外務省・新着情報

冒頭発言

(1)大臣のシンガポール共和国及びマレーシア訪問

【林外務大臣】私(林大臣)から3件、冒頭発言がございます。
 まず、本日7日から10日まで、シンガポール及びマレーシアを訪問する予定です。
 この機会に、シンガポールではビビアン・バラクリシュナン外務大臣、マレーシアではサイフディン・アブドゥッラー外務大臣を始めとする両国政府要人との会談等を予定しております。
 今回の訪問を通じて、地域の重要なパートナーであるシンガポール及びマレーシアとの間で、来年の日ASEAN友好協力50周年、これも見据えつつ、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた連携を更に強化するとともに、経済や安全保障協力、人の往来、こうしたものを含む幅広い分野での二国間協力を一層深化し、国際社会における諸課題について議論する考えです。

(2)対露追加制裁の閣議了解

【林外務大臣】2点目ですが、ウクライナ情勢に関しまして、本日、ロシアによるウクライナ国内の一部地域の「編入」と称する行為に直接関与していると判断されるウクライナの東部・南部地域の関係者及びロシアの関係者に対する資産凍結等の措置を行うこととし、必要な閣議了解を行いました。
 我が国は、力による一方的な現状変更を決して看過できず、引き続き、G7を始めとする国際社会と連携しつつ、強力な対露制裁及びウクライナ支援、この二つの柱にしっかりと取り組んでまいります。

(3)ジョリー・カナダ外務大臣の訪日

【林外務大臣】それから三つ目ですが、10月11日から13日まで、メラニー・ジョリー・カナダ外務大臣が、外務省賓客として訪日する予定です。
 滞在中、ジョリー外務大臣は、11日に私(林大臣)と会談及びワーキング・ディナーを行う予定になっております。
 日本とカナダは共にG7のメンバーであり、自由、民主主義、人権、法の支配といった普遍的価値、これを共有するインド太平洋地域の重要な戦略的パートナーであり、私(林大臣)とジョリー大臣は、G7等のマルチ会合の機会に会合を重ね、信頼関係を構築してきております。
 今次、ジョリー大臣の訪日を通じて、日加関係を一層強化するとともに、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた日加協力を、更に深める考えでございます。
 私(林大臣)からは以上です。

「核兵器のない世界」のための国際賢人会議

【時事通信 田中記者】核廃絶に向けた「国際賢人会議」について質問します。総理が先に、11月23日に実施すると自ら発表していましたが、一部で延期論があると伺っているんですけれども、現在の調整状況と、延期するのであれば、どういった事情でそうなったかということについて教えてください。

【林外務大臣】「核兵器のない世界」のための「国際賢人会議」ですが、核兵器国と非核兵器国の双方からの参加者が、それぞれの国の立場を超えて知恵を出し合って、また、各国の現職・元職の政治リーダーの関与も得て、「核兵器のない世界」の実現に向けた具体的な道筋について、自由闊達な議論を行う場として岸田総理が立ち上げたものであります。
 同会議については、11月23日の開催、これを念頭に関係者間の調整を進めてきましたが、これまでの調整状況を踏まえまして、先ほど述べた趣旨に照らして、より多くの出席者を得た上で、意義のある会合とすべく、12月に開催する方向で調整をしているものでございます。
 政府としては、岸田総理が10月3日の所信表明演説で述べたように、「国際賢人会議」の機会も活用して、「ヒロシマ・アクション・プラン」に沿って取組を進め、「核兵器のない世界」に向けた現実的かつ実践的な歩みを進めていきたいと考えております。

北朝鮮情勢

【毎日新聞 宮原記者】北朝鮮の関係でお伺いします。北朝鮮からのミサイル発射が多発する中で、核実験も近く行われるのではないかという見方も強まっていますが、核実験が行われた場合、日本としてはどのような対応をとっていくのか、また、国際社会に与える影響について見解をお願いします。

