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令和4年9月20日(火曜日)

永岡桂子文部科学大臣記者会見映像版

令和4年9月20日(火曜日)に行われた、永岡桂子文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和4年9月20日永岡桂子文部科学大臣記者会見

令和4年9月20日永岡桂子文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

永岡桂子文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭、私からは1件ございます。
 先週16日、茨城県守谷市、市立の黒内小学校、そして、つくば市立の谷田部東中学校、そして、常総市立水海道中学校を訪問をいたしました。黒内小学校では、デジタル教科書や電子ノートを効果的に組み合わせて活用した授業の様子を拝見をいたしましたし、また、1人1台端末によります学びの充実と教員の働き方改革を車の両輪として取組を進めているということを伺いました。谷田部東中学校では運動部活動の地域移行に携わっている先生や地域の方々と意見交換を行いまして、学校と地域が協働して設立した団体がスポーツ活動を実施をしている先進的な取組や課題についてお伺いをいたしました。また、実際に、外部指導の方がですね、いらっしゃっていまして、生徒の皆さんが充実した活動を行っている様子などを拝見をすることができました。また、水海道中学校では、様々な背景を持つ生徒さんの多様な学びを保障する場でございます、夜間中学、夜間学級を視察をいたしました。生徒の皆さん方の学ぶ意欲の高さ、先生方の熱心さと温かさですね、これに接しまして、夜間中学が義務教育をですね、実質的に保障する重要な役割を果たしているということを改めて感じた次第でございます。また、今後も本視察の内容も踏まえまして、関係施策の充実に積極的に取り組んでいきたいと考えているところでございます。以上でございます。

記者)
 1問質問させていただきます。先週16日、埼玉県の小学校教師が、給食のカレーに漂白剤を混ぜた疑いで逮捕されました。この事件について、大臣のご所感をお願いいたします。また、給食が保管されている配膳室は誰でも立ち入れる状態だったという報道もありますが、管理体制についてどうあるべきとお考えでしょうか。

大臣)
 本当に安全安心が求められます学校におきまして、教育職員自身がですね、本当に、守り育てるべき児童などに対して、危害を加えるという行為を行うことは絶対に許されることではないと思いますし、誠に遺憾だと考えております。文部科学省といたしましては、このような事件が今後発生、生じないように、学校教育におけます国民の信頼の確保の観点から、引き続きまして、教員職員の非違行為ですね、本当に、非違行為の防止と、そして、厳正な対処を各教育委員会に対しまして強く指導をしてまいります。また、学校給食の安全管理につきましては、これまでも各自治体等に対しまして、異物混入防止の観点から配膳室の施錠、これは鍵をかけるということでございますが、施設管理の徹底を求めてきたところでございますので、引き続きまして、その徹底に努めてまいりたいと考えております。

記者)
 今、幹事社の質問にあった富士見市の小学校の関連で伺います。その学校安全を巡っては、2001年の大阪の池田小学校で無差別死傷事件が起きまして、そのとき、結局、外部からの侵入に対して安全をどう確保するかということが考えられたと思います。先ほどご発言がありました給食の施設についても、やっぱり外部から入るのではないかということを想定したものだと思うんですけども、今回一番問題になったのは、内部の学校の先生が子供たちに危害を加えるというところなんですけれども、この内部からの部分についてですね、学校安全をどういうふうにしたらいいのか、これまでの考え方を変えていく必要などがあるとお考えでしょうか。

大臣)
 今のところでは、学校の先生の質の向上ということが大変重要だと考えているところでございます。それと共にですね、今回の事件を受けまして、当該学校に通います児童に対しましては、きめ細やかな心のケアというものが大変重要かと思っておりますので、そこのところは、埼玉県の教育委員会に対しまして、心理の専門(注)でございますスクールカウンセラーの追加配置ですね、に伴う経費につきましても、要望があれば、しっかりとその対応をしていくと、緊急支援をしていくということを伝えてございます。要望に関しては、それぞれ適切に対応してまいりたいというふうに考えているところでございます。以上です。
(注)「心理の専門」と発言しましたが、正しくは「心理の専門家」です。

記者)
 10月に改正される大学設置基準についてお伺いします。新制度の「基幹教員」ができるほか、オンライン授業の単位上限や校地、校舎の基準の緩和などがあります。経営に苦しい大学は多く、規制緩和が悪用され、教育の質が低下するという懸念も指摘されています。規制緩和の狙いと、どう大学教育の質を担保するのか、対応策について大臣のお考えをお聞かせください。

大臣)
 9月7日に開催されました中央教育審議会の大学分科会におきまして、大学の設置基準等の改正について諮問をいたしまして、これを適当と認める旨の答申をいただいたところでございます。今回の改正は、一つに、現行の専任の教員の制度ですね、これを見直しをして、一定の要件の下で複数の大学などでも参入も可能であるというような「基幹教員」の制度を新たに設けることですし、もう一つは、先導的な教育を行おうとする大学からの申請に基づきまして、教育課程等に関わる特例を文部科学大臣が認める制度を新設することなどが主な内容となります。大学教員の働き方の多様化に対応するとともにですね、大学の創意工夫に基づく取組を促しまして、大学教育の一層の充実を推進するものということになっております。ですから、今回の改正後もですね、引き続きまして、各大学等に適切な情報を公表してまいりますとともにですね、大学教育の質の確保にもしっかりと取り組んでいく所存でございます。今お話がありましたように、大学ができないできないということばかり言うようなことがあってはならないということで、共に頑張っていきましょうという、そういう取組でございますので、ご理解の程いただければと思っております。

