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令和4年9月30日(金曜日)
教育、科学技術・学術、文化

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「佐渡島の金山」推薦書暫定版の提出、第19回STSフォーラム年次総会への参加、新たな日本人宇宙飛行士の第1次選抜結果、教科書会社「大日本図書」接待報道、正規教員の割合目標、滋賀県・担任のいじめ問題、ノーベルウィーク日本人受賞への期待、私立学校法改正案など臨時国会提出法案の検討状況

永岡桂子文部科学大臣記者会見映像版

令和4年9月30日(金曜日)に行われた、永岡桂子文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和4年9月30日永岡桂子文部科学大臣記者会見

令和4年9月30日永岡桂子文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

永岡桂子文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭、私からは3件ございます。
 1件目でございますが、昨日、「佐渡島の金山」の推薦書の暫定版をユネスコに提出をいたしました。今後は、来年2月1日までに提出いたします推薦書の正式版の準備を進めていくこととなりますが、引き続きまして、新潟県、そして佐渡市、そして関係省庁とですね、連携を一層強化しながら、「佐渡島の金山」の世界遺産への登録実現に向けまして全力で取り組んでまいります。
 2件目でございます。10月2日(日曜日)でございますが、京都府におきまして、NPO法人STSフォーラムが主催いたします第19回STSフォーラム年次総会に参加をいたします。2日(日曜日)の午後に予定されております「学際研究の効果的な実施」をテーマといたしますセッションにおきましても講演をし、そして、各国の有識者の皆様方と意見交換を行いたいと考えているところでございます。加えまして、この機会に、各国を代表します参加者の方々と科学技術分野での協力等につきまして会談を行う予定でございます。本イベントが実り多いものになることを期待しているというところでございます。
 3件目でございます。昨年よりJAXAが実施しております、新たな日本人の宇宙飛行士の選抜につきまして、今年7月から8月にかけまして、医学検査及び運用技量やプレゼンテーション能力を測る第1次選抜が実施されました。その結果、受験者205名に対しまして、50名が合格となりましたのでご報告いたします。今後、将来の月探査を担う方が選ばれると承知しておりますが、第1次選抜を通過された方は、第2次選抜以降におきましても存分に力を発揮されることを期待しているところでございます。以上でございます。

記者)
 お聞きします。冒頭に関連しますが、佐渡金山の推薦書暫定版の再提出に関連して、世界遺産登録への道筋をこれからどうつけていくか、改めて、実現に向けた大臣の意気込みをお聞かせください。

大臣)
 「佐渡島の金山」の高い文化的価値が評価されるよう取り組むなど、やはり、新潟県や佐渡市ですね、そして関係省庁との連携を一層強化しまして、世界遺産への登録実現に向けて全力で取り組んでまいりたいと思っております。推薦書は、現地時間の29日15時頃、日本時間ですと29日の22時頃になりますが、ユネスコの日本政府代表部を通じまして提出をされました。そしてやはり、この本件ですね、期日までに安全かつ確実に提出できる必要があることから、万一のリスクも鑑みまして提出をしたというところが本来の姿でございます。

記者)
 教員不足への対応について伺います。昨日、教育長を集めたオンラインの会議で、大臣は、各自治体に目標とする正規教員の割合の設定ということを求められました。具体的な数値は各自治体で検討するものだというのは承知しておるんですけども、そのための目安をですね、どのようにお考えになるのか。例えば、小学校では今、年度当初から学級担任の11%、特別支援学級では23%を非正規の教員が、年度の初めから担当するという形になっています。せめて、年度当初の学級担任は正規教員を確保するといったことも、目安を示すことも考えられるかと思うんですけれども、この辺りのお考えを伺えればと思います。

