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秋葉復興大臣記者会見録[令和4年10月14日]

令和4年10月14日(金)17:40~17:50 於)岩沼市千年希望の丘相野釜公園 

1.発言要旨

 

 どうも皆さん、御苦労さまです。

 本日は、宮城県丸森町、山元町、亘理町、岩沼市を訪問させていただき、各首長の皆様に大臣就任のあいさつをさせていただくとともに、献花・黙とうを捧げ、復興状況について話を伺いました。

 それぞれ震災から11年7か月が経過をし、私も地元選出の復興大臣として、石巻の下水事業、あるいは気仙沼の防潮堤事業を除いてハード事業はほぼ一段落したなという認識を持っておりましたが、実際にはまだまだ、ハード事業も含めて、準ずるものも含めて、課題が多いなということを今日は再認識いたしました。

 まず丸森町では、11年経ってもやはり3年前の台風19号の爪痕の影響も色濃くあり、まだまだ人手不足だと、大臣から何とか人手の調達をお願いしたいという要望をいただきました。早速、来週から予算委員会も始まりますが、関係省庁に問題意識を共有したいと思っておりますし、また、除染廃棄物等、飯舘村と変わらないような線量の状況下の中で、全く国の対応が違うということについての怒りのコメントもありました。今日、閣議後の懇談の中で、西村環境大臣にもお願いをさせていただきましたが、もう少し除染関係のスピードを早めていく必要があるなということも再認識した次第でございます。

 また、山元町につきましては、やはり集団移転元地の活用がなかなか進まないというようなお話がありました。少なくとも亘理町やあるいはこの岩沼市、あるいは私の選挙区の仙台市などでは、区画整備事業あるいは仮換地事業、こういったものは進んでいるんで、あとはアイデアであり、活用の具体化というところにこぎ着けている市町(村)

が多いんですけれども、山元町は、いまだに利用する手前の段階で足踏みしているという状況を知ることができたことは大きな収穫だったと思っています。早速、中島局長に対してハンズオン支援事業を始めとして、様々な伴走支援をしていくように指示をさせていただきました。

 また、亘理町においては、非常に震災後のまちづくりが順調に行っているなというのを目の当たりにさせていただきました。特に沿岸部の賑わい交流空間というのは、本当に集客の魅力に富んでおりましたし、大きなまちづくり、将来にとって明るい材料になり得るなというのを確信いたしました。

 その一方で、やはり海が魅力的な町でありますから、非常に関連の人口が集積する中で、漁港についていえば浚渫をして車とか大きな災害物は既に除去してあるわけですが、今賑わい交流空間になっている一部のエリアが、やはり瓦礫処理ができていない。御案内のとおり11年前は、とにかく仮設住宅を造ったり、まちづくりどうするかということでなかなか見えてこなかった課題というものが、10年という月日を要すればこそ見えてくる新たな課題があるんだなということを再認識いたしました。

 どうしても漁場における瓦礫の処理は水産庁事業で復興庁が指示してやらせてまいりましたけれども、そうした賑わい交流空間の部分、所管官庁が特にあるわけではありませんが、国交省はじめ関係機関に指示をして、やはり安全なレクリエーション空間が維持できるようにしっかり取り組んでいかなければならないと思っておりますので、こういったことにも復興庁として寄り添った対応が必要なんだろうと思っております。

 また最後、この岩沼市は、ただいま佐藤市長にも現場御案内をいただきました。私も希望の丘は伺ったことがあるんですが、本当にこの千年の丘といいますか、植樹をしたところですね、ここを目の当たりにするのは、4年前に復興マラソンに伺ったとき以来でございまして、かなり樹木が成長し、そして私の認識では、この辺だけ植えたという認識を持っていたんですけれども、実際には、この岩沼町市域の海岸部10キロメートルに及ぶラインに植えられているということで、これはまさに大きな、震災で大変で思いをしたわけですけれども、岩沼市の将来のまちづくりにとって大きな遺産になったんじゃないかなと思います。

 これに関わった人が4万人以上いるというお話を伺いました。その方々お一人お一人が、関係人口の起点となって、将来もこの岩沼市との交流というものが継続するんじゃないかなと思っておりますので、こういった財産を生かしていただきたいと思います。

 いずれにいたしましても11年7か月たって、一見、地元にいると気がつかないような課題がたくさんあるということを再認識したわけでありまして、これからも必要な支援をしっかりと取り組んでまいりたいと思います。