記者)
 大学ファンドについてお伺いします。大学ファンドで支援する国際卓越研究大学の認定基準を盛り込んだ基本方針案のパブリックコメントが先週から始まったかと思います。その中の認定基準案では、質の高い論文数が5年で1,000本以上として、将来は世界トップ水準にすることや、研究者1人当たりで論文何本といった小規模大学向けの基準、このほか財政基盤や民間資金受入額などの基準も設定されています。今回、このような認定基準案にした狙いをお聞かせください。

大臣)
 大学ファンドの制度設計につきましては、国際卓越研究大学法に基づきまして、科学技術・学術審議会、そして、大学研究力強化委員会における議論も踏まえまして基本方針の策定に向けた検討を進めてきたところでございます。国際卓越研究大学の選定に当たりましては、世界最高水準の研究大学を実現するという目的に照らしまして、その可能性を有する大学かどうか、また、大学の規模によらずしっかりと確認していく、そういう必要があると思っております。ご指摘の数値はですね、あくまで申請時の一定の実績を確認するためのものでございまして、世界トップレベル大学に伍していくためには、さらに研究力を伸ばしていただく必要があると考えているところでございます。このため、これまでの実績や蓄積のみで判断するのではなくて、申請大学の「変革」への意思と、そして、将来構想の提示に基づき判断することが重要であるというふうに考えております。文部科学省といたしましては、これまでの論文(注)に加えまして、現在実施中の意見募集の結果も踏まえながら、基本方針を策定するなど、年内の公募の開始に向けまして、着実に準備を進めてまいるところでございます。以上です。
(注)「論文」と発言しましたが、正しくは「議論」です。

記者)
 まもなく共通テストの願書受け付けが始まると思うんですけれども、コロナ禍でなかなか収束しないまま、また、来年1月を迎えそうな気配になっておりますが、その辺りについてですね、受験生へのエールであるとかこのコロナ禍での注意点であるとか、大臣の方からコメントいただきたいんですが。よろしくお願いします。

大臣)
 これから受験時期を迎えるわけです。だんだん寒くなりますと、受験日がどんどん迫ってくるなという思いがございます。やはり、コロナ禍で普通の学校の生活が、日常の生活ができなかった生徒さんたちには、本当に本当に、友達との連携もできない、先生との対話もなかなかできないという中で受験勉強をしてきたというようなね、そういう方も多いかと思っております。しかしながら、今回の大学入試センターが改訂いたしました新型コロナウイルスの感染症対策、これは、受験生のマスク着用の義務付けですとか無症状の濃厚接触者などの受験のための別室の設定につきましては、昨年度と同様に対応してまいりたいと思っております。また、一方で試験場でですね、試験の継続を認めずに追試験とする発熱の基準につきましては、37.5度から38度以上というふうに変更をさせていただきました。これにつきましては、今年6月に、文部科学省が感染症の専門家等の協力を得て改訂したガイドラインにおいて、感染が強く疑われる症状として、単なる発熱ではなく、高熱ですとか息苦しさ、強いだるさといった具体的な症状が掲げられたことを踏まえまして、大学入試センターにおいて適切に判断されるものと承知をしております。本当に、今お話申し上げましたように、大学入試、生徒さんには、しっかりと準備をですね、万全にして取り組んでいただければと思っている次第でございます。以上です。

記者)
 科学技術関連で1点、お伺いしたいんですけど、先日、イグ・ノーベル賞が発表されて16年連続で日本人が受賞しました。それに関する大臣の受け止めをお聞かせいただきたいのと、文科省として、イグ・ノーベル賞のような独創的な研究に対する支援策などがあれば教えてください。

大臣)
 イグ・ノーベル賞は、本当に「人を笑わせ」て「考えさせる業績」ということで、そういう方々に与えられる賞であると伺っております。今回、千葉工業大学の松崎元教授が、いや5名の方ですね、が受賞されたことは、本当に、まず、お祝いを申し上げたいと思っております。このように、研究者の自由な発想、そして、学術研究を推進することは、やはり、新たな知見であるとか文化的な価値を創造するためにも大変重要かと思っているところでございます。引き続きまして、科研費や、創発的な研究支援事業といった競争的研究費の充実に努めまして、我が国の学術研究のより一層の振興を図ってまいりたいと思っております。しかしながら、やはりイグ・ノーベル賞と言いますといつもこの時期でございまして、この時期、本当に、ノーベル賞が発表される前段階でいつも発表されるんですね。私も文部科学大臣をする以前から、大変、このイグ・ノーベル賞の発表というのが、楽しみにしておりました。非常に日本人は発想が豊かだなと、また、今お話申し上げましたように、「人を笑わせ、考えさせる業績」ということのイグ・ノーベル賞ですから、日本人は向いているんだなというふうには考えております。いつも楽しく拝見させていただいたということと、やはりこうやって、なかなか全部は覚えていないのですけれども、やはり、いつでしたかね、猫の鳴き声でその猫が思っていることがわかるというのも、これは商品化されているのかなと思いまして、やはり、実装にも役に立つんだなというふうに考える次第でございます。以上です。

(了)

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