外務省・新着情報

冒頭発言

ウクライナに対する地雷・不発弾対策支援

【林外務大臣】私(林大臣)から1件ございます。
 日本は、これまで様々な分野でウクライナを支援してきておりますが、今般、その一環といたしまして、日本が20年以上に亘り、地雷除去を支援してきたカンボジアとの協力の下、1月15日から20日にかけまして、カンボジアで、ウクライナ政府職員に対しまして、日本が供与予定の地雷探知機の使用訓練の実施をいたしました。
 ウクライナの復旧・復興を進めていく前提として、地雷・不発弾処理は重要な課題であります。日本は、カンボジア等において、地雷・不発弾対策や復興に協力してきた経験・知見、これも活用しながら、引き続き、ウクライナの人々に寄り添った復旧・復興に貢献していきます。私(林外務大臣)からは以上です。

ウクライナに対する地雷・不発弾対策支援

【テレビ朝日 澤井記者】冒頭ありました、JICAを通じたウクライナの地雷除去支援についてお伺いします。今回、グローバル・サウスの一つでもあるカンボジアと連携してウクライナ支援を行ったことの意義についてと、今回は、地雷探知機4台を供与したということですが、今後、更に台数を増やしたりだとか、地雷除去車輌を提供したり、人を派遣したり、などという可能性はあるのでしょうか。来月で、ウクライナ侵攻から1年となりますけれども、G7議長国である日本として、今後、更にどういった支援をしていきたいのか教えてください。

【林外務大臣】昨年12月、政府は、補正予算において約5億ドルの予算措置をいたしました。今後の支援については、越冬支援、地雷・がれき除去、生活再建など様々な分野におきまして、国際機関やJICA、日本のNGOとも協力し、速やかな実施に向け調整を進めているところでございます。
 これらの様々な支援につきましても、今回のカンボジアの地雷・不発弾撤去への協力と同様に、我が国がこれまで培ってきた経験・知見等を活用しながら、日本の「顔」が見えるウクライナへの支援を効果的に進めていきたいと思っております。
 15日から20日にかけて、カンボジアにおいて、地雷対策を担当する、このウクライナ非常事態庁、SESU(セス)というところですが、そこに対して研修を実施いたしております。
 研修では、日本の技術を活用した地雷探知機ALIS(エーリス)の運用経験を積んだカンボジア地雷除去センター、CMAC(シーマック)といいますが、そこや、日本人専門家によるALISの使用方法の訓練、地雷リスクに関する啓発活動等の啓発活動を行っているところでございます。

山口県の衆議院補欠選挙

【読売新聞 阿部記者】外交関連ではないんですけれども、補選と、その後の区割りに伴う選挙区調整について、ちょっとお尋ねさせてください。山口県では、4月に、ダブル補選になる可能性もありますけれども、一方で、次期衆院選では、山口県内の選挙区が一つ減ります。補選で当選しても、選挙区調整が必要になるわけですけれども、林大臣自身、競合する可能性もありますが、どのように対処するお考えでしょうか。

【林外務大臣】山口県連等を中心にして、いろいろな議論がなされていると承知をしておりますので、しっかりそれを見守りながら、対応していきたいと考えております。

国家安全保障戦略における「国民の決意」

【共同通信 植田記者】「国家安全保障戦略」についてお伺いします。昨年12月に閣議決定されました文書では、戦略を推進する上で必要なのは「国民の決意」だと強調しています。国民が、安保政策に主体的に参加できるよう、環境を整備する方針も明記しました。この「国民の決意」とは、具体的に何を示すのか、政府の見解をお伺いします。

【林外務大臣】このご質問の「国民の決意」の意味は、「国家安全保障戦略」に記載されているとおりでございまして、国家としての力の発揮には、我々の決意が必要だということでございます。
 その上で更に申し上げますと、これも「国家安全保障戦略」に記載されているとおりでございますが、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境において、我が国を守る一義的な責任は我が国にあるという認識の下で、伝統的な外交・防衛の分野にとどまらない、幅広い分野を対象とする国家安全保障を総合的な国力を最大限活用して、着実に実施していくためには、国民の皆様の理解と協力が不可欠である。こういう趣旨でございます。
 今般策定されました「国家安全保障戦略」は、我が国の安全保障に関わる総合的な国力の主な要素の一つとして、まず外交力を掲げていますので、外務省としても、国民の皆様とともに、今後努力していく考えでございます。

G7広島サミット(広島平和記念資料館訪問)

