内閣府・新着情報

日時

2022年9月7日(水)13:15~14:21

場所

消費者委員会会議室・テレビ会議

出席者

【専門委員】
野村座長、若林座長代理、後藤委員、関口委員、坪田委員、寺田委員、長田委員
【消費者委員会担当委員】
大石委員、星野委員
【説明者】
(国土交通省)
鉄道局角野浩之都市鉄道政策課長、自動車局旅客課森哲也課長、関東運輸局自動車交通部内田忠宏部長
(消費者庁)
楢橋康英参事官(公益通報・協働担当)
【事務局】
加納事務局長、岡本審議官、友行参事官、事務局担当者

議事次第

  1. 開会
  2. 鉄道運賃・料金制度のあり方に関する小委員会中間とりまとめのヒアリング
  3. 東京都特別区・武三地区のタクシー運賃改定について
  4. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○友行参事官 それでは、時間となりましたので、始めたいと思います。

本日は、皆様、お忙しい中、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。ただいまから、第67回「公共料金等専門調査会」を開催いたします。

本日は、河野委員が御欠席、野村座長をはじめ、その他の皆様はテレビ会議システムにて御出席でございます。

議事に入る前に、配付資料の確認をさせていただきます。

お手元の議事次第に配付資料を記載しております。もし不足等がございましたら、事務局までお知らせいただきますようお願いいたします。

次に、テレビ会議による開催に当たりまして、お願い申し上げます。ハウリング防止のため、御発言時以外はマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。また、皆様、画面のほうはオンにしていただければ幸いでございます。御発言の際は、あらかじめチャットでお知らせいただきますようお願いいたします。それを確認いたしました座長から指名がありました後に発言をお願いいたします。

なお、感染症拡大防止の観点から、一般傍聴者にはオンラインにて傍聴いただき、報道関係者のみ会場に御参加いただいております。

議事録については、後日、公開いたします。

それでは、野村座長、以降の議事進行をよろしくお願いいたします。

○野村座長 本日はよろしくお願いいたします。

本日の進行についてですが、途中で私の回線が切れた場合には、復旧するまでの間、座長代理に、座長代理の回線も併せて切れてしまった場合には、事務局において進行をお願いいたします。


≪2.鉄道運賃・料金制度のあり方に関する小委員会中間とりまとめのヒアリング≫

それでは、最初の議事に入らせていただきます。一つ目の議題は、鉄道運賃・料金制度のあり方に関する小委員会の中間とりまとめについてです。

国土交通省様におかれましては、現行の運賃制度の導入から20年以上経過する中で、社会経済状況の変化、あるいは災害対応等の安全への投資の必要性の高まりを踏まえて、小委員会を設けて議論を行って、7月に中間とりまとめを公表されたと承知しております。鉄道運賃・料金制度のあり方に関する議論でありますので、消費者委員会公共料金等専門調査会としましても、まずその内容について把握しておく必要があると考えております。

本日は、この中間とりまとめについて国土交通省様からヒアリングしたいと考えております。

なお、専門調査会の担当委員である大石委員におかれましては、小委員会の委員も務められ、この中間とりまとめにも関与されたと承知しております。本日はヒアリングでございますので、大石委員には小委員会委員での立場も踏まえて御意見を頂戴したいと思っております。なお、消費者委員会本会議での対応に倣いまして、このような兼務先の審議会の検討事項に対して、仮に意見表明を行う場合には、その議決から外れていただくことにさせていただきます。

それでは、国土交通省様から中間とりまとめについて御説明いただきたいと思います。本日は、国土交通省から、鉄道局都市鉄道政策課角野浩之課長様にお越しいただいております。御多忙のところ審議に御協力くださいまして、ありがとうございます。

それでは、時間、おおよそ20分程度で御説明のほど、よろしくお願いいたします。

○国土交通省角野都市鉄道政策課長 御紹介いただきました国土交通省鉄道局都市鉄道政策課長の角野でございます。本日はこのような機会をいただきまして、どうもありがとうございます。

先ほど委員長からも御紹介ありましたけれども、国土交通省のほうで鉄道運賃・料金制度のあり方に関する小委員会を2月に設けまして、8回ほど議論を重ね、7月26日に中間とりまとめをまとめてございます。私のほうから、その内容について御説明させていただきます。資料は資料1と2をお配りしていると思いますけれども、資料1に沿って内容の御説明をさしあげます。

それでは、早速でございますけれども、資料1の2ページから始めたいと思います。鉄道事業を取り巻く環境の変化とのタイトルをつけてございます。先ほども御紹介ありましたけれども、現行の鉄道運賃・料金制度、総括原価方式に基づく上限認可制でございますけれども、平成9年に導入されてから約四半世紀が経過してございます。この間、鉄道事業を取り巻く環境・課題がいろいろ変化してきておりますので、小委員会のほうでは、まず、その状況について的確に認識する必要があることで整理してございます。

