厚労省・新着情報

日時

令和4年9月12日(月)17時00分~18時30分

場所

オンライン会議
厚生労働省12階会議室 千代田区霞が関1-2-2

議題

1.第3期保健事業の実施計画(データヘルス計画)の策定に向けた検討について
2.その他

議事

議事内容
○伊原保健事業推進専門官 定刻となりましたので、ただいまより、第1回「データヘルス計画(国保・後期)の在り方に関する検討会」を開催いたします。構成員の皆様方におかれましては、御多忙のところご参加いただきまして誠にありがとうございます。本日は、新型コロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催としております。記録作成のため、zoomにて録画を行いますこと、ご了承いただきますようお願いいたします。会議中、ご発言の際は「手を挙げる」ボタンをクリックし、座長の指名を受けてからマイクのミュートを解除し、ご発言をお願いいたします。ご発言終了後は、再度マイクをミュートにしていただきますよう、お願いいたします。開会にあたりまして、国民健康保険課長の高木よりご挨拶申し上げます。
○高木国民健康保険課長 国保課長の高木です。皆さまには日ごろから国民健康保険の加入者の予防・健康づくりの推進にご協力をいただきまして、改めてこの場で感謝申し上げます。本検討会では、令和6年度から第3期データヘルス計画が開始されることを踏まえまして、データヘルス計画の策定の手引きを見直しまして、令和5年度に市町村国保の保険者の皆様に第3期のデータヘルス計画を策定いただくということを想定しております。
このため、保健事業に関する知見を有する学識経験者の皆様、市町村のご担当者、また都道府県、国保連、中央会、広域連合、国保組合協会の皆様、それと保健事業を推進するためご意見をいただいております三師会、日看協、栄養士会の皆様にご参集をいただいております。構成員の皆様には、忌憚のないご意見を賜りたいと思っております。活発なご議論をお願い申し上げます。よろしくお願いいたします。
○伊原保健事業推進専門官 議事に入ります前に、本日の検討会は、日本医師会常任理事の宮川政昭構成員よりご欠席の連絡をいただいております。なお、本来であれば構成員の皆様方のご紹介をさせていただくところでございますが、時間の関係上、参考資料1の開催要綱の3ページ目の構成員名簿をご確認いただくことをもって、ご紹介にかえさせていただきます。
次に、事務局職員につきましては役職と氏名のみのご紹介となります。まず国民健康保険課からご紹介いたします。先ほどご挨拶差し上げた国民健康保険課長の高木、在宅医療・健康管理技術推進専門官の右田でございます。続きまして高齢者医療課をご紹介いたします。高齢者医療課長の田中、一体的実施調整官の宇野、保健事業推進専門官の春日でございます。そして、私、国民健康保険課保健事業推進専門官の伊原でございます。
本日はオンライン開催のため、資料としては、議事次第のほかは議事次第に記載のとおりでございます。ご確認をお願いいたします。
今回は初回の会議になりますので、座長を選任したいと思います。開催要綱によりますと、座長は構成員の互選により選出することとされております。事前に尾島構成員をご推薦いただいておりますが、いかがでしょうか。
(全構成員から異議なしの確認)
○伊原保健事業推進専門官 同意をいただいたということで、それでは、ここからの進行は尾島座長にお願いしたいと思います。尾島座長、よろしくお願いいたします。
○尾島座長 浜松医大の尾島でございますが、進行を務めさせていただきます。
では、議事に入りますが、本日の議題の第3期保健事業の実施計画(データヘルス計画)の策定に向けた検討について、ご意見を伺いながら進めてまいりたいと思います。資料1から3と、3つの項目に分かれておりますので、それぞれご意見をいただければと思っております。
それでは、まず資料1のデータヘルス計画の在り方に関する検討会の進め方について、事務局から説明をお願いいたします。
○伊原保健事業推進専門官 それでは、資料1でございます。資料1の1ページ目でございますが、上段と下段に分かれており、上段が、構成員の皆様にご議論いただく対象が市町村国保向けのデータヘルス計画(国保・後期)の在り方に関する、当検討会のことでございます。この検討会の目的は、「データヘルス計画の手引き」の改訂版の取りまとめでございますが、現行の「手引き」は国保と後期は一体的に策定されているものの、第3期計画からは国保と後期を分けて、それぞれが計画を策定することになります。1回目は「9月予定」とございますが、本日のこの検討会のことでございます。2回目は11月、3回目は来年1月を予定し、4回目は来年3月を予定しております。それぞれ①から④までの番号がございますが、点線枠内の議題とリンクしております。その点線枠の矢印の先に広域連合が作成する高齢者医療・保健事業のデータヘルス計画策定の手引きについては、ワーキンググループで別途検討とございますが、これが下段の後期広域連合向けのワーキンググループのことでございます。記載内容についてはご確認をお願いいたします。
続きまして、2ページ目でございますが、先ほどの主な議題の抜粋版でございます。これについても資料を確認いただければと思います。
ただいまの内容につきまして、ご意見、ご質問はございますでしょうか。
○尾島座長 鈴木構成員が手を挙げていらっしゃいます。どうぞよろしくお願いいたします。
○鈴木構成員 確認ですけれども、「データヘルス計画策定の手引き」ということですが、現状は、国保と後期高齢は一つの「手引き」になっていると思いますけれども、今回の第3期では、それぞれ「手引き」をつくると、2つつくると、そういうふうに理解すればよろしいですか。確認させてください。
○伊原保健事業推進専門官 はい、左様でございます。
○鈴木構成員 わかりました。ありがとうございました。
○伊原保健事業推進専門官 ほかにご質問等はございますでしょうか。
特になければ、続きまして資料2に移りたいと思います。資料2の1ページ目でございますが、まずこちらは「データヘルス計画」とはどのようなものかという基礎的な内容になります。PDCAサイクルで実施するための事業計画でございまして、そこにヘルスサポート事業がどのようにかかわっているのかというのを右上に記載してございます。こちらの資料につきましても後ほどご確認いただければと思います。
続きまして、2ページ目でございます。データヘルス計画の実施スケジュール等でございます。まず第1期のデータヘルス計画につきましては平成27年から平成29年度まで、こちらが第1期計画、そして第2期の計画が平成30年から令和5年までの6年間の計画、そして令和6年度から令和11年度までが第3期の計画となります。この第3期の計画に向けて、令和4年度末に第3期「データヘルス計画策定の手引き」の改正を行いまして、令和5年度、1年間、計画を市町村国保等の皆様方に練っていただきまして、第3期を迎えるということでございます。
続きまして、3ページ目でございます。まず平成20年度、特定健診等の導入に伴って健診結果等のデータの電子的管理がされるようになります。続きまして、25年6月に閣議決定されました「日本再興戦略」により、「レセプト等のデータの分析、そして加入者の健康保持増進のための事業計画として「データヘルス計画」の作成・公表、事業実施、評価等の取組を求める。そして、市町村国保が同様の取組を行うことを推進する」となりました。そして先ほどご説明しました1期、2期、3期の計画が記載してございまして、令和2年7月で閣議決定されましたいわゆる骨太方針、「経済財政運営と改革の基本方針2020」で標準化等の取組を推進するとなりました。
続きまして、令和3年12月に経済財政諮問会議の「新経済・財政再生計画改革工程表2021」において「計画の手引き」の改訂等を検討するとともに、当該計画の標準化の進展にあたり、保険者共通の評価指標やアウトカムベースでの適切なKPIの設定を推進するということになりました。これらが経緯でございます。
続きまして4ページ目でございますが、こちらは現行の「手引き」の項目の抜粋でございます。こちらにつきましては資料3で構成員の皆様方にご議論いただきたいと考えてございます。
資料2のご説明は以上となります。
何かご意見、ご質問等はございますでしょうか。
○尾島座長 では、ただいま資料1と資料2をご説明いただきましたが、よろしいでしょうか。何かご意見、ご質問はございますでしょうか。
では、資料3に進んでいただいて、また何かありましたらそれも含めて後ほどご質問、ご意見をいただければと思います。
では、資料3をよろしくお願いします。
○右田在宅医療・健康管理技術推進専門官 資料3を説明いたします。
1ページをごらんください。まず、こちらの資料の全体像を説明いたします。最初にデータヘルス計画における保険者の状況ということで、現在の計画の策定状況、それから中間評価の実施状況について、市町村国保と後期の分についてご説明いたします。それから2番目と3番目につきましては、昨年度、私どものほうの調査で市町村国保の中間評価の実施状況、あるいは後ほど説明いたしますけれども、都道府県の標準化の取組状況等について委託事業で調査をした結果がございます。その結果の一部をこちらのほうで説明差し上げます。それから4番目といたしまして、高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施の概要についてご説明いたします。5番目といたしまして、データヘルス計画の策定あるいは取組を支援する国の取組状況についてご説明いたします。最後、6番目でございますけれども、本日、これら主に1から3のところになってまいりますけれども、こちらについてご議論していただきたいところを事務局のほうで整理いたしましたので、それについて説明いたします。
