厚労省・新着情報

労働基準局安全衛生部計画課

日時

令和4年8月2日(火)14:00~16:00

場所

対面及びオンラインにより開催
(AP虎ノ門)
(東京都港区西新橋1-6-15 NS虎ノ門ビル11階)

出席者

【会場】
○公益代表委員
城内博(分科会長)
○労働者代表委員
小菅元生、佐藤和幸、中村恭士、門崎正樹
○使用者代表委員
鈴木重也、増田将史
(五十音順、敬称略)
○事務局
美濃芳郎(安全衛生部長)、松下和生(計画課長)、釜石英雄(安全課長)、石川直子(労働衛生課長)、安井省侍郎(化学物質対策課長)、中村宇一(産業保健支援室長)、樋口政純(調査官)
 

【オンライン】 
○公益代表委員

熊﨑美枝子、髙田礼子、原俊之
○労働者代表委員
袈裟丸暢子
○使用者代表委員
天沼陽介、及川勝、出口和則、中村節雄、矢内美雪
(五十音順、敬称略)

議題

(1)第13次労働災害防止計画の主な目標に関する令和3年(2021年)実績(報告)
(2)「経済財政運営と改革の基本方針2022」等について(報告)
(3)化学物質管理者の養成講習の内容及び化学物質管理専門家の要件(厚生労働大臣告示)について(報告)
(4)定期健康診断実施結果報告等の再集計結果について(報告)

