内閣府・新着情報

日時

2022年11月10日(木)15:05~17:13

場所

消費者委員会会議室・テレビ会議

出席者

河野内閣府特命担当大臣
【専門委員】
野村座長、若林座長代理、後藤委員、河野委員、関口委員、坪田委員、寺田委員、長田委員
【消費者委員会担当委員】
大石委員
【説明者】
電力・ガス取引監視等委員会事務局鍋島学ネットワーク事業監視課長
(消費者庁)
楢橋康英参事官(公益通報・協働担当)
【オブザーバー】
ビジネス・ブレークスルー大学宇田左近副学長(経営学部長・教授)
公益財団法人自然エネルギー財団大林ミカ事業局長
【事務局】
小林事務局長、岡本審議官、友行参事官、事務局担当者

議事次第

  1. 開会
  2. 電力託送料金の妥当性について
  3. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○友行参事官 皆様、大変お待たせいたしました。事務局でございます。

本日は、お忙しい中、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

ただいまから、第70回「公共料金等専門調査会」を開催いたします。

本日は、星野委員が御欠席、野村座長をはじめ、その他の委員の皆様は全員テレビ会議システムにて御出席です。

また、本日もオブザーバーとして、宇田左近様、大林ミカ様、関係省庁からは消費者庁から楢橋参事官、電力・ガス取引監視等委員会事務局、鍋島課長に御出席いただいております。

議事に入る前に、配付資料の確認をさせていただきます。お手元の議事次第に配付資料を記載してございます。不足等がございましたらお知らせいただきますようお願いいたします。

テレビ会議による開催に当たりましてお願い申し上げます。ハウリング防止のため、御発言時以外はマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。また、画面は皆様オンにしていただければ幸いでございます。御発言の際は、あらかじめチャットでお知らせください。それを確認した座長から指名がありました後に発言をお願いいたします。

なお、感染症拡大防止の観点から、一般傍聴者にはオンラインにて傍聴いただき、報道関係者のみ会場に御参加いただいております。

議事録については、後日公開いたします。

本日、河野大臣が途中からお時間の許す限り御出席される予定となっております。その際は審議の途中で会議を中断させていただくこともございますので、あらかじめ御了承いただきますようお願いいたします。

それでは、野村座長、以降の議事進行をよろしくお願いいたします。


≪2.電力託送料金の妥当性について≫

○野村座長 本日は、お集まりいただきありがとうございます。よろしくお願いいたします。

本日の進行についてですが、途中で私の回線が切れた場合は復旧するまでの間、座長代理に、座長代理の回線も併せて切れてしまった場合には事務局に進行をお願いいたします。

それでは、議題に入らせていただきます。本日は「電力託送料金の妥当性」に関して論点整理や意見交換を行いますが、これに先立ち、電力・ガス取引監視等委員会より、前回の専門調査会で出た持ち帰り事項への回答をお願いしたいと思います。

それでは、電取委事務局より御説明をお願いしたいと思います。10分程度と想定しております。お願いいたします。

○電取委鍋島課長 承知いたしました。

短くお答えさせていただきます。

前回御質問いただいた点に関しまして、私のほうからきちんと回答できなかった点を3点ほど補足させていただきます。

まず、トップランナー査定におきまして、10社中3位の値を使っていることについて御質問がございました。確認いたしましたが、経緯といたしましては、英国の同様の審査制度におきましてトップ25%を基準値として使っていることを参考に、料金制度専門会合で議論いたしまして、日本においては10社ということですので3位が妥当ではないかということで、議論をした上で決めているものでございます。

一方、各種単価の中で回帰分析ができないものについては中央値査定というものを使っており、その中では5番という数字を使っていたりもします。

この点については、施工の状況や条件などでいろいろ変動を受け、きちんとした、比較的正確なトップの判定ができないことも勘案して中央値を使うことにしております。

さらに、そうしたトップの順番がきちんと決められないこともありますので、中央値を基準とした上で、更に特段の理由があって高額になるものについては、理由を聴取した上で個別に査定を行う、こういう考え方にした次第でございます。

それから、各社のステークホルダー協議の進め方について御質問がございました。この中で、消費者関係者と協議したのは全ての会社であるかという御質問がございましたけれども、協議がなされているのは10社中8社と確認されました。ただし、残る2社につきましてはホームページなどで意見を募集していたということですので、そうした中で消費者関係者から意見を受け付けていた可能性もございます。

それから、前回資料の57ページでございましたが、「賠償負担金相当金及び廃炉円滑化負担金相当金」の関係で、各社とも賠償負担金相当額の大臣通知額を40年で回収するという表現について御質問がございました。

この箇所につきましては、やや言葉足らずでございまして、正しい趣旨といたしましては、こうした賠償負担金相当額の各社への大臣通知額において、そうした通知額は約2.4兆円の過去分の賠償金を40年で回収するという前提で算定されたものという趣旨でありまして、それが非常に短く書かれていたので分かりにくいものでございました。補足させていただきます。

私からの説明は以上になります。

○野村座長 ありがとうございました。

それでは、今の3点に関しまして、御質問、御意見がありましたらお願いいたします。チャット欄にお名前を挙げていただくと助かります。

よろしいでしょうか。

電取委事務局から分かりやすく御回答いただいたかと思います。皆様、これで御了解いただいたことにさせていただきますが、よろしいでしょうか。

そうしましたら、次の論点整理についてというところへ移らせていただきます。

まず、事務局より論点案について御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○友行参事官 それでは、資料1に沿いまして、全体的な説明を最初に事務局のほうからさせていただきます。

その後にオブザーバーでいらっしゃいます宇田オブザーバー、大林オブザーバーのほうから補足的に御説明をいただければと思っております。

では、まず事務局から御説明いたします。

資料1でございます。最初の1ページ目のところは、はじめにというところになっておりますので、細かな説明は割愛させていただきます。

次のページをめくっていただきまして、「託送料金の査定について」というところでございます。柱書きのところは、一番下の行でございますけれども、「消費者の視点から見ると、更に以下の点について疑問点や留意事項が残る」と記載しております。

最初の(1)「統計的手法やトップランナー的補正による査定」のところでございます。こちらについては、電取委のほうから、査定に当たってはトップランナー補正、統計的な査定というものを用いているという御説明がございました。真ん中より下ぐらいの「他方」のところからでございますけれども、もともと地域独占で競争が働いていない一般送配電事業者間の比較に妥当性があるか、先ほど御説明がありましたけれども、10社中3位の値をベースとしている点などの指摘でございます。

また、「さらには」というところでございますが、「各社から提出されている事業計画について、各論での統計的手法を用いての査定の積み上げがなされているところ、全体としてどのように効率化が図られているかについて明確な説明がなされていない」と記載しております。

(2)「効率化の確認態勢」のところでございます。3ページ目に参りますが、マル1のところでございます。設備拡充・更新投資など既存のネットワークに係る費用の部分については当初提出された収入の見通しにおいて、その妥当性をどのように判断したのかという指摘でございます。そして、費用が増加している点について明確に説明すべきであると記載しております。

マル2のところについては、統計的手法を使っている、またトップランナー的補正というものを使っているということでございますが、マル2の下から2行目で、全体としてコスト削減の努力が図られているかどうかを確認することが重要であるという指摘でございます。

マル3のところについては、送電費などの工事種別ごとに単価と投資量に分けて、下から3行目のところでございますけれども、必要な投資量が確保されることは、ネットワークの維持・更新に必要であることからも、特に単価についてコスト削減の努力が図られているか否かを検証することが求められるということでございます。

(3)「工事発注に係る競争性の実効性の確保」でございます。実際の工事発注に当たっては、競争入札というものが導入されております。このところでございますが、競争の実態については、入札の割合だけではなく、上から4行目の辺りでございますが、入札のシェアが固定化していないか、また、同じ企業が数年おきに順番に落札しているような実態がないかなど、入札の実態を細かく精査することも必要であるというふうに指摘しております。4ページ目に参りまして、コスト削減のためにどのような取組を行っているかを確認することも必要であるとしております。

(4)「次世代投資」のところでございます。マル1のところについては、次世代投資については、下から2行目でございますけれども、発電や小売に係る費用を計上することは認められないというふうにしております。

マル2のところでございます。「他方」のところからでございますけれども、次世代投資については、個別査定により効率化係数の対象外とするか否か、仕分先のスクリーニングやコストの妥当性の審査が行われているが、その効率化係数の対象外とすることにした案件については、費用対効果を含めて、認める理由について明確な説明が必要であるというふうにしております。

また、このマル2の下から6行目のところでございます。今後、将来における調達コストのモニタリングを含め、コスト管理が適切に行われているかどうか、投資効果や計画履行状況の検証を実施し、調達コストをモニタリングする必要があるというふうにしています。また、その体制については、現在、検討されている電力会社内の第三者委員会ではなく、外部で公開の下、実施するべきであるということでございます。

マル3のところでございます。次世代スマートメーターに係る費用計上が多く見られております。こちらについては、10年ごとの更新が必要という形になっております。これが次世代へ投資する活動なのか、事業のルーチンなのか、この辺りについて慎重な検討が必要であるということでございます。

5ページに参りまして、マル4でございます。こちらについては、これまで積極的にそのような取組、投資の取組を進めてきた事業者に対しては、取組の進んでいるところにボーナス加点するなどの仕組みも海外では導入されている、今後そうした制度の導入についても検討してはどうか、不断の見直しをすることも求められるということでございます。

次に、「コスト削減の実効性の向上について」でございます。このように示した疑問点の速やかな解消に向けて、電力・ガス取引監視等委員会は独立性をもって必要な対応を早急に行い、消費者の理解・納得を得られるよう分かりやすい形で説明する必要がある。また、消費者からの信頼を得るために、経営上のガバナンスを効かせられるよう、電力会社及びその利害関係者、監督官庁から独立した社外のメンバーによる第三者機関が各社のコスト削減の状況を定期的にモニタリングするといった手法を含め、コスト削減の実効性を高めるための方策を検討すべきであるとしております。