環境の変化として、まず、市場構造の変化で、2ページから3ページにかけて、マル1-1からマル1-5の五つのポイントを整理してございます。

一つ目が人口の推移と鉄道需要の変貌でございます。平成9年、この制度導入時点では、我が国は依然として人口が増加局面であったわけですけれども、平成20年をピークに、平成23年以降、減少局面に入っていることをまず捉える必要があると思います。特に地方部では、人口減少に加えて、道路整備に伴う自動車利便の向上などによって、鉄道利用者の減少に歯止めがかからない状況でございます。都市部でも、新型コロナウイルス感染症の拡大を契機として、一部、通勤・通学の旅客が大きく減少しており、元に戻らないと見込まれております。

他方で、国民の健康寿命の上昇に伴って、元気な高齢者の増加でございますとか、新型コロナウイルス感染症の流行によりライフスタイルや生活意識が大きく変わりつつあることも加える必要があると思っています。また、観光の分野では、この間、インバウンドの旅客が大幅に伸び、コロナの影響で今は減っておりますけれども、今後、漸次回復していくものと見込まれる、また、国内旅行のほうも、コロナの中で志向する国民が増えていく分析もございます。

以上を踏まえて、マクロ的には総人口の変化とともに、全国的に見れば鉄道需要は拡大傾向から縮小傾向に変化していると考えておりますけれども、ミクロ的には、従前、通勤・通学需要を支える日常的で定型的な需要が大宗を占めている状況から、非日常的で多面的な需要の存在感が増している状況にあると認識してございます。

二つ目は、移動の選択肢の多様化でございます。特に、国内の中長距離輸送について見ると、航空分野でこの間、大きな規制緩和があって、いろいろなダイナミックな動きが起きてございます。また、高規格幹線道路網の整備進展で、高速バスネットワークも非常に拡大していることでございます。

短距離輸送について見ても、自動車や自転車のシェアリングが普及することで選択肢が広がってきていると認識してございます。

三つ目、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響でございます。既に言及いたしましたけれども、通勤・通学といった日々の移動需要に大きな影響を及ぼしてございます。また、インバウンドの旅客、観光分野でも大きな影響を及ぼしていることで、旅客数が大きく減少しており、特に通勤・通学の部分でございますけれども、拡大前の水準までは回復しないだろうと各鉄道事業者は見込んでいる状況でございます。また、「密」に対する国民の意識が大きく変わったことで、従来以上に混雑緩和への要請も高まっているとの認識でございます。

次に、デジタル技術の関係でございます。スマートフォンなどの広がりによって、デジタル機器を通じてサービスの対価を支払うことも一般的となってきているとともに、サブスクリプションなど、サービスに係る料金の設定も多様化してきている状況でございます。また、サービスの面で見ても、交通分野、MaaSの登場といった変化が生まれていることでございます。

他方で、地方に目を向けてみますと、先ほども御説明いたしましたけれども、人口減少、少子高齢化によって地域モビリティの維持・確保が非常に厳しくなっている状況の中で、従来、競争関係にあったバス事業者と鉄道事業者が連携して地域のモビリティを確保していこうと協働の動きも生まれてきていることでございます。

次に、鉄道事業に求められる社会的要請の変化に関して、4ページでございますけれども、三つほどポイントをまとめております。

一つが、バリアフリーの考え方が社会に定着して、エレベーターやエスカレーターの設置が鉄道事業者に求められる状況になっております。また、ホームドアの整備についても、今度、国が数値目標を設定して進めていくことになってございますし、それに合わせる形で鉄道駅のバリアフリー料金制度も昨年導入してございます。

また、インバウンド旅客の需要に対応するための多言語表記やWi-Fi環境の整備も求められております。また、鉄道車内で傷害事件が数々起きてございますけれども、セキュリティ対策も求められております。このように、求められる安全・サービスの水準が高度化・多様化している認識でございます。

また、二つ目でございますけれども、自然災害の頻発・激甚化によって、鉄道のインフラも非常にダメージを受けてございます。今後見込まれる大きな災害を考えての対応を急ぐ必要がございます。また、鉄道の橋梁、トンネルなどの老朽化が進んでおりまして、こうした鉄道施設の強靱化が急務であるとの認識でございます。

三つ目は環境問題でございます。この点は、鉄道にとっては追い風の分野で認識しておりますけれども、企業や人々の環境意識の高まりをいかに鉄道利用に結びつけていくかが課題であると認識しております。

以上のような環境の変化を踏まえて、鉄道事業に求められる役割が多様化・高度化していると(2)でまとめてございます。

繰り返しになりますけれども、従来、画一的で旺盛な通勤・通学需要にいかに対応するかが、鉄道事業者の主な課題であったわけですけれども、これからの鉄道事業者には、利用者の行動変容やニーズの変化を的確に捉えたサービスを機動的に提供していくこと、安全・安心や環境など今日的な課題に着実に対応していくための投資を計画的に実施していくこと、それから、特に地方部では、モードの垣根を越えた連携に取り組んでいくといった取組が必要であると考えております。

今回の小委員会でも、こうした変化を踏まえて、関係者からのヒアリング、議論を行っている中で、下のブレットポイントで示しているような新しい運賃料金を設定することで、こうした役割の多様化・高度化に引き続き対応していきたいとの声もあるところでございます。

