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プレスリリース

令和4年度我が国周辺水域の水産資源に関する評価結果が公表されました(ズワイガニ・マダラ・ソウハチ・ムシガレイ・スケトウダラ・カタクチイワシ・ウルメイワシ・マダイ・ニギス)

令和4年10月25日
水産庁

国立研究開発法人水産研究・教育機構において、令和4年度の資源評価対象魚種192魚種のうち、ズワイガニ・マダラ・ソウハチ・ムシガレイ・スケトウダラ・カタクチイワシ・ウルメイワシ・マダイ・ニギスの9魚種18系群の評価結果が取りまとめられましたのでお知らせいたします。

1.我が国周辺水域の水産資源調査・評価について

水産資源の適切な保存及び管理に資するため、国立研究開発法人水産研究・教育機構及び関係都道府県の試験研究機関等から成る共同実施機関への事業委託により、毎年、我が国周辺水域の主要な水産資源について資源調査・評価が実施されています。

今回、9魚種18系群について、資源評価結果の概要及び詳細が国立研究開発法人水産研究・教育機構のホームページに公表されました。
国立研究開発法人水産研究・教育機構HP(http://www.fra.affrc.go.jp/shigen_hyoka/SCmeeting/2019-1/

9魚種18系群のうち、以下の8魚種10系群についてはMSYベースの資源評価が更新され、ズワイガニ、スケトウダラ、ウルメイワシの他の系群やニギスの4魚種8系群については資源水準・資源動向が更新されました。

表.MSYベースの資源評価結果が更新された魚種と資源評価結果

今回資源評価結果が更新された資源 
親魚量
漁獲の強さ
ズワイガニ日本海系群A海域
少ない 適切
マダラ本州日本海北部系群
適切
適切
ソウハチ日本海南西部系群
適切
適切
ムシガレイ日本海南西部系群
少ない 適切
スケトウダラ太平洋系群
適切 適切
スケトウダラ日本海北部系群
少ない 適切
カタクチイワシ太平洋系群
少ない 適切
カタクチイワシ対馬暖流系群
少ない 過剰
ウルメイワシ対馬暖流系群
適切 適切
マダイ日本海西部・東シナ海系群
少ない 過剰

2.≪トピック≫スケトウダラ日本海北部系群の資源評価結果について

本資源の資源量及び親魚量は1990年漁期(4月~翌年3月)以降、2000年代前半にかけて長期間減少傾向が続きましたが、2000年代後半以降は資源量及び親魚量ともに増減しつつ低い水準にとどまっていたものの、資源量は2014年漁期以降、親魚量は2016年漁期以降、増加傾向を示しています。

本資源は、資源評価結果等に基づく数量管理や漁業者による自主的管理の取組により漁獲量を制限しており、漁獲量を構成する年齢別漁獲尾数をみてみると、若齢魚を獲り控えるような傾向にあり、全体の漁獲尾数は減少傾向であるものの、2015年以降の漁獲量はほぼ横ばいで推移しています。

若齢魚を取り控えることで親魚となる資源(親魚量)が確保され、2018年級群、2019年級群の大きな加入につながり、2021年の資源量は増加傾向となっています。

豊度の良い2018年級群、2019年級群などの加入と成熟により、今後も親魚量及び資源量の増加が期待され、これらの豊度の良い年級群を取り残して親魚量を増大させることが本資源の回復にとって重要です。


図1.漁獲量の推移
左図は1970~2021年までの漁獲量の推移を示しており、右図は2012年~2021年の漁獲量の推移を示したもの。


図2.2012年~2021年までの年齢別漁獲尾数


図3.資源量と親魚量の推移


図4.スケトウダラ日本海北部系群の神戸チャート(神戸プロット)
親魚量(横軸)と漁獲の強さ(縦軸)をMSYを達成する水準(SBmsy、Fmsy)と比較した形で過去から現在までの推移を示したもの。

お問合せ先

(資源評価結果の公表について)
水産庁増殖推進部漁場資源課
担当者:加賀、追中、大南
代表:03-3502-8111(内線6800)
ダイヤルイン:03-6744-2377

(資源評価結果の内容について)
国立研究開発法人 水産研究・教育機構水産資源研究所
担当者 : 上原、西田
代表:045-788-7615(内線7960)

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