次に、「その他制度面等について」のところでございます。(5)の「制御不能費用」のところでございます。こちらについては、原発の廃炉円滑化負担金相当額や賠償負担金相当額、電源開発促進税などについては、託送料金とは関係のない費用であることから、送配電ネットワークの整備に要する費用とは区別した形で明示すべきであるということでございます。こちらは、以前に消費者委員会からも意見の中で申し述べたことがある内容と同一でございます。

(6)「固定費の配分」でございます。マル1のところは、「これまでも消費者委員会において意見として発出しているが」とございます。固定費のところについて、低圧部門、特別高圧・高圧部門への配分に当たって、低圧部門のほうに負担が大きくなるような形については修正すべきではないかということでございます。これはもう既に委員会のほうから過去に意見発出したところでございます。

(7)「発電側課金の制度設計」のところでございます。上から5行目の辺りでございます。同制度は、制度設計によっては、再生可能エネルギー発電事業者の負担増によるコスト増や投資抑制を招き、国が進める再生可能エネルギー最優先の原則に逆行する効果をもたらす可能性がある。こうしたコスト増は、最終的には消費者の負担となるということで、下から3行目のところでございますが、特に再生可能エネルギーの拡大を阻害することがないよう制度設計を行うべきであるとしております。

(8)の「労働分配率の維持又は向上」については、こちらは公共料金の変更に係る際に消費者庁においてチェックポイントとして挙げている事項の一つでございます。コストの価格転嫁を適正に進めつつ、賃上げをしっかりと実現していくことも経済の好循環を実現する上で重要であるという指摘でございます。

次に、「消費者への丁寧な説明等に関する意見」のところについては、(9)の「消費者の理解・納得」のところでございます。7ページに参りまして、上から3行目、消費者が納得できるよう、繰り返し様々な機会をとらえて分かりやすく説明することが重要であるというふうにしております。

マル2のところでは、レベニューキャップ制度の内容、趣旨について、その関連費用の負担の在り方などについて消費者が改めて十分に理解し、納得できるよう情報発信をすべきであるというところでございます。

(10)の「幅広いステークホルダーの参画の機会の確保」でございます。こうしたことについては、地域ごとのニーズを踏まえるため、ステークホルダー協議を行うことが求められておりますけれども、その協議に参加しているステークホルダーの範囲が限定されている、そこをもう少し広い範囲で意見聴取すべきではないかということでございます。ドイツにおいては、そうした取組によって、記載されているような、景観や生物多様性などの地元の懸念を取り入れたような設備が導入されたという例もあるということでございます。

最後のところは、消費者利益の擁護を図るため、消費者委員会では、レベニューキャップ制度の運用後においても、上記に指摘した事項の対応状況等について、電力・ガス取引監視等委員会へのヒアリングを含めた適切なフォローを行っていくというところでございます。

事務局からの説明は以上でございます。

○野村座長 ありがとうございました。

引き続きまして、オブザーバーのお二方から御説明をいただきたいと思います。

まず、宇田オブザーバーからよろしくお願いいたします。

○宇田オブザーバー 今、御紹介いただきました宇田左近でございます。私は、今回事務局からの依頼で検討に加わらせていただいております。

まだ1か月強ですけれども、いろいろ御協力もいただきまして、必要データを取り寄せ、一定の分析はすることができました。ただし、これは限られた時間でもありますので、全てというわけではございません。その点は御了解をいただきたいと思います。

それから、今日ここでお話をいたしますけれども、これは別に個人的な意見ではなくて、事務局との議論を1か月間行ってきた前提でございますので、その点につきましては皆さんも共通の認識を持っていただけると有り難いなと思っております。

それでは、補足ですけれども、先ほどのペーパーはペーパーで基本的には同じですけれども、消費者目線でということになるともう少し分かりやすくお伝えをすることが必要だと思いますので、今のペーパーの託送料金の妥当性について(案)という資料の(1)から(3)の部分について、要は何なのかについてお話をしたいと思います。「次世代投資」等々については、この後に説明があるかと思います。

お伝えしたい内容は、以下の4点です。まず一つ、この間の分析結果に基づくと、これまでの電取委による査定方法及びその内容では、消費者の理解とか納得を得られるかという点において大いに疑問があるということです。これが第1点です。

第2点は、内容に若干入るのですけれども、2017~2021年を基準時としているわけですけれども、これは総括原価方式の下だったと思いますけれども、ここの主要工事につきまして、工種別に5年間、経年で評価をしております。特に配電工事というかなり大きな部分を占める工事についてみていく必要があります。お手元の資料2の2枚目に経年で追いかけたものがございます。幾つかの業種ごとに単価の推移が書かれているわけですけれども、経緯を見れば、この5年間の中で4項目を除いてはいずれも上昇しているということです。基準自体が増加している。特に上位の二つについては160%というレベルまで上昇しているということです。

これはどういうことなのかというと、この二つについてはかなり工事規模の大きい工事なのです。後でちょっと出てきますけれども。したがって、それぞれの単位ごとに見ていくことも大事なのですけれども、やはりコストを上昇させるインパクトが大きいものなのか、小さいものなのかを勘案した上で議論していくことがすごく大事なことではないかと思います。

それから、これを基準にして、では次に、資料2の1枚目ですけれども、2017~2021を基準にして2023~2027を算定されているわけですけれども、1社を除いて全て膨らんでおります。最高18%ぐらいまで膨らんでいるということです。このことについて、どうしてなのか、なぜなのだろうかということについて分かりやすい説明が必要なのではないかと思います。

以上、詳細はこの後でもう少し追いかけてブレークダウンのお話をいたします。今、全体で申し上げたいことを先に申し上げているのです。

3番目は、ここで示した疑問点、これからも幾つか疑問点を挙げていきますけれども、こういうものを残しておくことなしに、電取委としては早急に検討をいただいて、その結果を分かりやすく消費者に対して説明をしていただきたいと考えます。これが主要なポイントの3番目です。4番目は、消費者にこれが不利益にならないように、それらの結果を説明するのも当然なのですけれども、査定に反映した上で新制度に臨んでいただきたいということです。その分析等々に関して見れば、先ほどもちょっと文章の中にありましたけれども、独立性について疑いがないという状況の下に検討を進めていただきたいと強く思う次第でございます。

これが今日お話をしたい4点ですけれども、では、それはなぜなのか、何でそんなことが言えるのかについて、これから少しブレークダウンについてお話をしたいと思います。

まず、電取委の査定方法への疑問点、これも四つございますけれども、一つはトップランナー的補正による査定というところです。先ほど、2位、3位は英国でもとか、中央値でやらざるを得ないところもあるのだということもお話がありましたけれども、その前に、そもそも地域独占企業である各社を横同士で比較をして1番、2番を決める意味があるのか、それは消費者に説明がつくのかということが問われるかと思います。

非常に悪い例かもしれませんけれども、要は、足があまり速くない人たちのグループを集めて用意ドンとさせて、1位、2位、3位というふうに順位をつけても、足の速い人たちのグループから見ると、あるいは一般の人から見ると、これで本当に1位なの、2位なのという疑問が生じることです。

このことについて、まずは上位2位、3位はともかくとして、そもそもトップランナー的補正というものの妥当性については大いに疑問があることが1番目でございます。

先ほど、2位、3位でやむを得ないとか、そういうお話がありましたけれども、何が起きてきたのかというと、1位、2位だった場合にはもう少し費用の追加ができるのではないかというネゴが起き、3位以下の各社についてはなぜ4位なのか、5位なのかということについての技術的説明等々がなされていくというのが実態だったかと思います。

電取委の査定方法への疑問点の2番目ですけれども、工種の規模を考慮しない、機器単位当たり等の重回帰分析であったことです。これは先ほどちょっとお話をしましたけれども、相対評価をするために、その工種の規模が大きいものである、小さいものであるというのは別にして、ケーブル単位当たりとか機器単位当たりで重回帰分析、かなり精緻な分析をされています。

しかしながら、実際、規模の大きい工事の場合と小さな工事の場合は相当違いがあります。かつ、費用がもしも上がっている場合に、大規模工事の場合には非常に大きなインパクトを与えてしまう。一方で、重回帰分析の上ではすごくうまくやっているといっても、規模が小さければあまり全体へのインパクトはないということで、先ほどちょっとお見せしましたけれども、問題なのは、結構規模の大きい工事のときに非常に大きなコスト増になっているという点が問題だと思います。

それで、機器単位で分析をすることの非常に大きな問題は、その機器というのはその工事の中の本当に一部だということですね。実際には、その機器であり、据えつけの工事、メンテナンスもあり、そこへの運搬があったり、その他、発注企業先の利益とか、こういうものがあってコストになっています。そこを一つの機器を取り出して精緻な分析をやったとしても、果たして本当にその電力会社が十分なコスト効率化に向けて動いているのかについては把握しにくいだろうと思います。これが問題の2番目です。

3番目は、最初の点に戻るのですけれども、基準年につきまして、経緯を見ないで5年の平均値を出すわけですね。だから、後半、160%まで増えているところも、平均値でそこが水準だというふうに見られるわけですね。そこの水準をベースとして次の2023~2027が見られていますので、これも言い方が悪いのですけれども、ぜい肉がついた上で更に次の2023~2027にぜい肉がついて、そこからダイエットをしていると言ってもいいのかなと思います。分かりやすく言えばです。

したがって、2017~2021の5年間は、先ほどのように経緯を見て、経緯の中で増えていくのだとしたら、それはどうしてだろうかということを理解し、その上で下げられるものであれば、次の2023から2027にはむしろ落とす方向で努力をしていただくというような議論が必要だったのではないかと思います。これが3番目です。

4番目は、工事発注に関する競争性です。実効性評価の必要性という点です。工事発注に効率性、競争の実効性があるかというのは、競争入札かどうかというのを見ていても全く分かりません。というのは、やむを得ず1社入札になってしまったというのがあるかもしれませんし、毎年同じ顔ぶれで、ほとんど同じようなシェアで受注しているというケースがあったり、1位のシェアが全く変わらないというようなケースがあったり、こういうことは競争入札の下でも起こり得ます。