大臣)
 やはり、教師不足につきましては、今年度の全国的な状況も、やはり昨年度と同様にですね、依然として厳しいと承知しております。昨日、都道府県の指定都市教育委員会、また、教育長(注1)の皆様に、引き続きまして、解消に向けた取組を進めていただくようにお願いをいたしました。各教育委員会におきましては、様々な取組が行われておりますが、安定的な学校教育を実現していくためには、やはり、正規職員(注2)を計画的に採用していくことが極めて重要と考えております。そのためにですね、各教育委員会におきまして、自らが定めている5年~10年程度の中長期的な採用の計画の中で、目標とする正規教員の割合などを設定いたしまして、その目標値に向かって、積極的に正規職員(注2)の採用を進めていただきたいと考えているところでございます。各教育委員会によりましては、教師の年齢構成、そして少子化の状況ですね、これが、事情が異なりますので、任命権者であります各教育委員会においてはですね、それぞれの地域におけます児童生徒数の見通しですとか、また正規教員の割合の現状等をですね、分析するとともに、やはり、全国の状況も参照しつつ、目標値を適切に設定していただきたいと考えているところでございます。以上です。
(注1)「都道府県の指定都市教育委員会、また、教育長」と発言しましたが、正しくは「都道府県・指定都市教育委員会教育長」です。
(注2)「正規職員」と発言しましたが、正しくは「正規教員」です。

記者)
 1つフォローさせてください。正規教員と非正規教員の問題については、前任の末松大臣も、5月の文科委員会の答弁の中で、正規教員にきちんと担任を引き受けてほしいということをおっしゃっているんですけど、少し言葉がきつくなるようで申し訳ないんですけど、この多くの学校で、年度の初めから学級担任を非正規の教員が配置されているというこの現状というのは、このままでも問題はないというふうに大臣はお考えでしょうか。

大臣)
 公立学校の教員の任用につきましては、やはり任命者(注1)であります各教育委員会の権限と責任に基づいて行われるものでございます。各教育委員会の状況はそれぞれ異なっておりますために、国が一律にですね、数値を示すより前に、まずはですね、任命権者であります各教育委員会においてそれぞれの地域における児童生徒の見通しですとか、それぞれの正規教員の割合の現状ですね、というものを分析するとともに、全国の状況も参照しつつですね、これは、目標値を適切に設定していただきたいと考えているところでございます。各教育委員会では、正規教員の割合にばらつきがありまして、年平均(注2)を下回る教育委員会があります。一方、割合の高い正規の教員(注3)ですね、それを維持している教育委員会もございます。それを考えますと、やはり各教育委員会には、引き続きまして、高い水準を維持していただきたいと、そういうふうには考えているところでございます。
(注1)「任命者」と発言しましたが、正しくは「任命権者」です。
(注2)「年平均」と発言しましたが、正しくは「毎年平均」です。
(注3)「割合の高い正規の教員」と発言しましたが、正しくは「正規教員を高い割合」です。

記者)
 「佐渡島の金山」の関係でお聞きしたいと思います。暫定版推薦書の提出ということでですね、提出を前に、昨日、自民党の関係部会への説明を、ご担当の方が、向かわれて行ったということを聞いております。自民党への説明の中ではですね、再提出ということで、推薦内容の充実を図ることが大事だという指摘はもちろんあったと思うんですが、その他にも歴史認識を巡って反発が予想される韓国のことであるとか、また、今年の世界委員会がウクライナ侵攻の影響でロシアでの開催が延期となっていて、今おそらく今後の日程が見込めない状況にあって、来年以降の委員会日程なんかですと不確定要素が多くて、政府が目指している24年登録というのがスムーズにいくのかという懸念を示されたと聞いております。そこら辺、韓国とかロシアの情勢も含めて、今後の対応の在り方について、大臣のお考えをもう少しお聞かせ願えればと思います。

大臣)
 まず、韓国のことでございます。強制労働であるとの韓国側の独自の主張につきましては、やはり受け入れることができません。「佐渡島の金山」は、江戸時代までの伝統的な手工業によります生産技術と生産体制を示す遺構が文化的な価値の対象でございます。そのような意味でもですね、ご指摘の点は当たらないと考えておりますが、いずれにいたしましても、どの国に対してもですね、「佐渡島の金山」の文化遺産としての素晴らしい価値が評価されるように、国際社会に対して丁寧な説明を行ってまいりたいと思っております。そして、ロシアに対してのお話がございました。これはですね、登録に向けましたスケジュールによりますと、今年の2月のロシアによるウクライナ侵略を受けまして、今年6月にロシアで開催予定でした第45回の世界遺産委員会は延期となりました。延期後の日程、そして、開催地並びに第46回以降の日程及び開催地は、現時点では未定であるために、「佐渡島の金山」に係る今後のスケジュールについても、やはり、確たることは申し上げるのは困難だということになっておりますが、そこのところはご承知置きいただければと思っております。以上です。

