七)

 

 

第七章 紛争処理(第百五条-第百十一条)

に、「第七章」を「第八章」に、「第八章」を「第九章」に、「第百二十四条」を「第百二十五条」に改める。
 第二十六条の二第二項第二号及び第三十条の三中「第六十七条第一項」の下に「、第六十七条の三第一項」を加え、「第六十九条」を「第六十九条第一項」に改める。
 第四十条の見出し中「政治上」を「公開」に改め、同条第一項中「及び裁判手続」を「並びに裁判手続及び行政審判手続」に、「を含む。第四十二条第一項」を「をいう。第四十一条の二」に改める。
 第四十一条の次に次の一条を加える。
 (裁判手続等における複製等)
第四十一条の二 著作物は、裁判手続及び行政審判手続のために必要と認められる場合には、その必要と認められる限度において、複製することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びにその複製の部数及び態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
2 著作物は、特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)その他政令で定める法律の規定による行政審判手続であつて、電磁的記録を用いて行い、又は映像若しくは音声の送受信を伴つて行うもののために必要と認められる限度において、公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。以下この項、次条及び第四十二条の二第二項において同じ。)を行い、又は受信装置を用いて公に伝達することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びにその公衆送信又は伝達の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
 第四十二条の見出しを「(立法又は行政の目的のための内部資料としての複製等)」に改め、同条第一項中「裁判手続のために必要と認められる場合及び」を削り、「複製する」を「複製し、又は当該内部資料を利用する者との間で公衆送信を行い、若しくは受信装置を用いて公に伝達する」に改め、同項ただし書中「部数及び」の下に「その複製、公衆送信又は伝達の」を加え、同条第二項を削る。
 第四十二条の三を第四十二条の四とし、第四十二条の二を第四十二条の三とし、第四十二条の次に次の一条を加える。
 (審査等の手続における複製等)
第四十二条の二 著作物は、次に掲げる手続のために必要と認められる場合には、その必要と認められる限度において、複製することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びにその複製の部数及び態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
 一 行政庁の行う特許、意匠若しくは商標に関する審査、実用新案に関する技術的な評価又は国際出願(特許協力条約に基づく国際出願等に関する法律(昭和五十三年法律第三十号)第二条に規定する国際出願をいう。)に関する国際調査若しくは国際予備審査に関する手続
 二 行政庁の行う品種(種苗法(平成十年法律第八十三号)第二条第二項に規定する品種をいう。)に関する審査又は登録品種(同法第二十条第一項に規定する登録品種をいう。)に関する調査に関する手続
 三 行政庁の行う特定農林水産物等(特定農林水産物等の名称の保護に関する法律(平成二十六年法律第八十四号)第二条第二項に規定する特定農林水産物等をいう。以下この号において同じ。)についての同法第六条の登録又は外国の特定農林水産物等についての同法第二十三条第一項の指定に関する手続
 四 行政庁若しくは独立行政法人の行う薬事(医療機器(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)第二条第四項に規定する医療機器をいう。)及び再生医療等製品(同条第九項に規定する再生医療等製品をいう。)に関する事項を含む。以下この号において同じ。)に関する審査若しくは調査又は行政庁若しくは独立行政法人に対する薬事に関する報告に関する手続
 五 前各号に掲げるもののほか、これらに類するものとして政令で定める手続
2 著作物は、電磁的記録を用いて行い、又は映像若しくは音声の送受信を伴つて行う前項各号に掲げる手続のために必要と認められる場合には、その必要と認められる限度において、公衆送信を行い、又は受信装置を用いて公に伝達することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びにその公衆送信又は伝達の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
 第四十七条の六第一項第二号中「、第四十一条又は第四十二条」を「又は第四十一条から第四十二条の二まで」に改める。
 第四十七条の七中「から第四十二条の二まで、第四十二条の三第二項」を「、第四十一条の二第一項、第四十二条、第四十二条の二第一項、第四十二条の三、第四十二条の四第二項」に、「又は第四十二条」を「、第四十一条の二第一項、第四十二条又は第四十二条の二第一項」に改める。
 第四十八条第一項第一号中「第三十七条第一項」の下に「、第四十一条の二第一項」を、「第四十二条」の下に「、第四十二条の二第一項」を加え、同項第三号中「第三十二条」の下に「若しくは第四十二条」を、「第四十一条」の下に「、第四十一条の二第二項、第四十二条の二第二項」を加える。
 第四十九条第一項第一号中「から第四十二条の三まで」を「、第四十一条の二第一項、第四十二条、第四十二条の二第一項、第四十二条の三、第四十二条の四」に改め、同条第二項第一号中「第四十一条」の下に「、第四十一条の二第一項」を、「第四十二条」の下に「、第四十二条の二第一項」を加える。
 第六十七条第一項中「は、著作権者の不明その他の理由により相当な努力を払つてもその著作権者と連絡することができない場合として政令で定める場合」を「(以下この条及び第六十七条の三第二項において「公表著作物等」という。)を利用しようとする者は、次の各号のいずれにも該当するとき」に、「その裁定に係る利用方法により」を「当該裁定の定めるところにより、当該公表著作物等を」に改め、同項に次の各号を加える。
 一 権利者情報(著作権者の氏名又は名称及び住所又は居所その他著作権者と連絡するために必要な情報をいう。以下この号において同じ。)を取得するための措置として文化庁長官が定めるものをとり、かつ、当該措置により取得した権利者情報その他その保有する全ての権利者情報に基づき著作権者と連絡するための措置をとつたにもかかわらず、著作権者と連絡することができなかつたこと。
 二 著作者が当該公表著作物等の出版その他の利用を廃絶しようとしていることが明らかでないこと。
 第六十七条第二項中「この項及び次条」を「この節」に、「著作物」を「公表著作物等」に改め、同条第三項中「裁定」の下に「(以下この条及び次条において「裁定」という。)」を加え、「著作物の利用方法その他政令で定める事項」を「裁定に係る著作物の題号、著作者名その他の当該著作物を特定するために必要な情報、当該著作物の利用方法、補償金の額の算定の基礎となるべき事項その他文部科学省令で定める事項」に、「著作権者と連絡することができないことを疎明する資料その他政令で定める資料」を「次に掲げる資料」に改め、同項に次の各号を加える。
