文科省・新着情報

1.日時

令和4年8月29日(月曜日)15時00分から17時00分

2.議事録

「令和の日本型学校教育」の実現に向けた通信制高等学校の在り方に関する
調査研究協力者会議(第10回)
令和4年8月29日
 
 
【荒瀬座長】  皆さん、こんにちは。定刻となりましたので、ただいまから、第10回「令和の日本型学校教育」の実現に向けた通信制高等学校の在り方に関する調査研究協力者会議を開催いたします。本日は御多忙の中、御出席いただきまして誠にありがとうございます。
 本日の会議も、新型コロナウイルス感染症の感染防止の観点から、ウェブ会議システム(Zoom)による開催とさせていただいております。また、傍聴者の方については、ユーチューブで御視聴をいただいています。
 なお、本日、報道関係者の方から録音及び写真撮影の希望の申出がありました。これを許可いたしますので、委員の皆様におかれましては、御了承いただければと思います。
 では、議題及び配付資料などにつきまして、松田参事官補佐、よろしくお願いいたします。
【松田初等中等教育局参事官(高等学校担当)付参事官補佐】  参事官補佐の松田でございます。
 前回の会議において、「審議まとめ素案」について御議論いただきましたが、そこで頂戴した御意見や、その後、委員の皆様より個別に頂戴した御意見等も踏まえまして、「審議まとめ案」を事務局において準備いたしました。
 資料1-1が「審議まとめ案」、資料1-2が「修正履歴つきの審議まとめ案」でございます。また、参考資料として、3点資料を配付させていただいております。
 なお、本日、ウェブ会議システムを活用して御議論いただく観点から、毎度のお願いとなり恐縮ではございますが、御発言に当たっては、インターネット上でも聞き取りやすいようはっきり御発言をいただくなどの御配慮をいただく、御発言の都度、名前をおっしゃっていただく、御発言時以外はマイクをミュートにしていただく、御発言に当たっては手を挙げるボタンを押していただき、発言後は、手を下ろすボタンを押していただくなどの御配慮をいただけるとありがたく存じます。
 御協力のほどよろしくお願い申し上げます。
【荒瀬座長】  ありがとうございました。それでは、議事に入ります。
 本日は最終回の予定としております。審議まとめについて最終的に取りまとめたいと考えています。
 では、資料1-1が反映されたもの、1-2が見え消しであるということでありましたが、資料に基づいて、松田参事官補佐から御説明をお願いいたします。
【松田補佐】  それでは、資料の説明をさせていただきます。
 資料1-2を画面共有させていただいておりますので、御覧ください。まず、1ページ目の「はじめに」のところでございます。
 こちら、文言を整えさせていただいておりまして、「高等学校通信制課程」という表現と「通信制高等学校」という表現が入り乱れておりましたので、「通信制高等学校」という形で統一をさせていただいております。
 そのほか、文言や表現が少し不足していた部分等を適宜補っております。また、同様に「サテライト施設」という表現と「通信教育連携協力施設」という表現が少し入り乱れておりましたので、(以下「サテライト施設」という。)という形で、「サテライト施設」の表記に整えさせていただいてございます。
 その次のページにつきましても、諸々表現の適正化を図ってございます。
 続きまして、3ページ目でございます。現状・課題でございますけれども、「通信制高校に通う在籍者が不登校経験など様々な事情を有する者をはじめとして多様な入学動機や学習歴を持つ生徒が入学している」という表現がございましたが、そこに「15歳から18歳の生徒が増えるなど若年化」ということも追記させていただいております。
 また、その次のポツでございますけれども、通信制高校に在籍する生徒数について、令和4年度の学校基本調査の速報値が出たことを踏まえまして、時点更新してございます。全体の高校に占める通信制高校の在籍生徒数の割合が7.5%にまで伸びているというところで、7%超を占めるという表現にするとともに、また、伸び率が3%前後から7%超ということで2倍以上に伸びているというような表記をさせていただいております。
 続きまして、4ページ目の脚注でございますが、学校数について令和3年度時点で260だったものを令和4年度(速報値)では273校に、生徒数について公立の通信制高校では5万4,621人、私立では18万3,693人に、それぞれ最新の数値に変えております。
 少しページを飛ばさせていただきまして、7ページ目でございます。こちらは「高等学校教育として相応しい質を確保する学習の設計」の1つ目のところで、学力の3要素に関しまして、「バランス良く」という表記を付け足しさせていただいております。
 また、3つ目のところで、「明記していくべき」というところで、対象を書いておりませんでしたので、「ガイドライン等に」という形で対象を明確化させていただいております。
 続きまして、9ページ目を御覧いただけたらと思いますけれども、メディアを利用した学習指導で8割減免という制度ございますけれども、こちらが不適切な運用がなされている事例が見受けられると、8割の減免というのは「生徒の実態等を考慮して特に必要がある場合」に限られるものであると、そういうことを改めて周知していくべきといった御意見ございましたので、こちらに追記させていただいております。
 その下、指導体制の在り方に関しまして、指導体制を確保するのと同様に、「教員研修の機会の充実など現行ガイドラインに記載している事項に加えて」と、現行ガイドラインの事項も大事であることを改めてここに明確化させていただいております。
 また、9ページ目の最後の文でございますけれども、教員配置の規定について平成16年に大綱化した際に、「教育上支障がないことを前提としつつ」としていた旨を書かせていただいております。
 次のページでございます。一番下のポツでございますけれども、こちら、前回の第9回会議で委員の皆様から大変多くの御意見をいただいた点でございます。
 まず、「生徒のケア等を担当する専門・支援スタッフと連携しつつ、クラス担任制のように、しっかりと一人一人の状況を見て適切な対応を取ることができるように指導体制を整える必要がある」といたしまして、「具体的には、専門・支援スタッフの配置や、メディアを利用した学習に伴う面接指導時間数等の減免等が行われている場合であっても、教師が面接指導や添削指導の実施・評価、試験の採点・評価、専門家等と連携した生徒指導など、生徒一人一人の状況に応じてきめ細かく行う必要があることを踏まえれば、差し当たり少なくとも生徒数80人当たり教諭等が1名以上必要であることを基準として設定していくべきである」と書かせていただいておりまして、脚注には、「この教諭等の数については、今後の研究成果等を踏まえて、必要に応じて見直しを図っていくことが考えられる」としてございます。
 また、その後の文章で、「ただし、ここで強調しておくべきなのは、これは必要最低の基準であって、不登校経験者など多様な生徒が多数在籍し、15歳から18歳の生徒が増えるなど若年化している学校にあっては、決して生徒数80人当たり教諭等1人で十分ということではないということと、また、専門・支援スタッフとの連携が重要であるということである」といたしまして、「通信制高校においては、生徒数40人当たり教諭等1人以上とされている全日制・定時制以上に、生徒一人一人に寄り添って伴走して支援を行う体制を整えていくことが重要であるということを併せて適切に周知していくべきである」という表現にさせていただいております。
 また、11ページ目の一番下の部分でございますけれども、専門・支援スタッフの配置促進に関しまして、「自己点検チェックシートに盛り込むべき」という表現にしておりましたけれども、それを「係る趣旨を徹底していくべき」という表現まで書くべきという御意見がございましたので、その点追記させていただいております。
 続きまして、13ページ目でございます。第三者評価の活用促進の部分の2つ目のポツの最後の部分でございますけれども、「第三者評価の実施機関の体制整備を推し進めていくべき」ということで、第三者評価の活用促進に当たっては、その実施機関の体制整備も重要であるということを書かせていただいてございます。
 そのほか、全体的に文言の適正化を図らせていただいておりまして、最後16ページ目の「おわりに」でございます。「今後更なる調査・検討を必要とする論点」という表現が中段のところにございますけれども、まず、「調査」というのを書かせていただきまして、やはり今後通信制高校の在り方の更なる検討を行っていく上では、必要な実態等の調査をしっかり行っていくと、その上で検討していくということで、調査というのを明確化させていただいております。
 また、丸1 のところでは、質確保・向上に向けた後押しをするための各学校等への支援の在り方について「財政・人材等の支援」ということで、具体的な支援の方法の例を明確化させていただいております。
 また、サテライト施設における設置認可、指導監督等に関する権限の在り方ということを丸2 で記載しておりますけれども、そこにも「定員の設定をはじめとして」という形で、その議論の対象に定員設定が含まれることを明確化してございます。
 また、最後のパラグラフのところに関しましては、学習指導要領の前文に則した表現にするなど、文言の適正化を全体的に図っているという次第でございます。
 駆け足でございますけれども、以上でございます。
【荒瀬座長】  御説明どうもありがとうございました。
