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冒頭発言

【林外務大臣】本日、私は、地方の魅力を世界に発信する「地方を世界へ」 というプロジェクト第2弾としてですね、宮城県と、ここ山形県を訪間させていただきました。
 宮城県では、知事、市長及び地元経済界の皆様と意見交換を行いまして、いわゆる地元の魅力の発信とか、我が国の外交政策について議論を深めることができました。特に宮城県はですね、来年5月にG7仙台科学技術大臣会合が予定されておりまして、こうした機会の活用を含め、官民連携やインバウンド需要の拡大、震災からの復興等について有意義な議論を行ったところでございます。
 また、ここ山形県では、若者を含めまして、様々な分野で活躍する皆様と車座対話を行いました。山形は、先般「ヤマガタユースサミット2022」が開催される等、グローバル人材の育成にも尽力されておられまして、本日も有意義な意見交換ができました。私からは、山形はアジア出身で初めての常設国際司法裁判所長を務めた安達峰一郎大使を輩出した地であることにも触れながら、法の支配に基づく国際秩序の重要性についても触れさせていただいたところでございます。
 これに関しまして、我が国はですね、来年1月から国連安全保障理事会の非常任理事国となります。我が国の議長月となる1月には、ニューヨークにおいて「法の支配」をテーマとする公開討論の開催を検討しております。来年を「力による支配」を認めないという考えの下に各国が結束をする年にしたいと思っておりまして、積極的な役割を果たしていきたいと考えます。
 今回の訪問を通じて伺った地元の方々の御知見や御意見を踏まえまして、引き続き、私自身が先頭に立ちながら、地方の魅力を世界に発信して、インバウンド需要の喚起、また、地域の更なる活性化に繋げていければと思います

質疑応答

【記者】本日の車座対話についてお伺いします。これはインバウンドですけれど、これは地方にとっても山形県にとっても非常に経済効果大きくですね、県が力を入れてる分野の一つであります。まず、本日の車座対話、いろいろなお立場・背景をお持ちの方々の話を聞いたと思うんですけれども、特に印象に残った話等、感想を聞かせてください。
 また、今後ですね、今日お伺いされたお話、どのように海外発信、それとインバウンドの促進に生かしていきたいとお考えでしょうか。

【林外務大臣】今日の車座対話はですね、「山形を世界へ」をテーマにいたしまして、ここを拠点に、国際交流、観光、文化、スタートアップ企業、農業といった分野で活躍されている6名の皆様とですね、山形の魅力の発信とか我が国の外交政策について議論を行うことができました。大変勇気づけられるたくさんのお話をお伺いすることができ、山形の持つ魅力ですとか潜在力というものを改めて感じることができました。
 私の若い頃に似ていたんですが、留学をすることによってですね、地元の山形の魅力に改めて気づくと、これは私もそうだったんですが、ずっといるとですね、当たり前のように思ってしまうんですね。ところが海外に出て、その比較でもって、外からの視線で合わせて見た時に、このふるさとの山形の日常に素晴らしいものがあると、こういうお話があってですね、そういう原体験からいろいろな活躍をされておられると。こういうことを聞かせていただきました。
 また、バイオべンチャ一企業の方からですね、この今やっておられるもの、私も昔から存じ上げていたんですが、服装に使うことからさらに広げてですね、いろいろな素材に広く展開をしておられる。さらにですね、食品にもですね、これは元々動物性のタンパク質なので使われているということで、いろいろ広がってきているんだなあということを感じさせていただいたところでございます。
 こういう魅力をですね、更に広げていくためにもですね、我々が持つ在外公館のネットワークですとか、また、各国の大使がおられますので、そういうことで更にお手伝いができることをしっかり考えていければと思っております。

【記者】北朝鮮関連になりますが、11月3日に弾道ミサイルが発射され、この山形県もJアラートの対象地域となったところです。県民にとっても北の脅威は非常に身近に感じるところがありますが、これに対し、どのように安心を確保していくのか、外相としての考え方、取り組みをお聞きしたい。
 もう一つ、山形県の日本海側は近年漁業関係者が外国船の違法操業によって非常に大変な思いをしているという状況もあります。それに対するアプローチ、考え方も併せておたずねします。

【林外務大臣】まず、北朝鮮による核・ミサイル活動は、これは我が国の安全保障にとって重大かつ差し迫った脅威であるとともに、地域及び国際社会の平和と安全を脅かすものであり、断じて容認できないと申し上げておきたいと思います。
 北朝鮮に対し、関連する国連安保理決議を即時かつ完全に履行するとともに、拉致、核、ミサイルといった諸懸案の包括的な解決に向けてですね、具体的な行動をとるよう、強くこれまでも求めて参りましたし、今後とも求めていきたいと思っております。
 これに対しては、日米、そして日米韓で緊密に連携し、国際社会と協力しながら、関連する国連安保理決議の完全な履行に向けて、北朝鮮の非核化を目指していきたいと思っております。
 また、我が国の排他的経済水域における北朝鮮等の違法操業は、極めて問題であると認識しております。引き続き関係する省庁、海上保安庁、水産庁と連携しながら、我が国排他的経済水域内での外国漁船等による違法操業の防止のため、毅然として対応して参りたいと思っております。

【記者】政府の外交安全保障政策についておたずねします。2点あるのでまとめてお伺いします。
 先ほど大臣からも言及がありましたけれど、政府は来年の1月に、国連安保理で法の支配に関する公開討論を行う予定です。安保理常任理事国のロシアや中国への働きかけですとか、また安保理以外の国の参加、また大臣など、政務の出席についての検討状況をお聞かせください。
 また、今政府が改訂を進めている国家安全保障戦略など3文書についてもおたずねします。与党は3文書に反撃能力の保有を明記する方針を固めました。反撃能力については、歯止めに曖昧さが残り、地域の緊張を招くとの懸念も出ています。反撃能力の保有を打ち出した上で、周辺国との外交をどのように進めていくお考えでしょうか。

【林外務大臣】まず最初の方のご質問ですが、来年1月から国連安全保障理事会の非常任理事国となりまして、我が国の議長月となります1月には、ニューヨークにおいて「法の支配」をテーマとする公開討論の開催を検討しております。ロシア、中国への働きかけ、また安保理以外の国への参加等については調整を進めているところでございます。また、私を含む政務三役の出席については現時点で決まっていることはございません。
 また、2つめのご質問ですが、ミサイルなどの技術が急速なスピードで変化・進化するなかで、我が国を取り巻く安全保障環境が急速に厳しさを増しています。そうした中で、いわゆる「反撃能力」の検討は、国民の命や暮らしを守り抜くために行っておるところでございます。外交努力の必要性は申すまでもないわけでございますが、同時に、その裏付けとして防衛力の強化も避けて通れない、そういう風に考えております。国民の命と暮らしをしっかりと守れるという体制を示すことが、翻って外交における説得力に増すものと考えています。その上で、諸外国に対して、防衛政策の具体的な考え方、これを明確にするなど、透明性を保つためにしっかり説明することは重要と考えまして、引き続き積極的に取り組んでいきたいと思っております。

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