議事

議事内容

○城内分科会長 皆さんこんにちは。お暑い中、お忙しい中、御参集いただきまして誠にありがとうございます。定刻となりましたので、ただいまから第148回労働政策審議会安全衛生分科会を開催いたします。本日は公益代表委員の砂金委員、水島委員、山口委員、労働者代表委員の勝野委員、佐々木委員が欠席しております。
本日は感染症の防止対策として、対面及びオンラインの併用により開催することとしていますので御承知おきください。カメラ撮影等についてはここまでとさせていただきますので御協力をお願いします。まず、事務局からオンラインによるZoomの操作方法等について説明をお願いします。
○計画課長 計画課長の松下です。よろしくお願いいたします。まず、Zoomの操作方法の説明をさせていただく前に、事務局側において人事異動がございましたので、この場をお借りして新メンバーの紹介をさせていただきます。5月23日に持ち回りにより分科会を開催させていただきましたが、その際には御挨拶ができていなかったため、4月1日以降に着任した者をまとめて紹介させていただきます。
まず、安全衛生部長の美濃です。続いて、労側委員に近いほうから御紹介をさせていただきます。化学物質対策課長の安井です。続いて、安全課長の釜石です。続いて、計画課調査官の樋口です。続いて、労働衛生課長の石川です。続いて、産業保健支援室長の中村です。最後に、計画課長の松下です。改めまして、どうぞよろしくお願い申し上げます。
それでは、Zoomの操作方法を御説明いたします。本日はハウリング防止のため、御発言されないときにはマイクをオフに設定していただくようよろしくお願いいたします。また、オンライン参加の委員の先生方が御発言される場合においては、御発言がある旨をチャットに書き込んでいただき、分科会長から指名がありましたらマイクをオンに設定していただいた上、氏名をおっしゃってから御発言をよろしくお願いいたします。
このほかに、進行中に通信トラブルなどの不具合がございましたら、チャットに書き込んでいただくか、又は事務局へメールにて御連絡をお願いいたします。以上です。
○城内分科会長 それでは、議事に入ります。議題1、第13次労働災害防止計画の主な目標に関する令和3年(2021年)実績(報告)に関して、事務局から説明をお願いします。
○調査官 計画課調査官の樋口から説明いたします。お手元の資料1を御用意ください。第13次労働災害防止計画については、今年度が5年目になりまして、今回、御報告しますのは昨年の4年目までの実績報告です。
2ページです。災害防止計画は大きな2つの目標を立てております。まず、死亡災害については、2022年までに15%減少させるという目標に対して、4年目の2021年の実績については867人ということで、2017年比で-11.3%。新型コロナ感染症へのり患によるものを除いた死亡では778人、-20.4%となっております。死亡についてはマイナス傾向ではありますが、けがの死傷災害については、2022年までに5%減少させるという目標に対して、2021年については増加の約15万人という結果で、新型コロナウイルス感染症へのり患によるものを除いたとしても、約13万人ということで+8.4%という結果です。
次の3ページに経年変化のグラフを示しております。死亡災害についてはマイナス傾向ですが、死傷災害については、死傷者数のほうでも増加傾向です。千人率のほうでも増加傾向ということになっております。
4ページ、業種ごとの目標も立てており、死亡災害については、この資料の上から3つになりますが、建設業、製造業、林業でそれぞれ15%ずつ減少させるという目標に対して、4ページの中ほど、2021年実績という欄の数字となります。いずれの災害についても、後ほど経年変化のグラフが出てきますが、マイナス傾向です。ただ、一方で、下の4つになりますが、陸上貨物運送業、それから第三次産業の3業種、いずれも千人率ベースで減少させるという目標に対して、いずれの業種も増加傾向という結果です。
5ページは労働衛生関係の目標ということで、職場に仕事の不安等の相談ができる窓口がありますという労働者の割合を9割にするという目標に対して、2021年の実績については70.3%。メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業場の割合を8割にするという目標に対しては59.2%。最後の所、ストレスチェックを実施していただいた事業場を母数として、その結果を集団分析して活用した事業場の割合を6割にするという目標については、63.2%という結果が出ております。
6ページです。化学物質の関係で、メーカーのほうに、試薬を売るときにラベルを付けていただく、SDSを交付いただくという目標について、いずれも8割を目標にしており、2021年の4年目の実績については、ラベルが69.9%。SDSのほうが、若干足りませんが約8割という状況です。腰痛については、先ほどの全体の災害の傾向と同様、第三次産業、陸上貨物それぞれで減少を目指すという目標に対して、千人率についてはプラス傾向になっているという状況です。熱中症については、5年間で92人以下に減少させるという目標について、4年目の実績の時点の累計で95人ということで、こちらも目標達成は困難という状況です。それぞれの指標の状況は、今、お話ししたとおりで、計画に基づいた取組の実施状況というのは7ページ以下になります。全体のボリュームが48ページありますので、今回はポイントだけ御説明させていただきます。
7ページは、建設業の経年的な災害動向ということで、一昨年に比べると、死亡災害は増加になっておりますが、経年変化の4年の変化ということではマイナスで下がっております。8ページです。13次防期間中のこれまでの取組については、昨年御報告した一昨年までの取組を引き続き継続しておりますので、詳細な説明は割愛いたします。8ページの下の所に実績に対する分析というものを今年新たにつけております。死亡災害全体の傾向は先ほどお話ししたとおりなのですが、その内訳を見ると「墜落・転落」で4割を占めているという状況で、数的には減少傾向があるものの、木造家屋建築工事等での「墜落・転落」が5割を占めている状況です。一番下の行にある30人未満での事業場での死亡災害が全体の約84%ということで、まだ、中小企業の取組が若干遅れているところがあるといった分析になります。9ページは、今お話ししたような事故の型別の資料で、同じく死傷災害のほうでも「墜落・転落」が最も多いという結果になっております。
10~13ページについては、一人親方、個人事業主の死亡災害の状況ということで、資料をお付けしております。参考に、後ほど御参照いただければと思います。
14ページです。製造業の死亡災害ということで、こちらについては先ほどお話ししたとおりで137人とマイナスで来ております。15ページ、これまでの取組については、一昨年までの取組を昨年も継続しているので、説明は割愛いたしまして、実績の分析の所については、16ページを御覧ください。死亡災害、死傷災害の型別の災害を掲載しております。事故の型別ですが、死亡災害については、「はさまれ・巻き込まれ」が令和3年については最も多いところです。また、けがのほう、死傷災害について業種別に見ると、食料品製造業が、今、最も多いということが傾向として出ております。
17ページは、林業です。こちらについては、過去最少30人という結果となっております。18ページ、これまでの取組の所は、一昨年までの取組を引き続き継続いたしております。19ページです。死亡災害の事故の型ということで、「激突され」が15人ということで、こちらが50%を占めている状況です。けがのほうの死傷災害についても、割合は若干違いますが、「激突され」が一番多かったという状況です。死亡災害については、今お話ししたようにマイナス傾向ではあります。
20ページです。陸上貨物運送業について、けがを千人率で減少させるという目標について増加傾向にあり、下のほうにグラフを掲載しております。21ページです。そういった災害が増えているというところもあり、これまでの取組の所の、キの所に下線を引いておりますが、トラックからの荷揚げ荷卸しの際の災害防止の強化の検討ということで、今、陸災防さんと我々で共同して検討を進めております。荷揚げ荷卸しというようにお話ししましたが、21ページの分析の所を御覧ください。死傷者数が増加傾向で「墜落・転落」の事故が約27%と最も多く占めております。今、トラックからの荷揚げ荷卸しの災害が増えているという状況を踏まえて、検討会を立ち上げております。後ほども資料で出てきますが、宅配便の取扱いの個数等が増えていて、そういった影響もあるのかもしれないという分析しております。22ページに、今お話ししたような事故の型別の数字も掲載しておりますので、参考に御参照ください。
23ページです。第三次産業の3業種はいずれも災害増加傾向ということで、経年変化を載せております。小売業と社会福祉施設については、事故の件数、千人率いずれも増加傾向ということです。飲食店については、災害の件数自体はマイナス基調、新型コロナウイルスにり患された方を除くとマイナス傾向ですが、千人率では増加になっているという状況です。24ページです。そういった災害の増加傾向を踏まえて、これは今年度の取組ではありますが、転倒災害の取組の趣旨に御賛同いただいた会社や企業を応援する取組ということで、「SAFEコンソーシアム」を、それから、関係者が集まった機運の醸成ということでの協議会を開始いたしております。併せて「エイジフレンドリー補助金」についても引き続き実施しているところです。これまでの取組の第三次産業のキの所に下線を引いておりますが、転倒防止・腰痛予防対策の行政検討会、こちらの検討会において、転倒防止・腰痛予防の検討を別途で行っているところです。24ページの昨年の取組ということで、転倒予防の日を転倒予防学会で制定されていて、10月10日に合わせて関係機関とも共同しながら広報等を実施しているところです。