 審議まとめ案、資料1-2に基づいて、これまでの会議ないしは個別のやり取りの中で、委員の皆様から頂戴した御意見を反映したものとしていただいています。相当丁寧にまとめていただいたのではないかと思いますが、この文章につきまして、さらに何か御意見ございましたらお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
 大河原委員、お願いいたします。
【大河原委員】  ありがとうございます。この文章自体にこれ以上手を加えてほしいという趣旨ではございませんが、所感ということでお伝えをしておきたいと思います。
 前回、特に10ページから11ページにかけてのところが問題になった箇所と理解しておりまして、数字が急に出てきたところもあったので、私の理解に若干戸惑いがあったところでございます。
 その戸惑いというのは何かというのをいま一度、頭を整理してみたところ、やはり通信制高校の在り方として、一つには、支援を本当に必要としている生徒、不登校の方を中心に最大限ケアしていくという観点があって、その観点からすると、やはり教員の方が手厚く、少人数単位で教育していくというのがすごく大事だなと考えております。
 他方、いろいろな通信制高校があることをこの会議でも拝見してまいりまして、全日制とか定時制ではなかなか実現することは難しい、新しい取組を進めている高校もあるという中で、もちろん遵法性、適法性ということが大前提ではございますけれども、やはりそういった新しい取組の芽を潰さない、そういったことも大事かなと思っています。そういう意味では、どのような場面でも教員1人当たりの生徒数を少なくすればするほどよいという話でもないのかなという気もしていて、その辺りはやはり通信制高校の在り方というか、その目的の違いによって、そこは変わり得る話なのかなと思いました。
 遵法性、適法性というところに関しましては、ある程度事前規制のところできちんとハードルを設けておくということはもちろん大事ですし、一方で、これから第三者評価も取り入れていくということであれば、その辺りにもある程度委ねていって、いろいろな新しい取組ができるような高校というカテゴリーの余地を残しておくということも、やはり大事かなと思った次第です。
 私も私学関係の法律業務等々取り扱っていますけども、私学の経営という観点からも、この間も委員の先生からお話がありましたけれども、必ずしも教員を潤沢に採用できるわけでもない中でも、私学の多様性というか、私学教育を頑張っている法人も数多くあります。したがって、適法性、遵法性はきちんと担保しつつも、そういった多様性を発揮し、いろいろな取組も実現できるような方向性にしていっていただきたいなと思っております。
 少し長々となりました。個人的な所感、以上でございます。ありがとうございます。
【荒瀬座長】  ありがとうございました。非常に重要な御指摘ではないかと思います。
 今の話、特に10ページの、資料1-2でありました下から3行目のところで、前回数字を明確にしたということであります。大河原委員から、適法性とか遵法性とかいったものを前提として、しかし、多様性についても一定の配慮が必要なのではないかというお話でありました。この辺りについては、前回もいろいろと御議論いただいたわけですけれども、もし何かございましたらお願いしたいと思います。
 時乗先生、お願いいたします。
【時乗委員】  よろしくお願いします。山手学院の時乗です。
 前回の会議第の9回目は、所用があって欠席させていただいたのですが、そこでこの辺の話が非常に多く出ていたというのは議事録を拝見して感じています。
 今の大河原先生の話に続くところはあるのですが、基本的に特に生徒指導の充実というところを中心に考えていった場合、例えば外国につながる生徒がいた場合、その生徒の支援に必要なのは教員を増やすよりも母国語をきちんと話せる、そういったスタッフを用意することです。
 例えば、ICTによるコミュニケーションが得意な生徒については、ICTを扱うのが得意なスタッフを入れていくという形で、全日制や定時制に比べてはるかに多様な生徒が学んでいる通信制が持っている課題というのは、ただ単に教員の数を増やせば解決していくという問題ではないということは、私は異論がないところだと思っていますし、私がこれまでいろいろな学校を経験してきた上からでも、こういうことは言えるのではないかと思っています。
 また、全日制から通信制に転学してくる生徒の中には、教員しかいない学校という場に、ある程度息苦しさを感じている生徒が若干ながらもいるということも感じています。それに加えて、今、働き方改革が言われていたりだとか、教員不足というような話も出ています。
 だから、こういうことを考えると、私は教員が何から何まで全部抱えて物事をやっていく、生徒を指導していくという、ある意味、昭和の学校から脱却する必要があるのではないかと思っています。未来の学校は、教員がハブとなっていろいろなスタッフと生徒をつなげていって、そして、チーム全体として生徒に伴走していくという、そういう体制をつくることがすごく大切だろうと思っています。
 したがって、今回の文章への修正意見ではないのですが、この後、このまとめを受けて、ガイドラインや法令が整備されると思いますが、生徒への支援、生徒指導という観点で考えたときに、単なる教員の数で基準等を示すのではなく、きちんとしたチームによる支援体制が本当にできているのかどうなのか、そういったところをきちんとフォローできる基準を示していただけるとすごくありがたいと思っています。
 以上です。
【荒瀬座長】  ありがとうございました。同じく大変重要な御指摘であろうかと思います。ほかにいかがでしょうか。
 原口委員、お願いいたします。
【原口委員】  横浜修悠館、原口でございます。よろしくお願いします。
 今、単純に教員の数を増やせば解決するものではないというお二方のお話が出ましたけれども、令和の日本型学校教育の中で、コロナ禍においてやはり学校の役割として、通信制においても安全・安心な学びの場の確保というのが非常に重要になっており、担任業務の中で、例えば110人の生徒を1人が担任する、それでは面談も何もできない。その面談をSC、SSWに委託すればいいではないかという話もあると思うのですが、SC、SSWはやはり毎日来ることもできず、オンライン上でというのもあるとは思いますが、やはりリアルの場で安全・安心な学びの場を確保するために、教員の数の必要性は通信制において高まっていると考えております。
 私としては、ここの部分で、生徒80人に教諭等1人以上ということ、ただし、全日制や定時制において生徒数40人当たり教員1名以上とされており、「全日制や定時制以上に生徒一人一人に寄り添って伴走して支援していく体制を整えていくことが重要であることを併せて適切に周知していくべきである」は非常にありがたい表現だと考えております。
 この部分をぜひ大切にして、現場としては今後も頑張っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 以上です。
【荒瀬座長】  ありがとうございます。まさに今、前回の会議で皆さんのもやもやと言いますか、少し揺れがあったのだというようなお話がありましたけれども、そこのところがまさに今のところだと思います。
 一方では、数だけ決めてそれでいいのかということで、こういったことは数が決まるとその数だけが独り歩きしてしまって、適合している、適合していないという、そこで線を引いてしまうのですが、大事なのは質であって、その質のところをしっかりやっていくと同時に、必要な意味ではやはり人数というものも極めて重要な要素であるということで、前回いろいろと皆さんお悩みになった結果、こういった数字を提示していくべきではないかという結論に至ったと理解しております。
 とはいえ、これが本当にさっきも申しましたように独り歩きしてしまって、単に数だけとなってしまうと問題ですので、一方で、やはりその教師の働きというのでしょうか、先生はやはり子供たちの指導に当たる専門職としてしっかりと学び続け、子供たちを支え続けるということも大事なわけで、それが先ほどの付け加えていただいた研修の部分にも入っているかと思います。
 その辺りで、特に何かまた御意見ございましたらお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。
 皆さんのお気持ちというんでしょうか、これまでお互いに人数もそんなに多くなく、本当にしっかりと話合いのできた会議であったと思っています。御発言の多い方も、必ずしもそうでない方もお互いに理解しながらこの時点までやってきて、こういう形のまとめを案として今日確認する運びになったかと思います。
 吾妻委員、お願いいたします。
【吾妻委員】  ありがとうございます。東海大学付属望星高校の吾妻と申します。
 今、荒瀬座長から言っていただいたように、いかに実際に教育の質をしっかり確保していくのかということが必要だという論議の中で、それでも最低限教員の数として80名は必要であろうという、そういったような論議で進められてきたのではないかなと思っております。
 先生方がおっしゃるように、いろいろな通信制の仕組みがありますので、教員以外のいろいろなサポート、伴走ということが、いろいろな取組の中でなされていくということも、今後の展開として非常に大切だと思います。ただ、それがあったとしても、少なくともこの人数の確保が必要なんじゃないかということで、そのPT値として80という数字を議論させていただいたのではないかなというように受け取っております。