私は、実はこの中の中心である電力会社に、4年半ほど調達のサポートをするということで協力をいたしました。その中では、この電力会社は非常に努力をしていただきまして、例えば必ず1社は失注するように入札者の数を増やすとか、仕様を共通化して、特定の会社だけが受注できるという環境は排除するとか、一般企業が応札しやすいような調達パッケージを創出するとか、あるいは現場に行って、実際に孫請に支払われている賃金と元請に支払っている賃金の差を見るとか、あるいは、機器を分解してみて、中の銅線の量、巻き方を見るとか、こういうことを皆さん非常に熱心にやられて、この4年間では単価において十数%効率化が進んだと御本人たちも認めて数字を出されております。私のほうからだけ言っていることではございません。

これは、ここに関わった人たち、経営の人たちの多大なる努力の結果だったと思います。この間には入札の順位が変わり、あるいはシェアが変わりということも起こりました。

ところが、これは2015~2017のデータをこの会社も含めて出していただきましたけれども、2019~2021を見てみるとかなり様変わりをしているという状況だったかと思います。ちょっと残念だったのですけれども、顔ぶれの固定とか、順位の固定、シェア一定の割合での固定という傾向が見られました。

他の電力会社につきましては、全てを詳細に見たわけではございませんけれども、この電力会社の後半、2019~2021年の状態であると想定をしております。一部いろいろ努力をされているところがあるかもしれませんけれども、この辺りについては非常に疑問が残るところでございます。

ということで、2015~2017と2019~2021というのはかなり様相が違うという状況の下で、だから高くなったとは申しませんけれども、ここの辺りは、むしろ電取委のほうが、それでも安くなっているのだということを説明していただく必要があるだろうと思います。私のほうから、これだから高くなっているということは申しません。しかしながら、このような状況を見たときに、消費者の立場からしてみると、こういうこともあって値上がりするのも仕方がないなと言うだろうかということについて大きな疑問がございます。

以上の4点が、この査定方法について1か月見たところによる大きな疑問点が残るというところです。こういう査定方法を取ったがゆえに、改めて消費者が本当に一番知りたいこと、すなわち電力会社、託送会社のコストは全体として増えているのか、減っているのか、変化があるとしたらそれはなぜなのか、今後電気料金が上がるということをいろいろ聞いてはいるけれども、事業者あるいは行政はこのコストを抑えるためにどんな努力をしてくれているのかということについて明快に答えていただく必要があるのではないかと思います。今の状態ではこの点については答えられていないと判断をしております。それが今のアプローチ、査定方法の問題です。

今度は、今回の分析結果についてもう少しお話をしておきます。これはいただいた資料の範囲の中ですけれども、例えば、先ほどの資料2の2枚目ですけれども、折れ線グラフを見ていただければ、計器1台当たりの工費単価で150を超えているとか、整備距離1キロメートル当たりの工費単価が130を超えているとか、こういったものが経年で見られるわけですね。総括原価方式だから増えてしまったというのはあるかもしれませんけれども、それはよく我々としても見ていく必要があると思います。

さらに、ここの中で4枚目を見ていただくと分かりやすいですが、「単位あたり単価変化率と見込み費用額」という縦横にプロットされたものがございます。右上の二つが上に上がっていることは、規模が大きいものがより増えているということが言えるのではないかなと思います。だからこそ、このような項目ごとに一つ一つ見るのも大事なのですけれども、こういうコストのインパクトが大きいところについて特にどうなのかを見ていっていただくのがいいのではないかなと思います。

ちなみに、この工事は、この3年間、5年間、1位のシェアはずっと1%もずれずに動いている工種でございます。

次に、今度は2017~2021と比較して、2023~2027が果たして増えているのか、減っているのかというのもよく見ていく必要があると思います。これは先ほど申し上げました資料2の1枚目ですけれども、これは既存のネットワークの費用というところで、いただいた資料の中から算定をしたものでございますけれども、10電力の中で1電力を除く9社が増加率2.1%から18.5%の範囲で膨らんでいることですね。

実は、2017~2021も増えている、かつ、2023~2027も増えているということは、我々としてはよく理解をしておく必要があるだろうと思います。この間の物価高はどうだったのだろうかとか、世の中の他の企業はどうだったのだろうかというようなことも少し頭に置いて考えていく必要があるのではないかなと思います。

こういうことを申しますと、必ず出てくるのが、供給責任としての必要性というところであってそれについての説明は詳細にしていただくことになるかと思います。問題は、その必要性も大事なのですけれども、それの費用単価は果たして妥当なのかということについても併せてよく見ていく必要があることではないかと思います。

それから、今回の分析の中の4番目で、本来は既存のネットワークコストに入れるべきものが次世代投資として外出しされているケースも幾つかあるのではないかと思います。これは後で論点になってくると思います。こういうものが入ってくると、今の増加率は更に増えていくことかと思います。

競争入札の実効性については、先ほど申し上げましたとおりでございます。

以上をもちまして、査定方法の疑問、それから、今回の出てきた結果に対する疑問がございますので、本件につきましては早急に電取委を中心に再検討をいただいて、分かりやすい説明をいただくことが大事なのではないかと思います。

私のほうからは以上でございます。どうもありがとうございました。

○野村座長 ありがとうございました。

引き続き、大林オブザーバーからよろしくお願いいたします。

○大林オブザーバー 自然エネルギー財団、大林でございます。

私も、事務局からの御依頼をいただき、この検討に加わらせていただいております。特に今回は、次世代投資に関わる部分、また、今回の託送料金の見直しについては電力市場に対する影響も非常に大きいことから、国が目標とする2050年のカーボンニュートラルや再生可能エネルギー最優先の観点、また大きな制度ですから、社会に対して十分な公開と意見聴取が行われているかについて意見を申し上げたいと思います。

まず、これまで電取委において今回の議論を精力的に進められていること、非常に大きな努力を払われている。また、議論の途中にもかかわらず、今回、こういった専門調査会での分析について答えるべく資料を提出いただき、指摘事項に答えていただいていることに感謝をいたします。ただ、私個人が消費者あるいは環境団体という自らの立場から見たときには、まだ説明が足りない部分があると考えています。

以下、意見書と重なる部分が多いのですが、この意見書そのものも本日初めて公開させていただいておりますし、また全てを読み上げていただいておりませんので、私からの意見を申し上げます。

まず、次世代投資について申し上げます。次世代投資については、そもそも発送電分離の考え方を踏まえて、現に送配電に関わる計画に限定されるべきと考えております。各社の次世代投資計画を見ていくと、例えば再エネアイランド化など、果たして送電事業者がやるべきことなのかという項目も入っています。同時に、送電事業者として当然やるべき項目、需給予測の精緻化などが入れられていて、次世代投資として認められているというのは違和感がございました。

次に、特に各社とも多い、次世代投資における次世代スマートメーターの導入に関わって申し上げます。次世代スマートメーターそのものは、社会的にも非常に大きな便益があるものですから、進めていくこと自体には私自身反論はございません。

しかし、スマートメーターそのものは10年ごとの更新が必要な電気機器ですので、これが新しく次世代へ投資する活動なのか。事業のルーチンなのか。すなわち10年たったら取り替えるものというのは、全て次世代でまたどんどん入っていくものなのか、慎重な見極めが必要なのではないかと思います。

もしこの金額が少なければさほど大きな問題でもないのかもしれませんが、ある社では総額1000億程度の次世代投資見通しのうち約7割以上がこの次世代スマートメーターへの投資ということになっておりますので、やはり議論をしていく必要があるのではないかと思います。

先ほど申し上げたように、次世代スマートメーターの導入そのものは非常に大きな便益が社会にあると位置付けられて、投資をやっていこうということが決まっているわけですけれども、もし仮に次世代の投資というふうに位置付けられるとしても、現在議論されているように、現行スマートメーター導入費用以上にかかる費用だけを精査して、かつ、次世代スマートメーター導入によって削減される多くの費用と総合で判断するべきではないかと考えます。

つまり、次世代メーターを導入することによって、その費用そのものが便益に相殺されていく可能性も高いのではないかと考えておりますので、その便益もきっちりと議論をしていくべきではないかと思います。

さらに、スマートメーターがいまだ設置されていない需要家というのも特定の電力会社、送配電事業者の範囲内にはいますが、そういった需要家へ次世代スマートメーターの導入を先行的に実施する。既存の電力量の計量から現行スマートメーターを入れて、また次世代スマートメーターと2段階で移行すると二重投資になってしまいますので、これはやはり先行して次世代スマートメーターを導入していくべきであって、これをやりますと言っている送配電事業者もいるのですけれども、そうであれば、その次世代スマートメーターの先行的導入のためのスケジュールも併せて明確に示すべきと考えます。

結果として、次世代投資に関しては今後投資を行うものですので、なかなか計画段階では精度の高い費用を計上することは難しいと思います。だけれども、発注段階になれば、競争入札によって価格が下がるというのが普通だと考えられますので、今後は投資効果や計画をちゃんと履行しているのかどうか、そういった状況の検証も実施していく必要があると考えます。

そういうふうに考えたときには、将来における調達コストのモニタリングが必要と。コスト管理が適切に行われているかどうか、モニタリングをしていく必要があると考えます。

これは、今回の私どもの提言そのもののコアでもあるのですけれども、こうした検証やモニタリングは確認が必要であって、現在検討されている電力会社内の第三者委員会という形ではなくて、外部で公開の下、実施していく必要があると考えております。

次に、「次世代投資」の意見のマル4のところに、一般送配電事業者の中にも先行的にいろいろ努力をやっていて進んでいる事業者がいる、そういったものに対してボーナスを与えるといった意見もこちらのほうに書かれているのですけれども、例えば先ほどの需給予測の精緻化など、送配電事業者として基礎的な事業が追いついていない事業者がいて、一方で先行している事業者がいて、先行事業者にボーナスを与えるというインセンティブも必要かもしれませんが、むしろ追いついていない人たちをどうやって上に上げていくのか、こちらもディスインセンティブも含めて考えていくべきであると考えています。

次に、社会への説明という観点から申し上げます。現在の電取委の議論の中では、中身が専門的であることも含めて、一般の消費者からはなかなか分かりにくいと思います。

今、社会の中では電気料金が非常に高騰していますので、例えば化石燃料にかかる資金といったものに意識が集中していますけれども、そういったものが一旦落ち着いたときに、それでは託送料金にかかる部分は上がっていくのですよということがどれだけ社会の中で理解されて、知らされているのか、多くの人は分かっていないと思います。