26ページです。この増加傾向の所で、一部推察も交えてはいますが、少し分析を詳しく記載しております。高齢化による影響ということで、後ほど資料に出てきますが、60歳以上の労働者の割合の増加に伴って、その年齢層の死傷災害も増加しているところです。また、第三次産業、特に社会福祉施設等で求人が増えているのですが、そういったところの人手不足等のところで、労働移動にともない業務経験の少ない方の災害、それから転倒・腰痛等の行動災害が増加しております。また、陸運については下のグラフに記載していますが、青のほうが死傷災害で、赤の所が交通労働災害を除いた死傷災害ということで、交通労働災害の影響を除いても増加傾向が同じということで、やはり先ほど「墜落・転落」というお話もしましたが、物流の増加に伴う荷卸し、荷揚げの機会が増えたことによる災害も増えているのではないかと思います。ちなみに、事故全体の傾向ではありますが、業務の経験年数が1年未満の業務災害の割合が大体3割ということで、1年未満の方はけがをしやすいという傾向があります。
27ページです。こちらは新型コロナウイルスの影響についても分析しております。まず、新型コロナウイルス感染症にり患された方というのは、先ほどもグラフ等々で出てきておりますが、それ以外でも、上から3つ目のポツを御覧ください。生活スタイルの変化に伴う影響ということで、後ほど飲食店の災害動向のグラフも出てきますが、デリバリーが増えたことによって交通事故等が増えているところもあります。それから、何度かお話ししましたが、宅配便の取扱個数が増えております。2021年の実績だと、国交省の統計ですが、48億個という数の個数の取扱いがされていて、2020年の一昨年比では3.8%、2019年比の2年前の比較では13%と、1割ぐらい荷運びが増えている状況もありまして、こういったところも影響している。あるいは、先ほどもお話しましたが、27ページの一番下の、業務経験が短い方の災害も増加傾向にあるところで、お仕事に慣れないところでの事故も増えているのではないかなと分析しております。
28ページの所に参考で資料を付けております。左側が雇用者数ということで、60歳以上の雇用の割合が増えていて18%ということなのですが、それ以上に、右側のほうですが、高齢者の災害に占める割合というのが、例えば、昨年ですと25%ということで、雇用者数の割合以上に、高齢者の方の災害が数としては増えているという状況です。29ページです。左側の千人率のグラフを御覧ください。業種によって若干違いはありますが、若年の方や高齢層の所で大きく分けると、2つの山があるのが分かると思います。経験年数が短い方や高齢者の方がけがを負いやすいという傾向も、こちらから見て取れるところです。30ページの所が年齢別の千人率を事故の型別に分けたものです。「転倒」や「墜落・転落」等については、右側の年齢の高い方がけがをしやすい、けがをされている数の割合が多いという傾向があります。それから、「動作の反動・無理な動作」の所は、年齢によらずということかもしれませんが、いずれの層でも腰痛等が発生している状況です。「はさまれ・巻き込まれ」については、若年の方にもピークがあるということで、業務経験に慣れない方等で災害が起きているという特徴があります。
32ページです。飲食店の災害について分析したものです。1年未満の方が、左側のグラフの青の棒で書いている所なのですが、「切れ・こすれ」や高温のやけど、そういった調理場でのけが。右側のグラフになりますが、交通事故などが1年未満の方で多く発生しているということです。また、交通事故もコロナ禍でデリバリー等が増えた影響もあり、飲食店で増加傾向があるところです。
33ページは全業種ですが、中小企業、大企業の労働者の規模別の災害の件数をお示ししたものです。10~29人の小規模事業場の所での災害が一番多いところです。けがの関係は、今、お話ししたとおりで、健康関係のほうは34ページ以降で説明いたします。メンタルヘルス対策の中で、これまでの取組の所で下線を引いている所を御紹介いたします。行政で立ち上げているポータルサイト「こころの耳」で、個別労働者の御相談等も受け付けておりますが、電話回線が一昨年に20回線と、御利用が増え、回線も増やしており、令和3年の実績は約2万2,000件の御利用がありました。34、35ページにその他を記載しているところは、昨年と一昨年までに取り組んでいることを引き続きやっているというものなので、説明は割愛いたします。
36ページの所に、実績に対する分析ということで、メンタルヘルスに取り組んでいる割合を記載しております。こちらは37ページからグラフが付いているので、そちらで御説明いたします。メンタルヘルスに対する全体の取り組んでいる割合については、全体では59.2%ということですが、50人以上の事業場では94.4%ということで、ほぼ全ての事業場でやっていただいている状況ではありますが、一番下の所、10人~29人という所については、2021年で49.6%ということで、まだ中小企業の取組が遅れている状況です。37ページの右下のほうに、2年前の統計ですが、メンタルヘルスに取り組んでいない事業場の理由をお伺いしたところ、「該当する労働者がいない」という、自分の所にそういったメンタル不調の方がいらっしゃらないということで、メンタル不調は誰でもなり得るという認識の周知といったところが、まだ届いていないところが見られます。また、取組が分からない、産業保健スタッフが分からない、いないといったところで、我々のほうで、産業保健総合支援センターのほうで周知等を行っておりますが、そういった周知もまだ足りないところもあるのではないかなと思っております。引き続き、この辺りの周知が必要ではないかと考えております。
38ページです。仕事に対する職場で相談先がありますかといったところで、グラフを記載しております。絶対数的には少ないのですが、一番下の所、保健衛生業の保健師、看護師での相談の窓口があるというか、そういった相談を用意いただいている会社については割合としては増加傾向にあるものの、一番上から3つ目の水色のグラフですが、上司・同僚の相談、会社の上司か同僚に相談できますよという方の割合は、絶対数的には多いのですが、数的には減少傾向にあるところです。もしかしたらテレワークや新型コロナウイルスの影響もあるのかもしれませんが、ちょっと相談しにくい環境も出てきているという中では、先ほどの保健師や産業医の相談窓口というのが、今後重要になるのではないかなと分析しております。右側のほうですが、ストレスチェックを実施いただいている事業場について、集団分析を活用されているかといったところの割合については、若干、規模によって差はありますが、中小企業も含めて、ほぼ6割やっていただいている状況です。
39ページです。化学物質の所です。これまでの取組の所で下線を引いている所については、昨年度来、分科会のほうで御議論いただいた政省令改正を御紹介しておりますので、説明は割愛いたします。分析の所に関連して、40ページを御覧ください。上2つがメーカーの取組になります。ラベル表示をしていただいているメーカー、SDSを交付いただいたメーカーになりますが、取り扱っている製品全てにラベルを貼っている、SDSを付けているといったところについては、先ほどお話ししたとおりですが、一部でも当該商品について行っているとった割合も含めると、全体としては、ラベルが約85%、SDSが約82%という状況です。メーカーだけではなくユーザのほうでも、ここ4年で変化がありまして、リスクアセスメントを実施いただいている割合について、全てやっている事業場が4割だったのが、この4年で6割まで上がっておりますし、一部も含めて行っていただいているという割合は、この4年で9割に増えております。
41ページです。腰痛の所ですが、先ほどもお話したとおり、腰痛は増加傾向がありますので、これまでの取組の所で下線を引いていますが、一昨年行ったオンライン講習会の動画等について、今年の2022年にYouTubeに掲載しております。また、事業場への訪問支援ということで、理学療法士などの専門家の派遣を行っております。42ページに関連資料を付けております。年齢別の変化については、先ほどの資料でお話ししたところです。業種別に見ると、保健衛生業が5割を占めているという状況です。また、陸上貨物運送業ですと、道路貨物運送業が8割を占めていて、そのうち一般貨物運送業、自動車運送業が95%を占めるといった状況で、社会福祉施設の腰痛、トラックの荷卸しや荷揚げの腰痛などが増えている状況ではないかなと分析しております。
43ページです。熱中症については、先ほど資料についてお話ししたとおりで、目標達成は難しいというような状況です。44ページです。左の上の赤の斜線が死亡災害の状況です。ここ4年だけを切り取って見ると、死亡災害自体は年々減ってはおりますが、2018年の初年度相当数、過去最高に熱中症があったという状況もありまして、今期のような結果になっております。右側になりますが、業種別の死亡災害を見ると、建設業、警備業といった屋外での作業での熱中症が生じております。下にグラフがありますが、季節や時間についても、暑い時間にそういった災害が生じているところです。
45ページ以降が指標を立てているもの以外の取組ということで、昨年以降の動きを簡単に御紹介します。45ページの下線が引いてある所ですが、こちらは前回の分科会等でも御報告いたしましたが、個人事業主等に対する安全衛生のあり方の行政検討会を、今、開催しております。46ページです。13次防の中でも1つの柱になっている、治療と仕事の両立支援についてです。取り組んでいただいている事業場の割合は、昨年の統計で41.1%となっております。両立支援コーディネーターも1万2,087人を養成ということで受講いただいており、病院関係の方、企業の労務担当の方で受けていただいている。あるいは、外のコンサルということで、社会保険労務士なども受けていただいているといったところです。
47ページの所は、石綿障害予防規則の改正等が2020年にありまして、施行時期が今年、それから来年に迎えているということで下線を引いております。同じく47ページの真ん中ですが、電離放射線の関係で、2年前からの取組ではありますが、医療従事者の安全衛生対策の推進ということでの講習会を行っているところです。また、粉じん則のトンネル工事関係の規制強化についても、昨年4月に施行を迎えていますので、下線を引いて、新たな取組ということで記載をしております。