 一 当該著作物が公表著作物等であることを疎明する資料
 二 第一項各号に該当することを疎明する資料
 三 前二号に掲げるもののほか、文部科学省令で定める資料
 第六十七条第四項中「同項の」を削り、同項を同条第十項とし、同条第三項の次に次の六項を加える。
4 裁定を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を国に納付しなければならない。ただし、当該者が国であるときは、この限りでない。
5 裁定においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
 一 当該裁定に係る著作物の利用方法
 二 前号に掲げるもののほか、文部科学省令で定める事項
6 文化庁長官は、裁定をしない処分をするときは、あらかじめ、裁定の申請をした者(次項及び次条第一項において「申請者」という。)にその理由を通知し、弁明及び有利な証拠の提出の機会を与えなければならない。
7 文化庁長官は、次の各号に掲げるときは、当該各号に定める事項を申請者に通知しなければならない。
 一 裁定をしたとき 第五項各号に掲げる事項及び当該裁定に係る著作物の利用につき定めた補償金の額
 二 裁定をしない処分をしたとき その旨及びその理由
8 文化庁長官は、裁定をしたときは、その旨及び次に掲げる事項をインターネットの利用その他の適切な方法により公表しなければならない。
 一 当該裁定に係る著作物の題号、著作者名その他の当該著作物を特定するために必要な情報
 二 第五項第一号に掲げる事項
 三 前二号に掲げるもののほか、文部科学省令で定める事項
9 文化庁長官は、前項の規定による公表に必要と認められる限度において、裁定に係る著作物を利用することができる。
 第六十七条の二第一項中「前条第一項の裁定(以下この条において単に「裁定」という。)の申請をした者」を「申請者」に改め、同条に次の一項を加える。
10 文化庁長官は、申請中利用者から裁定の申請を取り下げる旨の申出があつたときは、裁定をしない処分をするものとする。この場合において、前条第六項の規定は、適用しない。
 第六十七条の二の次に次の一条を加える。
 (未管理公表著作物等の利用)
第六十七条の三 未管理公表著作物等を利用しようとする者は、次の各号のいずれにも該当するときは、文化庁長官の裁定を受け、かつ、通常の使用料の額に相当する額を考慮して文化庁長官が定める額の補償金を著作権者のために供託して、当該裁定の定めるところにより、当該未管理公表著作物等を利用することができる。
 一 当該未管理公表著作物等の利用の可否に係る著作権者の意思を確認するための措置として文化庁長官が定める措置をとつたにもかかわらず、その意思の確認ができなかつたこと。
 二 著作者が当該未管理公表著作物等の出版その他の利用を廃絶しようとしていることが明らかでないこと。
2 前項に規定する未管理公表著作物等とは、公表著作物等のうち、次の各号のいずれにも該当しないものをいう。
 一 当該公表著作物等に関する著作権について、著作権等管理事業者による管理が行われているもの
 二 文化庁長官が定める方法により、当該公表著作物等の利用の可否に係る著作権者の意思を円滑に確認するために必要な情報であつて文化庁長官が定めるものの公表がされているもの
3 第一項の裁定(以下この条において「裁定」という。)を受けようとする者は、裁定に係る著作物の題号、著作者名その他の当該著作物を特定するために必要な情報、当該著作物の利用方法及び利用期間、補償金の額の算定の基礎となるべき事項その他文部科学省令で定める事項を記載した申請書に、次に掲げる資料を添えて、これを文化庁長官に提出しなければならない。
 一 当該著作物が未管理公表著作物等であることを疎明する資料
 二 第一項各号に該当することを疎明する資料
 三 前二号に掲げるもののほか、文部科学省令で定める資料
4 裁定においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
 一 当該裁定に係る著作物の利用方法
 二 当該裁定に係る著作物を利用することができる期間
 三 前二号に掲げるもののほか、文部科学省令で定める事項
5 前項第二号の期間は、第三項の申請書に記載された利用期間の範囲内かつ三年を限度としなければならない。
6 第六十七条第四項及び第六項から第十項までの規定は、裁定について準用する。この場合において、同条第七項第一号中「第五項各号」とあるのは「第六十七条の三第四項各号」と、同条第八項第二号中「第五項第一号」とあるのは「第六十七条の三第四項第一号及び第二号」と読み替えるものとする。
7 裁定に係る著作物の著作権者が、当該著作物の著作権の管理を著作権等管理事業者に委託すること、当該著作物の利用に関する協議の求めを受け付けるための連絡先その他の情報を公表することその他の当該著作物の利用に関し当該裁定を受けた者からの協議の求めを受け付けるために必要な措置を講じた場合には、文化庁長官は、当該著作権者の請求により、当該裁定を取り消すことができる。この場合において、文化庁長官は、あらかじめ当該裁定を受けた者にその理由を通知し、弁明及び有利な証拠の提出の機会を与えなければならない。
8 文化庁長官は、前項の規定により裁定を取り消したときは、その旨及び次項に規定する取消時補償金相当額その他の文部科学省令で定める事項を当該裁定を受けた者及び前項の著作権者に通知しなければならない。
9 前項に規定する場合においては、著作権者は、第一項の補償金を受ける権利に関し同項の規定により供託された補償金の額のうち、当該裁定のあつた日からその取消しの処分のあつた日の前日までの期間に対応する額(以下この条において「取消時補償金相当額」という。)について弁済を受けることができる。
10 第八項に規定する場合においては、第一項の補償金を供託した者は、当該補償金の額のうち、取消時補償金相当額を超える額を取り戻すことができる。
11 国等が第一項の規定により未管理公表著作物等を利用しようとするときは、同項の規定にかかわらず、同項の規定による供託を要しない。この場合において、国等は、著作権者から請求があつたときは、同項の規定により文化庁長官が定める額(第八項に規定する場合にあつては、取消時補償金相当額)の補償金を著作権者に支払わなければならない。
 第六十八条第一項中「その著作権者に対し放送若しくは放送同時配信等の許諾につき協議を求めたがその協議が成立せず、又はその協議をすることができない」を「次の各号のいずれにも該当する」に改め、同項に次の各号を加える。
 一 著作権者に対し放送又は放送同時配信等の許諾につき協議を求めたが、その協議が成立せず、又はその協議をすることができないこと。
 二 著作者が当該著作物の放送、放送同時配信等その他の利用を廃絶しようとしていることが明らかでないこと。
 三 著作権者がその著作物の放送又は放送同時配信等の許諾を与えないことについてやむを得ない事情があると認められないこと。
 第六十八条に次の二項を加える。
3 文化庁長官は、第一項の裁定の申請があつたときは、その旨を当該申請に係る著作権者に通知し、相当の期間を指定して、意見を述べる機会を与えなければならない。
4 第六十七条第四項、第六項及び第七項の規定は、第一項の裁定について準用する。この場合において、同条第七項中「申請者」とあるのは「申請者及び著作権者」と、同項第一号中「第五項各号に掲げる事項」とあるのは「その旨」と読み替えるものとする。
