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令和4年12月23日(金曜日)
教育、科学技術・学術

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原子力関係閣僚会議の開催について、宇宙開発戦略本部の開催等について、JAXAによる日本人宇宙飛行士2次選抜結果について、令和4年度教育委員会における学校の働き方改革のための取組状況調査の結果について、国際卓越研究大学の公募開始について、修学支援新制度の中間層への拡大、小中学生の学習費の増加、査読過程での不適切な行為への対応

永岡桂子文部科学大臣記者会見映像版

令和4年12月23日(金曜日)に行われた、永岡桂子文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和4年12月23日永岡桂子文部科学大臣記者会見

令和4年12月23日永岡桂子文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

永岡桂子文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 それでは私から冒頭5件、お話をさせていただきます。
 本日、原子力関係閣僚会議が開催されました。私からは、「もんじゅ」の廃止措置の状況をご報告いたしました。本日の議論も踏まえまして、4点ほどございます。1つ目は、「もんじゅ」の着実な廃止措置、そして2つ目、「常陽」の再稼働などの基盤インフラの整備、3つ目が、原子力機構や大学における基盤的な研究開発、そして4番目、原子力人材の育成などにしっかりと取り組んでいくということをお話し申し上げました。
 2件目でございます。本日、JAXAから、H3ロケット試験機1号機につきまして、来年2月12日に打ち上げる計画が発表されました。H3ロケットは、これまで最大の開発項目となっておりました第1段のエンジンの技術的課題への対応ですとか、イプシロンロケット6号機の打上げ失敗に伴います水平展開など、様々な試練を乗り越えてきたところでありまして、関係者の皆様のこれまでのご尽力に敬意を表したいと思っております。先ほど開催されました宇宙開発戦略本部にも、私も出席をしてまいりました。岸田総理からは、H3ロケットの打上げに対する期待や、宇宙デブリ対策、また、スタートアップ支援の重要性、来年夏を目途としました宇宙基本計画の改定等に関するご意見があったところでございます。文部科学省といたしましては、引き続きまして、関係府省と緊密に連携をしながら、宇宙開発利用の促進に、推進に、最大限努めてまいる所存でございます。
 3件目でございます。JAXAによります、新たな日本人宇宙飛行士の第2次選抜の結果、受験者の50名に対しまして、10名が合格をいたしました。私自身も先週、ISSとの交信イベントにおきまして、若田飛行士から、若い世代の創造性を大切に、お互い刺激しながら協働したいとのお話をいただきまして、改めて、新たな飛行士への期待の大きさを実感をした次第でございます。来年2月末頃、いよいよ、ISSや月探査などの今後の有人宇宙活動を担います飛行士の候補者が選定予定でございます。2次選抜を通過した方々が、存分に力を発揮することを期待しております。
 4件目でございます。本日、令和4年度の教育委員会におけます学校の働き方改革のための取組状況調査の結果を公表いたしました。今回の調査結果から、3つほどございますが、時間外勤務は平成30年度以降、継続して改善傾向にあり、働き方改革の成果が一定程度出ているものの、依然として長時間勤務の教職員も多いこと。そして2つ目、客観的な方法で勤務実態を把握している自治体は全体の9割を超えておりまして、様々な取組の前提となる適正な現状把握が全国的に進んでいること。そして3つ目です。連絡手段のデジタル化をはじめといたします校務の効率化など、学校・教師の業務の見直しは、全体としては進んでいるものの、一層促進する必要があること、が明らかとなったものと考えております。働き方改革の取組は着実に前進しているわけでございますが、引き続きまして、取組を加速していく必要があると考えております。国・学校・教育委員会が連携をいたしまして、教師が教師でなければできないことに全力投球ができるような、そういう環境を整備するために、文部科学省が先頭に立ちまして取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
 そして5つ目になります、5件目でございます。大学ファンドの支援対象となります、国際卓越研究大学の公募を本日より開始をいたします。選定に当たりましては、世界最高水準の研究大学の実現に向けまして、これまでの実績のみではなくて、「変革」への意志と、そして将来構想に基づきまして、書面や面接による審査のみではなく、研究現場の視察、それから大学側との丁寧な対話などを通じまして、体制強化計画の磨き上げを実施する予定でございます。申請を検討する大学におきましては、国内外の若手研究者を惹きつける魅力的な研究環境を実現をいたしまして、世界の学術研究ネットワークをけん引する構想というものを提出いただくことを期待しております。以上でございます。