これを説明するという観点から、電力会社もパブリックコメントをやったり、そういったことが紹介されていますけれども、基本的には社内のアドバイザーだったり、ステークホルダーと位置付けられるほうを例えば社内に招いて会議室で説明をしている。そういった形が取られておりますので、そうではなくて、広く地域でコンサルテーションしていくような形、公民館を借りて、そこで説明をしていくような形で、送電事業のコストの上昇、あるいは下がっていくということもあり得るのかもしれませんが、そういったことについて社会の中で説明をしていく必要があると思います。

これは非常に一般的な言い方になってしまいますので、そうではなくて、ステークホルダーを定めてということであれば、既に電取委が幾つかの分類を挙げていますけれども、消費者団体、事業者団体といった明らかなステークホルダーももちろんですけれども、環境保護団体であったり、将来の投資を考えると若者たちの意見を聞いていくとか、そういったシステムを取り入れていく必要があると思っております。

私からは以上です。

○野村座長 ありがとうございました。

そうしましたら、ここからの時間を質疑応答に使いたいと思います。委員の皆様から御質問をいただきたいので、恐れ入りますが、チャット欄にお名前を御記入ください。オブザーバーのお二方、電取委の事務局から御回答いただくという形で進めてまいりたいと思います。

冒頭、参事官から御紹介がありましたように、途中、大臣が来られましたら中断させていただきます。

後藤委員からよろしくお願いいたします。

○後藤委員 御説明、ありがとうございました。

トップランナー的補正に関してコメントがございます。先ほど、10社中3位の値ということで、イギリスの先行例などを参考にしながらパーセンテージ的に日本の場合だと3位ということで御説明がございましたけれども、経緯としてはそういった経緯で議論があったということで非常に明確になったとは思いますけれども、妥当性に関しましては、イギリスの事業者と日本の状況で、地理的な違いであるとか、事業者のパフォーマンスのばらつき具合といったものがあり、パーセンテージの一致だけで見てしまうというのは妥当性があるのかどうかという点に関しては、まだ弱いといいますか、分からない部分があるということで、もう少しこういった理由で3位というところで区切ることでその効果が十分に見られるというような御説明が必要ではないかと思いました。この点について何か補足がありましたらお願いできますでしょうか。

○野村座長 これは電取委でしょうか。鍋島課長、よろしくお願いいたします。

○電取委鍋島課長 御指摘の点ですけれども、イギリスが25%だから自動的に3位にしたという趣旨ではなくて、その点については議論の中で、1位にすべきであるかとか、5位にすべきであるかとか、いろいろな議論がございました。その中で3がいいのではないかというふうに決まったわけですけれども、どういう形の御回答を期待されていらっしゃるのでしょうか。

○後藤委員 3位の値をベースにというのが少し唐突といいますか、様々な効果を勘案した結果、ベンチマークとして妥当なところになったことが分かるような御説明が必要ではないかなと思います。

もう一つは、先ほど少し御説明に出たかもしれないのですけれども、ベンチマークとして使うところを、平均値であるのか、中央値であるのか、そのデータ自体のばらつきに応じて妥当なものを選んでベンチマーキングをしているという御説明がありましたけれども、トップとの横比較と時間的な比較という二つを考えますと、トップランナーのところが更によくなる、フロンティアのところが更にシフトしてよくなるという部分の効率化というものが見えにくくなっているのかなと思います。その部分は査定の方法ということになりますので、これをすぐに修正はできないかと思いますけれども、そういったキャッチアップの部分と、フロンティアの事業者が更によくなる部分というのを区別して議論をしていただけるとよいのかなと思います。これはコメントでございます。

○野村座長 鍋島課長、何か御回答がありましたら、お願いいたします。

○電取委鍋島課長 後段の点は、確かに中央値にした場合にそういう指摘もあると思いますので、御意見として、今後、第2規制期間に向けた改善などの点でも考えていきたいと思います。

○後藤委員 ありがとうございます。

○野村座長 そうしましたら、皆様にお話しいただきたいので、次の質問に移らせていただきます。

長田委員、よろしくお願いいたします。

○長田委員 ありがとうございます。

オブザーバーのお二人のお話を伺って、自分の中では大分理解が進んだなと思いました。

その中で、宇田オブザーバーがお話しくださったいろいろなお話については、ついていけていない、一般消費者としてなかなかうまく質問ができないところがあるのですけれども、消費者側として一つ、お二人ともおっしゃっていたと思うのですけれども、資料だと5ページのところに書いてあるのですか、経営上のガバナンスを効かせられるよう、電力会社等から独立した第三者機関の必要性というのをおっしゃっていて、そのイメージをもうちょっと具体的に教えていただけたらいいなというのが一つあります。

電取委が今やっていらっしゃることの査定の基準や方法等にまだまだ課題があるという御指摘で、それが改善されたとしても、電取委みたいな組織ではない、もっと別の組織をイメージしておられるのかどうかというのを教えていただけたら有り難いと思っています。

それから、これはどなたにお伺いしていいのか分からないのですけれども、資料の6ページに書いてある、今までのところでお話が全然なかったのでよく分からないということですけれども、「発電側課金の制度設計」、その言葉どおりで発電側のほうにも課金するべきだということだと思うのですけれども、全然お話がなかったかなというのと、「労働分配率の維持又は向上」というところについても御説明をいただけたら有り難いと思っています。

そして、最初に宇田オブザーバーが事務局とも議論してきましたとおっしゃいました事務局というのは、どこの事務局のことをおっしゃっているのかなと思いました。教えてください。

以上です。

○野村座長 最初の項目に関しましてはオブザーバーのお二人からお願いしたいと思います。後段二つに関しましては、友行参事官からお願いしたいと思います。

○宇田オブザーバー 御質問ありがとうございます。

なかなか分かりにくいというので申し訳ありません。幾らでも必要に応じてお話ししたいと思います。

それで、第三者というのは、世の中において「第三者」という言葉が氾濫していると思うのですね。これは二つのことをよく考えていかないといけないことだと思います。一つは、利害関係者から独立していることです。利害関係者から独立しているというのは、そのメンバーが当該の会社と取引がないとか、それは当然なのですけれども、もう一つはその会社によって指名されたのではないことです。つまり、電力会社によって指名された外部識者や、コンサルタントは第三者ではないということです。これを第三者機関とか第三者の外部識者にと言っていますけれども、普通、自分で指名した人は第三者とは言いません。

もう一つは、査定能力があることです。幾ら独立はしていても、全くそこで分からないとなると、いいようにあしらわれることがありますので、必ずしもその業界かどうかは分かりませんけれども、査定の能力が必要だということだと思います。

更に追加しますと、もしもそこでデータが出てこないとか、いいかげんなデータしか出てこないといったときにどうするのかということです。そこに何かしらの権限なり、公開されているとか、開示されているとか、そういうものがあると、そこはブラックボックスにしないで進めることができると思いますので、重要なのは最初の2点ですけれども、最後の3点も入れたもので、それをどこに設置するかというのは、当該業者、官庁が指名するのではないところで指名された人たちで、査定能力がある人たちがある程度の開示権限を持って進めていくことが大事なのかなと思います。

これは、ここだけの話ではなくて、いろいろなところで起きていることです。我々はその第三者ということにごまかされてはいけないということを強調しておきたいと思います。

私のほうは以上です。

○野村座長 ありがとうございます。

大林オブザーバー、いかがでしょうか。

○大林オブザーバー 1点、今の宇田オブザーバーのお話に付け加えるとすれば、私のほうからは、消費者、環境団体、若者という名前を出させていただいたのですけれども、彼らの声を吸い上げていく仕組みというのも、レビューをしていく委員会の中で反映されるべきだと思っておりますので、単に中身を見られる専門家というだけではなくて、そういった当事者の声を聞いていくことは非常に重要かなと思っております。それがレビューをしていくプロセスの中でということです。

あと、重要なのは、そのプロセスを一度で終わらせることなく、定期的に見ていくことです。先ほど申し上げたように、投資効果があったのかどうか、政策がどういうふうに履行されているのか、定期的にレビューするプロセスが必要かと思っています。

もう一点、発電側課金について、私が答えるところではないのかもしれませんが、お答えさせていただきたいと思います。この制度設計がずっと電取委を中心に行われてきて、一昨年、経産省の大臣の意見で、これは止められる形になったと思います。その一番の理由が、再生可能エネルギーの促進に非常に大きな影響があるのではないかという懸念が出てきたことでした。

ここの文章の流れの中では私は意見を入れさせていただいていないのですけれども、例えば太陽光発電に関することが入れられると、1キロワットアワー当たり1円のコスト負担になることで、太陽光が今、ビジネスとして見ている見通しのプラスのコストになってしまいますので、そういう意味では全く将来的な予見性が変わってしまうということで大きな議論になっていたと思います。

一方で、もちろん他の発電ソース、石炭とか原子力とか大きなものについても、こういった発電側課金を入れるのだということになっていて、そこからの財源はかなり大きなものが見込めるということはありますけれども、それらの発電設備はそもそも総括原価時代に建てられ、あるいは総括原価で建てられた送電線を自由に使ってきたといった経緯もありますので、これから増やすべき再生可能エネルギーのビジネス予見性を阻害することがないような制度設計というのは作られていく必要があります。

私からは、ここに関しては以上です。

○野村座長 ありがとうございます。

それでは、友行参事官、今一部触れていただきましたが、6ページ目の(7)(8)について御説明をいただきたいと思います。

○友行参事官 事務局です。

(7)のところにつきましては、今、大林オブザーバーが御説明していただいたことに尽きていると思っております。

(8)の「労働分配率の維持又は向上」のところでございますけれども、こちらについては、消費者庁で公共料金の変更などの際にチェックするポイントということを。

会議の途中でございますけれども、大臣が間もなく入られますので、ここで一旦中断させていただきます。

(河野大臣入室)