幾つか御紹介しますが、朝の通勤時間帯の混雑を緩和することを目的とした時間帯別の定期券を導入してはどうか、また、MaaSに代表されるような、鉄道と他のモビリティや他のサービスと組み合わせた運賃を設定できないかとの御提案、それから、観光路線、サービスの価値に応じた高い水準の運賃の設定があってもいいのではないかと議論が行われてございました。

このような環境の変化を踏まえ、5ページの2ポツでございますけれども、現行制度の検証が小委員会で行われてございます。もともと現行の鉄道運賃・料金制度は、適正な原価と適正な利潤を合計した総括原価と総収入の収支均衡を図る総括原価の考え方に立って、収支均衡が担保されるよう、運賃の上限を認可する制度になってございます。

6ページでございます。こうした制度を取った理由として、導入時に三つ考え方を整理してございます。一つは、鉄道事業が国民生活及び経済に必要不可欠な輸送サービスを提供する高い公共性を有していること。二つ目が、鉄道事業は独占性を有している場合が多くて、市場メカニズムが十分に機能しにくい点。三つ目が、ある種附合契約で、利用者に価格交渉力がないこと。この三つの特殊性に着目して、現行制度では、利用者利益の保護を図る観点から、行政が事前にチェックする制度を取っていることでございます。

その上で(2)でございますけれども、小委員会では、特に現行制度を取ることとした主な由来となった要因である鉄道事業の独占性に関して、今日的な評価を行ってございます。今日的な評価を行うに際して、二つ視点が重要であると考えて行っております。一つが、代替可能な選択肢が鉄道以外にあるかとの交通モードの視点。もう一つが、デジタル技術の進展や新型コロナウイルス感染症の拡大による働き方やライフスタイルの多様化の視点。この二つの視点から考える必要があるだろうと検証を行っております。

この点、交通モードの視点では、先ほども御説明いたしましたが、中長距離輸送における航空や高速バスとの競争の激化が起きており、移動の選択肢が広がっていることが、一つ認識しなければいけないことだと考えております。

また、7ページに入っておりますけれども、働き方やライフスタイルの多様化の視点でございますと、短距離輸送では在宅勤務が通勤の代替手段となる、中長距離輸送ではオンライン会議がビジネス出張の代替手段となるといった形で、移動せずとも目的を達せられる手段との間での競争環境が厳しくなっていると我々としては分析しております。

他方で、先ほど申し上げたような航空や高速バスと鉄道とを同じに比べられるだろうかとの議論も小委員会でございました。特に、航空・高速バスに関しては、同一路線に複数の事業者が参入して運賃・料金設定を競っている状況でございますけれども、鉄道の場合は、同一路線に複数の事業者が参入する状況には残念ながらなっていないことです。

また、働き方やライフスタイルの多様化の視点で申しますと、確かに移動需要の変容があるのですけれども、日々の生活において、移動手段として鉄道に頼らざるを得ない人々が少なくありません。また、いざ移動しようとすると、特定の路線を使わざるを得ない状況に引き続きあると考えております。以上を踏まえて、鉄道の独占性には大きな変化はないと小委員会では結論づけてございます。

地方部では、競争ではなくて、異なる交通モード間での協調の動きがむしろ求められているのではないかで整理してございます。

(3)では、総括原価方式に基づく現行の制度の細かい点についての今日的評価を行ってございます。現在の制度は、総括原価を賄う範囲で個々の運賃の上限を認可する形での規制の制度になってございまして、コストの算定に当たってヤードスティック方式の採用によって適正化を図るといった工夫もしているものでございます。こうした制度によって、今のところ恣意的な運賃値上げが抑制され、利用者利益の保護の面で有効に機能してきたと評価してございます。

他方で、時代の経過とともに、幾つか課題が露呈してきていると考えてございます。8ページでございますけれども、まず一つ目として、総括原価の算定方法が十分にアップデートできていないのではないかとの問題意識でございます。細かい算定方法は収入原価算定要領に基づいて行っておるのですけれども、特に安全・安心や環境といった今日的な課題をはじめ、制度導入当時は想定されていなかった社会的要請の変化に対応した新たな投資・コストが、費用として十分に計上できない仕組みになっているのではないか、ゆえにもって、そうした新たな課題に対する積極的な投資に、鉄道事業者がその取組につながりにくいのではないかと指摘をいただいております。

また、ヤードスティック方式についても、現行ではJR、大手民鉄、地下鉄の3グループに分けて運用しているわけでございますが、現下の鉄道事業の実態を考えたときに、この3グループでいいのだろうかと御指摘を事業者からもいただいているところでございます。

二つ目でございますけれども、実行運賃イコール上限認可運賃に起因する負担としてございます。現行の制度では、認可した上限の範囲内であれば、任意に運賃を鉄道事業者は設定することができるとなっているわけですが、実際として、ほとんどの鉄道事業者は、認可運賃の額を実際の運賃として設定している、つまり、全ての実行運賃が認可した天井に張りついているとの状況でございます。このため、運賃の一部をわずかでも上げようとすると、変更後の運賃体系による総収入が総括原価と収支均衡となるかどうか、改めて体系全体についての認可手続を行う必要があることで、運賃改定をちゅうちょさせる一因となっている指摘をいただいております。