2ページをごらんください。こちらは市町村国保のデータヘルス計画の策定状況でございますが、ほとんど全ての保険者でデータヘルス計画を策定していただいている状況になっております。公表している保険者は93%という状況でございます。
3ページをごらんください。こちらはデータヘルス計画の中間評価の状況をまとめたものでございます。9割の保険者で中間評価を実施しており、そのうち見直しを行った保険者は77%という状況でございました。見直しを行った保険者のうち計画を公表しているところも約7割という状況でございました。
4ページをごらんください。こちらは後期のデータヘルス計画の策定状況と中間評価の状況を示したものでございます。47全ての広域連合で計画の策定をしており、このうち45の広域連合で中間評価と見直しを行っている状況になってございます。
5ページをごらんください。次に、市町村の主に中間評価の取組状況について説明いたします。まず、市町村国保における保健事業の担当者、専任職員についてでございますが、こちらの結果ですと、被保険者の規模が小さいところほど専任の職員がいない割合が高いという評価になっております。
7ページをごらんください。こちらは中間評価の情報提供先でございます。市町村内では健康増進課が8割を占めている状況でございますが、一方で市町村外の関係機関になりますと、国保連が43%、医療関係団体が25%、都道府県が22%という状況になっております。
8ページをごらんください。こちらは中間評価を行って困っている状況でございますが、「評価方法が妥当か分からない」というのが一番多い状況で、そのほか「専門人材が不足している」あるいは「事務対応等を行う人材が不足している」というのが多い結果でございます。
9ページをごらんください。こちらは外部委託をしている状況でございますが、保健事業の委託実施が8割でございます。委託している保健事業で多いものは、「特定健診の実施率等の向上に関する取組」になっておりまして、データヘルス計画に関するものはそれぞれ少ない状況になっております。
それから10ページ目、都道府県や保健所から外部支援を受けている状況でございますが、84%という状況になっておりまして、受けている内容としては各種の情報提供であったり、保健事業の実施計画の策定とか評価に関するものが、それぞれこのような状況でございます。
11ページをごらんください。国保連の支援評価委員会等、外部の第三者から支援を受けているかについて、でございますが、こちらは約7割が受けているという状況でございまして、この受けている内容としては個別の保健事業の実施計画の策定の助言であったりとか、その評価に対する助言が多い結果でございました。
12ページをごらんください。次は都道府県の取組状況でございます。
13ページをごらんください。こちらは平成30年度から都道府県が市町村国保の共同保険者になった際に、都道府県の役割、それから市町村の役割、国保連の役割、これらを整理したものになってございます。都道府県のほうについては、市町村に対する技術的な支援をきちんと行ってください。それから市町村の役割といたしましては、データヘルス計画に基づいた保健事業の展開、データヘルス計画を踏まえた見直し、そういうことを進めていってください。それから国保連については、データの分析等について市町村あるいは都道府県を支援していただく、こういうことを主にお願いしているところでございます。
14ページをごらんください。こちらは現在の「手引き」における、主に都道府県の役割が記載されているところを抜粋したところでございます。こちらは平成30年度より前に作成されているものなのですけれども、その段階でも都道府県には保険者等への支援は積極的に行っていただきたいということをお願いしているところでございます。また、国保連と都道府県は、ともに市町村等の保険者等を支援する立場であるということも記載されている状況になっております。
15ページをごらんください。「データヘルス計画の標準化」のことでございますが、昨年度、それらの取組を調査するに当たって、その調査の中で標準化について四角で囲ってあるこの3つのことを仮に標準化とした場合に、取組状況がどうかというのが次のスライドになっております。こちらの定義はあくまでも調査のために操作的に行ったものでございますので、こちらの検討会のほうで、どういうことをやれば標準化になるのか、それをどういうふうに手引きのほうで示していくのか、本日ご議論していただければというふうに考えてございます。
16ページをごらんください。標準化の実施状況でございますが、実施している都道府県が11、それから検討中が21という状況でございました。
17ページをごらんください。まだ検討中であるとか実施をしていないところの状況でございますけれども、一番多いものはやはり「専門的な知識を持つ人材が不足している」、あるいは「事務の対応等を行う人材が不足している」という、人材の不足が多い理由でございました。
18ページをごらんください。こちらは標準化を実際に行っている都道府県に、どういう中身で行っているかと聞いたものでございますけれども、「共通の評価指標を用いることで実績を比較可能にする」というのが10、それから「データヘルス計画の様式・記載事項を揃える」、あるいは「効果的な保健事業を抽出する」というのが、それぞれ6という結果でございました。
19ページをごらんください。標準化のメリットでございますが、一番多かったのが「市町村の現状を俯瞰することができた」というのが9、一方、「外部から市町村に支援をしやすくなった」というのは3という結果でございます。
続きまして、高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施の概要について説明いたします。
21ページをごらんください。後期高齢者の保健事業については、国民健康保険の保健事業と介護予防とを一体的にする取組というのを、令和2年4月から実施しております。その際、広域連合は実施を市町村のほうに委託することができるということになってございます。実施状況につきましては、現状は5割という状況で、令和6年度までに9割のところで実施していただく目途が立っているという状況になっております。
22ページをごらんください。一体的な実施の推進の体制でございますけれども、広域連合のほうが計画を立てて、それを市町村のほうに委託するという形になっております。市町村のほうでは一体的な実施にかかる事業の基本的な方針を策定した上で、介護予防の地域支援事業あるいは国保の保健事業と一体的な取組を事業として展開する、こういう仕組みで取り組んでいるところでございます。
次に、国の支援の取組状況でございます。
24ページをごらんください。1つは、都道府県国保ヘルスアップ支援事業というものをやっております。こちらは都道府県が市町村支援を行う際にかかる経費を支援しているものになっております。例えばBでございますが、市町村の現状把握や分析を行った場合、あるいは右側のEのようにデータヘルス計画の標準化に向けた現状把握や分析を行った場合、これらについて、10分の10で基準の範囲内で補助しているという状況でございます。
25ページをごらんください。資料2のほうでも説明がございましたが、国保・後期高齢者ヘルスサポート事業ということをやっております。市町村国保に限ったものではございませんけれども、保険者に対して国保連のほうから、特に国保連であったりあるいは保健事業支援・評価委員会、こういうものが市町村国保であったりあるいは都道府県であったり、そういうところについて支援を行う。それについて国保中央会のほうが国保連を支援している。こういう仕組みのところでかかる経費を補助している。こういうことを国としてはやっております。
26ページをごらんください。保険者努力支援制度というものがございます。下のほうに取組評価分というものがございますが、こちらのほうで、市町村国保が取り組んでいる分についてインセンティブとして取組の状況に応じて交付金を多く支払う、こういう仕組みを導入してございます。
27ページをごらんください。こちらは国保のほうの取組評価分の指標の一覧を示したものでございます。右側の国保固有の指標というところで、指標②で、データヘルス計画の実施状況というものを指標にしておりまして、こちらをきちんと取り組んだ場合には多く交付金が配分されるような仕組みになっております。
28ページをごらんください。後期高齢者のほうにもインセンティブ制度というものがございまして、同じように固有の指標というところで、指標①で、データヘルス計画の実施状況、こちらのほうが評価される仕組みになっております。
29ページをごらんください。こちらは今の取組評価分の指標の中で、データヘルス計画に係る達成状況を示したものでございます。①でございますが、保健事業を実施してホームページに公表している場合が96%、それから個別の目標を、アウトカム指標を設定した上で、その指標に基づいて評価を行っている場合、こちらは95%の保険者に実施していただいているということでございます。それから外部から助言を得ている場合でございますが、③が都道府県でございますけれども、都道府県から助言を得ている場合は81%。それから国保連の支援・評価委員会等の第三者から助言を得ている場合というのが、それぞれ89%の保険者が実施できているという状況でございます。それから⑤でございますけれども、データヘルス計画に係る実施とか評価に必要なデータ分析を行って、それに基づいて事業見直しを行っているというのが91%の保険者で実施しているという回答を得ております。