記者)
 教科書を巡る問題で質問をさせていただきます。教科書会社「大日本図書」が、大臣の地元でもある茨城県の五霞町の教育長を接待していたことが明らかになりました。教科書採択の公正性が疑われる事案でありますが、受け止めと今後の対応をお聞きいたします。

大臣)
 お尋ねの件につきましては、報道のあったことは承知をしております。文部科学省によりまして、当該発行者に対して、既に確認をしております。採択関係者に飲食等を無償で提供した事実が確認されたとのことでございまして、同者に対しまして、採択の公正確保の観点での詳細な調査を指示しておるところでございます。元より、教科書は全ての児童生徒が必ず使用するものでございまして、その採択には高い公正性と透明性が求められるということがございますので、今回のことは、極めて遺憾であると思っております。今後の調査の動向を注視しながらですね、厳正に対処してまいりたいと思っております。以上です。

記者)
 宇宙飛行士選抜試験が、冒頭でご発言がありましたけれども、当初の応募人数は4,000人余りで、今回は50人ということで、80倍以上の倍率になっていると思いますが、改めて、試験を通過した人へのエールなどがございましたら伺わせてください。

大臣)
 今お話がありましたが、私の方からも3件目でお話しさせていただきましたけれども、JAXAによります受験者、本当に4,000名近い方が(注1)、これは第1次ではなく0次の選抜というような話がございますが、受験者205名に対しまして50名が合格となりました。本当に、そのお話をさせていただきましたけれども、非常に、これからの月探査の活動を担う方が選ばれるということでございますので、なお一層ですね、受験をされる方にはですね、もっと技量をですね、自分のテンションを上げて臨んでいただければと思っているところでございます。非常に、国民の興味を湧かせるようなね、月に向かっての応募、そして選考でございますので、本当に、私たち全ての国民が注視をするような、そして、その合格者ですね、その方々が、本当に、月に行くまでの道のり、私たちがこの時点からしっかりと見届けるという、そういう思いがあるかと思っております。すみません、以上です。
(注)「JAXAによります受験者、本当に4,000名近い方が」と発言しましたが、正しくは「JAXAによりますと、受験者、本当に4,000名近い方が応募され」です。

記者)
 いじめの問題でお伺いします。滋賀県の野洲市の市立小で、担任が男子生徒を発達障害と疑っていじめを繰り返していた問題がありました。大臣の受け止めと今後の文科省としての対応をお願いいたします。

大臣)
 今年の5月以降ですね、滋賀県野洲市におきまして、学級担任が男子児童に対しまして不適切な言動を繰り返しまして、担任が交代することになった事案につきましては承知をしているところでございます。教職員によります不適切な指導などが不登校や自殺のきっかけになる場合もございますので、体罰や不適切な言動等は、学校生活全体で、いかなる児童生徒に対しても決して許されることではないと考えているところでございます。このため、文部科学省におきまして、平成29年に通知を発出をしておりますが、生徒指導に当たりましては、児童生徒の持つ特徴や、また、傾向を理解をして、そして、特性や発達の段階に応じた指導を行う必要があることを示しまして、教育委員会の生徒指導担当者向けの研修会等におきまして周知徹底をしているところでございます。また、生徒指導の基本書でございます「生徒指導提要」の改訂案におきましては、児童生徒の基本的人権に十分配慮をして、一人一人を大切にしながら教育を行うことが求められているところですとか、また、不適切な指導と捉えられ得る例を具体的に示しているところでございます。その不適切な指導というのは、決して許されないことなどが記載をしているところです。文部科学省といたしましては、引き続きまして、教育委員会や学校に対しまして、必要な指導・助言を行うとともに、様々な機会を通じまして、通知の趣旨ですとか、また、「生徒指導提要」の改訂内容が学校現場に浸透するようにですね、周知徹底を図ってまいる所存でございます。以上です。

記者)
 来週からノーベル賞が始まると思います。で、去年は眞鍋先生が受賞されて、日本人2年連続の受賞が期待されています。ノーベル賞に対する大臣の期待というのを教えていただけますでしょうか。