 第六十九条中「その著作権者に対し録音又は譲渡による公衆への提供の許諾につき協議を求めたが、その協議が成立せず、又はその協議をすることができない」を「次の各号のいずれにも該当する」に改め、同条に次の各号を加える。
 一 著作権者に対し録音又は譲渡による公衆への提供の許諾につき協議を求めたが、その協議が成立せず、又はその協議をすることができないこと。
 二 著作者が当該音楽の著作物の録音その他の利用を廃絶しようとしていることが明らかでないこと。
 第六十九条に次の一項を加える。
2 前条第三項及び第四項の規定は、前項の裁定について準用する。
 第七十条の見出しを「(裁定に関する事項の政令への委任)」に改め、同条第一項から第七項までを削り、同条第八項中「前各項」を「第六十七条から前条まで」に改め、同項を同条とする。
 第七十一条第二号及び第七十二条第一項中「若しくは第六項」の下に「、第六十七条の三第一項」を加え、「第六十九条」を「第六十九条第一項」に改める。
 第七十三条本文中「第六十七条第一項」の下に「、第六十七条の三第一項」を加え、「第六十九条」を「第六十九条第一項」に改め、同条ただし書中「第六十七条第一項」の下に「又は第六十七条の三第一項」を加える。
 第七十四条第一項中「第六十九条」を「第六十九条第一項」に改め、同条第三項中「第六十七条の二第五項」の下に「、第六十七条の三第一項」を加え、「同条第一項」を「第六十七条の二第一項」に改める。
 第八十六条第一項中「から第四十二条の二まで、第四十二条の三第二項」を「、第四十一条の二第一項、第四十二条、第四十二条の二第一項、第四十二条の三、第四十二条の四第二項」に、「第四十二条第一項ただし書」を「第四十一条の二第一項ただし書、第四十二条ただし書、第四十二条の二第一項ただし書」に改め、同条第二項第二号中「から第四十二条の二まで、第四十二条の三第二項」を「、第四十一条の二第一項、第四十二条、第四十二条の二第一項、第四十二条の三、第四十二条の四第二項」に改め、同条第三項中「第四十二条の二、第四十二条の三第二項」を「第四十一条の二第二項、第四十二条、第四十二条の二第二項、第四十二条の三、第四十二条の四第二項」に改め、「第三十六条第一項ただし書」の下に「、第四十一条の二第二項ただし書、第四十二条ただし書、第四十二条の二第二項ただし書」を加える。
 第九十三条の三第九項中「第七十条第三項、第六項及び第八項」を「第六十七条第七項(第一号に係る部分に限る。)及び第八項、第六十八条第三項、第七十条」に、「第七十条第三項中「著作権者」とあり、及び同条第六項中「申請者に通知し、第六十八条第一項又は前条の裁定をしたときは、その旨を当事者」とあるのは「当事者」」を「第六十七条第七項中「申請者」とあり、及び第六十八条第三項中「著作権者」とあるのは「当事者」と、第六十七条第七項第一号中「第五項各号に掲げる事項及び当該裁定に係る著作物の利用につき定めた補償金の額」とあり、及び同条第八項中「その旨及び次に掲げる事項」とあるのは「その旨」」に改める。
 第九十五条第十二項中「第七十条第三項、第六項及び第八項」を「第六十七条第七項(第一号に係る部分に限る。)及び第八項、第六十八条第三項、第七十条」に、「、第七十条第三項」を「、第六十七条第七項中「申請者」とあり、及び第六十八条第三項」に改め、「当事者」と」の下に「、第六十七条第七項第一号中「第五項各号に掲げる事項及び当該裁定に係る著作物の利用につき定めた補償金の額」とあり、及び同条第八項中「その旨及び次に掲げる事項」とあるのは「その旨」と」を加える。
 第九十五条の二第三項第二号及び第九十七条の二第二項第二号中「第六十七条第一項」の下に「又は第六十七条の三第一項」を加える。
 第百二条第二項中「第三十七条の二」の下に「、第四十一条の二第一項」を、「第四十二条」の下に「、第四十二条の二第一項」を加え、同条第九項第一号中「から第四十二条の三まで」を「、第四十一条の二第一項、第四十二条、第四十二条の二第一項、第四十二条の三、第四十二条の四」に改める。
 第百三条中「について、第六十七条」の下に「(第一項第二号を除く。)」を加え、「(第三項から第五項までを除く。)」を削り、「第六十八条、第七十条(第四項第一号及び第七項を除く。)」を「第六十七条の三(第一項第二号を除く。)、第七十条、第七十一条(第二号に係る部分に限る。)、第七十二条、第七十三条並びに第七十四条第三項及び第四項の規定は実演、レコード、放送又は有線放送の利用の可否に係る著作隣接権者の意思の確認ができない場合におけるこれらの利用について、第六十八条(第一項第二号を除く。)、第七十条」に改める。
 第百二十一条の二の次に次の一条を加える。
第百二十一条の三 第百四条の四十五第二項の規定による確認等事務の停止の命令に違反したときは、当該違反行為をした者は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
 第百二十二条の二を第百二十二条の三とし、第百二十二条の次に次の一条を加える。
第百二十二条の二 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、三十万円以下の罰金に処する。
 一 第百四条の二十七又は第百四条の四十の規定に違反して帳簿を備えず、帳簿に記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかつたとき。
 二 第百四条の二十八第一項又は第百四条の四十一第一項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、若しくは虚偽の報告をし、若しくは虚偽の資料を提出し、又はこれらの規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、若しくはこれらの規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。
 三 第百四条の三十第一項又は第百四条の四十四第一項の許可を受けないで、補償金管理業務又は確認等事務を廃止したとき。
 第百二十四条第一項第一号中「第百二十二条の二第一項」を「第百二十二条の三第一項」に改め、同項第二号中「又は第百二十条から第百二十二条まで」を「、第百二十条から第百二十一条の二まで又は第百二十二条」に改め、同条第四項中「第百二十二条の二第一項」を「第百二十二条の三第一項」に改める。
 本則に次の一条を加える。
第百二十五条 第百四条の三十九第一項の規定に違反して財務諸表等を作成せず、財務諸表等に記載すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をし、若しくは財務諸表等を備え置かず、又は正当な理由がないのに同条第二項の規定による請求を拒んだときは、当該違反行為をした者は、二十万円以下の過料に処する。
 第八章を第九章とする。
 第百十四条第一項中「侵害した者」の下に「(以下この項において「侵害者」という。)」を加え、「その者」を「侵害者」に改め、「作成された物」の下に「(第一号において「侵害作成物」という。)」を、「送信可能化を含む。」の下に「同号において「侵害組成公衆送信」という。」を加え、「その譲渡した物の数量又はその公衆送信が公衆によつて受信されることにより作成された著作物若しくは実演等の複製物(以下この項において「受信複製物」という。)の数量(以下この項において「譲渡等数量」という。)に、著作権者等がその侵害の行為がなければ販売することができた物(受信複製物を含む。)の単位数量当たりの利益の額を乗じて得た額を、著作権者等の当該物に係る販売その他の行為を行う能力に応じた額を超えない限度において」を「次の各号に掲げる額の合計額を」に改め、同項ただし書を削り、同項に次の各号を加える。