また、改定手続に要する期間・コストもばかにならないことで、今のところ、法律上は標準処理期間として4か月としているわけですけれども、事業者における準備に要する期間とか、ICカードシステム・自動改札機の更新作業に要する期間を考えると、非常に長い期間、多くのコストがかかっている現実を鉄道事業者から訴えられている状況でございます。

四つ目として、地域モビリティの再編への対応でも課題が生じているのではないかとのことでございますが、一部の地域では、鉄道とバスの連携によるサービス提供の動きが出てきています。こうした動きが地域のモビリティを確保していく上でも、今後、各地で広がっていく必要があると考えてございますが、現行の運賃制度が交通モードごとにばらばらになっています。煩雑な手続が交通モード間の連携を妨げることにもなりかねないことで、地域の実情を踏まえて、関係者の合意の下で柔軟に運賃を設定したいとのニーズに十分対応できていないのではないかと指摘をいただいてございます。

こうした現行制度の検証を踏まえて、小委員会では、当面の対応と、将来への検討と二つに分けて結論を中間とりまとめでまとめております。

9ページの下の部分でございますけれども、繰り返しになりますが、鉄道事業を取り巻く環境が大きく変化し、社会や利用者が鉄道事業に求める役割・サービスが多様化・高度化する中で、鉄道輸送サービスの対価である運賃・料金も、こうした変化やニーズに対応していくことが求められております。小委員会の中でも様々な御提案をいただいたことでございますので、10ページに移っておりますけれども、まずは、現行制度を前提に、この夏以降、以下に掲げるような項目について具体的な検討を開始し、結論を得たものから順次実施していくとの、当面の対応の方針をいただいております。

一つが、総括原価の算定方法の見直しでございます。非常にテクニカルな内容になりますけれども、運賃を設定していくときの基準となるコストの積み上げ方、原価に参入する費目、それから、その算定手法、先ほど御説明したようなヤードスティック方式の運用の方法等、最新の企業会計制度を踏まえて検証して、特に鉄道事業者が施設の強靱化とかセキュリティ対策、カーボンニュートラルへの対応といった今日的な課題をはじめとする社会的要請の変化に対応する投資やコストを、適切に総括原価に反映できるような手法を検討していくべきであると言っていただいております。

二つ目として、現行制度の運用の改善・工夫としてございます。今回の小委員会でのヒアリングや議論で、いろいろな運賃・料金のアイデアの御提案をいただいています。そうしたものの中には、現行制度の運用の改善・工夫で実施可能なものもあると考えておりまして、こうした御提案を踏まえた具体的な検討を進めていくべきであろうとの御指摘でございます。例えば、運賃・料金の値上げと値下げを組み合わせ、全体としては増収にはならないような新たな運賃・料金の設定については、一定期間経過後に増減収の状況を検証し、結果を踏まえて、さらなる必要な措置を講じるといった条件を付すことで認可していくことができるのではないか。それから、安全・安心で快適な鉄道輸送サービスを実現していくために必要な投資に関して、受益と負担の関係が比較的明瞭であれば、事業者にとって過度な負担とならない、また透明性を確保することを前提に新たな料金を設けることも考えられるのではないか。正に鉄道駅バリアフリー料金制度のようなものをイメージしております。例示として挙げておりますけれども、こういった考え方を踏まえて具体化していくべきであるとの御指摘でございます。

最後、地方部における地域モビリティの維持・確保に向けた制度の見直しで、るる御説明しておりますけれども、交通モードの垣根を越えた協働によって、利用者利便の向上につながる交通事業者の連携がさらに広がっていくことが期待されております。このような動きを後押しする観点から、地域の関係者が合意できれば、民間運賃とは異なる運賃設定を可能とするような制度の構築を検討していくべきであるとのことでございます。

また、当面の対応に加えて、将来の検討とのことで、(2)を記載してございます。実は、小委員会の中では、現行の上限認可制度そのものの見直しも必要じゃないかで議論を行ってございます。下に試案のポイントと記載してございますけれども、これはあくまでも試案でございますが、鉄道事業者が国の定めた基本方針を踏まえて運賃・料金を自由に設定し、事前には規制しない。唯一、利用者利益を毀損する運賃・料金が設定された場合には、事後的に変更命令等によって是正する。あらかじめ事業コスト等を基に算出された収入見込み額を実績収入が上回った場合は、鉄道事業者は事後的にその取扱いを公表していく制度も考えられるのではないか議論を重ねてきたわけです。

ですが、委員会の中でも独占性がなお認められる鉄道事業の運賃・料金設定について、本当に国の関与のあり方がそのようなものでいいのだろうか、それから、運賃・料金設定の自由度の向上・多様化を進めることと、利用者利益の保護や利便性の確保をどうバランスさせていくべきなのかといった点について、更に議論を深めていく必要があるだろうと御指摘をいただいておりますので、現時点においては、(1)で掲げた当面の対応の結果も踏まえて、引き続き検討を行っていく課題として中間とりまとめでは整理させていただきました。

