法務省・新着情報

法務大臣閣議後記者会見の概要

令和5年2月3日(金)

 今朝の閣議におきまして、法務省案件はありませんでした。
 続いて、私から、第41回全国中学生人権作文コンテストの入賞作品の選出について御報告いたします。
 このコンテストは、中学生の皆さんが人権の大切さについて考えた作文を募集するもので、今年度で41回を迎えました。
 今年度は、全国の6千を超える中学校から、77万通もの作品が寄せられ、この度、内閣総理大臣賞をはじめとする入賞作品が選出されました。
 作品をお寄せいただいた全ての方々に深く感謝するとともに、入賞者の皆さんには、心からお祝い申し上げます。
 これらの作品は、いずれも、中学生の皆さんが、様々な人権に関する問題について、真剣に考え抜いたことが、素直に、また、丁寧に表現されておりまして、次世代を担う若者たちの頼もしさを感じるものでした。
 入賞作品は、本日から法務省ホームページに掲載し、今後、作文集としての刊行も予定しています。
 多くの方々に入賞作品をお読みいただき、人権を尊重し合うことの大切さについて、考えるきっかけにしていただければと思います。
 報道機関の皆様におかれては、積極的な周知・広報への御協力をお願いします。
 私が法務省にまいりましてから驚いたことの一つがこれでありまして、そもそも出生数が昨年は80万人を切るのではないかというときに、77万通もの作品が寄せられたということについて、私は大変驚きましたし、こういう作文の作成を通じて、人権問題に関心を持ったこどもたちがその関心を長く持ち続けてほしいなというふうに、切に思います。

第41回全国中学生人権作文コンテストに関する質疑について

【記者】
 中学生の人権作文コンテストの公表ということで、作品を読まれた大臣の御感想をお聞かせいただけますでしょうか。

【大臣】
 今少し申し上げましたけれども、身の回りの様々な体験を「誰か」の他人事ではなく、自分のこととして捉え、真剣に考え抜いたことが表現されていて、その感性やまっすぐな思いは、読む者の心を動かすものがあるなと。私もいくつか目を通しましたけれども、本当に胸を打つものがありました。
 法務省としては、入賞作品の作文集も刊行する予定ですので、様々な場を通じて、これら作品を紹介させていただいて啓発活動を推進し、引き続き、全ての人々が互いに尊重し、助け合うことのできる共生社会の実現につながっていけばいいなと思っています。

法制審議会戸籍法部会に関する質疑について

【記者】
 法制審議会戸籍法部会で、昨日、戸籍法改正案の要綱案が取りまとめられましたけれども、こちらについての大臣の御所感をお伺いします。

【大臣】
 昨日、法制審議会戸籍法部会において、戸籍に仮名表記を付すことを内容とする「戸籍法等の改正に関する要綱案」が取りまとめられました。
 戸籍において氏名の仮名表記を公証し、これを一意のものとして官民の手続で利用可能とすることは、各種情報システムにおける検索や管理等の能率、各種サービスの質の向上、こういったものをもたらすものですので、デジタル社会における重要なインフラを構築するものと考えています。
 今後は、法制審議会の総会において要綱が決定され、答申がされた後、できる限り早期に国会に関連法案を提出することができるよう、所要の準備を進めていきたいと思っています。

【記者】
 今の戸籍法の話の関連で伺います。今回、「一般に認められているもの」という案になっていますが、一定の制限につながる可能性もあるのかなと思います。命名文化が損なわれかねないという懸念も上がっていました。一方で、キラキラネームが注目されていますけれども、大臣御自身はキラキラネームについて何か御所感があれば教えてください。

【大臣】
 個人的な所感は差し控えますけれども、今回取りまとめられました要綱案においては、一般に認められている読み方以外の読み方でありましても、現にその読み方を使用していることを証することができる書面、そういったものを添付した上で届出がなされた場合には、これを認めることとしているということをお伝えしたいと思います。

法制審議会刑事法(性犯罪関係)部会に関する質疑について

【記者】
 本日取りまとめに向けた審議が行われる法制審議会刑事法の性犯罪関係の部会について伺います。相手の意思に反するわいせつ行為の適切な処罰について、どのようなポイントを見直すべきか、あるいはどのような視点を大切にすべきでしょうか。また、被害者団体が求めている、同意がない性交を全て処罰の対象にすることについて、大臣御自身のお考えをお聞かせください。

