外務省・新着情報

令和4年10月20日

 10月20日、髙木啓外務大臣政務官は、東京サステナブル・シーフード・サミット2022(Tokyo Sustainable Seafood Summit 2022)において、水産資源の持続可能な利用のための我が国の国際的取組についてビデオ・メッセージの形で基調講演を実施したところ、概要は以下のとおりです。

  1. 冒頭、髙木政務官から、持続可能な漁業と海洋の実現は、持続可能な開発目標(SDG)14を始めとして重要な外交課題の一つと位置付けられており、国際社会は、違法・無報告・無規制 (IUU)漁業の撲滅と海洋環境保全といった2つの課題に取り組む必要があることについて言及し、我が国の国際的取組について以下を述べました。
  2. まず、世界各地で問題が深刻化しているIUU漁業に対し、我が国は責任ある漁業大国として、多国間の協力としては地域漁業管理機関やG20等の国際的な枠組みにおける議論をリードするとともに、「違法漁業防止寄港国措置協定」の実効性の向上等に向けて積極的に取り組んでいること、また二国間の協力としてはODAを通じて途上国に対するハード・ソフト両面での支援を実施していることについて紹介した上で、引き続き国際社会と連携してIUU漁業の抑止体制の強化に取り組む旨述べました。
  3. 続けて、海洋環境の保全に関し、2019年の大阪G20サミットにおいて、2050年までに海洋プラスチックごみによる追加的な汚染をゼロにするための「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」を打ち出したことや、今後、開始予定であるプラスチック汚染に関する条約交渉につき、2024年末の妥結を目指し我が国が交渉を主導していく決意を述べました。また、「2030年までに陸と海の30%以上を保全する」という「30by30」の推進等について述べました。
  4. 最後に、日本人の生活や食文化の基盤でもある水産資源と海洋を大事に守り、後世に引き継ぐことの重要性や全てのステークホルダーが利益を享受する水産業の発展を実現させる必要性について言及の上、日本は国際社会と協力し、引き続きこれらの問題の解決に向け、世界でリーダーシップを発揮していく旨述べました。
[参考1]東京サステナブル・シーフード・サミット(TSSS)

 2015年から毎年開催されているアジア最大級のサステナブル・シーフードイベント。2022年は株式会社シーフード・レガシー、日経ESGの主催の下で開催。
 同会合は、サステナブルな水産業の実現を目指し、環境持続性や社会的責任の追求に焦点を当てたテーマをもとに、国内外の水産関連事業、水産資源管理、ブルーファイナンス、水産政策等の分野における専門家や企業、NGOなど多様な組織のフロントランナーが最新の知見を共有する機会となっている。

[参考2]東京サステナブル・シーフード・サミット2022の公式サイト別ウィンドウで開く
[参考3]髙木外務大臣政務官によるビデオ・メッセージ(和文(PDF)別ウィンドウで開く英文仮訳(PDF)別ウィンドウで開く

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