法務省・新着情報

法務大臣閣議後記者会見の概要

令和4年9月16日(金)

 今朝の閣議において、法務省案件はありませんでした。
 私からは、1件報告があります。
 先の火曜日の会見でも申し上げましたが、9月13日(火)、名古屋入管の施設を訪問して、職員とも意見交換等をしてまいりました。まず、報告書及び改善策が出たわけですけれども、名古屋入管において、どのような改善策が行われているかということも、私も点検させていただき、真剣に取り組んでいるという状況を見て取ることができました。そして私からは、使命感と緊張感をしっかりと持続させていただきたいということと、法の執行と人権の尊重を両立させるように、しっかりバランス感覚を持って仕事に当たっていただきたいということを、指示をしてまいりました。
 今後、現場の取組を踏まえて、先般の会見でも申し上げましたけれども、入管法改正に必要な事務的な検討を更に加えて、速やかに検討を終えた段階で、国会に提出させていただきたいと思っています。

ウクライナからの避難民への対応等に関する質疑について

【記者】
 ウクライナから日本に避難してきた方々への支援の関係で伺います。身寄りのない避難者への支援の期間を半年から1年に延長することが決まりましたが、これまでの半年間を振り返っての課題や、今後どう取り組んでいくか教えてください。
 また、アフガニスタンやミャンマーなどから避難してきた人たちに対しても、同様に支援するべきではないかという意見もありますが、大臣はどのようにお考えでしょうか。

【大臣】
 半年から1年に延長させていただいたわけですけれども、当初、ロシアによるウクライナ侵略がどれぐらいの期間、長期化するのかどうか分からなかったということで、6か月という期間を設定しましたが、今般、相当長期化するのではないかという情勢も踏まえて、1年に延長させていただきました。課題と取組ですが、まずは避難民の方々のニーズを的確に把握することが必要だと思います。そして、それぞれの各自治体において、色々な形で受け入れていただいていますが、その自治体との情報共有をより的確に進めていかなければならないと考えています。
 アフガニスタン、ミャンマーとの違いですが、一概にウクライナと他の国を同列に比較することはなかなか困難です。といいますのは、ウクライナは、その国において、その国の政府が何らかの迫害行為を行っているということではなく、他国からの侵略という非常事態的な状況の中で避難をされ、さらに、避難民の受入れというのも、G7やEU諸国等との国際協調の中で受け入れているということもあります。いずれにしても、ウクライナの危機的状況ということを考えますと、これを他の国からの難民申請の方々と全く同列に論ずるということはできないのではないかと思っていますので、まずはウクライナについて、このような支援措置を継続させていただいているということです。

名古屋入管への視察に関する質疑について

【記者】
 名古屋入管への視察に関してお伺いします。入管法改正の話もありましたが、具体的に視察をされてみて、「こういった部分は改正をしないと改善ができない。」と思われたところはありますでしょうか。

【大臣】
 しっかり精査をしていかなければならないところがありますが、長期収容の方で、護送官付きの強制送還をしようとしたけれども、直前に難民申請をされてしまって送還することができなかった。これは確か7回目ということでしたが、そのような例も、色々と聞かせていただきました。それから、やはり入管の中の色々な収容の形の決まりというのが、どうしても入管法は古い法律ですので、あまり法律上はかっちりとしていません。これは現場に対する負担をかえって逆に高めているのではないかという印象も受けました。いずれにしても、色々な論点を踏まえて、検討を更に進めて、速やかに提出できるように、我々も作業を進めていきたいと思います。

【記者】
 先ほど名古屋入管の視察の御感想を述べられた中で、「収容の形が入管法という法律でかっちりとしていなくて、それが現場の負担を高めているのではないか。」という話がありましたが、それは、何度も難民申請する人を送還できないということについて、それが現場の負担になっていると感じられたという文脈でしょうか。

【大臣】
 そうではありません。そちらもです。何回も難民申請する方も現場の負担になっています。護送官付きの強制送還というのは、ものすごく準備が必要で、それが直前になって、準備をしていても全くそれが無駄になってしまうと言うと語弊があるかも分かりませんが、負担になっていることは間違いありません。ただ、やはり感じましたのは、医療の関係にしても収容の関係にしても、今回改善を図りましたが、しっかりとマニュアル化をして、決まりとして「こういう形がより良いのではないか。」ということを、法律の段階でも、あるいは内部規則の段階でもしっかり提示してあげるということが、現場だけの判断で「あなた判断してくれよ。」ということになりますと現場の負担になりますので、二つを並列で申し上げたわけです。

【記者】
 同じく名古屋入管の関係で、医療体制の強化を図られてきたと思いますが、例えば常勤医師の確保という観点から、名古屋ではまだ確保できていないと思いますが、今後どうするか教えていただけますか。

【大臣】
 常勤医師の確保につきましても、残念ながらまだ名古屋では常勤医師が確保されている段階ではありません。それでも、できるだけ広く、非常勤の医師を募るようにしています。先日もお話ししましたが、牛久においては何とか常勤医師を確保することができました。今後更に、前回提出した法律の中にも規定がありましたが、刑務所における医師の確保についてはもう既に大分前に法律を通させていただきましたが、そういったものを参考にしながら、入管施設における医師の確保ということを、つまり我々がバックアップするということだけではなくて、例えばあのときは、フレックスタイム、あるいは兼業してもよいという形の制度改正を行ったところですので、そういったものを参考にしながら、できるだけ医師を確保できるように努めていきたいと思っています。

特定少年への判決言渡しに関する質疑について

【記者】
 福島地裁が強盗殺人の罪に問われた19歳の男に無期懲役の判決を言い渡しました。被告人は4月の少年法改正後に、起訴段階で実名が公表された特定少年です。特定少年に無期懲役の判決が下されたことについて、受け止めがあれば教えていただけますでしょうか。

【大臣】
 個別の裁判のことですので、裁判の結果について私がコメントする立場にはありませんが、少年法の策定段階で私も自民党の中のプロジェクトチームに入りまして、主要な立場で少年法改正に当たらせていただいたところですけれども、特定少年の制度、つまり18歳、19歳については、「民法上成人なのだから少年法の適用をなくしてもよいのではないか。」という議論もありました。ありましたが、やはり、18歳、19歳、それから前の会見でも申し上げましたが、おおむね26歳より下の若年の成年については、相当可塑性も高いということで、少年法の適用年齢を下げるのではなく20歳と維持しつつも、やはり被害者感情等々を考えて、特定少年については刑事事件として起訴された段階では、実名報道もしてもよいというような形での、そのバランスの中で作られた法律です。個別の事案については、先ほど申し上げたとおり、個々の裁判体の判断ですので、私からコメントする立場にはありませんが、そういった中で少年法の運用が適正に行われていくことを、私も期待しています。

資産公開に関する質疑について

【記者】
 本日夕方に発表となります閣僚の資産公開についてお尋ねします。発表前の質問となり恐縮ですが、今回の御自身の資産について大臣はどのようにお感じになられているか、また、資産公開制度そのものの意義や在り方についてどのようにお考えになられるか、お聞かせください。

【大臣】
 後者ですが、公職にある者が清廉さを明らかにする、更には国民に対して透明な形で情報を提供するということで、信頼を高める、確保するという意味があるのだろうと思います。私自身の資産について、どう表現したらよいのかというのは極めて難しいですが、前に政務三役をしていたときも、同様の資産公開をして、そのときに「株が多いですね。」というようなお話を承ったことがありますが、それは実は私の実父から相続したもので、私が株の取引を専門にやっているということではありませんので、そのことだけ申し上げておきたいと思います。

(以上)

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