後期のほうでございますが、同じようにPDCAサイクルに沿って効果的・効率的な保健事業を実施しているというのが47広域連合であり、それから国保連等外部の有識者から支援・評価を受けているというところが45広域連合という状況になっております。
31ページをごらんください。こちらは今説明したことをまとめたものでございますので、説明を省略させていただきます。
32ページをごらんください。本日ご議論していただきたいことということで、事務局からは4点をご相談できればと考えております。
まず1点目でございますが、人材確保が難しい状況の中、市町村国保はどのように関係機関との連携を進めて、データヘルス計画の策定や実施、評価を行えばよいか。まずこれについてご議論していただければと考えております。
2点目でございます。都道府県における市町村支援をどういうふうに考えるかということでございます。市町村がデータヘルス計画を活用して地域の健康課題の把握と取組を進めるに当たっては、都道府県では医療関係団体あるいは国保連と連携してどのような支援を行っていけばいいのか。先ほどご説明いたしました「データヘルス計画の標準化」を含めて、具体的に手引きでどういう内容を示していくかについてご議論をしていただければと考えております。
3点目でございます。令和6年度からの特定保健指導の実施方法では、成果を重視した評価を行うことということで、アウトカム評価を原則としつつプロセス評価も併用して評価する、あるいは成果に至った要因を検討した上で、それを分析して対象者の保健指導に還元していく。これは「見える化」の推進と言われておりますが、こういう方向が示されておりますが、保健事業における評価、あるいは見える化の推進など、手引きにおいてどういう見直しが必要なのかについてご議論していただければと考えてございます。
それから4点目でございますが、現行の手引きに追加すべき事項、あるいは既に記載はあるけれども更に記載を充実させる事項としてどのようなことが考えられるか。こちらは例示でございますが、例えば新型コロナウイルス感染症のまん延に伴って保健事業の実施率が低下している現状がございますが、それについてどう考えるか。あるいは医療費適正化計画であったり健康増進計画であったり、都道府県が策定する計画との調和をどのように考えるか。あるいはデジタル化、それからDXの進展に対応してデータヘルス計画で盛り込むものはないか、こういうところについて議論していただければと考えてございます。
事務局からの説明は以上でございます。
○尾島座長 ありがとうございました。
では、ただいま資料3についてご説明いただきましたが、詳細にいろいろ説明いただきました。今、最後にご説明いただきました32ページにございます4点で、1点目はデータヘルス計画の策定や実施、評価などにおける、市町村国保での関係機関との連携について、2点目は都道府県の市町村支援、特にデータヘルス計画の標準化について、3点目は特定保健指導の評価でアウトカム評価や見える化が導入されることに伴う手引きの見直しについて、4点目は現行の手引きで追加や記載を充実させる事項について、というあたりを中心にご意見をいただきたいということです。論点がいろいろございますので、順番にご意見、ご質問をいただければと思います。
まず1点目の、市町村国保における関係機関との連携の在り方について、ご意見、ご質問をお願いしたいと思います。では、構成員の皆様からいかがでしょうか。
古井構成員、お願いいたします。
○古井構成員 ありがとうございます。丁寧に、わかりやすくご説明ありがとうございます。
1番のところは、昨年度の厚生労働省の調査結果でもあったのですが、特に小規模な市町村で、人員が不足しているというのは、多分今後も変わらないのだと思います。そういう中で、やはり都道府県庁や保健所、それから国保連の皆さんが、市町村の様子を一目で見られるというか、現状把握がしやすいようにすることがまず大事かと思います。私も以前、東京都国保連の支援・評価委員会の座長を務めた際に実感したのは、1個1個の区市町村を見るのは手間がかかるんですね。これは尾島先生もご苦労されていると思うのですが、やはりなるべく丁寧に見たいとは思うのですけれども、ばらばらにいろいろな内容が書かれていますので、もう少し整理をして構造的に俯瞰ができるといいと思っております。そうすると、例えばある区であればこの辺りを支援する必要があるとか、この辺の課題はぜひ医師会と組む体制づくりをとか、そういうことを端的に助言や支援できやすいと思います。
それからもう1点は、やはり国保のデータヘルス計画では、庁内の保健衛生の保健師さんたちの力というのは非常に重要かと思っています。都内で見ても、例えば健康増進計画の評価指標というのはデータヘルス計画に近いところがありまして、この健康増進計画の評価指標をデータヘルス計画の中に入れておくと、効果検証を含めて保健師さんの活動がやりやすくなる、連携しやすいと伺っていますので、そういったことも関係機関との連携、あるいは外部からの支援を進める要素になるのではないかと思います。
以上です。
○尾島座長 どうもありがとうございます。
では、津下構成員、お願いいたします。
○津下構成員 ありがとうございます。
市町村国保について規模がかなり違うことへの配慮が必要と思います。例えば保健所設置市とか、政令市とか大きな自治体については十分に対応可能であろうと思うのですけれども、一方で、二次医療圏より小さい自治体では、データヘルス計画は医療の部分も非常に関係するところなのですけれども、そのあたりも策定のしにくさというものがあるかと思います。
そういうことを考えると、この国保については、もちろん市の健康増進計画とかに連動させるなど庁内連携というのは非常に大事なのですけれども、例えば県単位だと少々大きすぎる部分もありますので、保健所単位とか医療圏単位とか、そういう形でデータ分析をする、そして個別の保健事業の計画については、市での取組をきちんと取り込んだような形にしていくというのもいいかと思います。健康課題分析、とくにレセプト分析を個別に行うというのは少し負担も大きすぎるので、健康課題の見える化のところはある程度共通しておくこと、例えば都道府県がかなりイニシアチブをとって保健所単位で行う、また、保健事業評価のところ、つまりPDCAのDCAあたりは市町村の主体的な取組がきちんと反映されるというような構造もあり得るかというふうに思いました。
事務局提案の中で都道府県の役割に触れられていたと思うのですけれども、それがうまく機能するといいのかなというふうに感じました。
以上です。
○尾島座長 どうもありがとうございます。
では、ほかの構成員の皆様いかがでしょうか。では、阿部構成員、お願いいたします。
○阿部構成員 古井先生と津下先生のほうからいろいろお話しいただきましたけれども、その中でやはり市町村の人材確保が難しいという中では、これから特定健診・保健指導の評価のアウトカムなども変わってくる中で、市町村の国保部門には管理栄養士がまだ配置されていないという市町村が、特に小規模市町村は多い状況です。先ほど古井先生のほうからも健康増進計画の指標との関連等への言及があり、今回の指針の中の12ページの具体的なアウトカムの設定例のところにも既に「栄養摂取や食習慣などの確認」とあるのですが、なかなかまだそこが現状としてデータヘルス計画の中でもしっかり評価できているかどうかというと、難しい部分があると思います。
そういう意味では先ほど津下先生がおっしゃってくださった、保健所には必ず管理栄養士がおりますし、市町村の栄養、食生活については支援を行う体制というのは整えてありますので、その辺も含めてぜひ保健所の人材育成を活用していただけるような、そういうふうな仕組みも必要ではないかと思いましたので、ぜひ保健師だけではなく管理栄養士に関しても、人材育成について、栄養士会の立場からすれば、ぜひ手厚くしていただけたらと思いますのでよろしくお願いいたします。
○尾島座長 どうもありがとうございます。
では、渡邊構成員お願いいたします。
○渡邊構成員 薬剤師会の渡邊です。よろしくお願いします。
1点目に関しましては、資料の29ページを拝見していても、一定程度の割合の中での連携は図れているのかというようには見ていました。ただ、実際の人材確保等が難しい中だからこそぜひ関係機関等々との連携はあって欲しいというように思います。KDB等を利用したデータの中でも、いろいろな分野、例えば、ポリファーマシーの対策等であっても、内部人材の確保が難しいとしても、地域の薬剤師会等との連携の中で、データ自体を共有していただき意見等を求めながら、一連の事業を組み立てておいていただければうまく連携も活用もしていただけるかと思います。以降の項目にも関係してくる部分もあるかと思いますけれども、ぜひそのような情報共有等を一連の事業の中で組み込み、一定の会議体への出席だけを願うというよりは、そういう組み込み方をしていただけたらと思います。よろしくお願いします。
○尾島座長 どうもありがとうございます。
では、鎌田構成員、お願いいたします。
○鎌田構成員 ご説明ありがとうございました。日本看護協会の鎌田です。
先ほど保健所の活用というご意見も出ておりましたけれども、やはり人材確保が難しい、また、市町村国保の規模にもよりますけれども、保健所にはさまざまな専門職もおりますので、そういう保健所と連携しながら、自治体として連携強化を図る必要があるのではないかと思っております。また、やはり医療機関との連携強化も必要ではないかと考えておりまして、医療機関に対しての保健事業への理解や協力が十分に得られるような仕組みが必要ではないかと思いました。
