外務省・新着情報

冒頭発言

カチン州でのミャンマー国軍による空爆

【林外務大臣】私(林大臣)から1件、御報告がございます。10月23日ですが、ミャンマー北部のカチン州パーカンにおきまして、少数民族組織のカチン独立機構が周年行事を行っている際に、ミャンマー国軍が空爆を行い、多数の民間人が死傷したとの報道に接し、心を痛めております。
 日本は、昨年のクーデター発生以来、暴力の停止を一貫して求めてきている中で、今般、多数の市民が犠牲となる事案が発生したことを極めて深刻に受け止めておりまして、こうした攻撃を非難いたします。
 日本政府として、事態打開に向けて、ミャンマー国軍に対して、暴力の即時停止、アウン・サン・スー・チー国家最高顧問を含む被拘束者の解放、民主的な政体の早期回復について具体的な行動をとり、ASEANの「5つのコンセンサス」を早期に履行することによって、平和的な問題解決に真剣に取り組むよう改めて強く求めたいと思っております。
 私(林大臣)からは以上です。

山際経済再生担当大臣の辞任

【NHK 岩澤記者】閣僚の辞任について伺います。旧統一教会との関係が相次いで明らかになっていた山際経済再生担当大臣が昨夜辞任しましたが、今後の政権運営に与える影響などについて、大臣のお考えをお願いいたします。

【林外務大臣】閣僚の任免は総理の専権事項でありまして、私(林大臣)からお答えする立場にはないと考えております。
 いずれにいたしましても、外務大臣として、しっかりとその職責を果たしてまいりたいと考えております。

旧統一教会との関係

【朝日新聞 野平記者】旧統一教会との関連についてお伺いします。大臣、過去の国政選挙で、旧統一教会やその関連団体から、推薦確認書やそれに類する文書の提示を受けたことはございますでしょうか。ある場合は、年月や文書に書かれていた内容、署名をしたかどうかなど、お聞かせください。

【林外務大臣】御指摘の団体からの文書の提示は、確認されませんでした。

日中関係

【共同通信 植田記者】日中関係についてお伺いします。中国の習近平(しゅう・きんぺい)総書記の3期目政権が発足しました。台湾情勢など懸案も多い中で、今後どのように日中関係を進めていくのか、首脳会談の開催時期や形式などを含めて、今後の方針をお伺いします。

【林外務大臣】他国の政党の活動、またその影響につきまして、予断をもってコメントすることは差し控えたいと思いますけれども、我が国としても、関連の動向については注視してきております。
 その上で、中国との間では、主張すべきは主張し、責任ある行動を求めつつ、諸懸案を含め対話をしっかりと重ね、共通の諸課題については協力するという「建設的かつ安定的な日中関係」、これを双方の努力で構築していく必要があるというのが、我が国の一貫した立場であります。
 また、国家安全保障戦略等の策定についてですが、関係閣僚間、また与党間においても議論が行われているところでありまして、外務省としても、積極的に貢献していきたいと考えております。

ウクライナ情勢

【読売新聞 金子記者】ロシアのウクライナ侵略について伺います。放射性物質を撒き散らすことを目的とした「汚い爆弾」について、ロシア側はウクライナが使おうとしていると主張して、米欧が、ロシア自らがこの爆弾を使う口実にしていると批判を強めていますけれども、日本政府としてもロシア自らがこの爆弾を使うという懸念を強めているのか、見解を伺います。

【林外務大臣】10月の23日ですが、ロシア側は英仏等との国防相電話会談におきまして、ウクライナによる「汚い爆弾」の使用について懸念を表明したと発表しております。一方、英米仏は同日、ウクライナが「汚い爆弾」を使用する準備を行っていると、こうしたロシアの主張は虚偽であり、エスカレーションに向けたいかなる口実も拒否すると、こういう旨の共同声明を発表したと承知しております。
 我が国として、ご指摘のような兵器を口実に、ロシアがエスカレーションを行う可能性について、予断をもってお答えすることは差し控えたいと思いますが、ロシアによる更なるエスカレーションは決して許されるものではなく、我が国として重大な関心を持って注視していきます。
 引き続き、G7を始めとする国際社会と緊密に連携し、ロシアに対し即時に侵略を停止し、部隊をロシア国内に撤収するように、改めて強く求めたいと思います。

安全保障協力に関する日豪共同宣言

【朝日新聞 野平記者】先日、日豪首脳会談の際に発表した共同宣言についてお伺いします。この中で、「安全保障上の利益に影響を及ぼし得る緊急事態に関し相互に協議し対応措置を検討する」と明記されたのですけれども、この緊急事態というのは具体的にどういった事態を想定しているのかという点と、その際に取り得る対応措置というのは具体的にどういったものがあるのか教えてください。

【林外務大臣】今般、署名に至りました「安全保障協力に関する日豪共同宣言」では、日豪の主権や地域の安全保障上の利益に影響を及ぼし得る緊急事態に関して相互に協議し、対応を検討することとしております。
 具体的には、日豪は、戦略的評価をすり合わせながら、平素から緊急事態に至るまでの状況に応じて、両国や地域の平和と安定を守っていくためにいかに対応していくかについて議論していくものでございます。対応の内容、これは個々の状況によるものでありますが、軍事に限られるものではなくて、外交・経済といった様々なものが総合的に検討され得ると考えております。
 今般の宣言における本件協議の確認、これは、現下の戦略環境を踏まえて、日豪の安保・防衛協力を強化する一環でございます。

日韓関係(旧朝鮮半島出身労働者問題

【NHK 岩澤記者】太平洋戦争中の徴用をめぐる問題について伺います。一部の報道で、問題の解決をめぐり、日本企業の賠償金を韓国の財団に肩代わりさせる案を軸に日韓両政府が本格的な協議に入ったとされていますが、事実関係も含めて政府間での協議の状況を伺います。

【林外務大臣】報道の一つ一つにつきましてコメントすることは差し控えたいと思います。その上で、仮に現金化に至ることになれば、日韓関係にとって深刻な状況を招きますので、避けなければならないということは、これまでも日本側から韓国側に対し繰り返し伝えてきております。
 今後とも、日韓関係を健全な形に戻し、更に発展させていくために、韓国政府と緊密に意思疎通してまいりたいと思っております。

北朝鮮情勢

【読売新聞 金子記者】北朝鮮について伺います。北朝鮮の船が24日に北方限界線を超えるなど挑発行為がエスカレートしていますけれども、中国の共産党大会が終わったことで、北朝鮮が核実験に踏み切るとの見方もありますけれども、日本政府としての見解を伺います。

【林外務大臣】政府としては、北朝鮮の軍事動向について、必要な情報収集分析を行ってきておりまして、今後、核実験の実施も含めて、北朝鮮が更なる挑発行為に出る可能性があるものと考えております。
 北朝鮮による核・ミサイル開発は、日本及び国際社会の平和と安全を脅かすものでありまして、断じて容認できないと考えております。今後とも日米・日米韓で緊密に連携し、国際社会とも協力しながら、関連する安保理決議の完全な履行を進め、北朝鮮の非核化を目指してまいりたいと考えております。

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