外務省・新着情報

令和4年9月22日

 9月22日、クメール・ルージュ裁判最高審は、クメール・ルージュ政権元幹部であるキュー・サンパン元国家元首の控訴審において、初級審判決(無期禁固刑)を支持する判決を下し、長年にわたる本裁判プロセスが終結しました。我が国として、本裁判実施に貢献した多くの関係者に敬意を表します。

 クメール・ルージュ裁判は、カンボジア和平プロセスの総仕上げであり、同国における正義の実現及び法の支配の強化に資するものです。この観点から、我が国は、本裁判を重視し、国際社会による本裁判への支援において主導的役割を果たしてきました。

 本裁判の意義が、裁判プロセス終了後も継続予定の普及啓発・教育活動等を通じ、広くカンボジア国民に共有され、次世代の人々や国際社会のための遺産として引き継がれ、法の支配の強化に資することを期待します。

[参考1]クメール・ルージュ裁判

 国連とカンボジア政府との合意文書に基づき、カンボジア司法官と国際司法官が協力して、1970年代後半にカンボジア刑法、ジェノサイド条約上の犯罪や人道に対する罪等重大な罪を犯したクメール・ルージュ政権の上級指導者及び最も重大な責任を持つ者を裁くために、カンボジア国内に設置された混合法廷。

[参考2]キュー・サンパン元国家元首

 今回最高審判決の対象となったのは、キュー・サンパン元国家元首(91歳)の、チャム人及びベトナム人の虐殺、強制結婚・強姦、内部粛清等の容疑にかかるもの。2018年11月に初級審が無期禁固刑を宣告し、被告が上告していた。なお、同人に対しては、2016年11月最高審法廷が、クメール・ルージュ政権下における住民の強制移動や政権奪取直後の前政権兵士の処刑において殺人、政治的迫害、その他の非人道行為等の人道に対する罪を犯したとして、無期禁固刑の判決を既に宣告している。

[参考3]我が国のクメール・ルージュ裁判への資金協力

 我が国は、2006年の裁判開始以来、国際支援の約30%に当たる約8,867万ドル(法廷の国際側に約7,218万ドル、国内側に約1,649万ドル)を支援。


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