事業評価とアウトカム評価指標の整合性についても改めて確認する必要があるのではないかと思います。保健指導の標準化を図らなければ、市町村国保による評価が難しいのではないかと思っております。以上です。
○尾島座長 どうもありがとうございます。
では、三好構成員、お願いいたします。
○三好構成員 検討会資料等取りまとめありがとうございます。とてもわかりやすくて、論点に関しても整理をいただいているので議論が具体化しやすいと思っています。
まず1点目のところで、支援をさせていただいている国保連合会、中央会の立場でこれまで進めてきた支援の状況なのですが、第2期の策定の際にもかなりの割合の市町村から支援依頼があり、都道府県などと連携しながらやらせていただいております。直近では平成2年度の中間評価の際に700近くの市町村などを支援してまいりました。
そういった中での課題として見えてきたのが、小規模のところがなかなか手挙げがしにくいのか、そこに対する支援の必要性をやはり感じております。具体的なアプローチをこちらからかけても手挙げが少ないというような状況もあるかもしれません。支援が必要だと思われるところの依頼がされないことがないように、中央会のほうで、来年に向けての支援のガイドラインを整理しているところですので、今回の検討会で議論された内容をしっかりと取り込んでいき、生かしていきたいと思っております。
あともう1つ、これまでの中で市町村等の体制として異動があり、その際に事業の継続が難しくなるというようなこともございましたので、その異動時の市町村等に対しては、連合会から特に4月の時点で声掛け確認をしたりしながらサポートをする等、そういう市町村の体制をよく見ているといいますか、支援の伴走をしていくような組織として、都道府県とともにそのような姿勢を強化していければと思っております。
この場面では以上です。よろしくお願いいたします。
○尾島座長 どうもありがとうございます。
では、ほかの皆様いかがでしょうか。どうぞ、津下構成員、お願いいたします。
○津下構成員 今の三好構成員のお話を聞いていて、やはりデータヘルス計画をつくるのが難しい、小規模なところや専門職がデータに慣れていないとなかなかできないということもあるので、これは次の標準化にもかかわることなのですけれども、できるだけ基本的なものをきちんと示してわかりやすくするというような取組が必要と思います。それから先ほど保健所という話を私はしたのですけれども、コロナ禍で保健所が逼迫しているときに、それはもう計画どころではないという状況もあり得ます。もし今年度のような状況だとそうなってしまうので、やはり市町村を多重的に支えていくというか、大きくは県の単位で行うとか、それから連合会はもちろんそうなのですけれども、外部の構成員で一緒に考えていくというような体制づくりが必要かと思います。庁内で人事異動があっても外部委員が変わらなければある程度連続性が保たれることも想定されますので、わかりやすさと体制づくりという2点をご検討いただければと思いました。
以上です。
○尾島座長 どうもありがとうございます。
ほかの皆様いかがでしょうか。よろしいでしょうか。ではまた次の論点を伺いつつ、今の論点なども出てきましたら、また追加でご発言いただければと思います。そういうことで進めてよろしいでしょうか。
では、2番目の論点ですが、都道府県の市町村支援の在り方、データヘルス計画の標準化について、ご意見、ご質問などをいただければと思います。このあたりについていかがでしょうか。鈴木構成員、お願いいたします。
○鈴木構成員 都道府県による市町村支援ということで申し上げます。私どもは広域連合ということで後期高齢者医療なのですけれども、一体的実施の中で保健事業を市町村に委託しております。その中で、やはり都道府県による市町村支援というのは重要であると思いますので、ここで発言させていただきます。
先ほどの1点目の論点のところでも、保健所による支援ということを何人かの方が言われておられました。私も保健所による市町村の支援というのは大変重要であり、必要なことだと思っております。ただ現状として、県の保健所が市町村支援をするに当たって、KDBというツールが保健所でそもそも十分に行きわたっていないのではないかというところがありますので、保健所が市町村を適切に支援する、地域の健康課題を分析していくということであれば、保健所でKDBのツールが使えるような、そういったような体制づくりを考えていただくのがいいのではないかということで申し上げさせていただきます。以上です。
○尾島座長 どうもありがとうございます。そういう基盤整備も必要になりますね。
ほかの皆様いかがでしょうか。北沢構成員、お願いいたします。
○北沢構成員 長野県松川町の北沢です。よろしくお願いします。
先ほど津下構成員のほうで、うちも小さい町だと思うのですけれども、前回の中間評価のときに長野県のほうで最低限の中間評価でKDBからこの値だけは抽出してくださいというひな型が出されまして、中間評価にかかる時間というのが、現場の保健師たちはかなり削減していただきまして本当に助かりました。
それと、同じ視点で中間評価を長野県内でも他市町村と比較できるので、今回構成員にならせていただいたのでいろいろな資料を読んだのですが、やはり国レベル、県レベルでもいいのですが、ある程度、自分の町村でどこに課題があるというのが、指標も一緒にしていただかないと把握できないので、それをぜひともお願いしたいということと。
先ほど鎌田構成員がおっしゃっていたのですが、私もまだ現場の人間なのですごく感じているのですが、ストラクチャー評価、プロセス評価、アウトプット評価、アウトカム評価がそれぞれは出ています。ですが、結局アウトカム評価になった過程というのは全ての4つの要素が関連していますので、ばらばらでの評価ではなくて、アウトカム評価になった理由というのをある程度標準化して評価できる仕組みというのをつくる必要があると思っています。うちの近所の事例なのですが、やはり特定健診受診率だけはトップレベルなのですが医療費がなかなか下がらないと悩んでいる保健師もいます。ですので、その4つの指標をせっかく国で出していただいていますし、すごくわかりやすい評価指標だと思うので、関連して評価できる仕組みをつくらないと、保健事業というのは保健師たちのやりようによってどうにでもなってしまうという悪さも持っていますので、今回そのことを私も意識してデータヘルス計画を立てようと思っていますので、どうか先生たちのご意見で支援していただければと思います。以上です。
○尾島座長 どうもありがとうございます。ロジックモデルを示していく必要があるというご指摘だったかというふうに思いました。
では、田中構成員、お願いいたします。
○田中構成員 奈良県国保連合会の田中です。よろしくお願いいたします。
私は今、国保連合会の立場で参加させていただいているのですけれども、奈良県からの派遣職員ですので、奈良県との連携は非常に密接な関係にあり、一緒に市町村のデータヘルス計画の策定を支援するという体制にはあります。
ただ、やはり1点目の論点のところとも共通ですが、奈良県というか都道府県が県の主要な健康課題について、ある程度の分析と、どこを目指しているのかという目標、医療費適正化計画にも関連するのですけれども、医療費適正化計画その目標達成のために各市町村がどんな取組をしていけばいいのかという方針を示し、データヘルス計画と関連付けて考えていただく必要があると思います。それぞればらばらということは本来はおかしな話です。例えば糖尿病の重症化予防について、県の目標を達成するためにも市町村でどんな目標を設定してほしいとか、どんな指標で地域を評価していきましょうとか、今の現状はこうです、ということを、やはり都道府県がきちんと市町村にお示しして、それに基づくそれぞれの地域に合った保健事業の展開という流れになるのが理想ではないかと思っています。
奈良県の場合、第2期とか第1期のデータヘルス策定のときには、それぞれの市町村にお任せ感がありまして、もう本当に多種多様な内容と、統一感がないと言ったら変ですけれども、目標値の設定がないとか、評価指標がきちんと設定されていない状況の中で、中間評価もどうやって評価するのでしょうかというような現状がありました。次の計画については統一感を持って、きちんと毎年評価していけるような計画にしていけるように支援できればと考えています。まずは都道府県がきちんと方向性を、データをもってお示しすると。そしてそれに基づいて標準化した事業展開とか指標を設定していくというような考え方ではいかがかと思っています。
以上です。
○尾島座長 どうもありがとうございました。
では、津下構成員、お願いいたします。
○津下構成員 何度もすみません。2点あります。
エビデンスに基づいてきちんと政策を立てていこう、そして実施を評価していこうと、そういう流れになっていると思います。そうなると国全体のデータヘルス計画ってありましたっけということになります。国全体がどうなっているかというのがあって、そこから都道府県の課題があると思います。47都道府県がその都道府県の中でいくらいい悪いといっても、県全体が悪い中なのにいいと思っている場合もあるし、都道府県の中ですごく悪いと思って落ち込んでいても全国で見たら結構いいとか。二次医療圏ごとのNDBのデータでもそんなことが見えてきたりしています。