 そういう意味で、全日制と同様に通信制も、その質を高めていくということが非常に大切であり、私は通信制の高校の校長として勤務している状況において、やはり必要なのは、各校の財政基盤の安定が不可欠ではないかなというように思っております。
 通信制の高等学校は全日制に比べますと、そもそも学費が全日制よりも低く設定されている学校が非常に多いという印象を持っております。また、例えば経常費補助金ですとか、いろいろな各種の財政補助に関しても、全日制と比べるとかなり低い状況や、通信制は対象外というような補助金の設定もあって、GIGA関係もそうですし、養護教諭、スクールカウンセラー、ソーシャルワーカーの配置等に関する支援も、通信制のほうが必要度は高いはずなのに、なかなか対象になっていないというところが、質を高めていく上では今後必要ではないかと思います。
 これは通信制高校が、質を高めていくことについて実際にアクションを起こしていくためには、財政支援も並行して行っていただくということが必要であろうと思われますし、今後の課題かなと思っております。
 また、通信制高等学校の中で、やはりまだ少し議論が必要だなと思っているのは、本校だけではないサテライト施設が多く設置されており、そこでの教育環境という問題について、どのような形で設置認可をされていくのか、それぞれの定員という話も出されておりましたが、それぞれの地域の実情にふさわしい形でサテライト施設の設置認可がされているのか、きちんとした運営がされているのか、学則定員も含めて、こういったことについても今後やはり議論が必要ではないかなと思いました。
 感想めいた意見で大変申し訳ございませんが、以上です。
【荒瀬座長】  ありがとうございました。篠原委員、お願いいたします。
【篠原委員】  ありがとうございます。NHK学園、篠原と申します。今の80人云々のところでの議論について一言申し述べたいと思います。
 荒瀬座長がおっしゃったように、既に新聞などでも80という数字が表に出ていて、これが結構独り歩きしそうな雰囲気があるということは、少し注意しておくべきことだなと思っておりまして、そして、この段階では審議のまとめということですので、私どもがいろいろな思いを経て、この80という数字に至ったということだというふうには思うのですが、これを具体的な法改正でありますとか施策に持っていくときに、80あるいは40という数字が、何かの基準のように使われるというのは本意ではないということをお伝えしたい。
 先ほど、時乗先生がおっしゃった「チーム学校」という考え方が、通信制ではより大切なのだと思いますので、ここに実は「80人当たり教諭等が」とありますけれども、この「等」というのは、結局先生以外どういう人たちなのかということも含めて、これを何か具体的な施策に結びつけていくときに、ぜひそのことに深く思いを致して、文科省のほうで進めていただけたらなと希望していますので、一言そのことを申し述べたいと思いました。
 以上です。
【荒瀬座長】  ありがとうございます。先ほど吾妻先生おっしゃったこと、篠原先生が今おっしゃったこと、いずれも今後進めていく上でも大事なことではないかと私も思います。
 これを決めたからおしまいではなくて、決めたことがどう動いていくのかということも注意して見ながら、子供たちの学びの充実に向けてどのように働くのかということが一番のポイントでありますので、そこのところがぶれるようなことがないようにしっかりと考えていく必要がありますし、それに関して、もう少し書き加えたほうがよいということであるならば、そこの辺りも、例えば最後の部分に付け加えるといったことも含めて考える必要があるのかもしれません。最終的にまとめをつくるということで考えますと、どういったことがまだ足りないのかとか、あるいは十分であるとかいった御意見もありましたらお願いできればと思いますが、いかがでしょうか、特段ございませんか。
 日永委員、お願いいたします。
【日永座長代理】  山梨大学の日永です。今、座長からこの審議まとめについてまだ付け加えることがあるかというお尋ねだったと思うのですが、実は前回の意見、今回の議論の中でいろいろ出てきた御懸念も一通り入っているのではないかなと思います。
 審議まとめを修正するというよりも、今日の議事録にしっかり残して、次の会議への引継ぎとして考えていただくのがいいのではないかと思います。先ほど来出てきている80人にしても、今後の研究によってと書いてあります。先ほど座長もおっしゃったとおりです。
 通信制高校も高校教育を担う上で、最低限の条件とはなんだろうと考えたときに、先ほどの原口委員の発言は重いのだろうなと思います。
 また、今回私学の関係の委員の方々から、国に対する要望が示されたわけですけれども、これは多分公私立も関係ないと思います。通信制高校が質の保証の対象になって、指導体制を構築する上で35時間相当の授業を設計するということは学校現場に任されました。他方、そのための人的な条件整備については、公立の場合は設置者は都道府県に課されたものというふうにしていかないと、公立の側が置いていかれる、学校現場が努力さえすればいいのだと誤解されても困るなという感じがします。今回こういう数字がまず出て、しかも、チームとして支えていくという言葉も十分読み取れるものであろうと思うので、本当だったら、先ほどから出てきているように、サポートする側を具体に本当はどの程度というところも欲しいぐらいだなと思ったりもするのですが、そこは多様な高等学校、さらに多様な通信制高校ということで何か今回は書き切れなかったけれども、これも今後の研究によってぜひ少しでも具体化していく必要があります。
 というのも、ある程度具体化したものがないと、第三者評価をするときに曖昧な基準にしかならないのです。そのように曖昧な基準のままで第三者評価が効果を持てば持つほど、アメリカでよくあるように訴訟問題になります。曖昧な基準のままその評価機関のある意味主観的と言われるような基準で評価してしまって、生徒が来なくなったとなると、これは大きな火種になりかねないものなのです。
 だから、多様性を認める一方で、本当に第三者評価を考えていくのであれば、実は公的なところが定めた基準がないと、第三者評価が機能しないということにもなりかねない。その辺りのバランスを皆さんでしっかり議論した結果が今回の審議まとめに出ているのではないかということを思っておりました。
 感想めいたもので、すいません。以上です。
【荒瀬座長】  ありがとうございます。今、まとめていただいたような御発言であったかと思いますが、いかがでしょう、ほかにも御意見ございましたら。
 光富委員、お願いいたします。
【光富委員】  太平洋学園高等学校の光富です。よろしくお願いします。
 先ほど日永先生がおっしゃられましたけれども、多分、皆さん方、この数字というか、皆さんいろいろ不安になっているところは一緒ではないかなと思います。やはり、これは今からいろいろ研究が始まると。原口先生がおっしゃったように、現場としてはどうしても教員が担うべきものがあるので、そこでいくと先生の数というのはある程度確保したい。だから授業、いつも何回も言いますけど、添削は教員免許を持った教員がするということになると、1人当たり受け持つことができる生徒の数というのは、あまりに多かったら、きちんとした添削指導ができないと思います。そして、スクールカウンセラーがいたりスクールソーシャルワーカーがいても丸投げにはできませんので、面談に一緒に教員が入ったり、保護者に連絡をしたりとかいうことがあったりしますので、専門スタッフも要りますけれども、やはり教員がある程度は必要だと私は考えています。
 ただ、この80という数字が、とにかく独り歩きをしないようにしていただきたい。学校の実情に応じて、そこのところは研究しながらこういうタイプの学校であればこれぐらいでいくだろうとか、あるいはこういう生徒さんがいれば、こういうスタッフがたくさんいるというような、これからのものに広げていただきたいなという思いがすごくあります。
 サテライトの件が出たと思いますが、私が最近入学相談で不登校の子供さんの相談のそういう場に行かせていただいたときに、相談を受けた内容は、サテライト施設についてはよく分からないと。前々からサテライトの学校で分校的な学校ですよね。そこの学校さんが出している、それはいいのですが、そうでないところが技能連携校であるとかそういうところが受け持っているときに、その技能連携校が高等学校卒業できますよと言って生徒募集をして、表に出ているじゃないですか。
 そうすると、やはりそれを聞いている保護者の方は、通信制高校に入らなくてはいけないということがよく分かっていなくて、その表に出ている学校に入ることで通信制高校が卒業できると思って入ったら、県外にスクーリングに行かなくてはいけなくなって思っていたよりお金が要るようになったとかいうことで、すごい困ったとかいう話も聞いたりします。
 ですので、一番最初の頃に、通信教育についての協力施設の類型みたいなのをいただいたような気がするんですけど、そういうようなものがやはり中学校の先生も全く分かっていないし、技能連携校の名前のまま、いろんな高等学校の大会等に出てくるんですよ。そこですごく混乱が起きているのでそれをもう少し分かりやすく、その技能連携校へ入っただけでは高校の卒業ができないとかということが、保護者や中学校の先生方にも分かっていただけるような周知の仕方というのを少し工夫していただけたら、混乱がないのかなと思います。
 きちんと広域通信制でもそこの学校が分校として、自分の学校の名前で出しているところはいいのですが、そうではないところですごく混乱が起こっているということを何年も前から感じていて、最近そういう質問等が多いですので、そこを何か分かりやすいような周知の仕方を工夫していただけたらなと私は思っております。よろしくお願いしたいと思います。