記者)
 高等教育機関への進学を後押しする修学支援新制度について伺います。先日の有識者会議で、扶養が3人以上の多子世帯などに対して、中間所得層にも支援を拡大する方針が示されたかと思います。その中間層も、年収要件は今後の課題となっているかと思います。この年収要件について、今後どういったスケジュールで検討を進めていくつもりなのか、大臣のお考えをお聞かせください。

大臣)
 ご指摘の「高等教育の修学支援新制度」の中間層への拡大につきましては、今年8月から、有識者会議におきまして制度設計を検討しているところです。例えば、多子世帯の範囲は扶養する子供が3人以上とするなど、修学支援新制度の見直しについて、12月14日に報告書を取りまとめました。その報告書におきましては、新たな支援区分の具体的な所得基準ですとか支給額につきましては、今後、財源と併せて政府において検討されておりまして、文部科学省といたしましては、令和6年度から着実に実行できるよう、早急に政府部内で調整をしてまいりたいというふうに考えております。来年度になればですね、高校3年生の進路選択にも影響してきますので、なるべく早く決定できるよう、政府部内で調整したいと考えております。以上です。

記者)
 冒頭発言にありました、働き方改革の調査についてお尋ねします。時間外勤務は継続的に減ってきているというのは、ご指摘の通りだと思うんですけれども、一方で、昨年の令和3年から4年の改善幅を見ますと、小学校では1.9%、中学校でも、高校は逆に0.4ポイント悪化している状態です。これは要するに、学校の現場の教員のやることがそもそも、質と量とともにですね、多すぎてですね、現状の取組では、やっぱり時間外勤務の縮減というものに限界がきているのではないかというふうに受け止めることもできるかと思うんですけれども、この改善幅が小幅に留まっているということを大臣はどのように受け止めてらっしゃるのかということと、どのような政策が効果的だと考えているか。

大臣)
 令和4年度の時間外勤務の状況につきましては、令和3年度に新型コロナウイルスの影響によりまして見送りました学校行事等ですね、今年度は実施したという影響もあると考えております。全体としてはですね、平成30年度以降、やはり継続して改善傾向にあるということは認識をしているところなんですけれども、一方でですね、依然として長時間勤務の教職員も多くて、また、自治体・学校間の取組状況の格差もあるということから、更に取組を加速化していく必要があるというふうに考えております。このため、文部科学省では、令和5年度の予算案におきまして、3つ項目があるんですけれども、1つ目が、小学校におけます35人学級の計画的な整備や高学年の、教科担任制ですね、の推進等のための教職員定数の改善。そして2つ目が、教員の業務支援員ですね、を初めてする支援スタッフの充実。そして3つ目が、校務のデジタル化ですね、などの、学校DXと言うんですけれども、推進などに必要な経費を計上することとしているところでございます。また、働き方改革の推進によりまして勤務状況の改善が見込まれます学校を指定いたしまして、民間事業者等への専門的な知見によります伴走型の支援を通じて組織運営や意識改革などを図る事業を新たに令和5年度から実施をいたしまして、具体的な改善方策を全国的に展開したいと考えております。これらの取組を通じまして、学校におけます働き方改革の推進に全力を尽くしていきたいと思っております。

記者)
 今のお答えで1つフォローさせてください。昨年は、学校行事をコロナのためにやらなかったから、やらなかったんだけれども、今年は、その学校行事ができるようになったら、今度は時間外勤務を減らすことができなくなったということは、学校行事をまともにやったら、教員は、時間外勤務が、国が定める月45時間の中で収まらないということを意味しているのではないかと思うんですが、そこはどのように受け止めてらっしゃいますか。

大臣)
 そういうご意見もあるでしょうけれども、やはり、コロナ禍の中で、やはり、学校の先生方がやらなければいけないコロナ対策というのも大変厳しいものがあったのかなと思っております。しかしながら、そのときはやはり、学校行事というのは概ね中止ということが多かったわけで、そういうことも考えました上での意見でございますのでご了承いただければと思っております。

記者)
 冒頭発言に関してお伺いさせてください。宇宙飛行士選抜試験の結果ですけれども、2次試験の結果、10人が残ったということですが、性別とか年齢とかはどうだったのか。その結果をご覧になった大臣はどういうふうに受け止めたのか、まず伺わせてください。

大臣)
 宇宙飛行士の、50人から10人という2次選抜の合格者10名のうち、実は女性の割合は2名でございました。2名であったと聞いております、お会いしてないのでそういう言い方にさせていただきます。やはり、宇宙飛行士の選抜といいますと、やはり具体的に、女性が何人ということをね、目標にしようがしまいがやはり相当な実力主義ということでございます。そんな中で2名の方が合格したと、次に進むということがありまして、私も大変嬉しく思っておりますけれども、やはり次の試験に向けましてね、皆さん方に頑張っていただきたいと。男も女もないというふうには思っている次第でございます。