ということになると、都道府県全体として取り組まなければいけない課題、またその中で特にその自治体・その地域で重点的に考えていかなければいけない課題というのが、構造的になってくると非常にわかりやすいのではないかと思います。都道府県のデータヘルス計画を考える上で、国全体としてデータヘルス計画、国全体がどんな数字になっているよと、それが47都道府県が同じような切り口で分析した時にこんな数字になっていて、またそれをもとに参考にしながら都道府県は市町村・地域の状況をまた標準的な方法で横並びにみてみる。またそれを自治体としては個別データがありますから、深掘りして、地域とか、年齢層とか、リピートしている人やつながりとか、そういうことでより事業を戦略的に考えていくというような構造になるといいと今思いながら聞いていました。それが1点目です。
それからもう1つ、後期高齢者、先ほど鈴木構成員が発言されていたのですけれども、後期高齢者では広域連合が県全体の保険者として把握をして、そして個別自治体と相談しながらまた計画を立てていくというふうではないかと思うのですね。そういうふうに都道府県が県全体をまずきちんと見た上で市町村とつながっていく、その個別事情も含んだものにするというような考え方もあるかというふうに思います。広域連合の件とは独立した検討会ではありますけれども、後期高齢者で進める中で見出した方法のいいところ取りをするというような考え方も工夫できるといいかと思いました。以上です。
○尾島座長 どうもありがとうございます。
では、中橋構成員、お願いいたします。
○中橋構成員 よろしくお願いします。県の立場から発言させていただきます。
今ほど津下構成員のほうでまとめてご発言いただいたのですけれども、私もそのように考えております。
本県においては今からその標準化についての整理を始めていくというところではあるのですけれども、データヘルス計画の標準化ありきというよりは、こちらの国保のほうについては保険料水準統一といった課題がありますので、それに向けた市町村との議論を進めていく上で、各市町村における保健事業の取組が健康課題に応じた取組であるということと、県全体の保健事業の底上げもしていくという視点も必要なので、そういった県全体での共通認識を持ちながら進めていくために何ができるかという中の1つとして、データヘルス計画の標準化、様式なり仕様の統一みたいな整理で今やっていこうと進めているところです。
市町村からは、やはり市町村の立ち位置の比較が自分のところだけだと把握が難しく、県も、県の健康課題を明確化しようとしたときに県としての医療費はわかるのですが、それが全国的にどうであるか評価ができないので、健康課題抽出のためのデータの分析項目であったり分析の着眼点など何か案のようなものを整理していただけると県としては大変進めやすいと思って聞いておりました。以上です。
○尾島座長 どうもありがとうございます。
では、近藤構成員、お願いいたします。
○近藤構成員 新潟県燕市の近藤と申します。よろしくお願いします。
燕市として、データヘルス計画の標準化というところで、資料3の16ページのところにありますように、既に実施しているところもありますし、検討中というところで44.7%と、この2つを合わせるともう大体6割少々というところで、新潟県では、もう独自にこの標準化については進めているようなところです。それぞれの県で実施中、検討中というところもだいぶ出ていますので、これから完全な一律化というのは難しいとは思うのですが、県ごとにデータヘルス計画の様式や記載事項等について最低限の要素を標準化することや、国が最低限必要だと考えるルールづくりなり基準など一定の決まりが必要ではないかと思うので、それを示していただけると、実施している市町村としてもだいぶ進めやすいという部分はあるかと思います。中間評価のときも、ある程度資料なりマニュアル的なものがあったときに、指標的なものを実際の事業をもとに具体的な数字を載せていただくと自分の市町村と比較がしやすいので、糖尿病であればこの数字が、自分のところではこういう数字だというところをデータ分析から持ってこられるというのもしやすくなるかと思いますので、手引きの中では国が最低限必要だと考える統一的な基準を具体的に示していただけると大変ありがたいです。また、県ごとに標準化の多様性を認めていただくこともいいかとは思いますので、ある程度の基準と、そこをそれぞれ踏まえた多様性の中で各市町村は進めていってもいいですよというところを最初に認めていただけると、今やっているところも大変進みやすくなるかと思いますので、その点、考慮いただければと思います。以上です。
○尾島座長 どうもありがとうございます。
では、佐古構成員、お願いいたします。
○佐古構成員 よろしくお願いいたします。大分市の佐古と申します。私は市町村国保、大分市は保健所設置市になりますので、その立場からの発言をさせていただきたいと思います。
まずは、これまで委員の先生がおっしゃったように、ある程度最低限の基準というのは設けていただければありがたいと思います。といいますのは、私もヘルス部門からの異動でデータヘルス計画に携わるようになりましたが、その中でこの計画をみていくと、本市の計画、それから他市の計画、多種多様な記載がありまして、やはり自分の立ち位置というのがよくわからないというのが現状であります。
そういった課題もありまして、令和2年度、それから令和3年度に古井先生にご支援いただきまして、データヘルスの標準化のモデル事業というのを、大分県に取り持ってくださって、当市がモデル市として取り組んだのですけれども、様式の統一化ももちろん必要だと思うのですけれども、思考の過程の統一化というのがどういった目的でこの考え方に至ったのかというのを都道府県ごとに多様性があってはいいとは思うのですけれども、各保険者が同じ思考過程の中でそれぞれが結論を導き出すということで進めていければいいのかと感じております。
1点目の課題になりますけれども人材確保が難しいという話題が出てまいりまして、本市は先ほど申し上げたように保健所設置市ではあるのですけれども、専門職だからできるというよりかは、私もヘルス部門からこちらの国保の部門に来ましてKDBをさわる機会も増えましたが、それまでは全然そういった機会というのがありませんでした。やはりこのデータヘルス計画を策定するに当たっては、いずれは健康増進計画というのを策定する時期がやってまいりますので、これからの市全体としての健康増進の指標として、やはり医療の状況とかも見ていくに当たっては、ヘルス部門を巻き込んだ連携というのが必要なのではないかと思います。以上になります。
○尾島座長 どうもありがとうございます。
では、鎌田構成員、お願いいたします。
○鎌田構成員 ありがとうございます。どの論点での発言がいいのかわからないので、とりあえずご質問なのですが、次回以降、具体的な手引き改正の議論を行うに当たりまして、3点ほど質問させていただきます。
まず1点目ですが、今般の新型コロナウイルス感染拡大によって人々の行動や生活様式の変化等の影響が見られておりますが、これらのデータヘルス計画への影響についてはどのように考えたらよいのか。もし情報等について何か把握されていることがあれば、お伺いしたいと思います。
2点目ですが、あわせて市町村が実施する保健事業への影響がどの程度あったのかもお伺いしたいと思っております。
3点目ですが、平成30年度から都道府県が市町村国保の財政責任の運営主体となっております。データヘルスの計画策定や評価等に係る都道府県や保健所による市町村への支援について、うまくいっている自治体、また好事例や成功要因等があれば少しお伺いできればと思っております。それが、次の見直しに関係するのではないかと思っております。あと、多くの保険者に課題を聞いていきますと、共通している課題も多いのではないかなと思います。それらの課題に対して各自治体等での助言内容等があるかと思いますが、それらの助言内容を共有する仕組みを構築すると、全国的な支援の効率化が期待できるのではないかと思っております。以上です。
○尾島座長 ありがとうございます。
事務局から、今の時点で何かわかることはありますでしょうか。
○右田在宅医療・健康管理技術推進専門官 まず1点目と2点目でございます。新型コロナウイルス感染症の影響が計画あるいは保健事業にどのようにあったのかということでございます。こちらにつきましては、新型コロナウイルスの影響を直接調査したことがございませんので、系統的なことはなかなか難しいところでございますけれども、1つ、何となくこういう傾向があるのではないかということは、保健事業、例えば特定健診あるいは保健指導の実施率が低下する影響があったのではないかということが、具体的な実施率のところから1つ読める傾向があります。
それからもう1つは、そういう新型コロナウイルス感染症への対応をうまく活用して、例えば、なかなか人が集まって保健事業をやることが難しい場合では、まさにこのようなウェブ会議システム等を活用することによって保健事業を展開している。このように工夫をして保健事業を展開している状況もある。こういうところもあるのではないかというふうに考えております。
それから3点目で、都道府県が共同保険者になってうまく保健事業を展開している、あるいはデータヘルス計画をうまく支援している状況についてどういうものがあるのか。これについては申しわけございません、次回以降お示しできればというふうに考えてございますが、1つは本日の資料3の中で説明いたしました資料3の34ページのデータ、こちらが本日説明したデータの出典元になっているのですけれども、こちらの事業の中で保健事業がうまくいっているものについて、都道府県であったりあるいは市町村の取組についてまとめた資料を公表しているものがございます。こちらについて、尾島座長とも相談した上で次回以降でお示し、整理していけたらと考えてございます。以上でございます。