 一 譲渡等数量(侵害者が譲渡した侵害作成物及び侵害者が行つた侵害組成公衆送信を公衆が受信して作成した著作物又は実演等の複製物(以下この号において「侵害受信複製物」という。)の数量をいう。次号において同じ。)のうち販売等相応数量(当該著作権者等が当該侵害作成物又は当該侵害受信複製物を販売するとした場合にその販売のために必要な行為を行う能力に応じた数量をいう。同号において同じ。)を超えない部分(その全部又は一部に相当する数量を当該著作権者等が販売することができないとする事情があるときは、当該事情に相当する数量(同号において「特定数量」という。)を控除した数量)に、著作権者等がその侵害の行為がなければ販売することができた物の単位数量当たりの利益の額を乗じて得た額
 二 譲渡等数量のうち販売等相応数量を超える数量又は特定数量がある場合(著作権者等が、その著作権、出版権又は著作隣接権の行使をし得たと認められない場合を除く。)におけるこれらの数量に応じた当該著作権、出版権又は著作隣接権の行使につき受けるべき金銭の額に相当する額
 第百十四条中第五項を第六項とし、第四項の次に次の一項を加える。
5 裁判所は、第一項第二号及び第三項に規定する著作権、出版権又は著作隣接権の行使につき受けるべき金銭の額に相当する額を認定するに当たつては、著作権者等が、自己の著作権、出版権又は著作隣接権の侵害があつたことを前提として当該著作権、出版権又は著作隣接権を侵害した者との間でこれらの権利の行使の対価について合意をするとしたならば、当該著作権者等が得ることとなるその対価を考慮することができる。
 第七章を第八章とし、第六章を第七章とし、第五章の次に次の一章を加える。
   第六章 裁定による利用に係る指定補償金管理機関及び登録確認機関
    第一節 指定補償金管理機関
 (指定)
第百四条の十八 文化庁長官は、一般社団法人又は一般財団法人であつて、第百四条の二十に規定する業務(以下この節及び第百二十二条の二第三号において「補償金管理業務」という。)を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、全国を通じて一個に限り、補償金管理業務を行う者として指定することができる。
 (指定の手続等)
第百四条の十九 前条の規定による指定(以下この節において「指定」という。)は、補償金管理業務を行おうとする者の申請により行う。
2 指定を受けようとする者は、文部科学省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を文化庁長官に提出しなければならない。
 一 指定を受けようとする者の名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地
 二 その他文部科学省令で定める事項
3 次の各号のいずれかに該当する者は、指定を受けることができない。
 一 この法律の規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者
 二 第百四条の三十一第一項又は第二項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない者
 三 その役員のうちに、イからハまでのいずれかに該当する者があるもの
  イ 拘禁刑以上の刑に処せられ、又はこの法律の規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者
  ロ 第百四条の二十四第二項の規定による命令により解任され、その解任の日から起算して二年を経過しない者
  ハ 第百四条の三十一第一項又は第二項の規定による取消しの処分に係る行政手続法第十五条の規定による通知があつた日前六十日以内に当該取消しを受けた法人の役員であつた者でその取消しの日から二年を経過しないもの
4 文化庁長官は、指定をしたときは、第二項第一号に規定する事項その他の文部科学省令で定める事項を官報で告示するものとする。
5 指定を受けた者(以下この節において「指定補償金管理機関」という。)は、第二項各号に掲げる事項を変更するときは、文部科学省令で定めるところにより、その二週間前までに、その旨を文化庁長官に届け出なければならない。
6 文化庁長官は、第四項に規定する事項について前項の規定による届出があつたときは、その旨を官報で告示するものとする。
 (指定補償金管理機関の業務)
第百四条の二十 指定補償金管理機関は、次に掲げる業務を行うものとする。
 一 次条第一項及び第二項の規定により支払われる補償金の受領に関する業務
 二 次条第三項の規定により読み替えて適用する第六十七条の二第一項及び第五項(これらの規定を第百三条において準用する場合を含む。)の規定により支払われる補償金及び担保金の受領に関する業務
 三 前二号の規定により受領した補償金及び担保金の管理に関する業務
 四 次条第三項の規定により読み替えて適用する第六十七条の二第八項(第百三条において準用する場合を含む。)及び次条第四項の規定による著作権者及び著作隣接権者に対する支払に関する業務
 五 第百四条の二十二第一項に規定する著作物等保護利用円滑化事業に関する業務
 (指定補償金管理機関が補償金管理業務を行う場合の補償金及び担保金の取扱い)
第百四条の二十一 第六十七条第二項及び第六十七条の三第十一項(これらの規定を第百三条において準用する場合を含む。)の規定は、指定補償金管理機関が補償金管理業務を行う場合には、適用しない。
2 指定補償金管理機関が補償金管理業務を行うときは、第六十七条第一項及び第六十七条の三第一項(これらの規定を第百三条において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定により補償金を供託することとされた者は、これらの規定にかかわらず、当該補償金を指定補償金管理機関に支払うものとする。この場合において、第六十七条第七項(第六十七条の三第六項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)並びに第六十七条の三第九項及び第十項の規定(これらの規定を第百三条において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の適用については、第六十七条第七項中「申請者」とあるのは「申請者及び第百四条の十九第五項に規定する指定補償金管理機関(第六十七条の三において「指定補償金管理機関」という。)」と、第六十七条の三第九項中「第一項の補償金を受ける権利に関し同項の規定により供託された」とあるのは「第百四条の二十一第一項及び第二項の規定により指定補償金管理機関に支払われた」と、同条第十項中「供託した」とあるのは「指定補償金管理機関に支払つた」とする。
3 前二項の規定により第六十七条第一項の補償金を指定補償金管理機関に支払う場合における第六十七条の二(第百三条において準用する場合を含む。以下この項及び次条において同じ。)の規定の適用については、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。