【荒瀬座長】  今の点、何かまとめてどうぞ。
【田中初等中等教育局参事官(高等学校担当)】  参事官の田中でございます。今の点、御指摘ありがとうございます。
 おっしゃるとおりだなと思っていまして、今回のこの報告の中で直接中学校のことは触れていないのですが、生徒層が結局15歳から18歳までというように若年化しているということは、転学する生徒たち、編入する生徒たちも多いわけですけれども、中学から直接通信制高校に行く生徒が増えているということだと思います。一方で、従来の進路指導している中学校の先生が、通信制高校のことをどれだけ御理解されているのかということで言うと、既存の全日制とか定時制の学校に比べると必ずしも十分でないのではないかと、実はそういう御指摘、問題意識は私も担当として持っております。
 この点、最近のことですが、児童生徒課がまとめております生徒指導提要の中で、不登校への対応ということで、中学校の進路指導の先生、生徒指導の先生も御覧になるわけですけれども、その中で実は通信制高校のことも少し今までよりも書かせていただきました。
 高校というのはその地域に立地している高校の中から選ぶのが普通ですけれども、通信制高校は、本校が別のところにあっても、特に広域の場合は全国どこでも選べたりして、すごく選択肢がある意味では多いわけですね。
 そういう中でやはり質の高い、その生徒に合った、なおかつ、しっかりした教育をやるところを選ぶことが大事ですよということを実は今回書いております。ただ、その文言だけで、もちろん全てが伝わるわけではないと思いますので、私ども高校担当の部署なので、中学校の生徒指導のことを正直あまり考えてこなかったなという反省があり、まさに御指摘のとおりございまして、少しこの報告の中にそういった要素をもし入れるのであれば、それはまた座長と御相談かなと思います。その上で、今回審議まとめをおまとめいただきましたら、今後いろいろなアクションを取っていきますので、その中で、中学校の進路指導へのアプローチというのも考えていきたいなと思っております。
 長くなりましたが、以上です。
【荒瀬座長】  ありがとうございました。今の御説明、光富先生、よろしいでしょうか。
【光富委員】  ありがとうございました。
【荒瀬座長】  それでは、時乗委員、お願いいたします。
【時乗委員】  山手学院の時乗です。たびたび申し訳ありません。基本的にこのまとめ案を基にして、これからガイドラインや法整備をされるのだろうと思いますが、その際に、先ほどから何度もいろいろな方がおっしゃっていますけども、数字が独り歩きするような、そういう形ではない形でぜひやっていただきたいと思っています。
 この80人に1人という教員の数の部分もそうですが、例えば35単位時間を標準とした設計というのは、本当に「35単位時間」というのが独り歩きしてしまうと、今、技能連携制度を活用して学んでいる生徒だとか、あとは様々な通信制の柔軟な学びを活用して学んでいる生徒たちが、場合によっては学びにくくなってしまう可能性も出てくるのではないかと思っています。
 だから、具体的なガイドライン等に落とす際は、そういった通信制が持っている柔軟な学びを阻害するようなことがないということを第一優先に考えていただいて、丁寧な、そして慎重な議論を経て最終的なガイドライン等に落とし込んでいただければありがたいと思っています。
 今一番気になっているのは、本当に数字が独り歩きしないために、今後どういった工夫をしていくのか。そこが大きなポイントなのだろうと思っていますので、ぜひよろしくお願いします。
 以上です。
【荒瀬座長】  ありがとうございました。その辺り、皆さんも御意見同じではないかと思いながらお聞きいたしました。ほかにいかがでしょうか。
 では、森田委員、お願いいたします。
【森田委員】  よろしくお願いいたします。最後ということで、私も少しコメントのようなものになってしまいますが、述べさせていただきます。
 前回発言させていただいた内容を全て盛り込んでいただいて、まずは感謝しております。特に、データ収集が重要と発言した件、16ページに加えていただきました。また、研究の継続性については、荒瀬座長からも言及していただきました。これらの点は本当に重要だなと思っております。加えて、第三者評価の重要性についても加筆していただきましてありがとうございました。
2点コメントさせていただきます。1つ目は先ほどの光富委員のおっしゃったとおり、中学校でも本当に通信制について理解がない、これははやり年配の先生方がある程度、昔のイメージで進路指導をしてしまったりしている。それについては先ほど文科省の田中参事官のからも説明があったとおり、今後、改善が期待できるわけですけれども、やはり教員養成含めて、何かしらのアクションがあってもいいのかなとは思いました。
 2点目ですが、最初に大河原委員が述べたことに大変共感いたしました。また、先ほど時乗委員もおっしゃいましたけれども、ニーズを前向きな視点で捉えていく、通信制高校の可能性を阻害しないということも重要だと思います。ただ、対応が後手に回っている感は否めません。問題をどう対処するのかという点は非常に重要だと思います。冒頭に松田参事官補佐が述べてくださったとおり、通信制高校の生徒数は10年間で倍になったという報告がありました。ということは、次の10年でさらに倍になる可能性があるわけです。本当にそうなるかどうかは分かりませんけれども、そうしたときにどうするのか、どういう可能性があるのか、有識者の意見を踏まえて、先手を打って対策をしていくことが望ましいと考えております。
 高等教育の事例で申し訳ないのですが、大学ではメタバースの活用に着手する大学もでています。テクノロジーの進展について、ある程度状況をモニタリングしていくということ、決して止めるとか規制するとかいうわけではなくて、何かモニタリングしていくような仕組みというのは必要なのかなということを感じておりました。
 すいません、雑多になりましたけれども、以上となります。ありがとうございました。
【荒瀬座長】  どうもありがとうございました。後からまた御一緒に考えるといいますか、預からせていただいて、事務局ともまた相談し、日永先生とも相談しながらどういった文言を加えるのか、あるいはもう加えなくてよいのかといった判断はさせていただきたいと思います。
 大河原委員がおっしゃった、そして今森田委員もおっしゃった新しいニーズに対して、後手後手に回るんじゃなくて前向きに取り組んでいくというのは非常に今、我が国の子供たちといいますか、高校生諸君の学びということを考えたときに非常に重要な話であると思います。また、その辺りも含めて少し相談をした上で、最終的なものをまとめていくことができればと思いました。ありがとうございます。
 青木委員、お願いいたします。
【青木委員】  どうもありがとうございます。東北大学の青木です。
 会議全体への感想というのは、もしも後で時間があったらお話しいたしますので、素案に関し、素が取れた案に対して、意見を申し上げます。
 今、座長もおっしゃったように、どのぐらい加筆をするかということを考える必要があるのかもしれませんが、私としては今日お示しいただいた案で問題ないと思います。特に、加筆を求める意見を申し上げるつもりはございません。むしろ、これまでの意見をここまでおまとめいただいたことに感謝を申し上げたいと思います。ただ、タイプミスとかあるかもしれませんので、その辺は事務局と座長にお任せをしたいと思います。
 その上で、今申し上げたいのは独り歩き問題についてです。これについては、私は情報の出し手である行政と、それから、もしかしたら情報の受け手であるメディアに問題があるのかなとこの間考えてきました。さらに言えば、事業体であるそれぞれの学校にも問題があるように思いました。
 一番そういった情報の出し方や、報道の仕方に問題があって困るのはディマンドサイドである生徒や保護者であるわけなので、ここをとにかく何とか今後改善していくべきと思います。
 もう少し具体的に言います。文部科学省や所轄庁は、やはりそれぞれの学校がきちんとした情報公開をするように、インフラ整備や働きかけを今後積極的にしていくべきだと思います。そうすれば、自分が通おうとしている、あるいは通っている学校が80人、さっき出てきた指標で80人なのか40人なのか20人なのかというのは分かるわけですよね。それが今よく分からないという状態なので独り歩きしてしまって、報道のほうだって聞いていらっしゃる方、メディア関係いらっしゃると思いますけれども、「80」というのをただ流すのではなくて、それぞれの学校で何人なのかというのが、外れ値が何人なのかとか、平均値は何人なのか、中央値は何人なのかというのを調べれば分かるわけですから、そういうようなことをぜひお願いしたいと思います。
 その上でなのですが、先ほど学費のお話もありました。これも併せて申し上げておきたいと思います。やはり消費者というか、サービスの受け手の利益に関わることですので、とにかくその情報公開を、透明性を保ちながら、きちんと進めていくことが何よりも大事だと思います。そうしないと、過度な課金ビジネスになってしまうリスクだってあるわけですので、それをとにかく防がなければいけないということは大事なことだと思います。