事務方)
 すみません、あと年齢層についてのご質問ですけれども、JAXAから今朝もう発表されておりますので、ホームページをご覧いただければと思います。

記者)
 その10人のうち女性は2名ということですが、エールといいますか、大臣、また改めて、最終的に選ばれる選考へ向けたエールを一言お願いいたします。

大臣)
 選抜されました10名の方全員が頑張っていただいて次に進んでいただきたいと、そう考えておりますので、ぜひ頑張っていただきたいと思っております。

記者)
 もう1点、国際卓越研究大学についての質問なんですが、これから多くの大学が申請を検討すると思うんですけれども、申請する大学に期待する点ですね、大臣としてどういった点に注目されているか伺わせてください。

大臣)
 報道によれば、多くの大学が国際卓越研究大学の応募を検討しているということは承知をしております。研究環境の改善ですとか国際競争力の強化を図るために、大学ファンドによります支援に大きな関心が寄せられていると感じております。やはり、だいぶ私も、学校の先生方にお会いしますとこの話になるということもございます。本日、公募を開始するところでございますので、審査を公平に行う観点からですね、予断を持っていろいろなことを発言というのは、申し訳ありません、控えさせていただければと思っております。

記者)
 福井大学の学術論文の査読不正の問題について、2点お伺いします。先日、大学が論文の査読で不適切な行為があったと認定して、関与した教授の処分を検討するという報告書案を出しました。この問題についての所感をまずお願いします。

大臣)
 福井大学、千葉大学が、所属する研究者に対して査読過程での不適切な行為を認定する調査結果を公表したことは承知をしております。査読は、科学者コミュニティの自律性によりまして成り立つものでございまして、科学研究の健全な発展のための重要な役割を担うものだと思っております。査読の過程において、やはり不適切な行為が行われたことは、やはり国民の科学への信頼というものを揺るがしまして、科学の発展を妨げるというものにつながるということがありますので、大変遺憾だと思っております。末松前大臣の「新たな問題」という発言があったんですけれども、この、「新たな問題」という報道されたその事案がですね、文部科学省のガイドラインで定義をされている、捏造ですとか改ざんですとか、また、盗用の3つの不正行為とは異なるんですね。そこのところで、「新たな問題」ということを、末松前大臣はお話をさせていただいたと思います。文部科学省への報告、それから競争的研究費への申請及び参加資格の制限等の対象外でございまして、前例のないものであったことを踏まえたものであると理解をしております。文部科学省といたしましては、大学等を通じまして、研究者に対して注意喚起を行うとともに、査読の在り方につきまして、日本学術会議に対しまして審査(注)を依頼する予定でございます。関係省庁と連携して、適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。
(注)「審査」と発言しましたが、正しくは「審議」です。

記者)
 今のご発言の中で、学術会議に審査を依頼するということでしたけれども、審査の内容なんですけれども、これは、文部科学省のガイドラインに含めるべきか否かということも含めてでしょうか。

大臣)
 査読に関してどういうものが適切かということ等を要請したいと思っておりますが、細かくは事務方の方で承ります。

記者)
 学習費調査の結果について伺います。幼稚園から高校までの学習費総額が、全て私立で1,838万円、全て公立で574万円となり、過去最高でした。家計への負担も大きいですが、大臣の受け止めをお尋ねします。また、増加している理由をどのように見ているか、支援などを考えるところがあればそれも含めてお聞かせください。

大臣)
 「令和3年度子供の学習費調査」の結果において、保護者が子供1人について支出をする学習費総額は、公立及び私立の小学校、中学校においては過去最高となりました。抽出調査のために統計上の誤差がある点には、これ、ちょっと気をつけなければいけないと思っておりますけれども、やはり学習塾ですね、塾費をはじめとした学校外の活動に関する金額が大きく増加しているほか、学校で使用する図書費、そして学用品等の金額がやや増加したことなどを背景にした結果とみられると考えております。文部科学省といたしましても、家庭の経済事情に左右されることなく、誰もが希望する質の高い教育を受けられるようにするために、教育費の負担軽減は重要な課題であると考えております。これまでも、幼児教育、それから保育の無償化ですとか就学援助、高等学校等就学支援金、高校生等奨学給付金などの取組によりまして教育費の負担軽減を行ってきたところでございますが、地域住民の方々のご協力を得ながら、放課後等におけます小中学生、そして高校生を対象といたしました原則無料の学習支援の充実なども行ってきたところでございます。今後とも教育費の負担軽減に努めるとともに、地域と連携した子供の学びを支える取組、これをしっかりと進めてまいります。

(了)

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