第六十七条の二第一項

供託した

第百四条の十九第五項に規定する指定補償金管理機関(以下この条において「指定補償金管理機関」という。)に支払つた

第六十七条の二第二項及び第四項

供託を

指定補償金管理機関への支払を

第六十七条の二第四項

前条第一項

第百四条の二十一第二項

 

同条第一項

同条第二項

第六十七条の二第四項、第五項及び第八項

供託された

指定補償金管理機関に支払われた

第六十七条の二第五項

著作権者のために供託し

指定補償金管理機関に支払わ

第六十七条の二第五項及び第九項

供託した

指定補償金管理機関に支払つた

4 第一項及び第二項の規定により補償金の支払を受けた指定補償金管理機関は、第六十七条第一項又は第六十七条の三第一項の裁定に係る著作物等の著作権者又は著作隣接権者から請求があつたときは、当該著作物等の利用につき当該著作権者又は著作隣接権者が受けるべき補償金に相当する額を支払わなければならない。
 (著作物等保護利用円滑化事業のための支出)
第百四条の二十二 指定補償金管理機関は、前条第一項及び第二項並びに同条第三項の規定により読み替えて適用する第六十七条の二第一項及び第五項の規定により支払われた補償金及び担保金の額から前条第三項の規定により読み替えて適用する第六十七条の二第八項及び前条第四項の規定により著作権者及び著作隣接権者に支払つた額を控除した額のうち、著作権者及び著作隣接権者への将来の支払に支障が生じないようにすることを旨として、その支払が見込まれる額、補償金管理業務の事務に要する費用その他の事情を勘案して政令で定めるところにより算出した額に相当する額を、著作権及び著作隣接権の保護に関する事業並びに著作物等の利用の円滑化及び創作の振興に資する事業(次項において「著作物等保護利用円滑化事業」という。)のために支出しなければならない。
2 指定補償金管理機関は、著作物等保護利用円滑化事業の内容を決定しようとするときは、当該著作物等保護利用円滑化事業が著作物等の適正な管理の促進に資するものとなるよう、その内容について学識経験者の意見を聴かなければならない。
3 文化庁長官は、第一項の政令の制定又は改正の立案をしようとするときは、文化審議会に諮問しなければならない。
 (補償金管理業務規程)
第百四条の二十三 指定補償金管理機関は、補償金管理業務の執行に関する規程(以下この節において「補償金管理業務規程」という。)を定め、文化庁長官の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 補償金管理業務規程には、補償金管理業務の実施の方法その他文部科学省令で定める事項を定めなければならない。
3 文化庁長官は、第一項前段の認可をしたときは、その旨を官報で告示するものとする。
4 指定補償金管理機関は、前項の規定による告示の日の翌日から補償金管理業務を開始するものとする。
5 文化庁長官は、第一項の認可をした補償金管理業務規程が補償金管理業務の適正かつ確実な実施上不適当となつたと認めるときは、指定補償金管理機関に対し、その補償金管理業務規程を変更すべきことを命ずることができる。
 (役員の選任及び解任)
第百四条の二十四 指定補償金管理機関の役員の選任及び解任は、文化庁長官の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 文化庁長官は、指定補償金管理機関の役員が、この法律、この法律に基づく命令若しくは処分若しくは補償金管理業務規程に違反する行為をしたとき、又は補償金管理業務に関し著しく不適当な行為をしたときは、指定補償金管理機関に対し、当該役員の解任を命ずることができる。
 (補償金管理業務の会計)
第百四条の二十五 指定補償金管理機関は、補償金管理業務に関する会計を他の業務に関する会計と区分し、特別の会計として経理しなければならない。
 (事業計画及び収支予算の認可等)
第百四条の二十六 指定補償金管理機関は、文部科学省令で定めるところにより、毎事業年度、事業計画書及び収支予算書を作成し、文化庁長官の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 指定補償金管理機関は、前項の認可を受けたときは、遅滞なく、その事業計画書及び収支予算書を公表しなければならない。
3 指定補償金管理機関は、毎事業年度、文部科学省令で定めるところにより、事業報告書及び収支決算書を作成し、当該事業年度の終了後三月以内に、文化庁長官に提出するとともに、公表しなければならない。
 (帳簿の備付け等)
第百四条の二十七 指定補償金管理機関は、補償金管理業務について、文部科学省令で定めるところにより、帳簿を備え、これに文部科学省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。
 (報告徴収及び立入検査)
第百四条の二十八 文化庁長官は、補償金管理業務の適正かつ確実な実施を確保するために必要な限度において、指定補償金管理機関に対し、補償金管理業務に関し必要な報告若しくは資料の提出を求め、又はその職員に、指定補償金管理機関の事務所その他必要な場所に立ち入り、補償金管理業務に関し質問させ、若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
 (監督命令)
第百四条の二十九 文化庁長官は、補償金管理業務の適正かつ確実な実施を確保するため必要があると認めるときは、指定補償金管理機関に対し、補償金管理業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
 (補償金管理業務の廃止)
第百四条の三十 指定補償金管理機関は、文化庁長官の許可を受けなければ、補償金管理業務を廃止してはならない。
2 文化庁長官は、前項の許可をしたときは、その旨を官報で告示するものとする。
3 指定は、前項の規定による告示があつた日の翌日以後は、その効力を失う。
 (指定の取消し等)
第百四条の三十一 文化庁長官は、指定補償金管理機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その指定を取り消すものとする。
 一 偽りその他不正の手段により指定を受けたとき。
 二 第百四条の十九第三項第一号又は第三号のいずれかに該当するに至つたとき。
2 文化庁長官は、指定補償金管理機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その指定を取り消すことができる。
 一 補償金管理業務を適正かつ確実に実施することができないと認められるとき。
 二 第百四条の十九第五項、第百四条の二十二第一項若しくは第二項、第百四条の二十五から第百四条の二十七まで又は前条第一項の規定に違反したとき。
 三 第百四条の二十三第一項の認可を受けた補償金管理業務規程によらないで補償金管理業務を行つたとき。
 四 第百四条の二十三第五項、第百四条の二十四第二項又は第百四条の二十九の規定による命令に違反したとき。