 このまとめの中で出ていた質保証ですよね。卒業証書をもらうという活動なわけですから、出す事業体としてやはり質保証をしていくということ。それを促すというのがこの会議体のミッションだったはずなので、今後はそういうまとめを踏まえて、ぜひ文部科学省の方には今後ガイドライン等々の制度設計をしていただくことになるわけですが、その際に、学校や所轄庁とよくよくコミュニケーションを取っていただいて、単にガイドラインをつくりましたではなくて、つくった後も密接なコミュニケーションを取りながら、このまとめの思い、私どもの思いが少しでも実現していくように取り計らっていただければと思います。
 以上です。
【荒瀬座長】  ありがとうございました。大切な御指摘を頂戴いたしました。ありがとうございます。どう加筆するかしないかといったことも含めて、また、検討はさせていただきます。
 では、原口委員、お願いいたします。
【原口委員】  横浜修悠館、原口でございます。お願いいたします。
 日永委員、青木委員、お二人がおっしゃったことと、同様ですけれども、審議まとめに新たに加える必要はないと考えております。また今後審議まとめ、ガイドライン、仮称の自己点検チェックシートを全国の設置者、所轄庁の指導主事及び通信制高校の管理職等々に対して、文科省が伝達される際、ウェブ開催のオンライン会議でしっかりと御説明をいただきたい。そして、その際にできれば研究実践をしている通信制高校の事例発表も計画していただけると、全国の通信制高校に勤める教職員の資質の向上、能力の向上につながると考えております。ぜひ御検討ください。よろしくお願いいたします。
 これまで、日永委員も言ってくださっていた、やっと人的な部分に手がつくのかということ、それから、35単位時間は私も少し心配なのですが、この件は違法が続いている、不適正な学校運営をしている一部の通信制高校の在り方を是正するという視点でここに挙げられたと考えておりますので、十分だと思っております。
 以上です。
【荒瀬座長】  ありがとうございました。ほかにはいかがでしょうか、よろしいですか。
 今日、初めに申しましたように、最終回ということもありまして、もう十分言ったよとおっしゃる方もいらっしゃるかもしれませんが、最後に皆様から、お一人お一人から、これまでの議論に関するお話ですとか、あるいはこれからの通信制高校に対する期待であったりとかといったようなこともお話をいただきたいと思っておりますが、そちらに移らせていただいてよろしいでしょうか。
 これまでお話がありましたことを最終的にどういった形で加えるのか、あるいは加えないのかといったようなことも、私にお任せいただくということでよろしいですか。ありがとうございます。
 では、御了解いただいたということで最終的には判断をさせていただきたいと思います。いずれにせよ、もしも付け加えることがあったとしても、大きく変わるということはもうありませんので、基本的にこのまとめ案の状況に何らかの付け加えをするか、しないかといったようなことであると御理解いただければと思います。
 では、本当に最後でありまして、回数としては10回で、さらには間が少し空いたりもしましたが、何かこう一緒に考えてきた仲間という意識を私は持たせていただいておりまして、本当にいろいろと学びの多い会議であったと思っております。
 それを自己満足でたくさん学ばせていただきましたで終わってしまうんじゃなくて、これから本当に生徒たちにとって意味のある、我々の会議のこれからの方向性も含めたお話をこれから頂戴したいと思います。五十音順にお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 日永先生、最後にお願いするといたしまして、まず、青木先生、お願いいたします。
【青木委員】  青木です。ありがとうございます。
 まず、私自身はこれまで教育行政学の研究者として、国と地方の関係ですとか国の役割について主として研究してきました。その中で通信制高校というトピックは扱ってきていませんでした。ということで、荒瀬座長はじめ委員の先生方や事務局の皆様からお教えいただいて、資料提供いただいたものを勉強しながらこの会に参加させていただいていました。大変勉強になりましたし、勉強していくうちに、問題の本質についても理解することができ、幾つか私の意見もまとめに反映していただきました。改めてお礼申し上げたいと思います。
 その上でですが、やはりこれからガイドライン等々をつくっていくわけなので、激変緩和と移行措置というのが大事になってくると思うので、その辺については文部科学省の皆さんに期待をしたいと思います。
 今後の話なのですが、私はガバナンスの研究者ですので、どのようにしてきちんとしていくかみたいなことを主として話していたので、通信制高校の可能性についてあまり話しませんでした。これは傍聴の皆さんもそうお感じになっていたと思うのですが、私自身、個人的には通信制高校の可能性はとてもあると思っています。
 例えば、いろいろなデバイスや通信技術を使って、これまでの学校では十分活躍できなかったり、つらい思いをした生徒さんはよりよい教育を受けられる、非常に可能性のある学校形態だと考えています。そういうような可能性を花開かせるためにも、やはり研究が大事だと考えます。先ほどのガイドラインに関わる研究もそうですし、そういう可能性をより実現していくような研究も同時に必要だなと思っていますので、私なりにそういったものを応援したり、貢献できるようなことを今考えているところです。
 いずれにしましても、大変お世話になりました。ありがとうございました。以上です。
【荒瀬座長】  ありがとうございました。それでは、吾妻委員、お願いいたします。
【吾妻委員】  東海大学望星高校、吾妻です。本当にありがとうございました。
 いろいろな委員の方がそれぞれのお立場の中で様々な視点で御発言をされて、それを拝聴させていただいて、私も本当に勉強させていただいてよかったなという気持ちでございます。本当に感謝をしております。ありがとうございます。
 先ほどありましたが、例えば通信制の中で全日制と同じように35単位の教育の中身をどうしていくかとか、あるいは実際にどういう形で教員と生徒の関わり合いの中で、具体的にいろいろな教員以外の力も借りながら具体的に教育を展開していくのかとか、あるいは先ほど来ありましたが、中学生に対してどのような形で通信制という中身の理解をしていただくのか、それからもう一つ、審議会連合会の御発表もありましたが、いわゆる通信制以外の学校と、いかに一緒に教育活動を展開していくことができるのか。こういった様々な宿題をたくさんいただいて、これはもちろん文科省にもいろいろとお働きをいただくということも当然必要ですが、我々現場にいる高等学校の者がやはり宿題として受け止めて、こういったことをどのように展開をしていく必要があるのかということをやっていかなければいけないなというところを改めて感じさせていただいた次第です。
 本当にありがとうございました。以上です。
【荒瀬座長】  ありがとうございました。では、岩本委員、お願いいたします。
【岩本委員】  どうもありがとうございました。岩本です。
 最後、数字独り歩き問題に関して2点ほどと感想を一言というところです。私もその数字が独り歩きしてというのは気になるところです。ただ、やはり数字は数字で大事だと思っていますので、そのときに一つの数字だけが出歩くというよりは、私はこれからもっとその多様な数字、情報がきちんと公開をされて、一つの数字が出歩いてもそれにきちんと誰かが反証もしていけるというような、もしくはその背景も含めてきちんと伝えていけるということが健全な社会の在り方なのではないかと思っていますので、1点目は、青木委員も言われていましたけども、今後はある程度様々な情報、数字が通信制の中でなかなか見えなかったものが開かれていって、多様な角度で検証していけるという形で改善が全体で進んでいくというように、これを契機になっていってもらいたいというところが1点目です。
 2点目が、その数字の裏にある考え方とか理念とか背景がきちんと伝わっていくということが大事で、その理念の周知、浸透があって実行があって、その後モニタリング、フォローということが回っていくということが大事だと思っています。そのときに、今回の議論を通じて、私は所轄庁の役割というところが今後非常に今までよりもさらに重要になるものだということを今回実感したところです。
 当然、今後通知等の文書でやるだけではなく、オンラインも含めて、最低限所轄庁とか設置者、そういったところへの学び、研修を含めてしっかりと理念、考え方とかも含めて伝えていくところもそうですし、それを通じて対話的に今後のことを考えていくということが大事だということを思っています。特に所轄庁は異動も激しいですので、一回やったらそれでもう終わりではなく、私は継続的に所轄庁を含めて学び続けていく、情報を共有していく。国と所轄庁もしくは所轄庁同士が対話をしていく協働的な学びの機会をしっかりとつくっていくと。
 それによって、結果的に都道府県間の連携協力の体制みたいな話にもつながっていくと思いますので、そういったところはぜひ期待したいと思いますし、場合によっては、その研修とか学びのところの指導方法の見直しって今回も書かれて、記述式も含めてとかいろいろあったかと思いますが、今回通信制に関する学びのところはオンラインもオンデマンドも場合によっては添削とまでは言わないですが、そういう通信制で培われてきた学びのノウハウをふんだんに生かしながら、所轄庁や管理者、経営者含めてしっかりと学び合っていけるようなところは、今後しっかりと進めていっていただけるといいなというところが2点目です。
 最後、感想としては、私自身も今回の会が始まってから、通信制をもう一度学び直さなければと思って、一学習者としてある広域通信制の履修をしながら今どういうようにやっているのかというので、少しそういうことをさせてもらいながら、改めて課題もそうですし、可能性はやっぱり感じました。