最後、運賃・料金の決済システムにおける対応を記載してございます。我々、どうしても制度論をしてしまうのですけれども、実際に多様で柔軟な運賃設定を可能にするためには、実務面で非常に重要なパーツとなるICカードに係るシステムの見直しも必要なことを、委員の先生からも御指摘いただいております。

現行のICカードシステムは、相互直通運転などが進展することで非常に複雑化してきておりまして、更新の作業にかなりの期間・コストがかかる現実の問題がございます。制度を柔軟なものにしていく以上、システムの検討が鉄道事業者側にも不可欠であることも併せて重要なポイントになることで、ここで記載しているところでございます。

以上、長くなりましたが、このような中間とりまとめを7月26日にいただいたことで、今後、いただいた方針を踏まえて国土交通省として施策の具体化を進めてまいりたいと考えているところでございます。

以上でございます。

○野村座長 御説明ありがとうございました。

時間も押してきておりますので、再度、目次を見ていただきまして、今の角野様の御説明が網羅的だったことを確認しながら、チャット欄に質問される方のお名前を入れてくだされば助かります。いかがでしょうか。中間とりまとめで、市場構造の変化と社会的要請の変化を受けて、種々議論されているのが分かりました。

寺田委員、よろしくお願いいたします。

○寺田委員 寺田です。どうもありがとうございます。

随分包括的な議論をされたことがよく分かったのですけれども、運賃構成と運賃体系といいますか、水準と運賃表二つに分けてみると、後者のほうで時間帯別のお話とか、そういうものが出ていたのですけれども、そもそも距離制自体をどうするかとのお話はあったのでしょうか。例えば、エアライン型、現在はこの区間は少し安めにしようと思うと、同じ会社の等距離の別な場所も安くしなければならないとか、そういう問題がある。距離制か、運賃体系の基本的なこと自体についての御議論があったかどうか教えていただけますか。

以上です。

○野村座長 角野様、よろしくお願いします。

○国土交通省角野鉄道局都市鉄道政策課長 御指摘ありがとうございます。

5ページを開いていただけますでしょうか。寺田先生御指摘のとおりでございまして、今の運賃は、実行上は距離をベースにしたタリフになってございます。これは、必ずそうしなければいけないことでルールとして定められているわけではございませんで、歴史的にそのように設定されていたものが基本的に引き継がれている現状であると認識してございます。

5ページで、本小委員会における関係者へのヒアリングや議論においても段落の中に書いていることでございますけれども、正にそういう距離帯に応じた運賃でいいのかに関して、むしろ利用者がサービスから得られる価値に応じて運賃・料金を設定し、非常に需要が大きいところでは高く、需要の少ないところでは低くとの考え方があってもいいのではないかとの御議論もいただきました。

結論としては、どっちがどっちではなくて、距離に応じて取る形があってもいいと思いますし、価値に応じて取れる部分があってもいいのではないかとの議論の中で、どちらかに寄せることではなくて、なじむものに応じて設定していく考え方でいいのではないかと御指摘もいただきましたし、この中間とりまとめが、その点に関しては余り結論めいたものは言ってございません。ただ、我々としては、鉄道事業者ができるだけいろいろな発想で運賃料金の設定を考えていただきたい。

もちろん、利用者利便のほうが第一でございますので、現行の制度を前提にしてではあるのですけれども、いろいろな工夫の中で、今、寺田先生からおっしゃっていただいたような運賃・料金の設定は、今後あり得るのではないか、出てくるのではないかなと思ってございますし、一部、そういう考え方で設定されている料金のようなものがあると認識してございます。

いずれにいたしましても、先生からいただいた御指摘、ごもっともでございまして、その点に関しては、小委員会でも、正にいろいろな先生、事業者からも御指摘いただいて議論した経緯がございますので、私からの回答とさせていただきます。

○寺田委員 どうもありがとうございます。

○野村座長 ありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。

若林委員、よろしくお願いいたします。

○若林委員 御説明どうもありがとうございました。

御説明、大変よく分かりました。今後、いろいろな項目について具体的な検討をされるとのことで御紹介いただいたのですけれども、どういう優先度で、どういう議論をしていくみたいな見通しはあるのでしょうか、教えていただければと思います。よろしくお願いいたします。

○野村座長 お願いいたします。

○国土交通省角野鉄道局都市鉄道政策課長 ありがとうございます。

10ページに当面の対応でまとめているものがございますが、まず、総括原価の算定方法の見直しにつきましては、会計の専門的な議論を行わなければいけないと問題意識もございますので、我々の中での検討を助けていただくための検討会で、専門の先生に集まっていただき、事業者からも意見を聞きながら、算定方法を近代化していくとか現代化していく取組を、まず進めようと考えてございます。

同時並行で、マル2の現行制度の運用の改善・工夫に関しても取り組んでいきたいと考えてございます。こちらについては、具体的に小委員会でもいろいろな事業者から提案いただいているものがございます。一遍に同時に実現するのはなかなか難しいと思っておりますので、幾つか出てきたアイデアに優先順位をつけて、そこで順番に実現できるかどうかの検討を進めていこうと考えてございます。

