外務省・新着情報

日韓関係

【読売新聞 阿部記者】日韓関係についてお尋ねします。先月、韓国の尹(ユン)大統領が演説で、日韓関係の改善に前向きな発言をしまして、先週も事務方の局長級の協議が行われたことだと思います。今後の日韓関係の改善に向けて、どのように進めていきたいとお考えでしょうか、お聞かせください。

【林外務大臣】現在日韓関係は、旧朝鮮半島出身労働者問題、また、慰安婦問題等によりまして、非常に厳しい状況にあるわけですが、7月、8月の外相会談で、旧朝鮮半島出身労働者問題について、早期の解決で一致をして、外交当局間で緊密に意思疎通をしております。先週8月26日の日韓局長協議では、韓国側の努力について説明があり、日本側の立場を伝達をした上で、今後も意思疎通を継続していくことにしております。
 8月15日や、また就任100日目にあたる8月17日の尹錫悦(ユン・ソンニョル)韓国大統領の日韓関係に関する発言についてでございますが、全体として、尹大統領自身が、日韓関係改善に向けた強い意志を示したものと前向きに受け止めており、歓迎をしております。
 日韓は、国際社会における様々な課題への対応に協力していくべき重要な隣国であります。尹大統領も演説で、同様の認識を示したと承知をしております。現下の戦略環境に鑑み、日韓・日米韓協力の進展、これが今以上に重要な時はないと考えております。
 国交正常化以来築いてきた日韓の友好協力関係の基盤に基づいて、日韓関係を健全な関係に戻し、更に発展させていく必要があり、日韓関係改善のために、尹大統領や朴振(パク・チン)長官を始め、韓国政府と緊密に協力をしていく考えでございます。

日中関係

【毎日新聞 日下部記者】日中関係についてお伺いします。今月29日に、日中国交正常化50年を迎えます。先日、局長級会議もありましたが、今後50年に向けて、中国とどのように向き合い対話していくのか、というお考えを教えてください。

【林外務大臣】8月31日ですが、日中局長テレビ会議が、また、17日には、秋葉国家安全保障局長と楊潔篪(よう・けつち)中国共産党中央外事工作委員会弁公室主任との間で、意見交換が行われまして、それぞれにおいて、両国間で意思疎通の重要性について一致をしたところでございます。
 日中関係においては、隣国であるが故に、その時々の状況に応じて、様々な問題がありまして、現在においても多くの懸案が存在しておるわけでございます。8月4日のEEZを多く含む我が国近海への弾道ミサイル発射を始めとする中国による一連の軍事活動、また、尖閣諸島をめぐる情勢を含む東シナ海、南シナ海における一方的な現状変更の試み、我が国周辺における軍事活動の拡大・活発化、こうしたものは、日本を含む地域と国際社会の安全保障上の強い懸念でございます。
 日中関係については、主張すべきは主張し、責任ある行動を求めつつ、共通の諸課題については協力する。こうした「建設的かつ安定的な日中関係」、これを双方の努力で構築していく必要があると考えております。このような時だからこそ、しっかりと意思疎通をすること、これが重要であり、我が国は中国側との対話については、常にオープンであるということでございます。

故安倍元総理大臣の国葬儀

【朝日新聞 野平記者】 安倍元首相の国葬についてお伺いします。各国から政府の要人が訪日されることから、日本政府内では、重要な外交機会になるとの期待の声が上がっていますが、大臣も同様の認識でしょうか。弔意外交の意義についてのお考えをお聞かせください。

【林外務大臣】今後の日本外交、この礎を築かれた、安倍元総理の遺志を継いで、国際社会の平和と繁栄、これを実現すべく、日米同盟の一層の強化、それからASEANや欧州、こうした同志国との連携、更には「自由で開かれたインド太平洋」、この実現に向けた協力、こうしたものに、しっかり取り組んでまいりたいと考えております。
 「国葬儀」の機会には、今お話がありましたように、多くの海外要人が訪日することが見込まれておりまして、「国葬儀」の前日から翌日にかけて、首脳レベルや外相レベルで可能な限り集中的にバイ会談を行うということ予定をしております。こうした中で、安倍元総理が培われた外交的遺産を、我が国としてしっかりと受け継いで、発展させるという意思を、内外に示していきたいと考えております。

日中関係/令和5年度概算要求(偽情報対策)

【共同通信 福田記者】2点ちょっと質問ありまして、1問目はちょっと確認なんですけれど、先ほど日中の関係の発言で、しっかり意思疎通する必要があるというふうに大臣お答えになられましたけれども、国連では王毅(おう・き)国務委員と会われる可能性も高いと思いますが、もし会談することになれば、やっぱりそういう意思疎通を、しっかりやっていこうというふうにお考えでしょうか。2点目なんですけれど、情報戦の対処について伺います。概算要求に盛り込まれましたけれども、この情報戦、外務省として今後、どのように取り組まれていくのか、教えてください。

【林外務大臣】1点目でございますが、先ほども申し上げましたように、建設的かつ安定的な日中関係、これ双方の努力で構築していく必要がある。そのためにも、やはりしっかりと意思疎通をすることが重要でありまして、我が国は、中国側の対応については常にオープンでございます。
 また、日中首脳会談、また、私(林大臣)と王毅国務委員との会談について、現時点で決まっていることはございませんけれども、様々なレベルでの対話が重要であると考えておりまして、主張すべきは主張しながら、具体的に検討していきたいと考えております。
 それから、偽情報対策ですが、偽情報の検知・分析から対応まで、これを一連の1つのサイクルとして実施をする必要があると考えておりまして、標的となりうる地域や分野も多岐にわたります。したがって、情報部門と、そして政策・広報部門の連携が非常に大事になってまいりますので、そうした意味での省内横断的な対応、これを行ってきておるところでございます。こうした取組を、更に強化をするということで、令和5年度予算概算要求においても、必要な予算を要求しているところでございます。

日韓関係(日韓首脳会談の見通し)

【読売新聞 阿部記者】冒頭に質問した日韓関係の関連なんですけれども、先日、韓日・日韓フォーラムが開かれて、そこでも早期の首脳会談を求めるような共同声明をまとめたんですけども、先ほどの質問と重複しますけれども、首脳会談、早期の首脳会談についてはどのようにお考えでしょうか。

【林外務大臣】日韓関係を健全な関係に戻して、更に発展させていく必要があると、これは先ほど申し上げたとおりですが、この日韓関係改善のために、尹大統領や朴長官を始め、韓国政府と緊密に協力していく考えでございますが、会談について、現時点では、具体的に何ら決まったことがあるわけではございません。

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