 五 第百四条の二十八第一項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、若しくは虚偽の報告をし、若しくは虚偽の資料を提出し、又は同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、若しくは同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。
3 文化庁長官は、前二項の規定により指定を取り消したときは、その旨を官報で告示するものとする。
4 指定は、前項の規定による取消しの告示があつた日の翌日以後は、その効力を失う。
 (廃止の許可又は指定の取消しの場合における経過措置)
第百四条の三十二 文化庁長官が第百四条の三十第一項の許可をした場合又は前条第一項若しくは第二項の規定により指定を取り消した場合においてその後に新たに指定補償金管理機関の指定をしたときは、当該許可又は取消しに係る指定補償金管理機関は、その補償金管理業務を、新たに指定を受けた指定補償金管理機関に引き継がなければならない。
2 前項に定めるもののほか、第百四条の三十第一項の許可をした場合又は前条第一項若しくは第二項の規定により指定を取り消した場合における補償金管理業務に関する所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、合理的に必要と判断される範囲内において、政令で定める。
    第二節 登録確認機関
 (登録確認機関による確認等事務の実施等)
第百四条の三十三 文化庁長官は、その登録を受けた者(以下この節において「登録確認機関」という。)に、第六十七条の三第一項(第百三条において準用する場合を含む。以下この節において同じ。)の規定による裁定及び補償金の額の決定に係る事務のうち次に掲げるもの(以下この節、第百二十一条の三及び第百二十二条の二第三号において「確認等事務」という。)を行わせることができる。
 一 当該裁定の申請の受付(第百四条の三十五第二項において「申請受付」という。)に関する事務
 二 当該裁定の申請に係る著作物等が未管理公表著作物等に該当するか否か及び当該裁定の申請をした者が第六十七条の三第一項第一号に該当するか否かの確認(以下この条及び第百四条の三十五第二項において「要件確認」という。)に関する事務
 三 第六十七条の三第一項の通常の使用料の額に相当する額の算出(以下この節において「使用料相当額算出」という。)に関する事務
2 文化庁長官は、前項の規定により登録確認機関に確認等事務を行わせるときは、確認等事務を行わないものとする。この場合において、文化庁長官は、登録確認機関が次項の規定により送付する書面に記載した要件確認及び使用料相当額算出の結果を考慮して、第六十七条の三第一項の規定による裁定及び補償金の額の決定を行わなければならない。
3 登録確認機関は、第六十七条の三第一項の裁定の申請を受け付けたときは、要件確認及び使用料相当額算出を行い、文部科学省令で定めるところにより、当該裁定の申請書及び添付資料に当該要件確認及び使用料相当額算出の結果を記載した書面を添付して、文化庁長官に送付するものとする。
4 第七十一条(第二号中第六十七条の三第一項に係る部分に限り、第百三条において準用する場合を含む。)の規定は、文化庁長官が第二項後段の規定により補償金の額の決定を行う場合については、適用しない。
 (登録の手続及び要件等)
第百四条の三十四 前条第一項の登録(以下この節において「登録」という。)は、確認等事務を行おうとする者の申請により行う。
2 登録を受けようとする者は、文部科学省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を文化庁長官に提出しなければならない。
 一 登録を受けようとする者の氏名及び住所(法人にあつては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)
 二 その他文部科学省令で定める事項
3 文化庁長官は、登録の申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときは、登録をするものとする。
 一 確認等事務に従事する者のうちに文部科学省令で定める著作権及び著作隣接権の管理に関する経験を有する者が一人以上含まれていること。
 二 確認等事務に従事する者のうちに使用料相当額算出に必要な知識及び経験として文部科学省令で定めるものを有する者が一人以上含まれていること。
4 次の各号のいずれかに該当する者は、登録を受けることができない。
 一 拘禁刑以上の刑に処せられ、又はこの法律の規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者
 二 第百四条の四十五第一項又は第二項の規定により登録を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない者(登録を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しの処分に係る行政手続法第十五条の規定による通知があつた日前六十日以内に当該法人の役員であつた者でその取消しの日から二年を経過しないものを含む。)
 三 法人であつて、その役員のうちに前二号のいずれかに該当する者があるもの
5 登録は、登録確認機関登録簿に、第二項第一号に掲げる事項その他の文部科学省令で定める事項を記載してするものとする。
6 文化庁長官は、登録をしたときは、前項に規定する事項(文部科学省令で定めるものを除く。)を官報で告示するものとする。
7 登録確認機関は、第二項各号に掲げる事項を変更するときは、その二週間前までに、その旨を文化庁長官に届け出なければならない。
8 文化庁長官は、第六項に規定する事項について前項の規定による届出があつたときは、その旨を官報で告示するものとする。
 (確認等事務規程)
第百四条の三十五 登録確認機関は、確認等事務の実施に関する規程(以下この条及び次条において「確認等事務規程」という。)を定め、確認等事務の開始前に、文化庁長官の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 確認等事務規程には、申請受付及び要件確認に関する事務の実施の方法、使用料相当額算出の方法その他文部科学省令で定める事項を定めなければならない。
3 登録確認機関は、確認等事務規程(使用料相当額算出の方法に係る部分に限る。次項及び第五項において「算出方法規程」という。)について第一項の認可を申請しようとするときは、次に掲げる者の意見を聴かなければならない。
 一 著作権等管理事業者
 二 著作権者又は著作隣接権者を構成員とする団体(その連合体を含む。)であつて、国内において著作権者又は著作隣接権者の利益を代表すると認められるもの
4 文化庁長官は、算出方法規程が第六十七条の三第一項の規定の趣旨を考慮した適正なものであると認めるときでなければ、当該算出方法規程を含む確認等事務規程について第一項の認可をしてはならない。
5 文化庁長官は、算出方法規程を含む確認等事務規程について第一項の認可をしようとするときは、文化審議会に諮問しなければならない。