【大臣】
 今日、法制審議会刑事法部会がこれから行われるということでありまして、そこでは、これまでの議論を踏まえて、要綱の取りまとめに向けて議論いただくものと聞いています。個々の論点について私も承知はしておりますが、まだこういう段階でありますので、性犯罪への適切な対処というのは、喫緊の課題であって、国民の関心も高いものですから、まず法制審議会で充実した議論が行われるということを期待しているというところでとどめさせていただきたいと思います。

入管法改正法案に関する質疑について

【記者】
 77万通の作文を全部見れたとは思えないのですけれども、この中にはおそらく、今問題とされている入管法改正や外国人、入管収容者に対する法務省等々の問題も指摘されていたかなと思われます。こういった作文を目にされたか、そういったものを読んでどう感じられたかという点と、そして(入管法)改正法案は、今概要説明書等々が出ていますけれども、大阪弁護士会、関東弁護士連合会、東京弁護士会が、相次いで今年に入ってから、この法案提出を見送るようにという声明を出されております。先ほど人権のことを言及されましたが、難民認定申請者の強制送還を法案で可能にすることは、迫害を受けるおそれのある国への追放・送還を禁じるノン・ルフールマン原則に違反する、また、改正案で創設される仮放免逃走罪や退去命令違反罪などは、罰則導入によって入管の権限を強化しようとしており、生活に困窮する仮放免者や帰国できない事情を抱えた人たちを犯罪者にすることは、憲法や国際人権法に照らしても誤りだと厳しい批判の声明が次々出ています。こういった声明への受け止めも併せて、大臣の御見解をお聞かせください。

【大臣】
 まず、77万通の作文の中に、入管法の作文があったかどうか、ちょっと承知しておりませんので、ですから全てを読んではいないということになります。
 それから、後段の御質問については、まだ検討中の法案の中身について、私がここで発言するということは困難ですけれども、ただ、重ね重ねお話ししていますように、様々な御意見をいただいているということは十分承知しておりますので、そういうものを踏まえつつも、今、現行の入管法から生じている送還忌避ですとか、長期収容問題というものは、これは早期に解決していかなくてはならないと考えておりますし、一方で、人道上の危機に直面しているような、真に庇護すべき方を確実に庇護する制度の整備もまた喫緊の課題だと思っておりますので、かねがね申し上げておりますように、入管制度全体を適正に機能させ、保護すべき方を確実に保護して、ルールに違反した者には厳正に対処できるという制度とするためには、こうした現行入管法下の課題を一体的に解決をする法整備を行うということが、必要不可欠であると考えておりますので、様々な御意見を踏まえつつ、必要な法改正の早期実現に向けて力を尽くしていきたいということです。

【記者】
 大臣はお子様がいらっしゃって、大学生のお子様がいらっしゃると聞いています。先日、大学生を中心とした入管の仮放免者等々若しくは入管収容者と向き合っている個人、NPO団体BOND(バンド)というところの学生さんたちが記者会見をしました。そこで、かつて一度大勢の意見で廃案になったものがほとんど骨格を維持された形でなぜ同じものが出されるのかと。今、多くの外国人と若い学生さんが色々な生活の場で向き合うようになって、私の時代では考えられませんでしたけれども、今日から再び国会前で6時以降ですけれども、シットインデモというものを始めるということです。学生さんたちにお話を聞きましたら、ぜひ、前回葉梨法務大臣のときは、これを見送る決断を大臣がされたと聞いていると。こういったことで、なぜ齋藤大臣が今回出すことになったのか、そのことを含めてお聞きしたいし、彼らの法案への思いというものをぜひ聞いていただきたいということをお話ししていました。学生さんたちと向き合う、お話を聞くというつもりがあるのかということと、このシットインデモは今日6時以降、毎週やっていくということです。これについても、直接見る等々、お考えがあるかどうかお聞かせください。

【大臣】
 まず、学生の皆さんがこの問題について多く関心を持っていただいているということについては、自分も学生のこどもがいますから、これは大変いいことだろうと思っています。ただ、繰り返しますけれども、今はまだ検討の途上でありますので、その一つ一つの内容について、私がこの瞬間にお話しすることはできませんので、お目にかかっても、実りあるディスカッションはできないのではないかなというふうには思いますけれども、ちょっと考えてみたいと思います。

(以上)

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