○友行参事官 大臣が着席されております。

ここで、もしよろしければ、大臣のほうから一言お願いいたします。

○河野大臣 河野太郎でございます。

お忙しい中、今日は本当にありがとうございます。

また、宇田オブザーバー、大林オブザーバー、本当に短期間でいろいろと調査をしていただいてありがとうございます。

消費者庁あるいは消費者委員会というものが作られた経緯を見ますと、ともすれば霞が関というのは何となく予定調和で流していくのがいい、あるいは予定調和で流していくのが当たり前ということではなくて、きちんと消費者基本法に描かれている消費者の権利を守る、そういうために消費者委員会が設立され、消費者庁というものが作られたわけでございます。そういう意味で、消費者委員会、消費者庁が果たさなければいけない役割は、今日のこの経済の中で非常に重要だと思っております。

ウクライナへのロシアの侵攻に端を発したエネルギーの問題、あるいはコロナ後のインフレ、こういったものが相まって物価が上昇する中において、電力料金をはじめとするエネルギー価格、公共料金が高騰しているという現実がございますが、この公共料金をどうするということについては、消費者委員会、消費者庁ともにしっかりと目配りをしていかなければならないと思っております。

この電力料金の件、特に託送料金の件につきましては電取委がいろいろと見てくれておりますが、非常に短期間で宇田オブザーバーをはじめ調べていただいた、その報告を私も伺っておりますが、やはり様々問題点がある、課題があるということだと思います。

それをそのままにしてスルーするわけにもいきませんので、ここは理解をするのが複雑な問題ですから難しいところはありますが、そこは宇田オブザーバー、大林オブザーバーをはじめ事務局にしっかりと説明をしていただいて、委員の皆さんにしっかり御理解をいただいて御議論をいただき、言うべきところは消費者委員会として、あるいは消費者庁として物を申していかなければならないと思っておりますので、どうぞ説明不足のところはしっかり突っ込んでいただいて、分からないところは繰り返し説明を聞いていただいて、今回の託送料金の問題点について、あるいは妥当性について、懸念あるいは解決すべき点があれば、そこはしっかりと指摘をする、そこをきっちりやっていかないといけないと思っておりますので、どうぞ活発なる御議論を賜りまして、消費者委員会、消費者庁が設立された、予定調和に流されるのではなく、言うべきことは言う、問題があればそれをしっかり指摘をする、霞が関は霞が関でいろいろなスケジュールを頭に描きながら動いておりますが、それより大事なのはきちんと消費者の権利を守っていくということでありますので、それがしっかり実現できるように皆様の御議論をお願いしたいと思っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。

遅くなりまして、途中からこの発言になりましてお許しをいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○野村座長 河野大臣、どうもありがとうございました。

そうしましたら、議論を続けさせていただきたいと思います。

先ほどの友行参事官の労働分配率の御説明から再開したいと思います。よろしくお願いいたします。

○友行参事官 かしこまりました。

(8)の記載のことでございますけれども、消費者庁におきまして公共料金の変更などに係る認可を行うに際しての。

会議の途中でございますが、こちらの状況をお伝えいたします。河野大臣はただいま退席されました。

(河野大臣退室)

○野村座長 承知しました。

○友行参事官 それでは、御説明を続けます。

消費者庁においてチェック項目を幾つか設けております。例えば、決定過程の透明性の確保、消費者参画の機会の確保、料金の適正性の確保などでございます。それに加えて、もちろん消費者に分かりやすく丁寧な説明をするよう事業者に指導することなども消費者庁のほうで行っているということでございます。

また、現下の物価高騰の状況では、料金改定で賃上げが適正に見込まれているかなどについても、そこの辺りもチェックポイントとしていくということでございます。そういったことを受けまして(8)については記載しているものでございます。

○消費者庁楢橋参事官 消費者庁からよろしいでしょうか。ただいまの労働分配率の維持・向上のところでございます。

こちらの公共料金等専門調査会において、8月31日に御説明をさせていただく機会をいただきました。そのときにも御説明をさせていただいておりますけれども、今や政府全体として成長と分配の好循環を目指しているところでございまして、その観点から、料金改定に当たって、公共料金といえども賃上げが適正に見込まれているかどうかをチェックするという観点で関係省庁と共有したところでございました。その観点で、今回この部分に盛り込んでいただいたものと考えてございます。

以上でございます。ありがとうございます。

○野村座長 ありがとうございます。

そうしましたら、最後の点になりますが、消費者委員会事務局、それから宇田オブザーバーから御説明いただければと思います。いかがでしょうか。

○友行参事官 消費者委員会事務局から御説明いたします。

今回、宇田オブザーバーに入っていただいております。そして、消費者庁にも審議に御協力いただき、もちろん電取委にも審議に御協力いただいております。宇田オブザーバーとの御相談、調整などについても、この消費者委員会が中心になって、また消費者庁の協力も得ながら行っているというところでございます。

○野村座長 宇田オブザーバーから、もし補足がありましたらお願いします。

○宇田オブザーバー 特にありません。

○野村座長 了解いたしました。

そうしましたら、長田委員、今の御回答に関して更に重ねてということであれば御発言ください。

○長田委員 いろいろお答えいただいてありがとうございました。

第三者的機関というのは、それぞれの電力会社にそれぞれ作るということなのでしょうか。

○野村座長 これは宇田オブザーバーから御回答をお願いしたいと思います。

○宇田オブザーバー 私は、別に制度設計について議論をしていないのですね。各電力会社が第三者のコンサル担当を使って評価しています、だから正しいのだと言いがちなのですけれども、それはちょっと違うでしょうということがまず一つです。

これを電力会社ごとに外に作るのか、それとも共通で作っていったらいいのかは、電取委も含めて皆さんが御議論いただければいいのかなと。先ほどの三つの要件だけは是非考えていただければなと思いました。

以上です。

○野村座長 ありがとうございます。

長田委員、よろしいですか。

○長田委員 ありがとうございました。

また頭を少し整理してみたいと思います。

○野村座長 利害関係がないこと、査定能力があること、誰が指名するのかという三つがポイントであることでございます。

他の点は、長田委員、よろしいでしょうか。

○長田委員 ありがとうございました。大丈夫です。

○野村座長 そうしましたら、次に坪田委員、お待たせいたしました。よろしくお願いいたします。

○坪田委員 全相協の坪田でございます。

御説明、ありがとうございました。宇田オブザーバー、大林オブザーバーの御説明を伺いまして、少し理解が深まったかなと思いますけれども、消費者にとっては、私及び私の周りにいる者たちに聞きましても、やはりこれはとても難しいというのが正直なところでございます。

そうは言いましても、昨今の社会情勢の変化とともに電力料金の値上げは消費者にとって本当に大きな問題です。いかにこの大切な電力料金のことについて、これまで長らく公共料金として1社独占という時代があったからだと思いますけれども、消費者が知らないことがたくさんあったと痛感しています。

6ページにも書いてありますように、分かりやすく丁寧な説明に当然尽きるわけです。一方で、消費者は料金は少しでも上がらないほうがいいとは思っているものの、非常に毎日電気の恩恵を受けている生活をしております。

特に、最近はスマホの充電で、どこかに行ったらまずコンセントはどこにあるか探すような毎日でございます。そうしますと、やはり安全・安心かつ安定した電力供給を本当にしっかりとしていただかないと、生活が困ってしまうのは目に見えています。

そうすると、値上げと安定的な供給というのをどうやってバランスを取っていくか、これが大きな問題で、消費者としても、いいほうだけを取ることは難しいわけですから、自分たちの生活のために安定供給をするためには、これはどうしても必要で値上げせざるを得ないというようなことを理解しないと、すとんと理解できないと思います。

実際のところは、査定をするに当たりましては、専門家の方々が今まで御説明いただいたような様々な統計分析資料を使ってやっていらっしゃるわけで、ただ、私ども消費者から見ると、精緻な分析をしてくださっているのだから大丈夫であろうということは分かるかと思いますけれども、最終的に安全で、安心で、かつ安定した電気は大丈夫なのですねというところをしっかりとお伝えいただかないと、納得いかなくて、料金は本当にこれでいいのだろうかというところだけの疑問になってしまうと思います。

消費者に対して単に丁寧かつ分かりやすい説明というのは言うは易いのですけれども、しっかりとここのポイントを押さえるということであれば、専門家から見てどういったブレークダウンした説明の方法がよろしいと考えていらっしゃるのでしょうかと、非常に漠然としているのですけれども、お伺いしたいと思います。

以上です。

○野村座長 ありがとうございます。

事務局、オブザーバー、どなたでも結構でございます。お願いいたします。

○宇田オブザーバー それでは、まず宇田のほうから、回答ではないのですけれども、意見を申し上げたいと思います。

その御心配とか御懸念はすごくよく理解できるところであります。ただし、今日お話をしたように、そもそも査定をしてきたけれども、その査定方法というのは本当にちゃんとやっているのかというところにもしっかりと疑問を呈していただきたいということです。

専門家の方々がいろいろとやられているから大丈夫だろうといっても、今日お話をしたように、一歩下がって見ると分からないことだらけという状況の下では、専門家に任せておいても自分のお財布からはお金が出ていくこともあり得るわけです。

ですから、今回のように、全く独立した立場で利害関係がない人がそれを見て、なるほど、ここまではこれはしようがないよねと。利害関係がなくて、しかも一定の査定能力があるという前提です。

それは、例えばお金を投資するときに独立したアドバイザーにどの金融商品がいいかと聞かないと、実際にその仕組みは分からないみたいな面もありますので、その場合には、証券会社の人ではなくて、独立した人がちゃんとそういうアドバイスをするということがこの世界でも必要なのではないかと思うのです。すごく分かりにくい世界なので。

残念ながら、今回、こういう機会で消費者の視点ということで中を見せていただきましたけれども、電取委は一生懸命やられているのは分かるのだけれども、消費者目線から言うとまだまだ大きな問題があるというのが今日の議論だったと思います。

ですから、ここはもう一度戻って、電取委も技術的なものを担保していく中でどうしたら効率化が追求できるのか、これはすごく大事なポイントなので、主にそれは単価とか、同じ仕様だった場合の調達する場合に効率的な買い方をするとか、こういうところの努力を更に徹底すれば、相当筋肉質になる可能性がある。そこが十分なされていないがゆえに、今、結構ぜい肉がついていますねと言ったのが今日のお話だったということです。