48ページの所は、昨年度、一昨年来の取組を、そのまま継続しているということでの御報告ということになります。駆け足ではありましたが、説明は以上になります。
○城内分科会長 ありがとうございました。本件について質問、意見等のある方は御発言がある旨チャットに書込みをお願いします。中村委員お願いします。
○中村委員 中村です。資料で申しますと18ページになります。13次防における林業の対策のところですが、その中の期間中のこれまでの取組ということで、ウのほうに伐木等作業の安全対策を徹底するため、林野庁、林災防と連携して指導を実施とありますけれども、林業だけではなく、建災防などもありますし、現場の状況を一番よく知っているのは災防団体だと認識していますので、災害防止協会各事業と連携し、災害分析や対策、指導を徹底していくことが重要だと思います。
災害が起きたときには、どのような災害が起きたのか、それをきちんと分析をして、そして対策を講じることが最も重要ですので、14次防策定においても、ここはさらなる連携強化を図っていくべきではないかと思っているのが1つであります。
それと、18、19ページも関わってきますけれども、林業における事故の型別ということで、死亡災害の型別が出ていますが、その中で、これまでも危険対策を講じていかなければいけないということで、一番上に「激突され」がありますけれども、このほとんどが伐倒作業だと思っています。全体的な死亡災害は確かに前年度に比べても6件ほど減少しているのですけれども、逆にこの「激突され」の伐倒災害は15件ということで、ここ3、4年で見てみても増えていると思っています。
この伐倒作業における対策をより強化をしていかないと、なかなか事故は減っていかない。全体的な死亡災害、R3は減ってはいますけれども、いつ増えてもおかしくないと思っていますので、14次防での議論ということにはなると思いますが、いずれにしても、私としてはそういう認識でいるということを意見として申し上げておきたいと思います。以上です。
○城内分科会長 会場にお出での委員の方においては、挙手をお願いします。出口委員、よろしくお願いします。
○出口委員 出口です。よろしくお願いします。まず2ページで、死傷災害全体は増加しているが、死亡災害は全体として減少している点について、どのような傾向や要因であったのか。8ページには分析の数値等がありますが、これらをよく見ますと、分析というよりも集計や統計に等しいと思われます。先ほども中村委員からご意見があったように分析し、原因を追及していただき、次の第14次防につなげていただきたいです。この傾向及び要因について、分析されたものがあれば教えていただきたい。これが1点目です。
2点目が、6ページ。健康障害防止対策、資料としては39、40ページにあります、化学物質等による健康障害防止対策の推進という形で、それぞれの目標を数値化したもの、2021年の実績等という形で記載があります。化学物質ラベル表示と、SDS交付の2021年実績値ですが、ラベル表示とSDS交付義務となっている674物質についての実績値が何%か分かれば教えていただきたい。
この数値目標は、表示努力義務の物質を含めた目標になっていると思います。義務になっている物質については、本来、目標は100%であるべきではないかと考えていますが、同じ80%の目標としているのでしょうか。危険性・有害性が確認されている約7万物質の2割に当たる約1万4千程度の物質には、ラベル表示もSDS交付も現在はされていないという認識でよいのか、お伺いします。
最後に取扱業者は、現在、674物質にリスクアセスメント義務が課せられていますが、ラベル表示とSDS交付がされていなければ、正しいリスクアセスメントはできないと考えています。製造会社などに対して目標達成のために具体的にどのような指導をされているのか、何を取組まれてきたのか教えてください。お願いします。以上です。
○城内分科会長 続いて、増田委員お願いします。
○増田委員 御報告ありがとうございました。労働災害の減少にはなかなか至っておらず、事業者としては反省しなければなりませんが、資料の27ページにもありますように、新型コロナウイルスのパンデミック下におきまして、社会機能維持のために無理をして事業運営している業種・業態もあろうかと思います。もちろん労災は発生させてはなりませんので、真摯に反省しなければなりませんが、労災を発生させた事業場に対して、単に指導するだけではなくて、この厳しい状況下において労災が生じないようにする更なる支援について御検討いただければと思います。
その支援に関連してですが、やはりしっかりした効果検証を行う必要があると思います。労働災害防止計画で示された種々の施策、取組を実施した事業場と実施していない事業場とで、労災発生率に差が生じたのかどうか。検証はなかなか難しいと思いますが国も事業者も手間暇、コストを投じて実施するわけですので、しっかりとした検証を行えるような仕組みを、14次防に向けて導入していただければと思います。
効果が乏しい施策は廃止する等の見直しも入れて、PDCAを回しながら進めていただく、すなわち、厚労省が推奨している労働安全衛生マネジメントシステムを踏まえた労働災害防止計画としていただくことを切に要望いたします。以上です。
○城内分科会長 鈴木委員、お願いします。
○鈴木委員 第三次産業の労働災害対策に関連して発言させていただきます。事務局からの御説明のとおり、資料25ページの「2021年実績の分析」によれば、新型コロナウイルス感染症による労災の増加を差し引いても死傷災害年千人率が増加しており、13次防で設定した目標の達成は非常に厳しい状況にあるかと思います。改善に向けた取組みとして、2021年実績の分析の最後のポツに記載のある「本社の指導による安全衛生活動の傘下事業所等への展開が不十分」というコメントに注目しているところです。
小売業・社会福祉施設では各事業場の安全意識が必ずしも高くない。あるいはノウハウに乏しい状況もあると聞いております。労使で話し合う場を定期的に設ける機会の乏しい小規模な事業場も含めて、組織的に安全衛生水準を向上させる観点から、各事業場の個別事案を実質的に調査審議できる状況を担保することを前提に、法人単位あるいは複数事業場の合同での安全衛生委員会の開催を促進する方策について、運用面と法制面の両面から積極的に検討することが必要ではないかと考えているところです。
もう1点、先ほど中村委員からの、災害防止の第一歩は分析が必要だというご指摘はおっしゃるとおりですし、増田委員の御発言にも関連しますが、第三次産業では転倒・腰痛等の労働災害が多い。あるいは陸上貨物運送事業では、事務局からの御説明では荷卸し・荷積みの際に災害が発生しているとのことですが、具体的にどのようなシチュエーションで起きたのか、どのような対策を取れば予防ができたのか、あるいはできなかったのかといった情報を詳細に集めることが必要だと思っています。厚生労働省の検討会でも議論されていますが、例えば労働者死傷病報告の内容を見直すとか、あるいは災害が多く発生している産業に対して、ピンポイントで詳細な調査を重点的に行うといったことも含めて、14次防の議論に入る前に、できるだけそのような情報を収集した上で、有効な施策を検討していただきたいと思う次第です。以上です。
○城内分科会長 小菅委員、お願いします。
○小菅委員 5ページと37ページに関連する、メンタルヘルス及び小規模事業場についてです。メンタルヘルスに取り組んでいる事業場の割合を8割以上にするという目標ですが、21年の実績は59.2%です。やはり中小零細企業における取組が進まないと、この実績数値を伸ばしていくのは難しいと考えます。
小規模事業場において、例えば50人未満の場合は産業医の選任義務もなく、衛生委員会の設置の義務もない状況ですが、労働者の安全と健康を守る取組は、そもそも事業場の規模にかかわらず、しっかりとすべての事業場で取り組まれるべきものです。様々な労災に絡むところですが、中小企業における取組のいっそうの強化がやはり重要だと考えています。以上です。
○城内分科会長 続きまして、原委員お願いします。
○原委員 明治大学の原です。聞こえますでしょうか。もう既に何人かの委員の先生の方から同趣旨の質問が出たところですが、念のため。例えば41ページに腰痛のデータが出ていますが、腰痛による死傷者数、つまり死者も出ているということなのですが、腰痛が原因で死亡したというのはどういう状況なのか。何か医学は素人なので見当外れかもしれませんが、腰痛が悪化してそれが死に至る病なのか、それと腰痛の結果、体がうまく動かせなかった結果、何らかの災害事故に遭ったのかというところを、ちょっと詳細をもしお知らせいただければと思います。
それと同じような話なのですが、43、44ページに熱中症とあります。この熱中症による死亡者数も、その場で倒れてしまって病院に搬送されて手遅れになったのか、あるいは熱中症で例えばふらついた結果、転落とか、そういった事故で亡くなったのか。つまり、熱中症による死亡事故を、転落防止とかの措置を取ることによって予防ができなかったのかなど、もし御存じの限りで結構ですので、お教えいただければと思います。以上です。
○城内分科会長 それでは、ここまでのところで、事務局からの回答をお願いします。
○調査官 いろいろ御意見ありがとうございました。次回以降、安全衛生分科会でまた14次防の議論等させていただく中で、今日の御意見も参考にさせていただきながら、我々の方も検討させていただきたいと思います。
幾つか御質問ありました中で、まず出口委員から全体の傾向の中での災害の分析についてというところで、お問合せがありました。一部推察も含むところではありますけれども、事故全体ということですと、第三次産業のところの災害の増加が、けん引というとおかしいですけれども、割合を占めています。中ほどの資料等でも御説明しましたが、業務経験が少ない方、特にコロナ禍等で仕事を変えるような方が増えている中で、そういった安全衛生を十分に受けていなくて仕事に慣れない方が、けがをされているような面があるのではないかと考えています。