併せて、マル3、地域の話は、実はこれは法改正が必要になると考えてございまして、この点に関しては、この小委員会と同時並行で鉄道局で走らせていたローカル鉄道の見直しに関する検討会でも、実は同じ御指摘をいただいてございます。新聞もにぎわしていますので、恐らく先生方も目にされているのではないかと思いますけれども。この詳細な地域における検討の内容に関しては、そちらのローカル鉄道の見直しのあり方のさらなる検討の中で具体化を進めていって、制度化していくことを今のところ考えてございます。

そういう面では、マル1マル2マル3をある種同時並行で進めていくことが、今、考えていることでございます。

○野村座長 ありがとうございます。若林委員、よろしいでしょうか。

○若林委員 どうもありがとうございました。

○野村座長 ほかにございませんでしょうか。

長田委員、よろしくお願いいたします。

○長田委員 すみません、ちょっと具体的に細かい質問で恐縮なのですが、11ページの運賃・料金の決済システムのところで、柔軟な対応を検討している事業者もあるとの表記だったと思うのですけれども、これは具体的にはどういう方法が検討されているのでしょうか。更新作業に数か月も要するものが解決する仕組みがもしあれば、教えていただきたいのですが。

○野村座長 お願いいたします。

○国土交通省角野鉄道局都市鉄道政策課長 ありがとうございます。

ちょっとテクニカルな話になりますが、今のICカードのシステムは、中央制御している部分と個々の改札口で処理している部分がございます。個々の改札口での処理も伴う部分で非常に大きな負荷がかかっているのも一面でございまして、まだ完全に実現のめどが立てられているわけではないとの認識ですけれども、全て中央処理のほうに、センターサーバーと事業者は言っておりましたけれども、個々の改札口での処理の負担をどんどん中央集権化していく方法が、一つ検討が進められているものと認識してございます。

それから、それと同じ流れかもしれませんが、今のICカード、磁気を基本としているわけですけれども、ここに書いてございますようなQRコードでの決済もある意味中央で一括処理できる仕組みでございます。ただ、これに関しては、現場、現場での処理に少し時間がかかるので、本当に対応できるのかとの現実的な問題もあるわけですけれども、事業者によっては、企画乗車券のようなものはQRコードで対応できるようにしていこうとの動きも出てきていると認識しております。

○野村座長 よろしいでしょうか。

○長田委員 ありがとうございました。

○野村座長 そうしましたら、坪田委員、よろしくお願いいたします。

○坪田委員 失礼します。

9ページで地域モビリティの再編への対応があります。地域ごとで考えていくことが重要と思っていますが、一方で、ローカル線であっても県境をまたいでいるところもあると思いますので、鉄道事業者と地方消費者行政とが一緒になって考えること、交通行政と地方自治とは難しいところがあるのではないかと思うのです。その辺りのところは、今後何か検討の方向性で挙げていらっしゃるものがあるのでしょうか。あれば教えてください。

以上です。

○野村座長 お願いいたします。

○国土交通省角野鉄道局都市鉄道政策課長 ありがとうございます。

坪田先生御指摘の点は、正に構造的な問題であり、非常に大きなポイントとして鉄道局では認識してございます。先ほど言及したローカル線の見直しの検討会が中心になって、そちらのほうの話をしてございます。正に交通は地域の話で、自治体とか地域の交通事業者が中心となって議論していただく場が、これまでも、我々地活化法と呼んでいる法律があるのですけれども、それに基づいてなされてきていることではありますが、鉄道の場合、ネットワーク性があったりするので、そこにうまくはまらない場合が多々あるとの現状も認識してございます。

今、ローカル線の見直しの検討会でしている話は、基本、地域で議論していただく趣旨であるのですけれども、ネットワーク性のある鉄道も含めて議論していこうとしたら、地域ではなかなか処理し切れない場合に、国がその協議会を引っ張っていくイニシアチブを取っていくべきじゃないかと検討会での御指摘もいただいて、それに対応できるような仕組みづくりを今後していくのが、今、進めている方向性でございます。

○野村座長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。

そうしましたら、おおむね時間になりましたので、国土交通省様からの御説明をここで終わらせていただきたいと思います。現行の運賃・料金制度が前提ではございますが、内容的には総括原価の算定方法の見直し、今後の制度の運用改善等が含まれております。当専門調査会でも今後も調査・審議してまいりたいと思いますので、意見交換をまた改めましてお願いするかもしれません。

特に、今日、資料2には言及されなかったのですが、資料1の11ページ物を2ページにまとめていただいたと理解しております。その中でも、将来の検討課題とのことで「将来」と言葉が出てきております。これがどの辺りを目指しておられるのか。それから、今日の質問でも出ましたように、優先順位をどうつけていかれるのかとの辺りも注視しておりますので、また意見を求めさせていただくかもしれません。

本日はお忙しい中、御協力いただきまして、ありがとうございました。今後とも国土交通省様、さらに消費者庁様に御協力いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

○国土交通省角野鉄道局都市鉄道政策課長 ありがとうございました。

○野村座長 それでは、事務局、ここで一旦、前段のテーマを終わらせていただきますので、会場のほうの交代、よろしくお願いいたします。

○友行参事官 ありがとうございます。説明者の入替えを行いますので、ちょっとお待ちいただけますか。

(説明者入替え)