ですから、とことん最後のところまで理屈として理解するという意味では、おっしゃるようになかなか難しい領域ではあるのですけれども、独立した人たちがどう評価するかというのをよく見ていただいたり、それから素朴な疑問を投げかけていただく。果たしてこれは本当に効率化されているのか、どうしてここは増えているのか、こういうところの疑問は僕はとても大事だと思います。そういう疑問を投げかけていただくと、何か詳しい話でごまかそうとしても、それでは分からないからもっとちゃんと説明してくれと言えばいいのですね。説明して分からせる責任は提供者側にあるのですよ。聞く側にはないのですよ。そういう意味のクエスチョンを重ねていただきたい。

それは今回のようにお役に立てることがあれば、こんな質問をしたほうがいいんじゃないのということは、僕は利害関係者ではありませんので、もちろんお伝えはしますけれども、皆さんの日常生活に基づく素朴な疑問が実はとても大事なのではないかなと思いますので、難しい、分からないこともあるかと思いますけれども、安定供給をしながら効率化を達成していくということは全く不可能ではないので、自信を持って質問をしていただくのがいいのではないかと思います。

私からは以上でございます。

○野村座長 ありがとうございます。分かりやすい御説明をいただきました。

坪田委員、よろしいでしょうか。

○坪田委員 ありがとうございました。

素朴な疑問ということで、大切な日々の電気ですので、しっかりと見ていきたいと思います。ありがとうございました。

○野村座長 そうしましたら、次の質問に移らせていただきます。

寺田委員、お待たせいたしました。よろしくお願いいたします。

○寺田委員 東京海洋大学の寺田です。どうもありがとうございます。

宇田オブザーバー、大林オブザーバーの御意見は本当にもっともだと思って伺いました。冷静に考えるというか、そういう座標軸をいただきました。

その上で、私はどちらかというと交通の分野を勉強しているのですが、その肌感覚からしてという感じですけれども、大きい話が一つと、それ以外に小さいことです。

一つ目、トップランナーのところですけれども、細かいことを別にしますと、いわゆるヤードスティック競争というのですか、野村座長が副会長をされている公益事業学会の言葉だと思うのですけれども、かつ、鉄道とかバスでかなり以前からやってきたこととそれほど違わない。鉄道のほうが近いかなと思います。随分長い経験があるので、イギリスの電力に関し後藤委員の御質問のやり取りがありましたけれども、それだけでもないのかなと思いました。

例えば、鉄道の旧ヤードスティック制度では、1位を基準にするのですけれども、順位があまり入れ替わらないということで、バーチャルな競争にならないというのもやめた理由の一つだったと思います。だから、バーチャル競争としてある程度機能するのかどうかという視点がまず必要なのではないかと思いました。宇田オブザーバーの御説明では、その辺が絶望的ということなのかもしれませんが。

だから、3位がいいかどうかというよりは、全体で順位が絶え間なく入れ替わっていくこと、あるいは、全体のボーナスとかペナルティーとかコスト転嫁される部分とのバランスなので、順位を単独で議論するものではないのかなと思いました。それが一つ。

あとは細かいことですけれども、次世代投資のところは、大林オブザーバーの御意見は全くそのとおりだと思います。交通の分野だと、スマートカードというか、料金収受技術の部分は異論がないので、そこだけ地域の交通計画から別立てにする。日本だけでなくて、ヨーロッパでもそういうのが多いのですけれども、それをやってしまうと残りの部分が合意しにくくなるので、異論がないところだけ別にするということ自体はあまり好ましくない。そういう観点からも、そこを特別にしないほうがいい。大林オブザーバーに、問題意識は違うのですけれども、同感です。

最後、(8)の労働分配率ですけれども、賃金は要素価格の一つなので、そこだけ取り出して価格を上げろという話が唐突に出てくるというのはまずいと思うのですね。だから、例えば人手不足がどうなっていて、その解消とか、何か理由とか範囲を示した上で書くべきだと思います。

あと、調達価格の中にも当然下請の人件費が入っているので、そっちはぎりぎりやって、元請会社のほうだけは賃上げというのはバランスが悪いし、その辺、全体のバランスを考えて気をつけて書くべきではないかと思いました。

以上です。

○野村座長 ありがとうございました。

多々ございましたが、寺田委員に対する御意見をお願いいたします。

○宇田オブザーバー 宇田のほうでひとまずちょっと。

ありがとうございます。

鉄道とかバスでいうと、違いがあると思うのですね。これは完全に地域の独占企業であって、お客の側に代替が利かないものだと思います。すなわち安定供給ということを人質に取られているというのはおかしいのだけれども、それで代替が利かない。電車とかバスだったら、電車が駄目ならバスで行こうかとか、自転車で行くかとか、移動というものについては競争が働く。別に西武と小田急が競争するということではなくて、移動手段としての代替が働くという意味だと思います。

それに比べて、電力は、御存じのように地域独占であり、かつ、サプライヤーもほとんど地域独占なのです。どういうことかというと、ある電力会社の配電工事の業者はその電力会社とだけ生きていくという形なのです。つまり、共存共栄の一つのワールドができている。だから、例えば隣の電力会社のサプライヤーなんかを調達に入れるのが大変難しい。そんなものを入れたら今度は逆襲されるということもありまして、そこのところは予定調和的に生きている世界だということで随分違うのではないかと思います。

そういう人たちを横同士で比べてみて、それの中の順位づけをしたとしても、内輪の世界の順位づけだよねと消費者の側が見るのは当然ではないかなと思います。

それから、労働分配率のところは僕もあまりそんなに詳しくはないのですが、もともと電力という組織というか会社は、人件費で動いていくビジネスではなくて、設備投資と物件費等々が非常に大きいビジネスなのですね。人件費のところももちろん少しでも増やしたり減ったりというのは大事なのですけれども、直接的な人件費は全体のコストイシューの中では比率としてはさほど大きくないところだと思います。むしろ委託費という形で現れる。

ついでながら、その委託先の下請をぎりぎりということはほとんどなくて、今言ったように、長期共存の社会なので、下請の会社も長く一緒に付き合っているということなので、そういう意味で、トップランナーというのは絶望的とまでは申しませんけれども、手法としてはかなりクエスチョンであるということでございます。

○野村座長 ありがとうございます。

寺田委員、いかがでしょうか。

○寺田委員 ありがとうございます。

交通のほうと確かに市場条件が違うとは思いますが、制度自体は近いので、外国の電力の話と同じぐらい、日本の他セクターの話を、特に消費者委員会は一緒にやっていて両方の情報を持っているはずなので、何か参考になるといいかなと思います。ありがとうございます。

○野村座長 ありがとうございます。

イギリスのヤードスティック規制では、最終利用者が様々なヤードスティックの指標を見比べることができます。鉄道だとパンクチュアリティーとかリライアビリティーという概念でもって、それらの数値を定期的に規制当局が発信しているので、消費者が常に事業者の成果を把握できる状態にあります。

○大林オブザーバー (発言の途中から)指摘したいのは、次世代投資の中でそれがかなりの大きな部分を占めているというところが問題があると思っております。

○野村座長 寺田委員、よろしいでしょうか。

○寺田委員 はい。ありがとうございます。

○野村座長 次の質問に移らせていただきます。

河野委員、お待たせいたしました。よろしくお願いします。

○河野委員 とんでもございません。河野でございます。

宇田オブザーバー、大林オブザーバー、本日の査定方針の原案というところに非常に専門的な御知見を発揮していただきまして、感謝申し上げたいと思います。

その上で、今回、諮問事項として下りてきているのが「電力託送料金の妥当性」というざっくりとした御指示なのですけれども、電力託送料金の消費者から見たときの妥当性ということで、それぞれ分解して評価をまとめたほうがいいのではないかと思っております。

まずは、総括原価からレベニューキャップに移行した、これは長い時間をかけて、消費者庁とか消費者委員会からも様々意見書を出した結果として、レベニューキャップ制度が採用されたわけですけれども、その目的に関してはどうなのか。それから、これは宇田オブザーバーからかなり詳細に御指摘が出ているところですけれども、査定方法については詳細に評価ができていると思うのですが、検討のプロセスの透明性にも言及すべきではないかと思っています。

前回も申し上げましたけれども、電取委が主催されている電気料金制度の専門会合のオブザーバーをさせていただいておりまして、会合の回数とか会合に提出される様々な資料、平場に出てくるまでの様々な内部での調整など、そういった状況を考えると、短期間で形式的に進めたのではないということについて、消費者委員会として評価することによって、消費者の安心につながるのではないかと思います。

その上で、先ほどから御指摘になっているような査定方法の曖昧な点といいましょうか、詰めがまだまだ甘いという部分についてはそれなりに指摘すべきではないかと思っていて、言うべきことと評価すべきことは、消費者の安心のために少し整理していただければなと思いました。それが1点目です。

2点目ですけれども、整理の中で消費者への丁寧な説明をすべきだということで、消費者からすると強くお願いしたいと思っていますので、記述の内容に関して何ら異論はございません。ただし、消費者への丁寧な説明を求めるのがエネ庁というか、経産省に対して私たちが言うだけでいいのか。そもそも消費者庁に対しても、今回のレベニューキャップ制度に関しては、消費者の不断の暮らしに非常に影響する託送料金の制度変更ですから、各省庁が自分のところのフィールドを超えた形で連携し合って情報提供をしていくことが大事だと思っています。消費者への丁寧な説明のところは誰がという主語がないので、「誰が」をもう少し幅広に考えていただけると、いいと思いました。

それから、最後の(10)の幅広いステークホルダーのところも、書いていただいている内容はとても納得感があります。その上で、今は具体的な事業計画の査定に入っていますけれども、査定方針が決まったところで、エネ庁が主催で国民の声の募集をしています。その結果等もしっかり伺って、ステークホルダーの意見は現状この程度、例えば一般消費者とか、それから、ステークホルダーといっても事業者も、いわゆる電力の需要側はほぼ送配電の恩恵を受けているわけですから、ステークホルダーも様々いますけれども、そういったところからどのような意見が上がってきたかについて情報を取って、ステークホルダーに関する意見に組入れるなど、まだまだその辺りは恐らく不十分であるということになるやもしれませんけれども、そういった情報ももう少し広く入れて、客観性を持たせていくのが大事なのではないかと思いました。

