環境省・新着情報

2022年09月30日

ゴルフ場で使用される農薬に係る令和3年度水質調査結果について

ゴルフ場で使用される農薬について、令和3年度に地方自治体等が実施したゴルフ場排出水等の水質調査の結果を取りまとめましたので公表します。
本調査は、1,605所のゴルフ場を対象に、延べ36,315検体について実施しました。その結果、ゴルフ場の排水口調査で、水濁指針値を超過した事例はありませんでしたが、水産指針値を超過した事例が18件ありました。

1.経緯
 環境省は、ゴルフ場における農薬使用の適正化を推進し、水質汚濁の防止を図る観点から、平成2年5月に、ゴルフ場の排出水の農薬濃度に係る上限としての水濁指針値を定め、「ゴルフ場で使用される農薬による水質汚濁の防止に係る暫定指導指針」を策定しました。
 平成29年3月には、水濁指針値に加え、生態系保全の観点から水産動植物被害の防止のための水産指針値を新たに定め、「ゴルフ場で使用される農薬による水質汚濁の防止及び水産動植物被害の防止に係る指導指針」を策定しました。その後、平成30年の農薬取締法改正に係る令和2年4月1日施行内容を踏まえ、令和2年3月に「ゴルフ場で使用される農薬による水質汚濁の防止及び水域の生活環境動植物の被害防止に係る指導指針」を策定しました。
 都道府県等においては、指導指針に基づき、ゴルフ場で使用される農薬について調査、指導が行われています。
環境省では毎年、地方自治体等が実施したゴルフ場排出水等の水質調査結果を取りまとめ公表しており、この度、令和3年度の調査結果を取りまとめました。
 なお、業務効率化の観点から、地方自治体から国への報告事項の簡素化に取り組み、令和3年度調査から次のとおり調査及び公表内容を変更しております。

<調査及び公表事項の主な変更内容>
 ・ 従来は、指針値が設定されている農薬のほか、調査主体により調査が行われた全ての農薬の調査結果について報告を求めていましたが、令和3年度からは、過去に継続して指針値の超過がみられた農薬及びゴルフ場における使用量が多い農薬等の留意すべき農薬並びに当該年度の調査で指針値超過がみられた農薬について報告を求めることとしました。
 ・ これに伴い、農薬別の水質調査結果(排水口)については、上記の留意すべき農薬と指針値超過の報告があった検体について公表を行うこととします。なお、都道府県別の水質調査結果の公表事項は変更ありません。

2.令和3年度水質調査結果の概要
 [1]調査が実施された都道府県数 : 47
 [2]調査対象となったゴルフ場数 : 1,605か所
 [3]総検体数 : 36,315検体
 [4]排水口調査検体数 : 9,573検体
 [5]水濁指針値超過検体数 : 0検体(別表1、2のとおり)
 [6]水産指針値超過検体数 : 18検体(別表1、2のとおり)
 ※評価に用いた指針値は令和4年2月16日時点のものです。
3.調査結果を踏まえた対応
 排水口調査の結果、水産指針値を超過した事例が見られたこと、また、前年度調査より減少したものの指針値超過の有無が不明な事例が見られたことから、ゴルフ場関係者に対し、農薬の使用に関する注意喚起を改めて実施するとともに、定量下限値に留意して分析を行うよう、都道府県に求めることとします。

連絡先

環境省水・大気環境局 水環境課農薬環境管理室
代表
03-3581-3351
直通
03-5521-8311
室長
伊澤 航
室長補佐
二階堂 華那
担当
市原 直登
担当
小林 克明

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