○尾島座長 ありがとうございます。
鎌田構成員、よろしいでしょうか。
○鎌田構成員 ありがとうございました。次回、よろしくお願いいたします。
○尾島座長 ありがとうございます。
では、渡邊構成員、お願いいたします。
○渡邊構成員 ありがとうございます。薬剤師会の渡邊です。
議論の一番下の例示のところにもあるのですけれども、「DXの視点からのデータの分析」という部分は考えておいたほうがいいのではないかと思います。KDBに関しましても、標準化のために国のほうから一定の分析モジュールを提供し、それにプラスアルファ、各都道府県における地域性の部分であったり国保であれば職業特性であったりという部分を重ねることで、都道府県から見るとその分析によって都道府県の中での市町村の見える化みたいなものも考えられますし、国にとってみたら都道府県別の地域性も踏まえたデータ分析ということが可能になってくるかと思いますので、ぜひそういう標準化の中でうまくデータを使うための国からのモジュールの提供というのもあるかと思います。以上です。
○尾島座長 どうもありがとうございます。
では、古井構成員、お願いいたします。
○古井構成員 ありがとうございます。
都道府県による市町村支援とあるのですが、ここはいかに外部から市町村の支援ができるかと同様に、国民健康保険の保健事業というのは歴史が長くて、県内全ての市町村の保健事業のノウハウというのを吸い上げると本当に膨大で価値があるものになるかと思います。ですので、標準化を進める意義があるのですが、中橋構成員からも先ほどありましたが、標準化を進めることが目的というよりは、都道府県が市町村の様子をちゃんと見られて、それで効果的な取組を余さず抽出をして、市町村同士で共有して活用していくということをやるための標準化だということを位置づけることが大事かと思います。それから、先ほど話があった市町村の職員の異動というのは多分3年とか4年でしょうか、人事異動がたくさんあるようなので、それでも円滑に事業が持続して進めやすいという意味での標準化だと思っています。
補足情報なのですが、15ページ目のところに、標準化の3つの①、②、③と書いていたのは、政府の改革工程表の中の要素だったと思うのですが、ここでも少々注意が必要だというのは、金太郎飴的になってはいけないというのが大前提だと思っていまして、あくまでも都道府県単位である程度様式を見やすく共通化することは大事なのですけれども、中身まで全部一緒にするということではない、ということはしっかりと確認したほうがいいと思っています。
それから、評価指標も先ほどご意見がたくさんあって、都道府県によって循環器が高いとか糖尿病が高いとか違いもあると思いますので、ある程度都道府県単位の共通の評価指標なのだろうと思いながら、あとは市町村で独自性があると思いますので、やはり独自な評価指標というのは当然立てられるのだと思います。あとは、評価指標に関してはできるだけKDBで毎年取れるものを設定することを推奨すると、市町村が楽に毎年PDCAサイクルを回せるのではないかと思います。
それから③の方法・体制のパターン化ができればいいと思いますが、これは医療もそうだったと思うのですが、5年、10年かかって実現していくと思うので、市町村をみんなが支援しやすく、また人事異動があっても持続性に貢献するような知見を抽出するための標準化なのだという意義を整理していくといいかと思います。
それから、最後に、津下先生がおっしゃったことでなるほどと思ったのは、都道府県単位で、この都道府県はこんな健康課題で、県内の市町村はその課題解決を目指して県のレベルを上げていこうということは大事だと思いました。何県かは第3期計画のときに県のデータヘルス計画をつくろうかという話も伺っているので、県としての方針とか方向性を打ち出すのは大事かと思いました。以上です。
○尾島座長 どうもありがとうございます。
では、三好構成員、お願いいたします。
○三好構成員 ありがとうございます。
ちょうど私もこの資料3の15ページの項目に触れようと思っていて、ほぼ古井先生にお話しいただいたので、その辺りありがとうございます。
支援を行ってきた中で、やはり言われているのは金太郎飴の話と、あと枠組みができて、どこまでそれを標準化という名前でそろえていくのか。様式、ひな型、それから記載事項を項目で示すというのは、今の現行の手引きにもあるのですが、そのあたりまでなのか、それとも評価指標か。県で方向性が見えれば疾患や個別の重点的なものをそろえていくと、指標というのは整っていくと思いますが、方向や内容といったものはその地域ごとの資源や得られている体制や人材、住民さんとの関係性や医療機関との関係を含め、その地域ごとに合ったものに立てていかないと、いけないのではないかということがあります。
枠組みがあまりにも提示されすぎると、そこを埋めればできたような、計画が立ったような気持ちになって、あまりそれ以上考えなくなってしまう場合が見受けられるなど、支援に入っている連合会から聞くこともございました。標準化というのは県にとって、横並び、立ち位置を見ていくという、比較していく上でのエビデンスにもなりますのでメリットはあると思います。市町村にとっても示されるものを使っていけば、作業負荷が減るというメリットがもちろんあると思いますが、どう変えていきどう示すのかというのは、慎重に検討して手引きに載せていただけるとありがたいと思っています。
あともう1つは、計画に書かれる実施内容等について、そこをいかにその市町村に合ったものにしていくのかは、それを脇からといいますか、伴走しながら、その地域の実情を知っている立場で助言する支援者の腕のみせどころと思います。この手引きがそういう内容も踏まえて書いていただけると、支援の立場でもやりやすくなると思いますので、そのあたりに留意して、私も考えたいと思っております。ありがとうございました。
○尾島座長 ありがとうございます。
では、また何かありましたら戻っていただければと思います。
次の論点に行きまして、もう既にいくつか言っていただいているものもございますが、令和6年度からの特定保健指導の実施方法では、評価についてアウトカム評価を原則にすることや、成果に至った要因を分析するなどの見える化の推進などの方向性が示されましたが、これに伴って保健事業における評価や見える化の推進など、この手引きにどのような見直しが必要かについて、ご意見、ご質問などをいただければと思います。このあたりについていかがでしょうか。既にいくつかいただいておりますが、何かございますでしょうか。どうぞ、津下構成員、お願いいたします。
○津下構成員 ありがとうございます。
この令和6年度からの実施の見直しについては、方向性がワーキング等で決まり、今度の検討会での報告待ちということになっていると思うのですけれども、このような新たな方策が入ってきます。ただ、これについてはこれからつくるデータヘルス計画の中で、アウトカム評価、プロセス評価ができる枠組みを用意しておくことは非常に重要だと思うのですけれども、すぐに数字が入るというわけではないかもしれないです。
そこで提案なのですけれども、やはり令和6年度から始まるに当たって、例えば都道府県の中でいくつか実際にモデル的に実施してみて、どのような計画の中に落とし込めるのかとか、そんなようなトライアルをしていくのもいいのではないかと思います。その方向に沿って手引きの中に入れていくことが現実的かもしれないと思います。提案された大前提のもとに、実際に自治体で把握可能な数字であるかどうか、今はまだKDBに十分に入っていないような数字についても評価指標の中に捉えていくことが可能かどうか。例えば2cm・2kgの減少者が、保健指導の対象者、積極的支援の中で何%いるかとか、この率を上げようとか、こんなことが次期からは出てくるわけです。ここについては、今そういうデータはまだ把握しきれていないと思いますので、どのような評価をすると保健事業の評価が見える化できるかということを、次期が始まるまでにしっかりと準備をしながら、枠組み、算出方法については示していく必要があるかと思いました。まだ具体的なデータがない中での計画づくりなので、かなり工夫が必要になると思います。以上です。
○尾島座長 どうもありがとうございます。
そのほか、皆様いかがでしょうか。北沢構成員、お願いいたしします。