何度も消費者の理解、納得を得られるように分かりやすい形で説明という記述が繰り返されているので、私もこの間、エネ庁のホームページとか電取委のホームページとかいろいろなところをチェックはしているのですけれども、レベニューキャップ制度の仕組み全体を分かりやすく説明しているページはないので、今後、エネ庁とか電取委だけに責任を負わせるのではなく、消費者庁とかその他もろもろ、皆さんで知恵を絞って社会に対して発信していくという姿勢が必要ではないかなと思っています。

スタートする前に完璧を目指せるかといったら、あくまでもフォワードルッキングの話がかなりありますので難しいところだと思いますけれども、間違いなくフォローアップといいましょうか、常に見ているよ、ちゃんとやってほしいという、その辺りは最後に強く意見表明をすべき点だと思いました。

私から以上でございます。

○野村座長 ありがとうございました。

それでは、委員会事務局からまず回答をお願いいたします。

○友行参事官 今、河野委員からいただきました内容につきましては、この後、こちらのほうで確認して検討していきたいと思っております。

○野村座長 その他の方から、もし今の河野委員の御発言に対応できるようでしたらお願いいたします。

宇田オブザーバーでよろしいですか。

○宇田オブザーバー ここは割とはっきりしておいたほうがいいのは、消費者への分かりやすい説明ということは言葉にするとそうなのですけれども、要はお金を払う側が納得するような説明をしてくれということなのですね。お金を取る側ではなくて。取る側が一生懸命分かりやすいでしょうといって説明するのではなくて、お金を払う側がこれなら納得したよねというようなことが思えるかどうかと。

それは、常に消費者の説明は誰がということなのですけれども、上げたいと考えている人は、お金を取る相手に対して当然のことながら分かりやすい説明をしなければ本来だったら払ってもらえないのです。ところが、これは強制的に取られてしまうので、そういう意味では払っちゃうのですね。こういう関係の中で消費者への説明といったときに、理解できるものにしてくれというのは消費者の権利だと思います。お金を支払う側の権利だと思います。

だから、消費者庁に対して言うのはというのだけれども、消費者庁の立場からしてみると、お金を支払う人たちを代弁して、お金を取る側に対して本当にこんなのでいいのということをしっかり言うのが大事なことであって、消費者が消費者庁に対しても説明が必要だと、消費者庁も分かりやすい説明が必要だと思うのですけれども、これはお金を支払う側が分かりやすくなるように、お金を取る側がしっかりと説明をしてほしいというのが基本だと思います。

それから、プロセスを評価してほしいというのは、もちろんそれは中の方々は大変だったとか、いろいろなことはあると思うのですけれども、結論として、それが消費者の利益になっているのかどうか、この一点で判断されるべきだと私は思います。

提供する側が非常に一生懸命やりましたと、だけど高いものになっちゃった、ごめんなさいといったときに、お金を払う側が、君たち一生懸命やってくれてサンキュー・ベリー・マッチ、その労働対価は払いましょうというふうにはならないのですね。

だから、ここは消費者の側にもう一度、正に河野委員は消費者の立場でずっと御覧になってきたと思いますけれども、私も一消費者としてお金を払う側ですから、お金を取り立てる側に対してはちゃんと分かりやすく説明してよねということを申し上げているのですね。

そのときに、その分かりやすさというのは人によって違いますから、僕はややこしいことも何となく分かるような気はするけれども、なかなかそうでない人たちもいるし、それから、つい一生懸命やっているなという感じになってしまうかもしれませんけれども、問題は支払う側が取られっぱなしになってしまうものに対してどうやって納得のプロセスを打ち立てられるかということかと思っています。申し訳ないけれども、電取委が一生懸命やっていたというのは納得のプロセスではなくて、出てきたものについては、十分消費者の立場に立って検討がされているということをもってして納得のプロセスだと思っていますので、そこのプロセス評価も分からないではないのですけれども、今、私が消費者庁の立場、あるいは消費者の立場でこういう議論をするに当たっては、そこは内部だけでやってくださいと思います。

以上です。

○野村座長 ありがとうございました。

電取委から河野委員の御発言に御意見がありましたらお願いいたします。

○電取委鍋島課長 河野委員の御発言についてはありがとうございます。毎回、監視等委の検討会にも御出席いただいていまして、よく意見も言っていただきますし、ありがとうございます。

私は、率直に言うと、査定をして給料が増えるわけでもないですし、お金を取る側ではないのですが、きちんとユーザーの方々との関係で公務員としてきちんと査定をするということを心がけております。

何点か、これまでの議論でございましたけれども、まず、ヤードスティック査定というものは、電気料金制度におきましても以前から採用しておりました。ただ、以前のヤードスティック査定は、1位とか2位の企業に対してコストを1%下げるという制度でしたので、それ自身で大きく査定されるということではなかったです。

それで、今回、レベニューキャップ制度を入れるに当たり、かなりまとまった品目に対して1位、2位、3位というふうに順位づけをしてトップランナー補正をしているわけですけれども、投資関係の品目については、例えば電柱であるとか細かいところも順位をつけておりまして、そういう意味で言いますと、個別のものでは、ある分野ではある会社が得意であり、別の分野では他の会社が得意であるというようなことが起こっております。ですから、すごく大きな単位で、順位が必ずこうつくというようなものではないので、そういうことで言うと、先のことは分かりませんけれども、第2規制期間、第3規制期間があるかどうか分かりませんけれども、そうした中で順位が変わることもあると思います。

そういう中で、先ほどから出ている足の遅い人の競争ですけれども、4番、5番の人たちは、今は大変査定を受けておりますけれども、3位を目指して4番、5番の人の中で、速くなろうという人はいるかもしれません。1番、2番の人がそれでいいのかというのは別の論点としてあるとは思います。

それから、安定供給の関係について御意見がございましたけれども、実際に電気が届くことは決して当たり前ではないことだというのは確かだと思います。今、いろいろなことが世の中で起こっておりますし、日本は災害も多いところだと思います。時々停電は起こっております。

今、審査の中でも大きな問題となっておりますのは人手不足でありまして、下請会社が募集しても人が来ないというようなことはございます。そういうふうなことが続くと、今でも鉄塔が老朽化していますので、将来、建て替える人がいないのではないかとか、災害のときに駆けつけてくれる人がいないのではないか、そういう話はございます。そのためには一定程度お金を払わなければいけないというような説明もあります。先ほど申し上げたとおり、私たちとしては別にそういう電力会社からの説明に肩を持つものでも必ずしもありませんので、もちろん是々非々で判断いたします。ただ、審査をしている者として客観的に申し上げれば、安定供給が必ず実現するというものではなくて、それはきちんと投資をして、それなりに費用をかけて、関係者の人たちも確保してということがあって実現するものだとは思います。

査定においては、事業計画を出していただいておりますので、その中でまず第1に、電力会社には、自分たちが原因で停電は起こさない、なるべく早期に、できるだけ早く復帰する、こういうお約束を立てていただいて、その上で費用を査定しています。私たちの理解では、そういうお約束を守っていただける範囲内で査定をしておりますので、いかに厳しく査定をしても、きちんとその約束は守っていただけると考えております。

ただ、その人たちが「約束は守れない」と言うような査定をした場合に、電気の安定供給が当然保たれると考えるのは、客観的に見て、そうではないのではないかと思います。

私からは以上です。

○野村座長 ありがとうございました。

河野委員、こういう御回答をいただきました。

○河野委員 ありがとうございます。私からの希望を申し上げましたので、今後に向けて生かしていっていただければと思います。ありがとうございました。

○野村座長 ありがとうございます。

あと5分しか残っていないのですが、スタートが5分遅れましたのと、大臣の御挨拶もありましたので、申し訳ございませんが、5時10分まで延長させていただきたいと思います。

そうしましたら、大石委員から御質問を続けていただきたいと思います。お願いします。

○大石委員 今日は、二人とも御説明をありがとうございました。

私は、以前から電気に関しては関わっておりましたし、先ほどの河野委員のお話にもありましたように、消費者委員会の専門調査会でもレベニューキャップ制度については既に令和3年7月に消費者委員会意見を出しております。

そのときにも、私はメンバーでいたわけですけれども、このレベニューキャップ制度について経産省、消費者庁から打診があり、それに対して答申をしているところで、今にして思えば、そのときの私たちの検討の仕方に不足もあったのではないかという思いもなくはないですけれども、そのときはそのときの条件でいろいろと検討したという思いもあります。

それから、今回、先ほど友行参事官から説明がありましたように、託送料金の中に入れるべきものではないもの、これは区別すべきだというような意見も出しております。それが実現されているかどうかというと、そこは実際には実行はされていないというのは残念なところではあるのですけれども、そういう検討はしてきたというところです。

今回、更に、私たちが今まで気がつかなかったレベニューキャップ制度でのいろいろな問題点を御指摘いただいたということで、問題点として、課題として考えていかなければいけない点については考えていく必要があるのだろうなと思っているところです。

一つ質問ですけれども、今回の意見書の5ページの「コスト削減の実効性の向上について」というところに、消費者から信頼を得るために経営上のガバナンスを効かせられるように第三者機関がというお話があります。さらに、7ページの(10)の「幅広いステークホルダーの参画の機会の確保」というところにも、広く消費者の意見をと書いてあるのですけれども、ここで迷いますのが、先ほど宇田オブザーバーが三つの条件をおっしゃった中で、利害関係でないこととか専門性を持っていることというお話があったのですけれども、消費者というのはそういう意味ではニュートラルではあるとは思うのですけれども、必ずしも専門性があるかと言われると、そこはなかなか専門性があるとは言えないのですが、この中の消費者というのはどういう立場で入るべきか、また入るとしたらどういう消費者か、誰でもいいというわけではないと思うのですけれども、そういう御意見などがあれば是非お聞きしてみたいと思いました。