また、高齢者の方の割合が全業種で増えているところもありまして、そういった高齢者の方の災害等増えています。その他、全体としては、中小企業の取組がなかなか進んでいない面があるのではないかと考えています。そういった中で、詳細分析という話もありましたけれども、我々がいろいろお願いするような施策が、どういった実利的な効果があるのかという検証も含めて、納得していただけるような形での取組の促進を進めていき、詳細分析とつながる形で行っていく必要があるのではないかと、行政でも考えているところです。
逆に言うと、そういったところはまだ十分ではないのではないか。そういった分析の強化につきましては、大事な重要な議論だと思っていますので、今後も検討させていただきたいと思っています。
それから原委員から、腰痛による死亡はあるかということについて、一応、言葉上「死傷」と書いていますけれども、死亡とけが、両方含めた定義ではありますが、腰痛に関しては死亡というのはありません。それから熱中症の原因につきましても、死傷病報告を書いた事業所がどういうふうに分類したかというところは若干あるのですけれども、大抵は直接の原因を書かれることが多いので、熱中症を原因として例えば交通事故とか墜落・転落があったとしても、それは墜落・転落とか交通事故と書かれる事が多いのではないかと考えています。
それから、出口委員からお問合せがありました、労働安全衛生法第57条、第57条の2、法令の義務があるラベル、SDSについて、令和3年の統計がありますけれども、まず57条のラベルについては、全ての製品に表示をしているという所については66.3%、一部に対して行っているという所は18.1%というところ。それから、SDS、57条の2のところについては、すべての製品に付けているというのが74.5、それから一部の製品にというのが6.6%、求めがあれば添付しているというのが11.3%という状況です。全くしていないというのが7.6%というところです。以上です。
○化学物質対策課長 化学物質について、先ほど樋口が申し上げたところですけれども、数字をお聞きいただいて分かりますように、努力義務と義務でほぼ同じ数字になっていますが、例えばSDSを全く交付していないのが7.6%という状況ですので、求めがあった場合も含めて考えると、かなり高い状態にはなっています。
またSDSやラベルを作っている会社からしますと、有害性があると分かっているものについては、原則作るという対応をされていますので、義務か義務でないかというところで、あまり大きな違いは出ていないのかなと考えています。また御案内のとおり、新たな化学物質規制の関係で、今後、基本的に危険性・有害性の分類があるものについては、全て通知の義務をかけていくということになり、今後、努力義務というのはなくなっていきますので、この義務と努力義務というのは、そういう意味では段々似通ってくる形になっていくと思っています。
それに対する対応をどのように取っているのかという御質問については、まず法制度上については、後ほど御説明しますけれども、令和6年4月から化学物質管理者というのを義務付けていまして、この化学物質管理者に、ラベルとSDSの作成について管理をさせるという形で、内部の管理を強化する予定です。
それから行政としての支援としましては、無料相談窓口の設置、あるいはセミナー等を行っています。また御案内のとおり、国が自らGHS分類を行いまして、モデルラベル・モデルSDSの公開などを行っていますので、こういったものを引き続き行って100%を目指していきたいと考えています。
○城内分科会長 あと、事務局からよろしいでしょうか。お願いします。
○計画課長 計画課長です。少し補足的な話になるかもしれませんけれども、増田委員から話がありました、対策に当たっての今後についてということだと思いますけれども、指導だけではなくて支援といったところと、施策の効果検証が大事だと御指摘、御意見があったところです。まさしく御意見いただいた点は大変大事な論点かと思っています。我々としましても、今こういうコロナ禍でもありますし、原料価格、燃料価格の上昇といった厳しい経済情勢の中で、事業者の方々に対して指導、お願いといった形だけでは、なかなか安全衛生対策を進めていくということは難しい部分があると思っています。今、増田委員から話があったような支援といったところ、これまでも各種予算措置等で支援を行ってきておりますけれども、こうしたところを引き続き実効性のある対策を今後とも実施していくという観点は大変重要な事かと思っています。
他方で、今回、今後の安全衛生対策における14次防に向けての取組ということで、我々として、特に意識をして取り組んでいきたいと思っているところとしましては、事業者の方々に対して、安全衛生対策は必要だという認識は持っていただいている事業者の方々は多いと思っていますが、それが本当の意味で腹落ちするような形で実感していただくことが重要だと考えています。要は、安全衛生対策というのは企業・事業者にとってもすごくメリットがあるのだというようなところ、大いにプラスになるのだといったところを、我々としても、そうしたエビデンス等も情報収集しながら、事業者の方々に対して訴えていきたい。そういうことで、事業者の方々の意識の向上といった、安全衛生対策に対する意識向上にもつなげていきたいと思っているところです。
またそのPDCAと言いますか、実効性のある対策の部分につきましても、ここの部分は正しく我々も大変重要なところであると思っていますが、14次防に向けて、どのような形で施策の効果検証というところがうまくできるのかといったところも、少し検討していきたいと思っています。以上です。
○城内分科会長 そのほかよろしいでしょうか。お願いします。
○安全課長 安全課長です。中村委員から御指摘のありました、林業だけでなくほかの建設業などの災害防止対策についても、各労働災害防止団体と連携して取り組んでいくべきということですが、非常にごもっともというか、重要な御指摘だと認識しています。単に、行政のほうで指導しようとしても、なかなかうまくいくものでもなく、やはり、労働災害防止団体等の行う自主的な取組も含めた指導、援助というのが大変大事だと思っておりますので、よく連携して対策を進めていきたいと考えています。また、それに当たっては、状況をよく分析して、きちんと的確な対策を講じていくことが大事だと考えていますので、次期労働災害防止計画の策定に当たっても十分留意していきたいと思っています。
それから、鈴木委員の御指摘のありました、小売業などでは、なかなかノウハウもなく小規模な事業場も多いということで、法人単位あるいは企業単位の安全衛生委員会あるいは合同の安全衛生委員会の開催について検討をという話ですけれども、これにつきましては別途、転倒防止・腰痛予防対策のあり方に関する検討会で議論をしようと考えておりまして、いろいろな御意見があるということですけれども、今後更に議論を深めていきたいと考えています。また、その状況を整理ができ、ある程度のまとまりができました段階で、この分科会にも報告して更に議論を頂くということになると思います。よろしくお願いします。
○城内分科会長 出口委員、お願いします。
○出口委員 出口です。資料の10~13ページまで、参考としまして個人事業者等の死亡災害発生状況、現在まで開催されています個人事業者等に対する安全衛生対策のあり方に関する検討会の資料が、抜粋で添付されています。これにつきまして、今後、検討会の中でまた分科会に上がってきて対策を講じられると思うのですが、14次防につきまして、この個人事業者等の災害防止の計画、これらが目標となって取り組まれていくようなお考えはあるのでしょうか。ちょっと確認させていただきたいのが1点。
もう1点が、その検討会でいろいろと労災の特別加入の加入率をヒアリング等で聞かせていただいて、非常に加入率が低いと感じました。その中で建設業であれば建退共、また中退共があるのですが、13ページでいろいろ建設業の業種・職種があります。これらの職種の中で、それらの特別加入の入る窓口のようなものというのは、別途何かあるのでしょうか。不勉強なので、分かりましたら後学で教えていただきたいと思います。その2点です、以上です。
○城内分科会長 事務局からお願いします。
○調査官 御意見ありがとうございます。後半の特別加入に関しては、我々もちょっと分かりませんので、追って確認して先生にお伝えしたいと思います。前段の個人事業主の安全対策について、14次防でどのような形で位置付けるかというところについては、次回以降の分科会で議論いただきたいと考えています。13次防の中でも指標にはなっていませんけれども、個人事業主の方の安全衛生の対応というところも検討するとされていますので、また次回の議論かと思っています。
○城内分科会長 13次防報告について、御発言ありますでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございました。それでは、事務局から説明いただいた方針で進めていただくこととしたいと思います。
次に議題2、「経済財政運営と改革の基本方針2022等」についての報告に関して、事務局から説明をお願いします。
○計画課長 計画課長です。それでは、資料2に基づき御説明いたします。表紙にありますように、今年の6月7日になりますが、幾つかの政府方針、閣議決定という形で取りまとめをされております。この閣議決定されたものの中で、本分科会に関係する部分について御報告いたします。
まず2ページ目は、「経済財政運営と改革の基本方針2022」と、いわゆる骨太の方針といわれるものです。先ほど申し上げましたように、6月7日に閣議決定をされております。3ページ目は、会議の概要とメンバーを記したものですので、説明は省略いたします。