○北沢構成員 私の立場で、すみません、ずれていたら申しわけないのですが、松川町から構成員を選んでいただいた理由の1つとして、データヘルス計画を立ててから糖尿病重症化予防に取り組んできたのですが、新規の透析導入率がかなり低いということで、1%も満たないということもありますので、そのことから考えさせていただきますと、手引きももう一回読み直したのですが、糖尿病に関して受診勧奨値でありますが、その方たちに対面でかかわった率が松川町では100%なんです。先ほど栄養士会の方がおっしゃっていたのですが、そのかかわった100%が栄養士さんなのですね。また、栄養士さんだけがかかわっただけではなくて、飯田・下伊那に腎の重症化予防に取り組んでいる専門医がいたというのがすごく大きいです。ですので、もう受診勧奨値になると保健指導のレベルを超えていますので、医療機関との連携というのは必須ですし、やはりその方がどういう生活をされているかということと、参考資料3で送られてきました高齢者の医療の確保に関する法律の資料の指針ももう一回読んでみたのですが、その中で「実施計画の策定に当たっては、健康審査の結果、診療報酬明細書等の情報等を活用し」とあるのですけれども、松川町では、受診勧奨値の方にかかわるときはこの2つを必ずそろえて、保健計画も事例検討した上でかかわっています。なので、結果が出ていない人たちもいるのですが、やはり一番言いたいことは、かかわれるだけの人員の確保ができていたかということと、先ほどコロナの話も出たのですが、その体制を崩さないように、松川町のほうで事務員を、体制を整えていただいたので、指導率というのはあまり下がっていないです。ですので、異動もある中で、ここだけは保健師として、栄養士さんとして、やはり確保していかなければならないというのを具体的に示していかないといけないと思います。一番言いたいことは、重症化の方たちにやはり対面でかかわる率というのは、保健指導の力量もある中で、やはり会ってみないとわからないことが多いですので、保健師の原点に戻って、この辺は私のほうで主張を強くさせていただけたらと思って構成員を受けさせていただきました。それには自治体としての保健師、栄養士の働き方や、訪問指導に行けるような体制を維持していく仕組みというのは必要かと思っています。以上です。
○尾島座長 どうもありがとうございます。
では、古井構成員、お願いいたします。
○古井構成員 ありがとうございます。
この3点目の論点については、保健事業の中核事業である特定保健指導でアウトカム評価を原則とするというのは、津下先生が座長のワーキングの画期的な改定の方向性だと思います。ここで大事なのは、保健事業はもちろん実施することが大事なのですけれども、実施することが最終の目的ではなくて、地域の健康課題を解決するというアウトカムが目指すところだということが改めて示されたことだと思っています。これは手引きの中にもしっかりと方向性として書くのがいいと思います。
先ほどから地域性というか、地域で健康課題が違っていて、高血圧、糖尿病、あるいは喫煙だったり食生活だったりと、それぞれの独自性がありますので、その地域の健康課題に応じたアウトカム指標の設定をしていく。これによって、同じ特定保健指導でも、どこでやっても同じではなくて、血圧なのか、血糖なのか、あるいは煙草なのか、何に注目していくかをイメージできる。これによって、専門職の力も発揮でき、やりがいにもつながっていくと感じています。以上です。
○尾島座長 どうもありがとうございます。
そのほかに、皆様いかがでしょうか。
それでは最後まで行かせていただきまして、最後の4点目の論点ですが、現行の手引きで追加すべき事項や更に記載を充実させるべき事項についてということで、例えば新型コロナウイルス感染症のまん延に伴う保健事業の実施率の低下や、医療費適正化計画や、健康増進計画などの都道府県が策定する計画との調和について。あるいはデジタル化やDXの進展に対応して、手引きで盛り込むべきものについてなど、ご意見、ご質問がありましたら、お願いしたいと思います。
いかがでしょうか。渡邊構成員、お願いいたします。
○渡邊構成員 何度もすみません。渡邊です。
最後の部分のDXに関しては、今回はぜひ盛り込むべきではないかと思います。マイナンバーカードを保険証として利用することが示されている中で、来年の春からは当該システムを医療機関、薬局で備えつけることが義務化されます。その中にあっては、マイナンバーカードをもつ患者の同意により多くの保健・医療情報が見られるようになってきます。特定健診情報に関しては既に見られる状況にありますので、特定健診情報等々の発信とともに、当該システムを使った何らかの付加情報の発信・連携も、加入者個人と医療機関や薬局という施設との間で直接可能になります。このDXに関する部分をデータヘルス計画の今回の改定の中に一緒に盛り込んでいくという必要があるかと思いますので、よろしくご検討をお願いしたいと思います。以上です。
○尾島座長 ありがとうございます。
では、鈴木構成員、お願いいたします。
○鈴木構成員 広域連合の立場から申し上げます。
後期高齢者の場合、広域連合がデータヘルス計画をつくって、その中で今回、後期高齢は別にデータヘルス計画策定の手引きをつくると。恐らくそれは令和2年度から高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施というのが制度化されたというようなこともあるのだろうと思いますけれども。そこで考えていただきたいのが、高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施の場合、計画は広域連合がつくるとして、実際には事業は市町村が行うので、要は計画をつくる主体と事業を実施する主体が分かれているといったことが、市町村国保さんとは少々事情が違うかというのがあります。
ただ、一体的実施につきましてはそもそも国保の保健事業と後期高齢の保健事業を継続的に市町村で実施するという、そういった趣旨もたしかあったというふうに思っております。ですので、広域連合の立場から市町村のほうに申し上げたいことは、国保の保健事業をつくられるときに、それは国保だけの保健事業ではなくて、そのあとの後期高齢を見通した保健事業というような位置づけでつくっていただいて、それで私ども広域連合としては、広域連合は1つですけれども、市町村はそれこそ愛知県では54ありますので、それぞれの54の市町村に対する広域連合全体としての方向性としてのデータヘルス計画をつくっていくということになるのではないかと思います。申し上げたかったことは、国保の保健事業と高齢者の保健事業が継続的に実施できるような、そういったことも念頭に置いた計画の作成をできるような手引きをつくるべきではないかと思います。以上です。
○尾島座長 どうもありがとうございます。
では、阿部構成員、お願いいたします。
○阿部構成員 論点の4に「医療費適正化計画や健康増進計画など」というふうにございますけれども、今、健康増進計画「健康日本21(第二次)」が評価を迎えている中で、特定健診・保健指導の実際、保健指導を受けた方の評価についてはあるのですが、やはり実施率を向上するという意味では、本当に無関心層へのアプローチをどうしていったらいいかという、いわゆる本人の努力だけではなかなか実現できない部分に対しての社会環境の整備が必要になります。このようなことから、厚生労働省の栄養指導室などでは食環境の整備などに力を入れています。
そういう意味では今の指針の13ページのところに、今後の事業の取組として、保険者に人材や財源が限られている中で、やはりポピュレーションアプローチとハイリスクアプローチなどを組み合わせる必要があるということが現在の指針にも書かれておりますが、実際にデータヘルス計画を実施する国保の自治体だけではなく、都道府県も含めて私ども関係団体やいろいろ地域の社会資源などを有効に活用していくということが非常に重要になってくるのではないかと思います。ですので、具体的な指標とか成果目標ということだけでなく、今後、この保健事業に取り組んでいくための考え方や、いろいろな計画との整合性等についても今後盛り込んでいっていただけるといいということが1点です。
あともう1つは、この資料の中にもありましたけれども、外部委託している内容をみると保健指導の実施率の向上について外部委託をしているという自治体が多いようでした。そうするとやはりこの保健事業の外部委託では、対象者の特性に応じた質の高い保健指導を還元できるための人材育成というのは非常に大事になってきます。外部委託する先の保健指導を行う人材確保等々について、栄養士会では人材育成に視点を合わせて研修事業なども行っていますが、これからなお一層、この外部委託をされる事業者の人材確保と人材育成について、関係機関と団体が連携して考えていく必要があるのかと思いますので、その辺についてもご検討いただけるといいかと思いますので、よろしくお願いいたします。
○尾島座長 どうもありがとうございました。
では、田中構成員、お願いいたします。
○田中構成員 田中です。
先ほど鈴木構成員がおっしゃっていましたけれども、高齢者の一体的実施の事業については、国保の事業と関連づけて取組んでいくという考え方だと思いますので、データヘルス計画の中にぜひ高齢者の一体的実施の事業を項目として挙げていただく形ではどうかというふうに思います。現行の手引きでも、16ページに地域包括ケアにかかる取組及びその他の留意事項ということで、可能な限り記載することと、地域包括ケアのことについては書かれています。こういう並びでもいいかと思いますので、ぜひ一体的実施についても、保険者努力支援制度の国保側の指標にも含まれていてポイントにもなってきます。国保の保健事業を一体的に取り組むということは、今後、市町村にとって非常に大事なことになると思いますので、ぜひ盛り込んでいただければと考えます。以上です。
○尾島座長 ありがとうございます。
では、古井構成員、お願いいたします。
○古井構成員 ありがとうございます。
データヘルス計画が目指すことというか、何かそういった将来像というか世界観を手引きなどに書き込むといいかと思います。今、第2期の手引きの中には保健事業のPDCAサイクルを回すことがデータヘルス計画の目的というふうに記載がありますが、市町村のほうも進化されていますので、PDCAサイクルを回すことで地域の健康課題を解決して、健康寿命とかあるいは医療資源の最適化とか、そういうことを目指しているのだということを明示すべきかと思います。
また、都道府県においては、データヘルス計画というのは実務は市町村がやるので他人事になってしまいがちだと思うのですが、本日、富山県さんなどからいろいろお話を聞いていると、市町村を客観的に把握して支援をするためのプラットフォームのような、そういう位置づけもあるかと思います。
