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2022年10月14日

【2022年10月17日発表資料差し替え】「2.今後の取組の方向性」に掲載されていた図は、正確性の観点から削除しました。
経済産業省は、9月26日から開催している「東京GXウィーク」の一環で、最終日の10月7日(金曜日)、世界のグリーン・トランスフォーメーション(GX)の実現について議論する「国際GX会合(GGX)」を初めて開催し、G7から5カ国、2つの国際機関、12の大学・研究機関・民間企業が参加しました。省エネなど排出削減に寄与する技術の社会の削減への普及を評価する「削減貢献度」の考え方など、GX の実現に向けて未解決の課題について国際的な議論を行いました。

1.概要

経済産業省は、9月26日から開催した「東京GXウィーク」の一環で、最終日の10月7日(金曜日)、世界のグリーン・トランスフォーメーション(GX)の実現について議論する「国際GX会合(GGX)」を初めて開催し、G7から5カ国、2つの国際機関、12の大学・研究機関・民間企業が参加しました。
国際GX会議では、中谷経済産業副大臣、持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD)のバッカーCEOがハイレベルスピーチを行い、続けて米国のケリー気候問題担当大統領特使、EUのティマーマンス上級副委員長、英国のキャラナン・ビジネス・エネルギー・産業戦略省政務次官、経済協力開発機構(OECD)のコーマン事務総長、国際エネルギー機関(IEA)のビロル事務局長からはビデオメッセージをいただきました。続くセッションでは、アップルやアマゾンのようなグローバル企業がグリーンな製品を一定程度調達することを自ら約束し、グリーンな製品の初期需要を創出するイニシアチブであるFirst Movers Coalition(FMC)(※参考1)に関するアジアでの初めてのイベントである「FMC in Japan(※参考2)」が行われました。その後、3つのパネルディスカッションが行われ、4「①グリーンな市場の創出」、「②グリーンな製品・サービスを推進するための評価・基準」、「③グリーンな社会を構築するための国際協力」の3つをテーマに、GX の実現に向けて未解決の課題を議論しました。
気候変動における“変革”を表す“GX”。今回の会合では、多くの出席者からもGXの概念の重要性や日本への期待について言及がありました。
本日の会合を踏まえ、今後COP27やG7等に向けて、先進国、途上国、主要排出国のみならず、気候変動における重要な役割を果たすビジネスセクター等とも議論を重ね、国際社会とも協調しながら、世界のGXの実現に向けた様々な課題の解決に向けて、我が国としても議論を加速していきます。
また、本会合を踏まえた、「議論の概要と今後の取組の方向性」についてまとめられました。

関連ファイル

2.今後の取組の方向性

本会合での議論を踏まえて、以下の通り経済産業省としても議論を加速していきます。

  • GHGネットゼロ排出を達成するために、グリーンな市場の構築に向けて、需要サイド・供給サイド両方の側面の両方向からアプローチを組み合わせていくことの重要性を認識しました。その際、特に多排出産業において革新的技術が開発・普及するまでにかかる時間軸を念頭に、円滑な移行を促すトランジション市場のあり方について考えることの重要性も認識しました。そのためにも、ファイナンスの観点からはグリーンファイナンスやイノベーションファイナンスに加えて、トランジションファイナンスの考え方も活用しながら、グリーンな市場の構築に取り組んでいきます。引き続き、多排出産業等においては、それぞれの国ごとの事情に応じて多様なアプローチの必要性を認識し、様々な政策を組み合わせながら実効的な気候変動対策を進めていくあり方について国際的な議論を深めていきます。
  • 現状の気候変動対策における議論では、「いかに活動主体(企業等)自身やそのサプライチェーンの温室効果ガス排出量を削減するかという視点」に焦点が当たっており、その観点から、CO2計測の考え方(Scope1-3)や企業の会計開示ルール(TCFD)等の取組が進められてます。引き続き、こうした取組を加速していくことは重要です。それらに加えて、「企業等が自社のグリーン製品を社会へ普及する等の活動によって社会全体のCO2削減に貢献するという視点」も、活動主体(企業等)のグリーンな取組をさらに促し温室効果ガス削減を進めていく上では、重要です。社会全体としての排出量削減に資する取組が適切に価値として評価され、こうした取組を進める活動主体(企業等)に対してファイナンス等のリソースが向かう仕組みをつくることができれば、グリーンな製品・サービスの普及を促し、経済成長によるネットゼロ排出実現が期待できると考えます。そうした概念の下、「削減貢献度」の考え方については、以下の論点も念頭におきながら、各国政府や民間企業、金融機関等様々な団体とも議論を深めていきます。

    • 削減貢献度の考え方が適用されうる/されるべき製品やセクターとは何か、削減貢献度の適切な定義と計算手法とは何か、透明性の確保のあり方とは何かについて検討すること。
    • 削減貢献度の考え方の持つ本質的な重要性を認識し、GHGプロトコルが定める排出削減の範囲(Scope1-3)やパリ協定・NDC等と明確に議論を区別すること。
    • グリーンウォッシングと捉えられないような手法や説明のあり方について、とりわけ削減貢献度の考え方を乱用し、グリーンでない取組を進める国・企業等の不適切な評価につながらないことに留意すること。
  • 国際協調も、今後気候変動対策を進めていく上で益々重要となっています。先進国と途上国、双方にとって利する協調のあり方として、各国の事情や強みやビジネスの果たす役割を認識していくことが極めて重要となります(例:適応ビジネスやJCM協力の拡大、途上国における現実的なトランジションを支えるための技術・人材育成等の支援、削減貢献度の考え方等)。また、気候変動対策における貿易政策の役割についても引き続き議論を深めていきます。
(参考1)First Movers Coalitionについて
https://www.meti.go.jp/press/2022/05/20220524001/20220524001.html
(参考2)FMC in Japanにおけるフォトセッション

左からWEFギルズ プログラム長、経済産業省中谷副大臣、米国ロスキャンプ首席公使代理、商船三井田中副社長

関連リンク

担当

産業技術環境局 地球環境対策室長 髙濵
担当者:大岡、大浦 

電話:03-3501-1511(内線 3524)
03-3501-7830(直通)
03-3501-7697(FAX)

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