4ページです。前段に、人的資本投資について書かれております。この下線部の所を御覧ください。人的投資が企業の持続的な価値創造の基盤である点について、株主との共通の理解を作り、今年中に非財務情報の開示ルールを策定すると書かれております。この人的資本投資につきましては、この後9ページにも関連する部分、また別の新資本主義の実行計画の関係で詳細な記載がありますので、そちらで御説明します。次に後段です。この中で下線の部分、働き方改革や、多様な働き方を選択でき、活躍できる環境の整備に取り組むこと、その下の辺りですが、テレワーク、副業・兼業といったことについて記載があります。副業・兼業、テレワークについては、いずれもガイドラインは既に作られております。こうしたガイドラインについて、着実に普及をさせていくということにしております。また副業・兼業については後ほど出てきますので、追加的に説明いたします。
続いて、5ページ目は女性活躍の推進の観点で、下線の所を御覧ください。女性の健康に関する支援が盛り込まれております。
続いて6ページです。前段の下線の所ですが、データヘルス改革に関する工程表にのっとりPHRの推進等改革を着実に実行するということで、これはマイナポータルを通じて、個人の保険医療情報を閲覧できる仕組みについて取組を進めてまいります。これも、後ほど新資本主義の計画にも出てきますので、具体の内容についてはそちらで説明いたします。また後段の、建設工事における安全管理の徹底についても、骨太の方針に盛り込まれております。引き続き、我々としても必要な指導や支援を実施していくこととしております。以上が骨太の方針の関係です。
続いて7ページを御覧ください。「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画・フォローアップ」についてです。これも6月7日に閣議決定をされております。8ページにいては、会議の概要ですので、説明は省略いたします。
9ページ目です。前段ですが、先ほど骨太の方針にも記載がありましたが、副業・兼業の拡大が盛り込まれて記載されております。ここの副業・兼業の拡大については、下線の所にありますが、「副業・兼業のガイドライン」を改定いたしまして、企業に副業・兼業を許容しているか否か、また条件付きで許容している場合は、その条件について開示することを企業に推奨するといった内容を、ガイドラインに盛り込むといったことが記載されております。こうした新資本主義の計画の記載を受け、厚生労働省の職業安定局において検討が行われ、ここに記載がされているようなガイドラインの改定の検討が行われております。具体的には、今月中にもその改定が行われる見込みと聞いております。また後段は、人的資本等の非財務情報の株式市場への開示強化と指針整備ですが、この項目の下線部分を御覧ください。人的資本の指針の整備については、現在、内閣官房を中心に検討が進められております。今後、資本市場のみならず労働市場におきましても、人的資本に関する企業の取組について、見える化を促進することを中身として検討しております。この開示情報の中に、労働市場と関連するとして、安全衛生に関する情報も含まれることになっていると聞いております。このために企業がどのように開示を進めていったらよいのか、参考となる指針をこの夏に公表するということで聞いております。
10ページ目です。骨太の方針にも記載がありましたが、女性の健康に関する支援が記載されております。また、その後段ですが、先ほども話が出ておりますが、データヘルス改革に関する工程表に基づき、PHR、個人の健康情報の提供に関する取組を進めるといった記載が盛り込まれております。このデータヘルス改革に関する工程表に基づいて、この中においては、40歳未満の労働者の一般定期健康診断の情報について、2023年度まで、来年度までにマイナポータルで閲覧可能にしていくとされております。新資本主義の実行計画の中身については以上です。
11ページ以降については、「規制改革の実施計画」についての内容です。これも6月7日に閣議決定をされています。12ページについては、規制改革の会議の概要ですので、説明は省略いたします。
13ページです。行政手続におけるキャッスレス化の推進についてです。窓口での支払件数が1万件以上のものについて、キャッシュレスで各種納付金が納付できるようにしてまいります。安全衛生関係でいいますと、各種免許のための手数料の納付等が関係いたします。こうしたものを推進していくという内容になっております。
続きまして14ページです。行政手続におけるオンライン利用率を引き上げるということです。内容の所に書いてありますが、年間10万件以上の手続に関するものについて、オンラインの利用率を引き上げるという内容になっております。具体的には、安全衛生関係については、参考の所にありますが、死傷病報告や一般定期健康診断の結果報告書、3つ目として、免許の受験手続について、利用率の目標を設定した上で、オンライン利用率を高める取組を進めてまいります。
最後のページ、15ページは、既に措置されたものの報告になります。具体的には、バイオマスボイラーに係る安全規制の見直しとなっております。バイオマスボイラーについては、海外の規制やバイオマスボイラーの特性について調査を行った上で、専門家による技術検討を経た上で、遠隔での制御監視基準の見直しを行ったというもので、既に措置されているという内容です。
以上で、直近に取りまとめられた政府方針の本分科会に関係する内容について、御報告いたしました。先ほど私から説明いたしましたが、「副業・兼業の促進に関するガイドライン」
については、8月中に改定と申し上げましたが、既に7月に改定をされております。その点、訂正いたします。説明は以上です。
○城内分科会長 ありがとうございました。本件について質問、意見等のある方は、御発言がある旨挙手、又はチャットに書き込みをお願いいたします。増田委員お願いします。
○増田委員 御説明ありがとうございました。要望を1点挙げさせていただきたく存じます。現状、定期健康診断の結果報告書、様式第6号を集約して、健康診断の有所見者の割合等のデータを集計していると思いますが、資料にありましたPHRの推進により、個々の労働者の健診結果が集約されますと様式第6号に依拠しなくても、有所見者の割合等が算出できるでしょうから、様式第6号は不要になるかと思います。50人未満の事業場を加味した集計ができるようになりますので、中小零細企業等の実態に即した精度の高いデータになるメリットも見込めるかと思います。PHRに集約される健診データを事業者が利活用するというのは、法令上の制約があり困難だと伺っておりますが、行政側の利活用により労働安全衛生の統計指標の精度向上、ひいては届出の縮小、廃止といった事業者の負担緩和にもつなげることができるかと思います。
この後、議題4で出てきますように、OCRの不備による再集計といった事態も生じなくなるかと思います。PHRを活用した現行制度運用の改善について御検討いただければと思っております。以上です。
○城内分科会長 そのほか御意見、御質問等。鈴木委員お願いします。
○鈴木委員 私からも、行政手続の関係で一言コメントいたします。資料の14ページに「行政手続におけるオンライン利用率を大胆に引き上げる取組の推進」と書かれております。政府全体のテジタル化を推進する観点から、労働安全衛生法に基づく手続のオンライン利用率を高める方向性に異論はございません。他方、既にe-govなどを通じて、多くの手続の電子申請は可能になっております。「参考」に記載のある、リーフレット等による周知広報も大変重要と思いますが、それに加えて、事業者がオンライン手続を利用しない背景や理由をしっかりと把握・分析した上で、必要に応じてシステム改修を行うことも含め、利用者の使い勝手を高めていくアプローチの取組も重要ではないかと考えております。
オンライン申請システムを今後整備する、労働安全衛生法に基づく免許の受験手続きについても同様のことが言えます。手続の主体と受け手の双方の意見を聞きながら利便性の高いシステムの構築を是非志向していただければと思います。以上です。
○城内分科会長 中村委員、お願いいたします。
○中村委員 これは質問ですが、資料の9ページの、先ほど御説明いただいた最後の部分、労働市場に対しても人的資本に関する企業の取組について見える化を促進ということで、この労働市場の中にその安全衛生も入るという御説明だったと思います。この見える化をして、例えば厚生労働省などで公表をしていくのかどうか、具体的なイメージをもう少し教えていただければと思うのが1点です。
それと、あと14ページの規制改革の実施計画の中の安全衛生に係る部分として、安全衛生法の規定に基づく労基署への報告ということで、オンライン利用率を上げるとなっておりますが、報告自体はオンラインでもいいとは思います。ただ、その報告を受けて、例えば現場に調査に入るといったものが簡素化されるようでは困ると率直に思いましたので、そこに対する認識等がございましたら御説明いただければと思います。以上です。
○城内分科会長 そのほか御意見、御質問等はございませんでしょうか。それでは、ここまでのところで、事務局から御説明をお願いいたします。
○計画課長 まず、中村委員からのお話、御質問がありました点について、まず人的資本投資の関係です。これは指針を作って企業に安全衛生関係の項目についても開示を求めていく流れになっているというものです。先ほど説明をした際に申し上げたかと思いますが、この人的資本の関係の指針の検討については、今現在、内閣官房で検討を進めております。具体的には、内閣官房で指針を作った上で、8月目途、今月中を目途にその指針を作っていく、公表していく流れにあると聞いております。
具体的な開示の企業における場としては、これは上場企業、特に有価証券報告書や、コーポレートガバナンスコードなどで、企業が有価証券報告書等の中に記載するべき事項として盛り込んでいく。これは、義務的な開示項目になるのか、任意的な開示項目になるのか、その辺はまだ承知していないところではありますが、いずれにしても有価証券報告書等の中で、安全衛生に関する部分も盛り込むという動きがあると承知をしております。ですから、我々として、直接、厚労省がここの部分を何かタッチしているところではないのですが、他方で安全衛生の関係についての企業の状況把握ということも、今後、指針ができて、企業において取組がなされてくることになれば、我々としてもしっかり注視をしていかなければいけないなと思っております。まだ、これから固まってくる流れですので、しっかり、そもそもの内容、それと企業の動きについて、しっかりと把握、注視をしていきたいなと思っているところでございます。