それからもう1つなのですが、先ほど三好構成員からもあったのですが、市町村支援ということと、市町村の独自性を保つということは、本当にバランスが難しいと思っておりました。やはり答えを教えてあげることが支援ではなくて、保健事業の設計の思想であったり、評価指標の設定の考え方とか、そういうものを提供するべきだと思っています。
ただ一方で、離島など小規模自治体では、人員不足などを背景に計画はつくれないということで、自治体の状況によって、寄り添い方も違ってくるかと思います。そこは国保のある意味いいところでもあるので、原則は考え方とか構造の標準化をするのだけれども、場合によっては内容まで支援をしてあげるといったような、そういう覚悟というか、そういうことも必要なのかと思います。非常に悩ましいところだとは思います。ありがとうございます。以上です。
○尾島座長 ありがとうございます。
では、津下構成員、お願いいたします。
○津下構成員 ありがとうございます。
4の論点はいずれも大事なことだと思いますので、記載の充実が必要と思います。
国保はほぼ多くの方が被用者保険から異動されてまいります。国保の重症化予防をやろうとしたときに、既にもう被用者保険の時代からデータが悪くて放置されていたというような状況も、国保のデータならばわかるということになります。国保はそういう視点でもデータを分析することによって、その国保自体が行う事業だけではなく、被用者保険とか、先ほど環境づくりやポピュレーションアプローチといった話もありましたけれども、他の主体に対して保健事業や予防の必要性を訴えていく、そういう材料も得られると思います。
この現行の手引きに、生涯にわたる、被用者保険から国保に移行されるというようなつなぎ目のところにも着目した分析とか地域職域連携につながるような取組、これはマストというわけではなく、そういうような視点で、データヘルス計画から他の主体に対して発信していくということも含んでいただいたらいいかと思いました。
後期高齢者への連続性、これも非常に重要なことだと思います。被用者保険と後期高齢の国保は真ん中にあるということで、協会けんぽとか、さまざまな保険者とも共有しながら、県全体でそこは保健事業を考えていく材料になるといいのかと思いました。以上です。
○尾島座長 どうもありがとうございます。
では、三好構成員お願いいたします。
○三好構成員 ありがとうございます。
時間も押しておりますので簡単に言いたいと思います。半分質問になりますが、データヘルス計画策定のチェックリストというのが、現行の策定の手引きにはあるのですけれども、これの取り扱いは次期はどういうふうにされる予定なのかを伺いたいと思います。現行のチェックリストは、多分策定の当事者である市町村等の立場で計画策定をするところが、手引きに沿って計画を立てられたかをチェックするためのものと思っています。第2期の時代は、市町村国保はまだデータヘルス計画を立てていなかった割合が高くて、これから立てるところに対して、このような計画をこういう流れでチェックしながら整えていけばいいという手順のような形でも使えたと思います。
県はデータヘルス計画を立てませんし、連合会も支援の立場になりますので、今後、もし検討されるのであれば、当事者だけではなく、連携して支援する関係者とかの目線でもチェックできるようなものが用意されれば、ありがたいと考えました。よろしくお願いします。
○尾島座長 ありがとうございます。
事務局から、チェックリストの扱いについて何か現時点でのご意見などありますでしょうか。
○右田在宅医療・健康管理技術推進専門官
チェックリストにつきましては、今、三好構成員のほうからお話しありましたとおり、策定が中心になっているところであったり、あるいは主に計画を立てる市町村の方がごらんいただく、あるいは確認していただくものになっている現状がございます。一方で、ほぼ全ての市町村国保のほうで計画策定が実施されている状況であったり、これからやはり評価であったり見直しであったり、あるいはその支援する側はどうやって支援をしていくのか、そういう観点、あるいは都道府県の標準化をどう進めていくのか。そういう話も本日ご議論していただきましたので、次回のご議論していただきたいことということで、本日いただいたご意見を踏まえまして、どういうことを次の手引きの見直しに反映させていくのか。それを尾島座長とご相談させていただきながら整理して、また次回以降、話をさせていただければと、こういうふうに考えております。
○尾島座長 ありがとうございます。
三好構成員、よろしいでしょうか。ありがとうございます。
では、だいぶ時間も進んでまいりましたが、全体を通しまして、何か言っておきたいということがありましたらと思いますが、いかがでしょうか。今まであまりご発言がなかった構成員の方々、何か一言でも全体を通してありましたらと思いますが、いかがでしょうか。山本構成員、お願いいたします。
○山本構成員 ありがとうございます。日本歯科医師会、山本でございます。
私どもは、やはりどうしても歯科の健診事業の、いわゆる実施率の問題があります。これが実際には、市町村がやるときにどの年齢層で実施しているかとか、その段階からもうみんな違うわけですね。そうなると、やはり歯周疾患検診ということで40、50、60、70歳という年齢が明確に決められているのですけれども、対象人数に対して何人に実施しているのか、そういった形での明確な実施率をまずは出していただいて、それが1つの指標になるのではないかと思います。
それから後期高齢者に関しましても、いわゆる口腔機能の評価というものがありますけれども、これもいくつかの評価指標があるので、それのうちのどれを今後標準として捉えていくかというようなところが1つ大きな問題となっていると、課題として考えているところでございます。
○尾島座長 どうもありがとうございます。
では、近藤構成員、手を挙げていらっしゃいますか。
○近藤構成員 燕市の近藤です。
最後に、今回、手引きの中で、今の現行の手引きですと図とか表とかがあまりないように感じられるのですが、具体的な指標とか評価、数値的なものも含めて、図や表を入れていく考えというのはあられるのかをお聞きしたいのですが。
○尾島座長 ありがとうございます。
事務局、いかがでしょうか。
○右田在宅医療・健康管理技術推進専門官
現時点で図表をどういうふうに入れていくかと、具体的なものは持っていないのですけれども、今後、手引きの中でどういうことを示していくのか、こういうことが議論されていくというふうに理解していますので、その盛り込む中身に応じて、例えば図で示したほうがわかりやすいものについては図をつくったり、あるいは何か数値を示すものがあるのであればそれは数値で示す。中身に応じて検討していきたいと考えてございます。
○尾島座長 ありがとうございます。
また、皆様からもこんな図表を入れたらいいとかがありましたら、次回以降、提案いただければと思います。
ほかに何かございますでしょうか。
全体を通しまして、私から思っていることをいくつか手短にお話ししたいと思います。
私は災害の研究をやっておりまして、災害の研究の中で、目的、戦略、目標、戦術というのが大事ということを言われています。今、目的と目標は書いてあるのですけれども、戦略とか戦術についての記載がないと思うので、何かその辺も入れられたらいいと思っています。
あとは、保健事業の内容についてどういうふうに考えて書き込んでいったらいいか等、その辺も充実できるといいと思っております。
また、各論的になりますが、個別保健事業計画とこのデータヘルス計画の関係等をどういうふうに進めていったらいいかとか、その辺も何らかのことを示していけたらいいと思っているところです。
私からは以上になります。
では、少々予定の時間を過ぎておりますが、皆様、よろしいでしょうか。
あとは、欠席の宮川構成員からコメントをお預りしているとのことですので、事務局からお願いいたします。
○伊原保健事業推進専門官 宮川構成員からいただいたコメントをご紹介いたします。
人材不足の件でございますけれども、やはり人材不足のところの問題が一番大きいとのことです。それに加えて、役所の場合は短期間での人事異動があり、業務を知っていた人が異動してしまい、またゼロに近い状態からのスタートになってしまうとのことでございます。
宮川構成員からお預りしているご意見は、以上でございます。
○尾島座長 どうもありがとうございました。
それでは、皆様、よろしいでしょうか。
では、予定した時間を過ぎてしまいましたが、あっという間でした。非常に精力的に非常に重要なご意見をたくさんいただきまして、ありがとうございました。いただきましたご意見なども踏まえまして、今後、検討を深めていければと思っております。
これで本日予定しておりました議題は全て終了です。
では、今後のスケジュールについて、事務局から説明をお願いいたします。
○伊原保健事業推進専門官 今後のスケジュールですが、冒頭にご説明しましたとおり次回は11月ごろを予定しております。次回は、本日のご議論も踏まえまして第3期データヘルス計画の方向性についてご議論いただければと考えております。具体的な日時等につきましては、後日、調整させていただき、ご連絡を差し上げたいと思います。
事務局からは以上でございます。
本日は、長時間にわたりご議論していただきまして、どうもありがとうございました。
〔了〕
 

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