≪3.東京都特別区・武三地区のタクシー運賃改定について≫

○友行参事官 野村座長、事務局でございます。会場のほう、準備が整っておりますので、お願いいたします。

○野村座長 ありがとうございます。

そうしましたら、二つ目の議題に移らせていただきます。ここからは、東京都特別区・武三地区のタクシー運賃改定につきまして議論させていただきます。

前回、専門調査会として意見案について御議論いただきましたが、本日、国土交通省様から、運賃改定案について追加資料の提出がございましたので、それについての御説明をいただくようにさせていただきます。その後、その内容に関して質問、意見交換をさせていただきたいと思います。

本日、国土交通省自動車局旅客課森哲也課長様に来ていただいております。ありがとうございます。御説明、おおよそ10分程度でお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○国土交通省自動車局森旅客課長 ありがとうございます。国交省自動車局旅客課長の森でございます。

それでは、本日お配りいたしました資料3、運賃改定の表について簡単に御説明いたします。最初の会議で御説明した運賃改定の内容は、主として距離制運賃の普通車の部分でございました。これは、タクシーのメインの対象区分が専ら普通車であることから、そこを中心に説明しておりますけれども、今回、補足的に、運賃改定全体につきまして御説明させていただきます。

まず、時間距離併用運賃表の欄がありますけれども、これは信号待ち、渋滞等で時速10キロ以下の走行速度だった場合の運送に要した時間を運賃に換算しまして、距離制運賃に加算させるものでございます。今回、改定内容として255メートルで100円加算をするわけですけれども、これを時間に置き換えますと、255メートルを時速10キロで走行した場合に要する時間、95秒で、これは距離制運賃の部分を単純に算数の問題で置き換えて計算しているだけでございます。切上げ、切捨て等の処理は若干しておりますけれども、そういう意味で普通車の時速10キロ以下の走行時間については、1分35秒までごとに100円の時間距離併用の運賃も同時に用意しておるものでございます。

それから、一番下の欄、時間制運賃ですけれども、これは時間で貸し切ってしまうタイプのものでございます。これは現行の運賃に改定率の14.24%を乗じまして、同じく機械的に算定して計算しておるものでございます。若干の切捨てはしておりますけれども、単純に1.1424を掛けて計算しているものでございます。

私からは以上でございます。

○野村座長 ありがとうございました。

そうしましたら、資料3に基づきまして御意見、御質問、よろしくお願いいたします。また、チャット欄のほうへお名前を入れていただくと助かります。いかがでしょうか。

では、私からですが、普通車以外に大型車、特大車と出ておりますが、その比率が分かるようであれば、普通車、大型車、特大車の御説明も、知っている方は知っていると思うのですが、よろしくお願いいたします。

○国土交通省関東運輸局内田自動車交通部長 お世話になっております。関東運輸局自動車交通部長の内田でございます。

特別区・武三地区の特大車、大型車、普通車の車両数の割合でございますけれども、特大が0.02%、大型が0.41%、普通車が99.58%で、大半が普通車になってございます。

○野村座長 ありがとうございます。乗車定員についても、もし分かるようであれば、それも参考までにお教えいただければ助かります。

○国土交通省関東運輸局内田自動車交通部長 今、申し上げた区分がそもそもどういう区分けになっているかでございますけれども、特定大型が定員9名以上、それから大型車が排気量2.5リットル超かつ定員8名以下、普通車が排気量2.5リットル以下かつ定員8名以下となってございます。

○野村座長 ありがとうございます。細かいことで恐縮です。

普通車が一般的なようでございますが、全体としてこういう値上げになりますとの詳細をお示しいただきました。

それでは、寺田委員から御質問、お願いいたします。

○寺田委員 寺田です。御説明どうもありがとうございます。

今、14.24%の引き上げ率をほぼ機械的に掛けてと御説明をされたので、それで質問ですけれども、資料3にないような、例えば迎車料金とか定額制とか、この中にないような料金はたくさんあると思うのですけれども、そういう料金類についても、基本は14.24%の値上げを認めることで、そういう含みだと読んでよろしいのでしょうか。

○野村座長 お願いいたします。

○国土交通省関東運輸局内田自動車交通部長 関東運輸局の内田でございます。

迎車料金につきましては、今回の運賃改定を受けまして、初乗り料金以下で各事業者さんのほうで設定していただいて認可申請していただく形になっております。

○野村座長 寺田委員、いかがでしょう。

○寺田委員 迎車料金は運賃本体と連動するから、今の説明の中に含まれている。それ以外については、上限とは関係ない、上限未満の問題との理解ですね。ありがとうございます。

○野村座長 ほかにいかがでしょうか。

○友行参事官 座長、すみません、今の寺田委員の御質問について追加で国交省様から御説明がございますので、発言していただきます。

○野村座長 すみません、よろしくお願いいたします。

○国土交通省関東運輸局内田自動車交通部長 関東運輸局、内田でございます。

寺田委員からの御指摘に関してですが、今、申し上げたとおり、迎車料金については、今回の改定を受けた後の初乗り以下で、事業者さんのほうで個別に検討していただいて出していただく形になっておりますので、必ずしも14.24を掛けたらいいとの形ではないのですけれども、今回の初乗りをお認めいただいたとして、改定後、それ以下で個々の事業者さんのほうで御検討いただいて申請していただく形になっております。補足でございます。