 今回はそういう場じゃないということであまりその可能性の話とかというのは控えてきましたが、私、やはり通信制、今後の未来の高校教育を考えたときに非常にポテンシャルを秘めているもの、部分もあるというところですので、課題の改善は常にやりながらも今後未来の可能性の部分も併せてここで終わらせずにしっかりと議論、実証、検証、研究ということを重ねながら、しっかりとつくっていければと思います。これは通信制だけの話でなく、全日制等も含めて、高校教育全体のこの区分自体も含めてのものになり得るものがここにあると思っていますので、今後には非常に期待をして今回終わりにしたいと思います。
 どうもここまで本当にありがとうございました。
【荒瀬座長】  ありがとうございました。本当にこれから大事ですよね、いろんな形態の学びがあるというのは大事ですよね、ありがとうございました。
 大河原委員、お願いいたします。
【大河原委員】  ありがとうございます。弁護士の大河原でございます。この最終回に至るまで本当にどうもありがとうございました。
 私も荒瀬座長が先ほどおっしゃった学びが多かったという一言、乗っかるのは僣越なのですが、大変そのように思った次第でございます。もともと法律家という属性で参加しておりますので、どちらかというと、やはり問題のある高校をどのように適正化をしていくのか、質保証とか適法性、こういったところを中心に議論させていただくようなことを想定しておりました。そういう意味で、実際、第三者評価のことですとか、あるいは所轄庁の連携による適正化というようなところを具体的な報告書の内容に落とし込んでいけたことを本当によかったなと思っております。
 私自身は、もう一つ今回の会議の中で、特に今日を含めた後半においてお話のあった通信制高校のこれからの在り方というところがすごく私としても勉強になったし、もっと広めていきたいなと思ったところでございます。
 やはりもちろん全日制、それから定時制でできないようなことでなかなかなじめない生徒をケアしていくという意味での通信制高校の重要性というのは、昔も今も変わらないし、これからももっと重要になってくると思います。他方で、通信制だからこそできるいろいろな可能性というのもやはり大事にしていっていただきたいなとこの会議を通じて感じました。そういう意味で、先ほどの数字の独り歩きというのもありましたけれども、最低限、法律上あるいはガイドライン上、ここまではどこでもやらなければいけないということはきちんと数字として置きつつ、そこからは今私立の大学でも取り入れられていますけれども、ガバナンスコードのような形である程度ソフトなルールにしておいて、あとは各学校が説明責任を果たしていって、それをステークホルダー、社会の皆さんがどう評価するかというところをもって質の担保を図っていく、第三者評価等で質の担保を図っていく、こういった仕組みも考えられるのかなと思います。これからまたいろいろとこの通信制高校について検討が重ねられていくと思いますけれども、ぜひその辺りも御参考にしていただいて、進めていただければと思います。
 どうもありがとうございました。
【荒瀬座長】  ありがとうございました。では、篠原委員、お願いいたします。
【篠原委員】  NHK学園、篠原でございます。
 私は、今回この会議に初めて参加させていただきました。今はNHK学園高等学校というところの教育を担っている一員として参加しておりますけれども、これまではNHKという放送を通じて、あるいは番組制作を中心として教育というものを考えてきていました。
 その中で、私の中でのキーワードというのは教育格差の是正ということでありました。通信制高校というのは、そういうことができる一つの大きなチャンスを持っている学校形態だと思っています。今回といいましょうか、久しく広域通信制ということで、広域がずっとある意味ターゲットになってきていますが、私どもの学校も広域通信制でありまして、法にのっとってきちんとやっているつもりですが、一部にというふうになっているところで先ほどから出ているとおりその遵法ということと、その可能性を小さくしないということと、そこの両立ということはぜひ図っていただきたいと思っております。
 今回の審議のまとめで、私なりに今まではまとまったものを拝見してきたというところから考えていましたが、これまでと違うところで少しよかったなと思いますのは、日永先生の御意見もあったと思いますけれども、誰が何をすべきかということが極めて明確になっている素案になったのではないかなと思います。最後の一覧表も含めて、それが大変分かりやすく今までよりはなっているのではないかなと思いました。
 最後の「おわりに」も含めて、今後に向けて何をなすべきかということをきちんとまとめていただいて、これからにバトンタッチができているということもよかったのではないかなと思っています。
 いろいろな意味合いでまだ通信制高校というのは全日制・定時制と比べて様々なことについて認知度が低いですとか、中がよく見えないということがあると思いますが、一つは全日制・定時制を全ての物差しにするということで言うと、新しい令和の教育に向けてということで言えば、それだけの物差しではないであろうということがあると思います。ですので、その可能性ということで言えば、やはり高等学校という段階でどのような学びを終えて次のステップに行くべきなのかという、大変大きな高等学校論を基に次の通信制の在り方というものを考えるべきだと思いました。
 最後にその情報公開という意味合いでささやかなといいましょうか、もしかしたら大変かもしれない御提案ですけれども、通信制高校の情報公開というのは、それぞれの学校が実施していますが、今回いろいろなチェックシートですとか文科省さんが様々な観点からいろいろと指標を出していただくのだと思います。
 そのサイトをつくる際に、ぜひ通信制高校のポータルサイトと言っては大げさなのですが、そもそも通信制高校ってどのようなものなのかとか、どのような仕組みになっていて、先ほどのきちんとしたところを選ぶべきだと田中参事官がおっしゃってくださいましたけれども、それはどういうところを見ると分かるのかとか、何かどこまで踏み込んでいいかという問題はあるかもしれませんけれども、一般の生徒さんや保護者の方が、こんなようにして通信制高校を自分にふさわしいところを見つけることができるのかということが少し情報を得られるようなサイトができるととても素晴らしいなと思います。
 現状で言いますと、やはりいろいろな私的なプライベートなものが多いので、その情報の信憑性というところが担保されていない場合もありますので、そういうことを御検討いただけると大変ありがたいと思います。
 いずれにしても様々な御意見が出て、私も大変勉強になるいい時間をいただきました。本当に皆様ありがとうございました。
【荒瀬座長】  ありがとうございました。御提案もありがとうございます。
 では、時乗委員、お願いいたします。
【時乗委員】  山手学院の時乗です。本当に1年間ちょっとになるかと思いますけれども、ありがとうございました。会議の中でもずっと言っていたのですが、私もこれまで幾つかの通信制高校に関わってきました。その中で、基本的に私が通信制高校に対して持っている考え方は、一つはセーフティネットとしての機能というのをきちんと果たさなければならないということ、あともう一つは、新たな学びの場をつくり出すということです。
 全日制とか定時制とかいろいろな形で非常に窮屈な枠の中で回している学校に比べ、通信制高校はそういう窮屈な枠というのがある意味ない中で、いろいろな教育活動を展開しているので、そこから新しい学びの場をつくり出すことができる、そういう可能性を持った学校だと思っています。
最後に、「おわりに」の部分で書かれていますが、ぜひ通信制高校が発する新たな学びの場の在り方に関する研究や実証実験が様々な場で行われることを期待します。
 私の勝手な思い込みかもわかりませんが、通信制高校というのが本当の意味での未来の学校をつくり上げるための重要なファクターになっていると思っています。
今後、規制の枠とか制度とかそういったものに捕らわれない議論が行われ、通信制高校だけではなく、日本の高等学校が新しい一歩を踏み出せるきっかけが生まれることを期待しています。
 本当に1年間いろいろとありがとうございました。以上です。
【荒瀬座長】  ありがとうございました。では、原口委員、お願いいたします。
【原口委員】  横浜修悠館、原口でございます。私自身はこの調査研究協力者会議に6年にわたり参加させていただきました。非常に勉強になりました。
 この会議体は、平成27年、ウィッツ青山学園の不適切な学校運営に端を発するものでしたけれども、会議が進むにつれて、公立や狭域通信制高校においても、昭和23年から70年以上に及ぶ伝統的な通信制の学校文化には見直さなくてはならない部分が非常に多いということが分かり、実はそれらがどんどんこの6年間で改善されてきたことも事実です。
 1つ目としては、在籍していても学習活動をしない不活動生とか非活動生とか呼ばれている生徒への教員からのアプローチが断然増えて、実活動率が20%近く上がった学校があります。
 2つ目には、計画的、継続的なメディアの利用による生徒の状況に応じた実施、報告課題の作成をし、単位修得率や卒業率も非常に伸びてきています。それもこの会議での議論のおかげであり、会議体の中の審議まとめ、ガイドライン、前からありました自己点検チェックシートによるものだと考えております。新しいところでは令和4年、今年度から観点別評価によるレポートの改善も公立私立問わず好事例を先行する学校からの発信により、全国で実践されているのが実情です。現場としては、ここまで来たかという感じです。