 私からは以上です。

 

2.質疑応答

 

(問)来年度について、予算要求を復興庁のほうでも考えてらっしゃると思うんですけれども、今現状では、どのぐらいの規模になるか。もしくは第2期復興・創生期間に入って、だんだんと予算が減らされてきているというのは、実際、自治体のほうで肌身に感じていらっしゃると思うんですけど、その辺、今、どういうふうにお考えになっていらっしゃるのかお聞かせいただければありがたいです。

(答)御案内のとおり、復興庁としてのフレームの予算は決まっておりますので、その中で対応してきたというのが正直なところなわけです。近年は、大体5千億ぐらいにまで縮減をしてまいりましたが、しかし、これはフレームがあるから、そこからはみ出せないということでは決してないと思っておりますので、特に福島県においてはやはり原発という複合災害でありますので。昨日も大熊町、双葉町、特に双葉町は、もう4度訪問させていただいておりますが、中長期的な対応が本当に必要だと、このように思っております。

 また、いろんな原発災害に係る費用も東電に代わって国が立て替えている部分もございますので、ですから復興庁として、第2次安倍政権のときに決めたフレームというのはありますけれども、必要な支援をやっていくということが国の基本姿勢でなければならないと思っております。

 令和5年度に関しても、非常に事項要求が多いという御批判もいただいておりますが、いずれにしても事項要求が多いから駄目ということではなくて、必要な措置をしっかり復興庁としてもやっていきたいという意気込みの表れだというふうに御理解いただければと、このように思っております。

 ちなみに、令和5年度の概算要求は、5、292億円、これに事項要求をプラスしていこうということでありますから、やはり必要な予算措置をしっかりしていきたいと思っております。

 

(問)今、被災元地の活用、複数の自治体から課題として挙がっているという声が、県内の大都市圏のほうは比較的活用が進んでいて、今、見た県南の沿岸部だとか、石巻であるとか、気仙沼であるとか、もちろん岩手のほうもですけども、なかなか元地の活用が進んでいない。団地化したような自治体もあって、埋まっているところもあるみたいですけれども、まさに、山元町では、議論できてないとおっしゃいましたけれど、支援として、もし考えられるとしたらどういうことをやっていきたいと考えていらっしゃいますか。

(答)今、御指摘のとおり、宮城県はこれでもかなり順調に進んでいるほうであることは間違いないんですね。福島県は、まだそういう議論に入れていないという状況ですし、岩手県においては元地活用率というのはまだ53%にすぎません。ですから、半分以上がまだ手つかずという状況があります。

 そういう中で見れば、宮城県は、各自治体が非常に知恵を絞っていただいて頑張って取り組んでいただいている。特に仙台は、立地的に恵まれているということももちろんあるからですけれども、ほぼほぼ予定が埋まっているという、こういう状況です。

 ですから先ほどコメント申し上げましたとおり、やはり時間の経過とともに新たな課題が出てきているということの中で、時間が経過したからこそ元地の活用をどうするかという今段階になっているわけでありますので、やはり、そこは、それぞれの自治体が主導することは基本なんですけれども、しかし、主導させるだけじゃなくて、復興庁としても一緒になって考えていく、そういう姿勢が大事だと思いますし、そのために我々もいまだに被災3県に局を残しておりますので、そういう形でやっていきたいと思っております。

 いずれにいたしましても、まずはどういう使い方をしていくか、職員が現地に行くなどして、特に力を合わせて知恵を出していくということが本当に大事なんだと思いますし、亘理町では、サーフィンのメッカにしたいということでサーファーのための駐車場を設けたり、あるいは、また、民間企業に委託をした形でのまちづくりがかなり順調に進んでいるというのを目の当たりにしてまいりましたので、またそのサーファーのメッカの手前には、スケートボードというんですか、私も詳しくないんですが、公式競技ができるようなものを今整備をしているということで、ああいったものは非常にこの相乗効果の中で一つのヒントになるんじゃないかと思っております。

 もともと我が県の沿岸部というのは魅力に富んだエリアでありましたから、衆知を集めていけば、いいまちづくりにつながってくるんだと思いますので、ただ残念だったのは、ですから、山元のようにまだその議論の手前の自治体もあるということに気づいたわけですので、こういったところは重点的に取り組んでいく必要があるというふうに思っております。

(以  上)

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