○野村座長 ありがとうございます。

寺田委員、よろしいでしょうか。

○寺田委員 どうもありがとうございます。

○野村座長 そうしましたら、大石委員、よろしくお願いいたします。

○大石委員 御説明ありがとうございました。

参考までに教えていただきたいのですが、今回いただいた表は、今までのものも含めて上限とのことで書いていただいています。実際には下限も含めて何段階か料金が設定してあることだと思うのですが、現在、上限以下のほかの運賃で運営しているタクシー事業者さんがどのぐらいあるのでしょうか。逆に言うと、上限に張りついているとの言い方は悪いですけれども、そのような事業者さんがどのぐらいの割合いらっしゃるのかを、分かれば教えていただきたいと思います。

以上です。

○野村座長 国交省様、お願いいたします。

○国土交通省関東運輸局内田自動車交通部長 関東運輸局の内田でございます。

申し訳ございません。正確な数字は持ち合わせておりませんけれども、上限運賃を採用されている事業者さんがかなり多いとの認識でございます。

○野村座長 ありがとうございます。

大石委員、よろしいでしょうか。

○大石委員 それでも、今回の上限以外の下限までの段階的な運賃を書いていないのは、法律的に問題があるのか、何か別の目的があってのことなのでしょうか。それも分かれば教えていただければと思います。

○野村座長 内田様、お願いいたします。

○国土交通省関東運輸局内田自動車交通部長 運賃でございますけれども、これは幅でお示しすることになっておりまして、最も効率的な経営をした場合には下限値も認められることで、幅でお示しする制度になってございます。

○国土交通省自動車局森旅客課長 補足でよろしいですか。

○野村座長 お願いします。

○国土交通省自動車局森旅客課長 先ほど申し上げたとおり、上限、下限、4段階の幅を持った運賃をお示しするわけですけれども、各企業のほうでその中から自己の運賃として選択したものを届け出ていることになっています。これは地域特性も若干ありまして、全体的に上限運賃を選ぶ事業者の多いエリア、一方で下限運賃のほうを選ぶ事業者の多いエリア等もあります。それから、各社の判断といたしましては、提出された幅の中で、例えば比較的下限から始めて、ステップ・バイ・ステップで少しずつ上げる。バスなどではそういう事業者もありますので、そこは事業者の経営判断、戦略等の余地を残しているものでございます。

補足です。

○野村座長 ありがとうございます。

大石委員、よろしいでしょうか。

○大石委員 ありがとうございました。

○野村座長 ほかに御質問はないでしょうか。

○大石委員 すみません、つけ加えて質問させていただけますでしょうか。

今の説明を聞いて思ったのですが、例えば現在上限を採用していない事業者が値上げをして、上限の価格帯に移った場合には結果として14%を超える値上げになると思うのですが、それは何も問題がないことになるのでしょうか。

○野村座長 いかがでしょうか。

○国土交通省関東運輸局内田自動車交通部長 14%とは、前回、前々回も御説明させていただきましたけれども、あくまで過去の実績に基づいて原価に適正利潤を加えたものに対して、収入がどれだけ足りないかを計算して、そこから導き出した率ですので、あくまで過去の実績に基づいて足りない部分を今回改定率として出させていただいていることで御理解いただければと思っております。

○野村座長 基準は一定ですので、14.24を超えることはないとの解釈でよろしいですか。

○国土交通省関東運輸局内田自動車交通部長 2019年の実績に基づいて計算した上で、その14.24を超えないように計算させていただいていることでございます。

○野村座長 大石委員、よろしいでしょうか。

○大石委員 分かりました。ありがとうございます。

○野村座長 ほかに御質問ないでしょうか。ないようでしたら、今日の議論を受けて、意見案を作成させていただく方向で進めさせていただきたいと考えております。事務局もそれでよろしいでしょうか。

○友行参事官 事務局でございますけれども、本日、追加で御提示いただきました資料も含めまして、次回、意見案について再び御議論いただければと思います。

○野村座長 ありがとうございます。

そうしましたら、今日の議論はここで終わらせていただくことでよろしいでしょうか。国土交通省様もよろしいでしょうか。追加で御発言があれば事務局に伝えてください。

○友行参事官 特に大丈夫でございます。


≪4.閉会≫

○野村座長 そうしましたら、最後に事務局から事務連絡をお願いいたします。

○友行参事官 次回の専門調査会の日程につきましては、決まり次第、委員会のホームページを通じてお知らせいたします。

以上です。

○野村座長 日程調整では御協力、よろしくお願いいたします。

本日は、国土交通省様、消費者庁様、お忙しい中、御協力いただきまして、ありがとうございました。参加していただいた委員の皆様もありがとうございました。次回、また意見書案について御議論させていただきたいと思います。

本日の専門調査会はこれにて閉会とさせていただきたいと思います。お忙しいところお集まりいただき、ありがとうございました。

(以上)

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