 これまでの会議で、本当に我々の意見を誠意を持ってすくい上げていただいた文部科学省の担当者の皆様に心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
 会議はここで終わりとなりますけれども、通信制高校の教育現場では、令和の日本型学校教育の実現に向けた取組が続いてまいります。生徒一人一人の能力を最大限に引き出す教職員の工夫に満ちたガイドラインを守った形での教育実践がこれからも続きます。また、選ばれる通信制高校になれるように現場で頑張りますので、「おわりに」のところにある財政・人材等の支援を今後もよろしくお願いします。
 最後に、新しい通信制高校の在り方については、この先またぜひ別の会議体で研究実践モデル事業を伴って、行っていただければありがたいと存じます。本当にありがとうございました。
【荒瀬座長】  ありがとうございました。では、光富委員、お願いいたします。
【光富委員】  ありがとうございました。私も篠原先生と同じように初めてこの会から参加をさせていただきました。多くの委員の先生方から貴重なお話を聞かせていただいて大変勉強になりました。ここに参加させていただいたことに心より感謝申し上げます。
 そして、先ほど原口先生がおっしゃいましたけれども、文科省の担当の皆さん方が、本当に真剣に私たちの話に耳を傾けていただいて、そして「おわりに」のところにありますように、質の担保のために財政的なあるいは人材的な支援についてもまた考えてくださるということに関しまして、大変ありがたく思っています。ただ、すごく不安も実は正直あります。
 というのは何回も出ていますが、その一部の不適切な学校の在り方を何とかいい方向にということでいろいろな意見が出て、よりよい教育を実施できる学校をということで考えてはいっていますが、では生徒側から見たらどうなのだろうと。全日にも行けない、定時制にも行けない、そして本校は私学ですので、実は通信制も入試は取りあえずします。ですが、作文だけです。学習する気持ちを書いてきていいみたいな形なのです。
 このまとめの中にもありますけれども、長い子は小学校のときから不登校であって、高校で何とか勉強したいという思いがあって、入ってくる子供さんがいます。卒業させたらいいではなくて、しっかり力をつけて卒業させるということを考えたときに、やはりその人的な整備というか、スクーリングに出てくる日だけの支援では難しいので、それ以外のときに補習に出てきてくれたりすればいいですが、それも一人では登校ができない、親御さんの送り迎えでしか登校ができない、そうなるとオンライン。だけど、うちにWi-Fiの環境がないとか、そういうものを持っていないとかいう子供さんもいるわけです。だから、そういうしんどい子供さんにどう高等学校を卒業するという目標をかなえて将来へつなげていくかで、発達障害の子供さんもいますけど、その学習障害で書字障害、字が書けないという子供さんもいますけど、強迫性障害で書けない子供さんもいるんですよ。そうすると同じ支援では駄目だと私は考えていて、その子供子供に合った支援をどう展開していくかということになると、専門的な知識を持ったスタッフも必要になってくる。
 だから、教員の数、そして専門的なスタッフをそろえる。そうなってくると、やはり私学としては経済的なところが大変苦しい。それを助けていただけるということが少し分かっただけでも本当にありがたいなと思っています。
 本校は通信制と定時制がありますので、それを今のところをうまく利用して、1週間に1回学校に来ることから慣れて、補習をやって、2日、3日と増やしていって毎日行けるようになって定時制へ行く子供さんもいますけど、ずっと引き籠もっている子供さんもいて、オンラインとかを使って何とか支援をしたいけど、さっき言ったように経済的な理由でなかなか難しい生徒さんもいます。
 例えば、面接指導時間数の減免の制度で6割で、どうしてもやむを得ない事情があれば8割とかあるじゃないですか。だけど、そういうやむを得ない事情のある子供を助けるためのものを、それを悪用と言ったらおかしいですけど、誰かを救うためにやったものを違うような利用の仕方をするというところがやはりあって、本当に助けたい、何とかしたい子が助けられないという状況にならないように、今後も何かそういう視点を持ちながら、いろいろなことを考えていただけると私は大変ありがたいなと思っています。
 だから、表面的ないろいろな制度、整備を整えることは大事ですが、そこで学んでいる子供たちが行けていたものが行けなくなったとかということがないように、ぜひよろしくお願いをしたいと思います。
 以上です。ありがとうございました。
【荒瀬座長】  ありがとうございました。今のお話も数字の独り歩き問題と重なる部分があるように思います。本当に生徒の学びをどう支えるかということで、関係者が本当に真剣に考えなければならないなということを改めて思いました。ありがとうございました。
 では、村松委員、お願いいたします。
【村松委員】  ありがとうございます。島根県立宍道高校の村松と申します。1年間大変勉強になりまして、ありがとうございました。
 この審議まとめの最後の「おわりに」のところで、今後全ての関係者がそれぞれの立場で取組を進めていくことが必要という言葉が入っておりますけれども、この宍道高校は、地方にある公立の狭域の通信制高校でありまして、その立場でどういうことをやっていくかということをずっと考えておりました。
 先ほどの原口委員の御意見の中にもあったと思いますが、今、足元でやっている、それこそ学習指導要領の改訂に伴いまして、レポートやスクーリングの質の見直しということをようやく着手して少しずつ進めているところです。そういう地道なところから現状を変えて、より改善していく。この審議まとめにありましたように、例えば35学習時間というようなことも、教員にとっては少し衝撃的になるかもしれませんが、でもその目指すところは生徒の学びの質の保証や、あるいは制度の充実であるということをまた一緒にやっていく教員にも伝えていきながら、足元のところからまず一歩一歩やりたいと思っております。
 あともう一つ、生徒への支援の体制のお話が出まして、日永委員の言葉にもあったように、その部分は設置者においてはと明記をされたということで、これは私個人大変うれしかったことなのですが、ただその設置者が、そういう体制を進めていくのに、まずは学校が設置者に対していろいろな現状の課題とか喫緊の課題をしっかり発信して共有していくというところが、まずはスタートラインかなということも思っております。
 スタッフなのかあるいは教員の数なのかということもありましたけれども、各学校の最も優先的に対応を必要とする課題というのは多分それぞれにあって、それぞれの中でまず設置者とその部分が共有されて、学校も積極的に発言をしながら体制ができていくと、よりその生徒一人一人の実態に合った形になっていくのではないかと思っております。
 最後ですが、最後のところで新しい学びの場といいますか、そういうお話も出てまいりました。公立の高校として新しい学び、通信の新しい学び、どんなふうにできるかなと。ただ現実としては、様々な課題や支援を必要とする生徒への対応で手いっぱいというのが現状ではありますけれども、ただ、少なくとも定時制と通信制を一体にして同じように捉えてしまうということではなくて、やはり定時制と通信制の学びのスタイルは違いますので、その通信制の学びのスタイルの特徴や良さを生かすということで、通信制にはしっかり焦点を当てていくといいますか、そういう議論がまたこの県内のところでもできていきたいといいますか、そういうことも実現していきたいということも考えました。
 今回初めて参加させていただきました。力不足でなかなか貢献できなかったことを申し訳なく思いますが、大変多くのことを学ばせていただきました。ありがとうございました。
【荒瀬座長】  どうもありがとうございました。
 では、森田委員、お願いいたします。
【森田委員】  ありがとうございました。簡潔に述べたいと思います。
 まずは文部科学省の皆様、本当にすばらしいまとめ、ありがとうございました。こんなにすばらしいまとめはあまり見たことがないぐらいの、すごくいいものだと私は思っております。頭が下がります。
 それでコメントとしまして、私は、本当にこういった通信制高校の現場の関係者の方が多くいらっしゃる中で、役割としては、教育工学の研究者としての立場からコメントさせていただいておりました。
 例えば、オンライン授業は20年ぐらい前から始めて研究していますし、通信制のコースがあるので、対面の授業も、それから通信制も両方持つ学部なものですから、大学の通信制コースの実践としては15年ぐらい関わってきて、そういった経験も踏まえての発言などをさせていただいていたところもあります。決してテクノロジーが万能とは思っていませんし、対面授業の重要性も非常に重要だと思いつつも、そういった観点からのコメントがあったことをどうか御理解いただければと思います。
 最後、本当に先生方が最後おっしゃってくださったとおりだなと思って聞いておりました。先日、不登校の生徒を中心とした通信制高校の取組がテレビで報道されていて、非常にいい学びを得たなと思っていました。例えば在籍が3年から8年、時間割は自分でつくる、それから担任がいないといったフレームでしたけれども、いわゆるこれまで画一的な教育制度のような中で、先ほど窮屈な全日制というお話もあったと思いますが、大学進学を目指すような中で、自分の居場所に苦しんでしまった生徒さんたちのこうした才能を大事にできるような通信制高校が新たに検討できれば、本当に幸いだなと思っています。
