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令和5年1月21日
WTO投資円滑化非公式閣僚会合参加者の集合写真 WTO投資円滑化非公式閣僚会合
WTO電子商取引有志国朝食会参加者の集合写真 WTO電子商取引有志国朝食会

 1月19日から20日まで、山田賢司外務副大臣は、西村康稔経済産業大臣とともに、スイス連邦・ダボスにおいて、WTO関連閣僚会合に出席したところ、各会合の概要は以下のとおりです。

1 WTO投資円滑化に関する非公式閣僚会合への出席(1月19日)

  • (1)有志国・地域間で進められている投資円滑化交渉(投資手続の透明性向上や簡素化に資するルール作り)に関する会合が、オコンジョWTO事務局長(Dr. Ngozi Okonjo-Iweala, Director-General of the World Trade Organization)出席の下で行われ、参加閣僚等から昨年の交渉に対する評価や早期の交渉妥結に向けた交渉の進展への期待等について発言がありました。
  • (2)山田副大臣は、投資円滑化交渉の昨年の実質的な進展を歓迎するとともに、本協定が締結されれば、WTOの下で投資ルールを定める初の協定となり、締結国・地域のみならず全ての投資家が裨益する重要な協定となること、日本は今後も引き続き交渉に積極的に貢献していく旨述べました。

2 カナダ主催少数国グループ(オタワ・グループ)閣僚会合への出席(1月19日)

  • (1)オタワ・グループは、カナダ政府の呼びかけで発足した14か国・地域から成るWTOにおける有志国グループで、不定期に閣僚会合が開催されています。
  • (2)今次会合では、漁業補助金協定や紛争解決制度改革を含むWTO改革等、第13回WTO閣僚会議(MC13)における優先事項について、オコンジョ=イウェアラWTO事務局長出席の下、活発な意見交換が行われ、MC13で成果を出すべく、オタワ・グループとして引き続き緊密に協力・連携していくことで一致しました。
  • (3)山田副大臣からは、MC12 の成果を目に見える形で世界に示すべく、MC12で妥結した漁業補助金協定の早期発効に向けた取組をオタワ・グループがリードすること、WTO改革のためにオタワ・グループが異なる考えを有するWTOメンバーの橋渡し機能を担うことを期待する旨述べました。

3 WTO電子商取引有志国朝食会への出席(1月20日)

  • (1)有志国・地域間で進められている電子商取引交渉に関する会合が行われました。この会合では、共同議長から、2023年末までに、交渉の実質的な妥結を目指すことが表明され、参加国間で、今後の交渉のあり方について議論されました。
  • (2)山田副大臣からは、本交渉の成果として、高い野心と包摂性を両立させ、途上国を含む多くの参加を得る必要がある。そのためには、途上国のキャパシティビルディングが重要であり、日本は今後も途上国への支援を強化する旨述べました。また、共同議長国として、包摂性を確保しながら引き続き、議論を主導していく旨発言しました。
  • (3)会合後、日本は、共同議長国である豪州及びシンガポールと共に、共同議長国閣僚声明及び共同プレス発表を発出しました。

4 スイス政府主催WTO非公式閣僚会合への出席(1月20日)

  • (1)本会合は、世界経済フォーラム(WEF)年次総会(通称ダボス会議)(於:スイス・ダボス)の機会にスイスが関係国を招待して開催されてきたものです。本年は3年ぶりに対面で開催され、23カ国・機関が参加し、MC13に向け緊密に連携していくことが確認されました。
  • (2)山田副大臣からは、MC12で交渉妥結した漁業補助金協定を早期に発効させる必要性を指摘の上、日本としても早期発効に貢献したい旨発言しました。加えて、実効的な漁業資源管理のための途上国の能力構築の重要性を指摘しつつ、日本は、WTOを通じた漁業資源管理支援のための信託基金に76万スイスフランを拠出する予定である旨表明しました。

5 その他

 上記に加え、山田副大臣は、19日、オコンジョ=イウェアラWTO事務局長が、 MC13に向け議論を加速させるべく開催した、少数国閣僚非公式対話に出席した他、各会合に出席した各国政府関係者等との間で精力的に懇談し、二国間関係等について意見交換を行いました。

[参考1]第13回世界貿易機関(WTO)閣僚会議(MC13)
  • (1)閣僚会議はWTOの最高意思決定機関。通常は2年に1度開催される。
  • (2)MC13は、2024年2月26日の週にアブダビ(アラブ首長国連邦)で開催予定。
[参考2]オタワ・グループの参加メンバー(アルファベット順)

 オーストラリア、ブラジル、カナダ、チリ、EU、日本、ケニア、韓国、メキシコ、ニュージーランド、ノルウェー、シンガポール、スイス、英国

[参考3]

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