【林外務大臣】北朝鮮が4日に、我が国上空を通過する形で、弾道ミサイルを発射したことを始め、一連の北朝鮮の行動、これは我が国の安全保障にとって重大かつ差し迫った脅威であるとともに、地域及び国際社会全体の平和と安全を脅かすものでありまして、断じて容認できないと考えております。
 今後の具体的対応等については、米国や韓国とも連携しつつ、不断に検討してまいります。
 今後、北朝鮮が核実験の実施を含めて、更なる挑発行為に出る可能性があると考えておりますが、その影響等、仮定の質問にお答えすることは差し控えたいと思います。
 何れにしても、我が国としては、米国等とも緊密に連携しながら、情報収集・警戒監視に全力を挙げるとともに、日米、日米韓で緊密に連携して、国際社会とも協力しながら、関連する安保理決議の完全な履行を進めて、北朝鮮の非核化を目指してまいります。

北朝鮮情勢(安保理緊急会合)

【朝日新聞 野平記者】今の質問の関連なんですけれども、5日に安保理の緊急会合が開かれたのですが、安保理としては一致した声明を出すことはできませんでした。このことについて受け止めをお願いします。また、5月にも安保理で制裁決議がかけられたのですが、中露が拒否権を行使してこちらも採決できなかったのですけれども、そういった状況で安保理が機能してないんですが、日本としてはどういった対応を北朝鮮に対して今後していく考えでしょうか。

【林外務大臣】昨6日ですが、北朝鮮による我が国上空を通過する弾道ミサイル発射等を受けて安保理会合が開催され、その最中にも弾道ミサイル発射が行われました。安保理が一部の国々の消極的な姿勢により、北朝鮮による深刻な挑発行為と度重なる安保理決議違反に対して行動できていないということは大変遺憾であります。
 我が国としては、北朝鮮が国連安保理決議の下での全ての義務に従うことを求めていくとともに、関係国とも協議しながら、安保理における今後の対応等について日米、日米韓で緊密に連携をしてまいります。

中東和平問題

【パンオリエントニュース アズハリ記者】
(以下は英語にて発言)
 パレスチナのメディアによると、パレスチナの前首相が最近訪日し、岸田総理と会談し、その中で日本がパレスチナを承認するよう求めました。日本はパレスチナ問題及び「二国家解決」の主要な支持者ですが、日本がパレスチナを国家承認しない理由は何でしょうか。

【林外務大臣】日本は、イスラエル・パレスチナ紛争の「二国家解決」及び、パレスチナの独立国家樹立の権利を含む民族自決権、これを支持しており、独立国家樹立に向けたパレスチナ人の努力を政治・経済面からは支援をしております。パレスチナの国家承認については、和平プロセスの進展に資するかどうかといった観点から、引き続き、総合的に検討をしてまいります。

「核兵器のない世界」のための国際賢人会議

【中国新聞 樋口記者】冒頭の時事通信さんの質問に関連して伺います。「国際賢人会議」の関係で伺います。先ほど大臣、より多くの出席者を得ることが大事だという考えを示されましたけど、現在の要人等の招致の状況、これ可能な範囲で教えていただければと思いますが、また核兵器の保有国と非保有国、双方が参画することが大事だと思うんですけど、そのあたりの大臣の見解をお願いします。

【林外務大臣】先ほど申し上げましたように、「国際賢人会議」は、核兵器国と非核兵器国の双方からの参加者、これがそれぞれの国の立場を超えて、知恵を出し合って、また各国の現職・元職の政治リーダーの関与も得て、自由闊達な議論を行う場として立ち上げたものでございますので、まさに双方からの参加者を調整しているということでございます。
 先ほども申し上げましたが、これまでの調整状況を踏まえて、今述べたような趣旨に踏まえて、より多くの出席者を得た上で、意義ある会合にしたいということで、12月に開催する方向で調整しておりますが、まだ現時点で、具体的なお名前を申し上げる段階にはないということでございます。

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