 また、第三者評価が今回取り上げられまして、非常に重要性が語られましたし、また、グッドプラクティスですかね、そういったいい高校の取組、これまでのいい部分などの紹介も通じてやはり認知度を上げていくということ、こういったものがこの会を通じて何かしらスピンアウトした形で起こっていくのが期待できるところかなと感じておりました。
 私からは以上です。
【荒瀬座長】  ありがとうございました。では、日永委員、お願いいたします。
【日永座長代理】  山梨大学の日永です。よろしくお願いします。
 2013年に委託事業で、通信制高校のことについて研究をさせていただいたことがきっかけで、なぜそのときに僕に声をかけていただいたのか、採択していただいたのかということもなかなかよく分からないまま、ただ自分自身、大学の第三者評価機関に大学に着任する前に勤めていて、そのときに通信制教育の基準をつくることに少し関わらせてもらっていたりとか、いろいろなものが基にあるんだろうと思います。そのようにただ単に長く、何となく本格的な研究をしているわけでもなく、横でウォッチャーのように見てきた者が副座長の役までやらせていただくということについては、本当に申し訳ないぐらいの感じを持っていたところです。
 他方で今回、委員構成が前回の会議体と異なって、所轄庁関係者がぐっと減って、高校の現場で実際に生徒たちと向き合っていらっしゃる方が増えました。実は最後なので正直に言いますけれども、せっかくこれから所轄庁改革に手をつけるぞというときに何でだろうということを初回に思いました。
 しかし、結果としては、実際に教育に関わってくださっている方の言葉の重さ、そこから所轄庁は何をすべきかということを改めて考えることができたと思っています。また、高校の先生方以外にも、今森田委員からもありましたが、それぞれの専門家がここに集まって、多様な観点から議論ができたなということはすごくよかったと改めて思っています。
 特に今回のまとめについては、これまでも何度かお話ししましたが、幾つかこれまでの文部科学行政にちょっとした石を投げることができたのではないかと思っています。
 一つは、質の保証をするということに当たって、どちらかと言えば、アウトカムベースの質保証ばかりが言われていたこの20年余りの中で、改めて今日も議論になりましたが、インプットのところの条件整備と、学習の設計ということで皆さん納得してくださった。要は、プロセスの部分についてもしっかり考えようよ、そこが質保証ではやはり大事でしょうということが、ある程度書き込めたのかなというのが一つ。これは私自身すごく大きかったなと思います。
 もう一つは、広域通信制高校がベースになっていたということもあって、都道府県を越えた広域行政について、青木委員が以前、今さら文科省が手を出すものでもないでしょうということをおっしゃっていたと思うのですが、新たな広域行政の在り方みたいなことについても、今回都道府県が連携をするという仕組み、そのときにただ連携するだけではなくて、関係者の研修をやりましょう、最後、ポータルサイトもつくっていきましょうと。実際に今サテライト校については、ポータルつくろうという話になっていますけども、大学段階ではそれぞれの大学のいろいろな情報を一覧で見るというポータルサイトを国でつくっておられる。
 やはり消費者保護をしていくという中では多分サーティフィケーションミルをそのまま野放しにしていていいという話では決してないと思います。子供たち一人一人がしっかり学んで、それぞれの個性とか能力に応じて高校教育をしっかり受けて卒業できるという質を担保していくということが必要なのだろうと思います。その上では相当きめ細かいことを、しかも最先端のICT技術も使いながら、学校の先生方がまずはしっかり授業を設計していただくという言葉が最後入ったというのは改めてよかったと思います。
 本当に皆さんのそれぞれの発言で、私もすごく学ぶことがありました。高校の先生方は意外と通信制高校のことを御存じないのですが、そのような先生方を前にお話しする場で皆さんの発言を基に自分の話をすると、皆さんやはりすとんと了解してくださるということもありました。そういう意味では非常に貴重な場に参加させていただいたなと思っています。もちろんこういう議論を支えてくださった文部科学省の事務の担当の皆さんには本当に頭が下がるばかりです。
 以上です。長くなりました。ありがとうございました。
【荒瀬座長】  ありがとうございました。日永先生には副座長として本当に支えていただきまして、ありがとうございました。
 最後に私からも一言ということではありますが、皆さん、本当に言葉を尽くしておっしゃってくださいましたので、特段申し上げることはないのですが、令和答申に関わったことから申し上げますと、令和答申は、それこそコロナで学校に来られないときにも、子供たちが自立した学習者として学びを続けることができるように学校が支えていたか、学校のみならず、子供たちを見守っている大人たちがきちんと支えられていたかという問いかけをしています。
 目指すべきところは、自分で考えて自分で判断して自分で行動できる、そういう大人に育てていくということであって、そのために学ぶということがプロセスとして必要になってくるということで、学びはずっと続くわけでありますけれども、自立は相当幅がありますけれども、自立した学習者をどう育てていくのかというところに、学校の設置者も教職員も、これは校長はじめそうでありますけれども、当然のことながら文科省も所轄庁もみんな責任を持っている。それぞれがその役割をどうきちんと果たしていくかということが非常に大事なことであると思っています。そういうことを改めて考えることができた会議であったのではないかと思っています。
 今日は時間に余裕を持って進められましたけれども、いつも発言をしていただく際に、いろいろとお気遣いをいただいたことかと思います。生徒の学び、しかもその一人一人のこういう条件が違う生徒の学びを充実させていくにはどうしたらいいのかというお立場から、しかも様々な御専門のお立場から御意見をいただきましたことに心から感謝しますし、皆さんおっしゃっていましたけれども、事務局をやっていただいた皆さんにも本当に心から感謝申し上げます。
 一つだけ、さらに申し上げておきますと、このオンラインの技術力というのも格段に一回目からは進歩しておりまして、最初のうちは声が十分聞こえないとか画像がしっかり見えないとかいろいろありましたけども、今日は大変安定した状態であったのではないかと思います。ぜひ今後の会議にも、この技術力を生かしていただけるといいのではないかなということを思いました。本当にありがとうございました。
 実は本日、初等中等教育局の伯井局長が先ほどから来てくださっていまして、我々の議論を聞いてくださっていました。伯井局長からお言葉、お願いしたいと思いますが、よろしくお願いいたします。
【伯井初等中等教育局長】  初等中等教育局長の伯井美徳でございます。一言御挨拶をさせていただきます。
 「『令和の日本型学校教育』の実現に向けた通信制高等学校の在り方に関する調査研究協力者会議」の委員の皆様方におかれましては、昨年9月から本日まで、第10回ということですけれども、御多用の中、非常に充実した活発な御議論をいただきまして、誠にありがとうございました。
 荒瀬座長におかれましては、平成28年及び令和元年に設置した本会議の前身となる調査研究協力者会議においても座長を務めていただきました。また、同じく前身となる会議から引き続き御参画をいただいている委員の方々もいらっしゃいます。長きにわたり、通信制高等学校における教育の充実のための議論を深め、重要な御提言をいただきましたことに感謝を申し上げる次第でございます。
 本会議におきましては、通信制高等学校における指導方法、指導体制、質保証の方策、所轄庁の在り方等について御議論をいただきました。この中では、教員の配置について「差し当たり、少なくとも生徒数80人当たり教諭等が1名以上必要」という基準の必要性への言及や、国において設置認可基準の策定内容の標準例を示すことなど、通信制高等学校の教育の質確保・向上に向けて大きく前進する御提言をいただけると考えております。
 文科省といたしましては、今後、本調査研究協力者会議の「審議のまとめ」を受けまして、また、審議の中で本日も含めていただいた御意見を踏まえながら、詳細な制度設計、あるいは関係者の皆様への周知を含めまして、諸施策の充実、実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
 皆様、先生方には今後ともそれぞれのお立場から引き続き御指導いただきますようお願い申し上げまして、簡単でございますが、閉会に当たりましての私からの御礼と御挨拶とさせていただきます。
 本当にありがとうございました。
【荒瀬座長】  伯井局長、ありがとうございました。
 それでは、この調査研究協議者会議の全てをこれで終了したいと思います。
 繰り返しますが、最後、どのような形で文章の修正を行うか、あるいは行わないかといったことはお任せいただきましたので、私と日永副座長、そして事務局との間で検討いたしまして、判断させていただきたいと思います。
 全10回にわたりまして、精力的かつ大変誠実な御意見を賜りましたこと、改めて心からお礼申し上げます。それでは、終了いたします。ありがとうございました。
 
―― 了 ――

発信元サイトへ