大臣)
 ノーベル賞が発表される時期というのは、大体このぐらいの時期になりまして、来週3日から始まるその週は、私たちはノーベル賞ウィークと、そういうふうに呼ばせていただいております。我が国の優れた研究者がノーベル賞の受賞を受けるという形で、やはり、世界的な評価を受けるということは、日本の国の誇りであるとともに、やはり国民の皆さまにとってもですね、大変励みになるものと考えております。昨年に引き続きまして、日本人の受賞、これを期待しているところでございます。以上です。

記者)
 先ほど出ました滋賀県のいじめの関係で、1点追加で確認させていただきます。地元のですね、教育委員会の説明によりますと、今回の当該の教員の方にですね、かなり業務過多のような状況になっていて、それが背景の1つではないかというような見方があるようなんですけれども、この点についての文科省のお考えがあれば教えてください。

大臣)
 申し訳ございません。その教師の方が業務過多かどうかというのは、ちょっと私は存じ上げないところで、そこは申し訳ないなと思っておりますけれども、やはり、教師の方々、業務過多かそうじゃないということがないと、あってもなくてもですね、やはり、文部科学省といたしましては、教師の方々に発達障害に対します理解を深めていただくためにですね、全ての教師がおおむね10年以内に複数年度特別支援教育を経験することなどにつきまして、関係者の方々に通知をしているところでございます。これは、3月に発出をされているところでございます。また、発達障害の可能性のある児童生徒等に関します指導経験の浅い教員の専門性の向上に係る支援事業を行っております。それとあとは、発達障害を含む障害のある児童生徒への教育的対応を記載をいたしました「障害のある子供の教育支援の手引」の改訂も行って取り組んでいるところでございます。また、令和5年度に向けましても、発達障害に関する管理職をはじめとします教員の理解・啓発に向けまして、必要な予算というところは要求をしているところでございます。引き続きまして、こうした取組を通じまして、管理職を含めた全ての教師に発達障害の理解を深めていただきまして、そして、児童生徒一人一人の教育的ニーズに応じました教育を行っていただけるように努めてまいりたいと考えているところでございます。以上です。

記者)
 来週、臨時国会の召集が予定されていますが、それに関連しまして、学校法人のガバナンス強化をするという私立学校法の改正案について、この臨時国会で提出するかどうかという検討状況はいかがでしょうか。また、この改正案については、学外の人に経営権を握られかねないということで、大学関係者からの反発もあるというふうに聞いていますが、どのように国会で論点に対応していくのかというお考えがあればお伺いしたいです。それに加えまして、その他に法案の提出、私立学校法改正案以外の法案の提出というものの検討状況もお伺いしたいです。

大臣)
 私立学校法の改正案につきましてでございますが、我が国の公教育を支えます私立学校が、今後も持続可能な発展を遂げるためには、やはり社会の要請に応えつつ、自らが主体性を持ちまして、実効性のあるガバナンス改革を推進することが必要でございます。このため、私立学校関係団体にも参画をいただきまして、学校法人制度改革特別委員会におきまして、丁寧に議論を重ねまして、「執行と監視・監督の役割の明確化」、あと分離ですね、を基本的な考え方といたしまして、改革を進めることについて合意が得られたところでございます。また、現在、文部科学省におきましては、5月に公表いたしました私立学校法改正案骨子を基にですね、法制度(注)作業を進めているところでございます。特に、学校の種類ですとか規模、それから所轄庁の違いなどを踏まえた制度設計やきめ細やかな経過措置などにつきまして、現場の声を聞きながら、引き続き、丁寧に検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。「骨太の方針2022」におきましても、「学校法人について…実効性あるガバナンス改革の法案を、秋以降速やかに国会に提出する」ことが盛り込まれたところでございまして、文部科学省といたしましては、法案が提出できますように、最大限の努力をしてまいる所存でございます。以上です。
 それとですね、あと、日本語教育機関の認定等に関します法律案を、今、検討中法案といたしまして登録しているところでございます。現在、関係者の声を聞きながら、具体的な制度設計について検討しているところでございまして、引き続き、この法律案もですね、丁寧に検討を進めてまいりたいと考えております。以上でございます。
(注)「法制度」と発言しましたが、正しくは「法制化」です。

(了)

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