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秋葉復興大臣記者会見録[令和4年10月4日]

令和4年10月4日(火)17:48~18:00  於)福島県環境センター本館2階大会議室 

1.発言要旨

 どうもお疲れさまでございます。

 今日は、福島大学、福島県立医科大学、そして福島県環境創造センターを訪問させていただきました。

 福島大学におきましては、この11年間の中で、柔軟に組織を変えながら、少人数で復興に向けた、多分野で各種の研究などの実績が積み上がってきているという説明をいただきました。

 また、福島県立医科大学におきましては、革新的ながんの治療法につながるRI医薬品の開発において、重要なサイクロトロン設備を視察をさせていただくとともに、マイクロアレイを用いた感染症に対する抗体医薬品開発の研究内容について御説明をいただきました。

 また、福島県環境創造センターにおきましては、福島の環境回復と復興に欠かせない、放射性物質の動態や将来にわたる影響評価などの研究について、ただいま視察をさせていただきました。いずれも極めて重要な研究テーマであり、不可欠なことを担っていただいているなというふうに思っております。その一方で、やはり必要なマンパワーの十分な確保でありますとか、あるいはまさに、人材確保のためのインセンティブになるような様々な工夫の必要性、そして今、いろいろ御説明をいただいてきたんですが、私も初めて伺う、特にキノコなどの話は、種類によってセシウムの摂取量が違うというような話を含めて、非常にお恥ずかしながら初めて聞くような内容もたくさんございました。ですから、ここでの知見がホームページなどでも公表されているということですけれども、やはりもっともっと広報の仕方は工夫をして、発信をしていくことの必要性ということも再認識しました。特に、海外を対象にした国際的な情報発信、アウトリーチの強化ということを図っていく必要があるなということも考えております。

 いずれにしても、今回の視察を通して、本当に福島県、複合災害の中で、大変な環境の中ではありましたけれども、それぞれの組織が本当に手探りの中で、すばらしい研究を積み上げてきていただいているなというふうに思いましたので、こういった施設というものが、今回浪江町に立地が決定をいたしましたけれども、F-REIとも有効に連携し合いながら、立地市町村に限らず、浜通り、福島県全域に、いい意味での波及効果がしっかり展開できるように、改めてそのための様々なシーズが、既に福島県にはあるなという認識も持たせていただきましたので、我々としては、やはりF-REI、来年の4月の仮事務所の開設に向けて、できるだけ、やはりプロパーでのスタッフということも重要になってまいりますし、今日はクロスアポイントメントの話もございましたけれども、まだまだ日本では、そのノウハウが確立されてない面がある。特に民間の企業と研究機関とのクロスアポイントメントというのは、これからまだまだというところがございます。しっかりいろんな対応をしていく必要がある中で、今日は本当に、大変私としても勉強になりました。また、本日いただいた様々な御提言に、あるいは私どもが感じたこと、地元の大学や研究機関とさらに連携して、文字どおり、素晴らしいF-REIの設置につながるようにしてまいりたいという思いを強くしたところです。

 

 

2.質疑応答

 

(問)大臣、今ほど人材確保、人材育成のお話ありましたけども、具体的に何か、こういうふうにしたほうがいいんじゃないかとか、あるいは今後の展望、お考えありましたらお聞かせください。

(答)本当にそれぞれの大学や、あるいはこうした研究所がそういう工夫をしていただきながら、頑張って取り組んできていただいているというふうに思いますけれども、やはり必要な人材、質の高い人材というのは、これは国内に限らず、国際的に奪い合いだと思うんですね。ですから現実を見たときには、やはり復興庁としても、そうした優秀な人材を得るための後押しということを、メニューを考えていく必要があるんじゃないかなというふうには思っております。

 ただ、本当に地元の皆さんがいろんな工夫をしながら、特に福島大学なんて放射能の専門家が誰一人いないところで、環境放射能研究所を立ち上げてやってきたというのは、本当に並大抵のことではなかったと思いますし、また私が知っている福島大学というのは、学生の頃はたしか2学部ぐらいしかなかったというふうに記憶していたのが、今回初めて福島大学に足を踏み入れたんですが、農学部のようなものを、食に関する学部もつくって、今度のF-REIでは5分野を掲げておりますけれども、スマート農業をはじめとする、そういった国の計画に、地元の大学としても貢献したいという思いが非常に感じられましたので、やはりそういったことを政府としてもフォローアップしていかなきゃいけないと思いますし、また今日は、いろいろ視察させていただきましたけど、本当にこれから廃炉に向けた、あるいは地域再生をしていく上で不可欠な研究の成果というのが、非常に貴重なデータが積み上げられてるわけですけれども、それが必ずしも十分に国民の皆さんに浸透していなかったり、特にやはり、国際的な発信、これは本当に必要不可欠だというふうに思っておりますので、そうした自治体に対しては、加速化交付金などでいろんなことを後押しをしておりますが、こういった研究施設についても知恵を絞りながら必要な支援というのを、やはりしていかなきゃいけないなという思いを再認識したところでございます。

 

(問)今回、今日の視察は、主に中通りの大学と研究施設の視察だったかと思いますが、機構との連携などを見据えた視察、意見交換の中で、地元の期待感というのは、どのようにお感じになりましたでしょうか。

(答)既に、福島大学においても福島県立医科大学においても、他大学をはじめとする様々な組織との連携はあるというふうに伺いました。そういった現状を活かしながら、今回のF-REIとも、今までの蓄積を十分に活かした上で、さらに相乗効果が発揮されるような工夫が必要だというふうに思っております。来年の仮事務所の開設までもう半年を切っておりますので、恐らく、当初は関係省庁からの出向者が中心になると思いますけれども。昨日、ニュースでOISTの先生のノーベル賞受賞が決まったと。私も、実はこの7月にOISTを訪問しておりますけれども、競争倍率が60倍だということも伺っておりましたし、それから学生の6割が外国人ということで、やはりOISTの学長を慕って、世界中の第一線の優秀な研究者が集まってきたと、こういったことが今回のノーベル賞の受賞にもつながっている面があるのかなと。ですから、私自身の問題意識としては、まさにF-REIを構成する研究者というものが、どれだけそういったレベルの高い、ハイレベルの方々においでいただけるかと。特に、放射能研究などでは期待できる面があるんじゃないかとは思いますけれども、一方で農業であるとか、5分野全ての領域において、世界中から十分に集まる保証はない面もありますので、そこはやはり衆知を集めて、レベルの高い人材に集っていただく。そしてそういう方々が、既にこの福島県の地元にあるこのセンターであったり、福島大学や、福島県立医科大学が既にいろんなところと連携している一つの蓄積、それは言わば、財産なわけでありますから、そういったものと有効に波及効果を高めるようなことに、どう復興庁としてもフォローアップできるかということが、これからの課題ではないかと思っております。

(以  上)

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