6 文化庁長官は、第一項の認可をした確認等事務規程が確認等事務の適正かつ確実な実施上不適当となつたと認めるときは、登録確認機関に対し、その確認等事務規程を変更すべきことを命ずることができる。
 (確認等事務の実施に係る義務)
第百四条の三十六 登録確認機関は、確認等事務を、公正に、かつ、文部科学省令で定める基準及び前条第一項の認可を受けた確認等事務規程に従つて実施しなければならない。
 (役員の選任及び解任)
第百四条の三十七 登録確認機関が法人である場合において、その役員を選任し、又は解任したときは、遅滞なく、その旨を文化庁長官に届け出なければならない。
 (定期報告)
第百四条の三十八 登録確認機関は、確認等事務の実施状況について、文部科学省令で定めるところにより、定期的に、文化庁長官に報告しなければならない。
 (財務諸表等の作成、備置き及び閲覧等)
第百四条の三十九 登録確認機関は、毎事業年度、当該事業年度の終了後三月以内に、文部科学省令で定めるところにより、当該事業年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書又は収支計算書並びに事業報告書(これらの作成に代えて電磁的記録の作成がされている場合における当該電磁的記録を含む。次項及び第百二十五条において「財務諸表等」という。)を作成し、これに文部科学省令で定める事項を記載し、又は記録し、五年間事務所に備え置かなければならない。
2 第六十七条の三第一項の裁定を受けようとする者その他の利害関係人は、登録確認機関の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該登録確認機関の定めた費用を支払わなければならない。
 一 財務諸表等が書面をもつて作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧の請求
 二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求
 三 財務諸表等が電磁的記録をもつて作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を文部科学省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
 四 前号の電磁的記録に記録された事項を登録確認機関の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。以下この号において同じ。)と当該事項の提供を受けようとする者の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて文部科学省令で定めるものにより提供することの請求又は当該事項を記載した書面の交付の請求
 (帳簿の備付け等)
第百四条の四十 登録確認機関は、確認等事務について、文部科学省令で定めるところにより、帳簿を備え、これに文部科学省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。
 (報告徴収及び立入検査)
第百四条の四十一 文化庁長官は、確認等事務の適正かつ確実な実施を確保するために必要な限度において、登録確認機関に対し、確認等事務に関し必要な報告若しくは資料の提出を求め、又はその職員に、登録確認機関の事務所その他必要な場所に立ち入り、確認等事務に関し質問させ、若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2 第百四条の二十八第二項及び第三項の規定は、前項の規定による立入検査について準用する。
 (適合命令)
第百四条の四十二 文化庁長官は、登録確認機関が第百四条の三十四第三項各号のいずれかに適合しなくなつたと認めるときは、当該登録確認機関に対し、これらの規定に適合するため必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。
 (改善命令)
第百四条の四十三 文化庁長官は、登録確認機関が実施する確認等事務が第百四条の三十六の規定に違反していると認めるときは、当該登録確認機関に対し、その確認等事務の実施の方法を改善するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
 (確認等事務の休廃止)
第百四条の四十四 登録確認機関は、文化庁長官の許可を受けなければ、確認等事務を休止し、又は廃止してはならない。
2 文化庁長官は、前項の許可をしたときは、その旨を官報で告示するものとする。
3 文化庁長官が第一項の規定により確認等事務の廃止を許可したときは、当該登録確認機関の登録は、その効力を失う。
 (登録の取消し等)
第百四条の四十五 文化庁長官は、登録確認機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消すものとする。
 一 偽りその他不正の手段により登録を受けたとき。
 二 第百四条の三十四第四項第一号又は第三号のいずれかに該当するに至つたとき。
2 文化庁長官は、登録確認機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消し、又は期間を定めて確認等事務の停止を命ずることができる。
 一 第百四条の三十四第七項、第百四条の三十七、第百四条の三十八、第百四条の三十九第一項、第百四条の四十又は前条第一項の規定に違反したとき。
 二 第百四条の三十五第六項、第百四条の四十二又は第百四条の四十三の規定による命令に違反したとき。
 三 正当な理由がないのに第百四条の三十九第二項の規定による請求を拒んだとき。
 四 第百四条の四十一第一項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、若しくは虚偽の報告をし、若しくは虚偽の資料を提出し、又は同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、若しくは同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。
3 文化庁長官は、前二項の規定により登録を取り消し、又は確認等事務の停止を命じたときは、その旨を官報で告示するものとする。
 (文化庁長官による確認等事務の実施)
第百四条の四十六 文化庁長官は、登録確認機関が第百四条の四十四第一項の許可を受けて確認等事務を休止し、若しくは廃止したとき、前条第一項若しくは第二項の規定により登録を取り消し、若しくは登録確認機関に対し確認等事務の停止を命じたとき、又は登録確認機関が天災その他の事由により確認等事務を実施することが困難となつた場合において必要があると認めるときは、確認等事務を自ら行うことができる。
2 文化庁長官は、前項の規定により確認等事務を自ら行うこととするとき、又は自ら行つていた確認等事務を行わないこととするときは、その旨を官報で告示するものとする。
3 文化庁長官が第一項の規定により確認等事務を行うこととした場合における確認等事務の引継ぎその他の必要な事項は、文部科学省令で定める。
 (手数料)