【朝日新聞 高橋記者】G7広島サミットまで、あと4か月となりました。岸田首相は、「核なき世界」についても議論する方針を示しています。G7の各国首脳が、サミットで広島を訪れた際、被爆の実相を知ってもらうために、広島平和記念資料館を訪問して欲しいという思いを林大臣としては持っていらっしゃいますでしょうか。

【林外務大臣】サミットの具体的日程については、まだ決まっていることはございませんが、その上で、各国のハイレベルを含めて、世界に被爆の実相をしっかり伝えていくこと、これは、核軍縮に向けたあらゆる取組の原点として重要であると考えております。
 5月のG7広島サミットの具体的日程については、種々検討を行っているところでございますが、G7首脳が被爆地広島から、核兵器の惨禍を二度と起こさない、武力侵略、これは断固として拒否をする、との力強いコミットメントを世界に示すことができればと考えております。

「佐渡島の金山」の世界文化遺産への推薦

【時事通信 田中記者】佐渡金山の世界文化遺産登録について、質問なんですけれども、日本政府が提出した推薦状について、韓国外交部が、報道官論評で遺憾の意を表明して、浪岡公使を呼び出して抗議するなど、反発を強めていますが、今後、日本政府として、その登録に向けて、どのように取り組んでいかれるかをお話しください。

【林外務大臣】昨日、我が国は、ユネスコ事務局に対して、「佐渡島の金山」の推薦書正式版を提出したところございます。
 昨年6月にロシアで開催予定でありました第45回世界遺産委員会、これは延期をされまして、現時点で、次回の開催日程等は、未定でございます。
 いずれにしても、我が国としては、「佐渡島の金山」の世界遺産登録に向けまして、その文化遺産としての素晴らしい価値が評価されるように、韓国を含む関係国との間で、引き続き、丁寧な議論を行っていきたいと考えております。

旅費法改正

【共同通信 植田記者】旅費法の改正についてお伺いします。政府は、来年にも旅費法の改正案を提出する方針ですが、国家公務員の出張手当は、1984年から改定されず、実情に見合った改善を求める声が強くあります。大臣として、法改正が必要性など、どのように考えていらっしゃるのか伺いします。

【林外務大臣】日当や宿泊料を定める旅費法の別表第二というのがございますが、これが、今お話の昭和59年以来改定されておりませんで、昨今の円安や、諸外国における物価高に対応していないということでございます。旅費の適正な支給に向けた調整、これは既に鋭意行われているところでございますが、いずれにしても、外交活動を行う職員が、自己負担を余儀なくされるようなことがあってはならず、是正すべき状況にあると考えております。
 旅費法改正については、昨年末に、この法律を所管しております財務省から令和6年の国会提出に向けて、制度改正の検討を開始するという旨の発表がありまして、外務省としても、これを歓迎しております。
 引き続き、旅費法を巡る現在の諸課題に適切に対応した内容の法改正、これが実現されますように、武井副大臣が座長を務める「外交活動の基盤強化PT」、ここでも議論を深めつつ、財政当局と緊密に協力していきたいと考えております。

核兵器禁止条約

【産経新聞 廣池記者】核兵器禁止条約について伺います。この条約が発効してから22日で2年となります。日本は、この条約に署名はしていないですけれども、日本のこの条約に対する立場と、核廃絶に向けて、政権としてどう取り組んでいくのか、改めてお考えをお願いします。

【林外務大臣】核兵器禁止条約は、「核兵器のない世界」への出口ともいえる重要な条約でございます。しかし、現実を変えていくために、核兵器国の協力が必要であるわけですが、この条約には、核兵器国が1か国も参加していないということです。
 我が国は、唯一の戦争被爆国として、核兵器国を関与させる形で「核兵器のない世界」に向けた現実的かつ実践的な取組を進めていく、ということが基本的な考え方であります。
 昨年は、NPT運用検討会議に、日本の総理大臣として初めて岸田総理が出席して、「ヒロシマ・アクシ・ョンプラン」を提唱し、その後もCTBTフレンズ首脳級会合の開催、更には、国際賢人会議の第1回会合の広島での開催など、現実的かつ実践的な様々な取組を進めてきたところでございます。
 引き続き、唯一の同盟国である米国との信頼関係を基礎としながら、G7広島サミットも見据えながら、「ヒロシマ・アクション・プラン」に沿って国際的な機運を高める取組を進めまして、「核兵器のない世界」に向けて、全力で取り組んでまいりたいと考えております。

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