以上です。

○野村座長 宇田オブザーバー、お願いいたします。

○宇田オブザーバー どうもありがとうございます。

おっしゃるように専門性と独立性は、独立性はメンバーで全て独立性ですけれども、専門性について見ると、何人かの方が持っていて、その中で議論していくということも十分あると思います。したがって、第三者委員会総体として、専門性と、独立性は全員でシェアをしているという状況が望ましいかなと思います。

それから、おっしゃるように消費者の立場というのであるとすると、先ほどちょっと申し上げましたように、それにしてもこれだけ料金が上がると大変だよねとか、何でこんなに上がるのよとか、大口と比べてどうなのよとか、そういう使う側の立場としての意見は幾らでも出てくると思うのですね。これは作る側、提供する側からはなかなか出てこない視点なので、私はそういう視点を常に投げかけていくという意味では、誰がそれを代弁するのかという問題はありますけれども、そういうことに関心を持って、こういうことはとにかく不思議だな、なぜなのだろうかと思っていただけるような方であればよろしいのではないかと思うのですね。

専門性というところは、私はこれについては分からないから、あなた、説明してよと言って、独立性のある人を巻き込んで、何人か複数の説明をさせるとか、そういうこともあるかと思います。それと、提供する側のものと比べてみて、ちょっと違うなと思って見るとか、私はそこのところは消費者の立場としても責任を持ってというか、そういう関わり合い方をされていくといいのではないかと思いました。

大林さん、その辺りはいろいろと御経験もあるのではないかと思いますが、どうでしょうか。

○野村座長 大林さん、よろしくお願いいたします。

○大林オブザーバー 野村座長、申し訳ありません。

私、実はここのところを発言したいと思って発言の機会を求めておりましたので、少し補足させていただきたいと思います。

本当に皆様に釈迦に説法で申し訳ないのですけれども、消費者の権利という考え方があって、もう60年以上前にアメリカでジョン・F・ケネディが言った権利ですよね。それがようやく、わずか18年前に日本では基本法の中に書かれていると思います。

消費者は選択の機会が確保されるとか、消費生活において基本的な需要が満たされるとか、必要な情報が提供されるとか、そういった権利を持っているわけですから、まさしく電力が必須のエネルギーであって、私たちの社会基盤を作っているエネルギーであるからこそ、それに対して消費者一人一人が何かを言っていくことも当然のことだと思います。

消費者庁の皆さんと消費者委員会の皆さんとは、6年前の電力自由化のときにどういう情報を消費者に届けるべきかで一緒にいろいろ議論させていただきました。実際、そのときに、電力の情報開示が絶対に必要に絶対に必要だということを言って、それを6年間言い続けているのですけれども、それがまだ日本の制度の中ではなかなか実現していない。

違う話に聞こえるかもしれませんが、それは電取委でずっと議論していただいていて、その議論の中で消費者の代表の方が委員に入って言っているのを例えば揶揄するような、あなたはどの消費者を代表して言っているのだ、消費者は本当に電気の情報を知りたいのかと、他の委員から言われながらも皆さん闘っていらしていて、私は非常に難しい状況というか、失礼な状況だと思うのですね。

そういう意味では、政府の審議会においても、消費者の立場や意見を尊重して、分からないことは当然のことなので、それを言えるような環境を作っていただくことが必要だと思っています。

以上です。

○野村座長 ありがとうございます。

大石委員、よろしいでしょうか。

○大石委員 はい。ありがとうございました。

○野村座長 そうしましたら、坪田委員、少しお待ちください。関口委員に先に御発言いただきたいと思います。

関口委員、よろしくお願いいたします。

○関口委員 関口でございます。

時間もあと7分しかありませんので、手短にお話をさせてください。

宇田オブザーバー、大石オブザーバー、非常に膨大な時間をかけて分析をいただいて、どうもありがとうございました。

実は、私は東北大震災が起きたときの東京電力の値上げ申請について、2%カットした張本人でありまして、そのときの経験から言うと、非効率性の排除とかコストカットというのは物すごく時間がかかる。宇田オブザーバーの資料を拝見するだけでもどれだけ時間がかかったかというのがよく分かるのですが、実は継続性を担保するというのは物すごく大変なのです。単発として一時的にこういった非効率性が確認できるということは言えるのだけれども、継続してこういうことを維持できるというのは、しっかりした組織立った継続的な制度を担保していかないとできることではないのです。

そのときにも、緊急避難的に大臣の下でアドホックに作ったというところで、集中的に分析をしたし、それによって隠された秘密の病院が出てきたり、雇用保険の事業者負担率が他の事業体より高かったり、非常に手厚い従業員に対する保護があったりということを少しずつはぎ取って2%カットしていったのですけれども、こういったことを消費者庁側として継続的にできるシステマティックな仕組みを考えていかないと、こういった制度に対する批判的な意見は出せないと思うのですね。

特に、競争事業者が入らないという状況のままでいると、制度をヤードスティックからトップランナー方式に変えたといっても、本質は護送船団方式の延長線でしかないのです。出来の悪い会社はトップに近づきなさいという程度の尻をたたく程度しかできないので、消費者側から見たときの立場として、しかるべき厳しいベンチマークを設けて、ここまではたどり着けということを言うためにも、是非消費者庁に継続的に検討を行えるような体制を整えていただくようにお願いしたいと思います。

以上です。

○野村座長 ありがとうございます。

これはお答えいただくのが難しいでしょうか。

○関口委員 感想ですので、結構です。

○野村座長 本質を突いた御意見だったかと思います。

坪田委員、手短にお願いして、もし可能であれば若林委員も御発言いただきたいと思っております。

では、坪田委員、先によろしくお願いいたします。

○坪田委員 ありがとうございます。

先ほどのつけ足しですけれども、6ページの(6)のところで、丁寧な説明というところの大前提としては、安全・安心、安定した電力供給という言葉をどこかに入れていただければと思いました。

消費者は、安全・安心で安定した電気の供給に必要だから値上げをするということであれば納得できますが、そうしなくてもできるのであれば、それは今までの議論にあったように、どこかもっと無駄を省けばいいところがあるわけです。最終的にはそれが本当に消費者にとって利益をもたらす値上げなのか、どうであるかということだと思います。

消費者にとっての利益というのは安定した電力の供給もありますので、そこのところはつけ加えていただければなと思っております。

以上です。

○野村座長 ありがとうございます。

これも事務局のほうで記録しておいてほしい部分でございます。ありがとうございました。

そうしましたら、若林委員からお願いいたします。

○若林座長代理 時間をいただいてありがとうございます。

手短に確認とコメントをお願いしたいと思います。

まず、今日いただいた資料にいろいろなデータがありますけれども、こちらは電取委のほうから提供されたデータということで、この資料自体は電取委としても納得の資料ということでよろしいのかという確認と、もう一つ、3ページの下のほうに入札関連の話が出てきていますけれども、このバックデータは事務局のほうでお持ちなのか、その確認をさせていただきたいところです。

それから、もう一つコメントとしては、先ほど皆さんがおっしゃっている、幅広いステークホルダーの参画及び消費者への理解というところで、まず先ほど電取委さんからお話があったように、消費者との協議の一環として2社がホームページに意見を求めることをされているということですけれども、それも一つの方式ではありますけれども、それだけでは十分な協議ということには全くならないので、消費者は重要なステークホルダーですから必ず協議をしていただきたいということと、その方法としては、先ほど宇田オブザーバーもおっしゃっていましたけれども、相手に分かるような形で説明をし、そして、協議をするということを徹底していただきたいと思います。

あとは、(10)のところでドイツの例も出ていますけれども、コストの低い高いという部分は文章としてはもう少し再考が必要かなと思っています。

以上です。

○野村座長 ありがとうございました。

これに関して、特に確認事項のところは、鍋島課長、友行参事官から御回答いただければと思いますが、いかがでしょうか。

○電取委鍋島課長 今日お配りしている資料は、監視等委からデータを提供させていただいたものであるのですけれども、私たちが分析したものではありません。私たちのデータを使っているというところについては確認をいたしておりますけれども、こういう分析手法を使っていること、あと、この分析も何か文章が書いているわけではないのですが、チャートだけだとどうなのかということもあります。分析なので、何らかの含意を導くということだと思うのですけれども、それらについては私たちの分析ではないので、同意とかそういうことではなくて、「私たちのものではありません」と御説明させていただきます。

○野村座長 承知しました。

では、3ページ下の入札の部分のデータに関して、事務局、お願いいたします。

○友行参事官 事務局においては、このデータは対外秘の形ではありますけれども、いただいております。御連絡が間近になってしまいましたけれども、委員の皆様方にも既にメール等にてデータの提供はできますということはお伝えしておりますので、またデータの御希望があれば申し出ていただければ、そのデータをお送りすることは可能でございます。

○野村座長 分かりました。

若林委員、よろしいでしょうか。

ありがとうございます。

本日は、長時間にわたり熱心な御審議をいただき、ありがとうございます。御発言がまだ追加であるという方がございましたらお願いいたします。

オブザーバーのお二方からかなり情報を出していただきまして、我々の理解も深まりました。査定方法への疑問、2050年に向けたカーボンニュートラルへの再生可能エネルギー支援等に関して、今回のテーマは託送料金に関する妥当性でございますが、検討しなければならないということを学ばせていただきました。

鍋島課長からも、投資を続けていくことが大事であろう、大臣からも、消費者の権利は消費者委員会で十分に配慮すべきであるということも今日御発言いただきました。

将来的には、新しい制度を作り、また見直していくという継続性も担保しなければならないということで、そこにモニタリングシステム、レビューシステムをきちんと入れ込まなければいけないということが課題として上がってきたかと思います。

そして、安定供給、安心・安全でという観点も欠かせないということで理解いたしました。

来週に向けてまたそういう議論を続けることになるかと思いますので、御協力いただければと思います。

最後に、事務局から事務連絡をお願いしたいと思います。


≪3.閉会≫

○友行参事官 次回の日程等につきましては、決まり次第ホームページなどを通じてお知らせいたします。

以上です。

○野村座長 ありがとうございました。

それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところをお集まりいただきましてありがとうございました。

(以上)

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