それと2点目のオンライン利用率、利用に伴って現場での指導等々その対応がおろそかにならないようにという御指摘の点です。もちろん、オンライン利用率、利用と現場での指導といった対応のところは、また別儀ということで我々は思っておりますので、御指摘の懸念がない形で、しっかり対応していかなければいけないという認識でございます。以上です。
○安全課長 すみません。安全課長ですが、今の計画課長の説明に補足いたします。非財務情報の可視化の関係です。これは、非財務情報可視化研究会というものが設置され、今年2月から内閣官房が経産省の協力を得て検討してきました。これは、株主との意思疎通の手段の強化を図ることを目的としており、6回ほど開催されております。先週までパブリックコメントがなされており、8月中・下旬には公表予定というところです。
中身を見てみたのですが、その指針案の中には、各国の様々な団体が人的資本の開示基準を作っているのですが、それを列挙しています。ISOや世界経済フォーラムが作った基準、これらはどれも任意ということなのですが、それを列挙しており、企業はそれらを参考にして、自社の戦略やリスクマメジメントと関連付けて開示していくというふうになるようです。
そういうことで、その中には労働安全性マネジメントシステムや労働災害の発生状況も、例示としてあるというような状況でございます。今後、公表されるとどうなっていくかは見えないところはありますが、安全衛生の関係機関にいろんな問合せがなされることも考えられますので、内閣官房あるいは経産省と十分情報交換、連携しつつ対応していきたいと考えているところです。以上です。よろしくお願いいたします。
○産業保健支援室長 すみません。増田委員から、PHRの関係の御指摘を頂きましたが、PHRは皆様御承知のように、それぞれの国民の健康情報を、パーソナルヘルスレコードとしてマイナポータルで確認できるようにしていく仕組みです。御指摘のように、健康保険法の改正で40歳未満の事業主健診の情報も、保険者を通じてこのPHRに登録していく仕組みが、来年度にはもう出来上がることになっております。
現状は、まだなかなかPHRの登録が進んでいないという課題もありますが、将来的に、このPHRへの情報の集約が進んでいけば、それをどう有効に活用していくかということを、我々は考えていかなければいけないと思っております。現状は50人以上の事業場について統計を出しているわけですが、その代わりになるような、ビッグデータとしての有用性があるような情報として代替できるような形になっていくのか、若しくは、もっとより幅広いデータを集めることができるのかということについては、御指摘のように我々も検討して、利活用ということを考えていきたいというふうに思っております。
○城内分科会長 そのほか、御発言はありませんでしょうか。ありがとうございました。それでは、事務局から説明いただいた方針で進めていただくこととしたいと思います。
次に議題3、化学物質管理者の養成講習の内容及び化学物質管理専門家の要件(厚生労働大臣告示)についての(報告)に関して事務局から説明をお願いします。
○化学物質対策課長 それでは、資料3を説明します。こちらは、5月31日に公布されました新たな化学物質規制の一貫として大臣告示で定めるもので、化学物質管理者の養成講習の内容、化学物質管理専門家の要件について定めるものです。
2ページ、化学物質管理者の講習の内容です。改正の趣旨ですが、今般の新たな化学物質規制の改正の中で、リスクアセスメント対象物を製造し、または取り扱う事業場においては、化学物質の管理を行う者を選任し、化学物質の管理に係る技術的事項を管理させなければならないということです。このうち、リスクアセスメント対象物を製造する事業場においては、化学物質の管理に関する講習を修了した者から選任することを求めるということです。
これに伴い定めたのが3ページ目ですが、講習は講義と実習によって構成しています。講習の項目については、化学物質管理者が行う職務に対応している形になります。まず、化学物質の危険性及び有害性、それから、いわゆるSDS、ラベル、そういったものについての内容について2時間30分。リスクアセスメントの実施方法について3時間。それから、リスクアセスメントの結果に基づく措置ということで、新しく定められる予定になっておりますばく露の濃度の基準、それを実現するための測定の方法、あるいは、リスクアセスメント結果の記録、がん原性物質を扱ったときの製造等業務従事者の記録の方法、あるいは保護具といった内容について2時間。それから、災害が発生したときの災害発生時の措置として30分。関係法令で1時間ということです。
実習につきましては、リスクアセスメントとそれに基づく措置を、いわゆるケーススタディの形で学んでいただくことを考えておりまして、実際に、こういう状況で、こういうデータがあったときに、例えば、CREATE-SIMPLE(クリエイト・シンプル)など、そういったものを使って、こういう結果が出ますのでそれについてどのような対応を取るのですかというのを、一連の流れを3時間ほどで実習いただくということを予定しております。それから、免除を受けることができる者です。まず、化学物質の危険性と有害性、その表示等については、化学物質に4つの作業主任者がありますけれども、これを全て修了されている方については、全ての化学物質の危険性を御存じということでこれを省略できると。それから、第一種衛生管理者については、元々リスクアセスメントの実施についての試験科目がありますので、これも省略できると。それから、衛生工学衛生管理者については、リスクアセスメントの実施とその結果に基づく措置、その他記録についても、従来の職務の中に入っておりますので、これも省略できるという予定です。
6ページ、化学物質管理専門家の資格を要件として定めるという趣旨です。今回の改正省令で化学物質管理専門家が規定されているものとして、1つは、化学物質の管理状況が一定の水準にある事業場において、各規則の適用除外を認める規定がありますが、その適用除外の要件の1つとして、化学物質管理専門家が専属で配置されている必要があり、その方がリスクアセスメントの実施、リスクアセスメントの結果に基づく措置、その他の必要な措置をきちんとやっているか管理する必要があります。また、これら措置の内容について、外部の化学物質管理専門家が評価を行い、それを添えて適用除外申請を行うという仕組みになっています。もう1つの規定ですけれども、化学物質による労働災害が発生した場合、当該事業場において化学物質の管理が適切に行われていない疑いがあると認める場合は、労働基準監督署長がその改善を指示することができますが、改善の指示を受けた場合、化学物質管理専門家から化学物質の管理の状況についての確認、その事業場で実施し得る望ましい改善措置について助言を受けるという規定になっております。この2つの場面において、化学物質管理専門家というのが法令上位置付けられたということです。こちらについて、化学物質管理専門家の要件を大臣が定めることにしており、次のページをご確認ください。
告示で定めるものが4つありまして、1つ目は、労働衛生コンサルタントであって、その区分が労働衛生工学の方について、コンサルタントの登録後、5年以上業務に従事された経験を有する方。それから、衛生工学衛生管理者免許を受けた後、8年以上業務をされた方。作業環境測定士の登録を受けた方で、その後8年以上作業環境測定士として業務に従事した方ということです。また、4つ目としては、上記に掲げるものと同等以上の能力を有する者というのを、通達で定める予定です。施行については、化学物質管理専門家については令和5年4月1日、先ほど説明した化学物質管理者については令和6年4月1日の施行を予定しています。現在、この告示案につきましては、パブリックコメントを実施しているところです。説明は以上です。
○城内分科会長 ありがとうございました。本件について質問、意見のある方は、御発言がある旨、挙手又はチャットに書き込みをお願いいたします。出口委員、どうぞ。
○出口委員 出口です。いろいろ、教育があると思います。ただ受講しないと、やはり意味がありません。昨今コロナ禍で、なかなか受講の仕方、集合教育でないと受講できないというのではなくて、例えばZoom等で何か教育できるような手法というのは、お考えなのでしょうか。また、もし考えられていないようであれば、実習についてはどうしても集合体にならないといけないと思いますが、実習以外の部分は何かこのようなオンラインなどで教育できるような選択肢があればいいなと考えております。要望というか、よろしくお願いいたします。
○城内分科会長 及川委員、お願いします。
○及川委員 私も同趣旨なのですが、地方の企業が、管理者がいないということがあると困るので、事前に御説明を受けたときに、そういうことにはならない実態であるというのは確認させていただいたのですが。講習する機会はデジタル等で受けられたり、あるいは動画である程度のところはできるとか、そういう配慮をしていただきたいという趣旨です。
もう1点は、今の御説明で化学物質管理者の役割、法律上に明記されている内容は改めてよく分かったのですが、実際の運用に当たってどういう機能、あるいは役割があって、どこまでの責務があるのかということをしっかり見える化というか、はっきりさせていただいて執行に移していただきたいと思っています。以上です。
○城内分科会長 熊崎委員、お願いいたします。
○熊崎委員 熊崎です。聞こえますか。
○城内分科会長 どうぞ。
○熊崎委員 御説明ありがとうございました。御説明の中でも化学物質管理専門家について、コンサルタント試験や様々な資格で、実際に専門家になられる方の経験や知識が担保されているように思いました。一方で、化学物質管理者の資質は、どういう形で担保されるのかというのが、質問の1つです。
