外務省・新着情報

対馬仏像引渡請求訴訟

【共同通信 木梨記者】日韓関係についてお伺いします。先ほどですが、長崎県対馬の寺から盗まれて、韓国に持ち込まれた仏像に関して、所有権を主張する韓国の寺が、盗品として像を保管中の韓国政府に引渡しを求めた訴訟の控訴審判決で、大田(テジョン)高裁が、この韓国の寺への引渡しを命じた一審判決を取り消しました。日本政府としては、この仏像を日本に引き渡すよう求めている立場だと思うのですが、この控訴審判決に対する受け止め・評価をお願いします。

【小野外務報道官】御指摘の件につきましては承知しています。
 本件裁判におきましては、昨年6月の審理に、観音寺住職が補助参加人として出廷され、観音寺が本件仏像の所有者であると主張されたと承知しています。今回は、このような主張に沿った判決が出されたと考えています。
 いずれにしても、政府としては、いまだ返還が実現していない仏像が、早期に日本に返還されるよう、韓国政府に、引き続き、働きかけるとともに、観音寺を含む関係者の方々と緊密に連絡を取りつつ、適切に対応してまいります。

日・フィリピン関係(マルコス大統領の訪日・強盗事件被疑者の引渡し)

【NHK 森田記者】今日、フィリピンのマルコス大統領の訪日が発表になりましたけれども、期間中、首脳会談も予定されているということですが、こうした首脳会談では、どういったテーマで議論が行われる予定か教えてください。
 もう一点、フィリピンを巡っては、広域強盗事件で、フィリピン政府が、この大統領訪日までに、身柄を引き渡す意向を示していますけれども、この件に関して、外務省の関与、それから交渉状況等、可能な範囲で教えていただけますでしょうか。

【小野外務報道官】2月8日から12日まで、フィリピンのフェルディナンド・マルコス大統領及び同令夫人が、我が国を公式訪問される予定です。
 滞在中、天皇皇后両陛下が、マルコス大統領及び同令夫人とご会見になる予定となっています。また、岸田総理はマルコス大統領と会談をし、ワーキング・ディナーを実施する予定となっています。
 日本とフィリピンは、歴史的なつながりで結ばれた隣接する海洋国家で、基本的な価値を共有する戦略的パートナーです。
 今日の訪日を通じまして、両国の協力関係が一段と深まることが期待されています。
 日・比首脳会談の内容につきましては、現在調整中ですので、私(小野外務報道官)の方から現時点で予断を持ってお答えをすることは差し控えたいと思います。
 我が国としては、基本的価値を共有する戦略的パートナーシップであるフィリピンとの間で、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた協力や、また、二国間関係を一層強化すべく、マルコス大統領と緊密に連携していく考えです。
 なお、ご質問の後段の件、いわゆる強盗事件の被疑者の身柄引渡しですが、日比両国の警察当局間で協議がなされているものと承知しています。ですので、詳細につきましては警察当局にご照会をいただきたいと思います。外務省としても、現地大使館を含め、当然ながら必要な協力を行ってきています。

オースティン米国防長官のフィリピン訪問

【朝日新聞 長崎記者】今ちょっと関連するかもしれないのですが、米国のオースティン国防長官が、韓国、そしてフィリピンを訪問しています。米韓関係の強化であったりとか、フィリピンとの間でも、貿易協力の強化、これが確認されるとみられていますが、今お話があった「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、どういうような意義があるとお考えでしょうか教えてください。

【小野外務報道官】日本とフィリピンは、先ほど申し上げましたとおり、基本的価値を共有する戦略的パートナーであるとともに、また、米国の同盟国という共通点を有しています。また、御指摘のとおり、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、日比両国間で、安全保障や防衛を含む幅広い分野で、二国間協力を強化してきていますし、また、日本、米国、フィリピンを含んだ多国間協力も促進してきているところです。
 こうした点を踏まえますと、米国とフィリピンとの間の協力関係が強化されることは、地域の平和と安定の維持・強化に資するものと考えています。

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