第百四条の四十七 登録確認機関が確認等事務を行う場合においては、第六十七条の三第一項の裁定を受けようとする者は、同条第六項において準用する第六十七条第四項(これらの規定を第百三条において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、同項の政令で定める額の手数料を当該登録確認機関に納付しなければならない。この場合において、納付された手数料は、当該登録確認機関の収入とする。
 附則第十七条中「新法」を削り、「第七章」を「第八章」に改める。
   附 則
 (施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 一 附則第六条の規定 公布の日
 二 第四十条の改正規定、第四十一条の次に一条を加える改正規定、第四十二条の改正規定、第四十二条の三を第四十二条の四とし、第四十二条の二を第四十二条の三とし、第四十二条の次に一条を加える改正規定、第四十七条の六第一項第二号の改正規定、第四十七条の七の改正規定、第四十八条第一項の改正規定、第四十九条の改正規定、第八十六条の改正規定、第百二条の改正規定及び第百十四条の改正規定並びに附則第五条及び第九条の規定 令和六年一月一日
 三 附則第三条及び第四条の規定 公布の日から起算して二年六月を超えない範囲内において政令で定める日
 (第六十七条第一項の裁定の手続についての経過措置)
第二条 この法律による改正後の著作権法(以下「新法」という。)第六十七条(新法第百三条において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)並びに第百四条の二十一第一項及び第二項(新法第六十七条に係る部分に限る。)の規定は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)以後にされる新法第六十七条第一項の裁定の申請に係る手続について適用し、施行日前にされたこの法律による改正前の著作権法(以下この条において「旧法」という。)第六十七条第一項(旧法第百三条において準用する場合を含む。)の裁定の申請に係る手続については、なお従前の例による。
 (指定補償金管理機関の指定等に関する準備行為)
第三条 新法第百四条の十八の規定による指定を受けようとする者は、施行日前においても、新法第百四条の十九第一項及び第二項の規定の例により、その申請を行うことができる。
2 文化庁長官は、前項の規定により指定の申請があった場合には、施行日前においても、新法第百四条の十八並びに第百四条の十九第三項及び第四項の規定の例により、その指定及び告示をすることができる。この場合において、当該指定及び告示は、施行日以後は、それぞれ新法第百四条の十八の規定による指定及び新法第百四条の十九第四項の規定による告示とみなす。
3 前項の規定により指定を受けた者は、施行日前においても、新法第百四条の二十三第一項及び第二項の規定の例により、同条第一項に規定する補償金管理業務規程の認可の申請を行うことができる。
4 文化庁長官は、前項の規定により認可の申請があった場合には、施行日前においても、新法第百四条の二十三第一項及び第三項の規定の例により、その認可及び告示をすることができる。この場合において、当該認可及び告示は、施行日以後は、それぞれ同条第一項の認可及び同条第三項の規定による告示とみなす。
5 前項の規定により文化庁長官が告示をした場合における新法第百四条の二十三第四項の規定の適用については、同項中「前項の規定による告示の日の翌日」とあるのは、「著作権法の一部を改正する法律(令和五年法律第▼▼▼号)の施行の日」とする。
6 文化庁長官は、新法第百四条の二十二第一項の政令の制定の立案のために、施行日前においても、同条第三項の規定の例により、文化審議会に諮問することができる。
 (登録確認機関の登録等に関する準備行為)
第四条 新法第百四条の三十三第一項の登録を受けようとする者は、施行日前においても、新法第百四条の三十四第一項及び第二項の規定の例により、その申請を行うことができる。
2 文化庁長官は、前項の規定により登録の申請があった場合には、施行日前においても、新法第百四条の三十三第一項及び第百四条の三十四第三項から第六項までの規定の例により、その登録及び告示をすることができる。この場合において、当該登録及び告示は、施行日以後は、それぞれ新法第百四条の三十三第一項の登録及び新法第百四条の三十四第六項の規定による告示とみなす。
3 前項の規定により登録を受けた者は、施行日前においても、新法第百四条の三十五第一項から第三項までの規定の例により、同項の意見を聴き、同条第一項に規定する確認等事務規程の認可の申請を行うことができる。
4 文化庁長官は、前項の規定により認可の申請があった場合には、施行日前においても、新法第百四条の三十五第一項、第四項及び第五項の規定の例により、文化審議会に諮問し、その認可をすることができる。この場合において、当該認可は、施行日以後は、同条第一項の認可とみなす。
 (罰則についての経過措置)
第五条 この法律(附則第一条第二号に掲げる規定については、当該規定)の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
 (政令への委任)
第六条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に係る経過措置を含む。)は、政令で定める。
 (暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の一部改正)
第七条 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)の一部を次のように改正する。
  別表第三十三号中「第八章」を「第九章」に改める。
 (弁理士法の一部改正)
第八条 弁理士法(平成十二年法律第四十九号)の一部を次のように改正する。
  第八条第三号中「第百二十二条まで」を「第百二十一条の二まで若しくは第百二十二条」に改める。
 (民事訴訟法等の一部を改正する法律の一部改正)
第九条 民事訴訟法等の一部を改正する法律(令和四年法律第四十八号)の一部を次のように改正する。
  附則第六十一条のうち、著作権法第四十条第一項の改正規定、同法中第四十二条の三を第四十二条の四とし、第四十二条の二を第四十二条の三とし、第四十二条の次に一条を加える改正規定、同法第四十七条の六第一項第二号の改正規定、同法第四十七条の七の改正規定、同法第四十八条第一項第三号の改正規定、同法第四十九条第一項第一号の改正規定、同法第八十六条の改正規定及び同法第百二条第九項第一号の改正規定を削り、同法第百十四条の三第四項の改正規定中「加え、「(平成八年法律第百九号)」を削り」を削る。

     理 由
 著作物等の公正な利用を図るとともに著作権等の適切な保護に資するため、立法又は行政の目的のために内部資料として必要と認められる場合等に著作物等の公衆送信等を可能とする措置、著作物等の利用の可否に係る著作権者等の意思が確認できない場合の著作物等の利用に関する裁定制度を創設する等の措置及び著作権等の侵害に対する損害賠償額の算定の合理化を図る措置について定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。