もう1つは、これは質問というよりもコメントなのですが、先ほど及川委員もおっしゃいましたが、様々な資格がありますので、整理いただければと思いました。私からは以上です。
○城内分科会長 増田委員、お願いいたします。
○増田委員 資料の3ページ目の2つ目の○の所に、講習は、それぞれの科目を適切に行うために必要な能力を有する講師により行うものとするとあります。先ほどの熊崎委員の御質問とかぶるかもしれませんが、具体的な要件はどうなるのでしょうか。有機溶剤や特定化学物質の作業主任者の技能講習ですと、健康障害の単元の講師は医師であることが要件となっていますが、化学物質管理者の講習については、そうした要件が設けられることになるのかどうか、確認させていただければと思います。
もう一点が、6ページ目の2つ目の□の所に、化学物質管理専門家が専属で配置という文言がありますが、ここの専属の具体的な要件を確認させていただければと思います。よろしくお願いいたします。
○城内分科会長 そのほか、御質問等はありませんか。小菅委員、お願いいたします。
○小菅委員 化学物質管理者については、リスクアセスメント対象物質を製造する事業所と取り扱う事業所で、ともに選任義務がありますが、講習の受講が必要となるのは製造する事業所だけです。是非、取り扱う事業所の化学物質管理者も、受講を推奨していただきたいと思います。
○城内分科会長 それでは、事務局から説明をお願いします。
○化学物質対策課長 御質問ありがとうございます。まず出口委員、及川委員からありましたが、受講をどのようにするのかということです。これは、特段集合でなければならないというのを定める予定はありませんので、オンライン教育というものであっても構わないとする予定です。国で標準テキストを今年度中に作成する予定です。また、それを踏まえた動画教材も来年度作成する予定ですので、そういった形で講義については行っていただこうと思っております。
実習については、当然さすがに動画を見ていればいいということにはなりませんので、もちろんZoomを使ったオンラインでも構いませんが、当然双方向でやり取りができる形でないと難しいと思いますので、そちらについても一定のやり方みたいなものを示していければなと考えております。
それから、及川委員の2点目、他の方もあったと思いますが、化学物質管理者についての役割、責務をはっきりさせてほしいということです。化学物質管理者については、省令の中に具体的にどういう業務をするのかというところで主にリスクアセスメントやラベル・SDSの関係、リスクアセスメントに基づいた措置を行うといった職務の内容については規定しておりますので、こういったことについて周知を図っていきたいと考えております。
それから、熊崎委員、増田委員も同じ御意見だったと思いますが、化学物質管理者向けの講習の講師については、能力のある者と規定しております。こちらは、いわゆる特別教育と同じ位置付けで、技能講習のように講師の要件を定めて登録を受けた講習機関でなければできないというような形にはせず、特別教育と同様に能力のある者が自分の会社でやってもいい、あるいはオンラインでやってもいいといった形で定める予定です。能力のある者について、こちらも特別教育と同様で特段の資格は具体的には定めない予定ですが、各科目の項目について十分な経験があるといった方を想定しているところです。
最後に増田委員からの化学物質管理専門家の専属ですが、こちらについては基本的に事業場に籍を置いている方、事業場に属する方を想定しているところです。以上です。
○城内分科会長 ほかに御発言等はありませんか。
○化学物質対策課長 申し上げございませんでした。小菅委員のコメントを忘れておりました。化学物質管理者の講習が義務付けられるのは、リスクアセスメント対象物を製造する事業場において専任される化学物質管理者に限られるわけですが、取り扱う事業場のほうが数的には圧倒的に多いということです。こちらについては、教育に丸2日間掛かりますので、受けていただくのがもちろん望しいわけですが、これを1日程度に縮めた講習のカリキュラムも通達で示したいと考えております。取り扱い事業場については、それを受講することを推奨するという形で進めさせていただきたいと考えております。
○城内分科会長 そのほか御発言等ありますか。ありがとうございました。それでは、事務局から説明いただいた方針で進めていただくことといたします。
次に議題4、定期健康診断実施結果報告等の再集計結果についてに関して、事務局から説明をお願いします。
○労働衛生課長 労働衛生課長です。資料4について説明いたします。定期健康診断実施結果報告の再集計の結果について、本日報告申し上げます。経緯について、簡単に1枚目のスライドで説明いたします。定期健康診断等の実施状況については、先ほどもデジタル化のところでお話がありましたが、毎年事業者からOCR帳票を用いて監督署に報告をしていただいております。12月までに実施したものを3月までに大体報告を頂き、監督署で入力をして、それを4月に取りまとめて公表しているというのがスケジュール感です。2つ目の□の下に表がありますが、上が公表データとなっており、4月3日集計確定となっているのが、今、申し上げた公表データになります。
今回の件は、令和元年12月の分科会に1度報告をしております。平成30年分のじん肺の健診の実施状況報告について、表で言いますと、一番右側の新規有所見労働者数が246人と例年の2倍になっているといった御指摘を受け、そのデータを確認したところ、集計データの一部にOCRの読み取りエラーが認められました。そこで、念のため当該データの基となるOCR帳票を精査して再集計をした結果、修正後データが91人になったということで、この結果を令和元年12月の安全衛生分科会に報告をいたしました。246から91人と大幅に数字が変更になっておりますが、じん肺の場合は所見有りとなった方については、必ず医学的な判断をして管理区分を決定するというプロセスを経ますので、実際の労働者の方へ何か不利益が生じているといったようなことはありません。
3つ目の□ですが、その際に、実際にこのOCR帳標を用いて報告を頂いているものが、定期健康診断や他にもあるということで、そういったものについても同じような誤りがあるのではないかということで、今回平成28年から令和元年分についての再集計をいたしました。その再集計の結果を取りまとめましたので、報告をいたします。
次に、スライドの2、3、4枚目それぞれ、定期健康診断、特殊健診、じん肺健診の結果となっております。スライドの2枚目は、定期健康診断の結果です。それぞれ表が事業場の数、労働者数、左下が有所見者数、右下が有所見率となっております。再集計前と再集計後と記載がありますが、先ほど申し上げましたように下の欄外の(注)にも書いておりますが、これはもともと3月末までに提出されたデータをある意味概数というか、速報値的にその時点で集まってきたものを公表しているのが、この再集計前の数字になります。再集計後というのは、この後に例えば事業場であれば、大体2万5,000件前後のものが遅れて報告が来ておりますが、その遅れて来たものを全てチェックして再集計をしたものになりますので、それぞれ数が再集計前よりも増えている状況です。最終的に、右下の有所見率を皆様は見られているかと思いますが、再集計後になりますと少し数字が動いております。大体、例年健診の有所見率は半数を超えていると言われておりますが、少しずつ有所見者の数は増えながら、大まかな傾向としては半分を少し超える54、55%程度で推移をしており、例年の傾向とは大きな乖離は認めておりません。
続いてスライドの3ページです。こちらは特殊健診で、9種類の関係報告をまとめておりますが、同じように再集計前と後ということで少し差があります。有所見率で見ますと再集計後はやはり追加になってくる部分がありますので、再集計前は6%弱、再集計後は6%を少し超える有所見率となっております。
スライド4が、じん肺健診です。じん肺健診については、1枚目のスライドのときにも申し上げましたが、有所見となると必ず医学的な判断が入り、最終的にそれが異常ありなのか、ないのかということを決めますので、再集計前と後で有所見者の数自体は変わりません。逆に報告が遅れて来た分だけ労働者の数は増えますので、実際有所見率の欄で見ていただくと、若干再集計後のほうが下がっている状況です。じん肺については、年々有所見率は下がっております。これらの結果は、毎年厚労省のホームページで公表しているものですので、差し替えをして既に公表をしております。
最後のスライドは、再発防止です。1点目としては、監督署への注意喚起ということで、入力の数値の確認の徹底といったことを指示しております。2点目が、労働基準行政システム関連の改善です。1つ目は、入力したときにおかしい場合には、エラーメッセージ、注意喚起のメッセージが出るように改修をしたことと、手書きですと読み取り間違いが起きやすくなりますので、Web上で報告書を作成できるようにシステムを作ったということです。ただ、これはあくまでも報告書を作るだけで申請はできないということです。
3つ目が、先ほど鈴木委員、増田委員からも御指摘があったとおり、電子申請をとにかく推進をするべきだということで、今その利用促進に向けての様々な周知を図っているところです。また、鈴木委員からも利便性向上という御指摘がありましたが、先ほど申し上げた入力支援システムから今後は直接申請ができるようにするような改修も予定をしております。以上です。
○城内分科会長 ありがとうございました。本件について質問、意見等のある方は、御発言がある旨、挙手又はチャットに書き込みをお願いします。よろしいでしょうか。御質問等ないようですので、ありがとうございます。
これで全ての議題を終了いたしました。本日も熱心に御議論いただき、ありがとうございました。本日の分科会はこれで終了いたします。本日はお忙しい中、ありがとうございました。
 

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