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会見発言記事
金子総務大臣臨時閣議後記者会見の概要
令和4年8月10日

冒頭発言

【退任挨拶】
 
  冒頭、退任のご挨拶をさせていただきます。
  昨年10月4日に着任いたしまして、10か月強に渡り総務大臣を務めさせていただきました。総理から総務大臣に任命するというお話を聞いたとき、私自身もびっくりしたわけですが、それは初入閣であり、主要大臣である総務大臣のご指名があるとは思っておりませんでしたので、総理に聞き直したわけですが、その時に、地方の出身で地方をよく知っていて、また被災地でもあるというようなことで、しっかり地方に寄り添って地方を盛り上げてくれということでございました。
  その総理のありがたいお言葉をしっかり受け止めながら、この10か月強に渡って総務行政のトップとして携わってきたわけでございます。職員の方々はもとより、関係者の皆様、そしてマスコミの皆様にも大変お世話になり、感謝申し上げます。
 実に幅広い分野を所管する総務省で、優秀な職員の皆様に支えていただき、また、国会では与党・野党を超えて、数多くのご指導、ご示唆をいただき、国民の皆様の役に立つ政策が進むよう、一日一日、一生懸命、丁寧に職務に励んでまいりました。
  任期中、7本の法案とNHK予算を成立させることができ、激務でありましたが、職務を全うし、幸せに思っております。
  マスコミの皆様にも総務省の施策を適時適切に取り上げていただくなど、大変お世話になりした。
  私の地元においても、様々な施策の中でニュースに取り上げていただき、私自身も大変ありがたかったと思っていますし、総務行政がいかに国民に密接したところにあるかということもわかっていただけたのではないかと思います。心より感謝を申し上げ、退任のご挨拶とさせていただきます。
 
 私からは以上です。

質疑応答

在任期間の振り返り

問:
  在任期間を振り返っての感想や思いをお願いいたします。
答:
  昨年の第2次岸田内閣の発足以来、岸田内閣の政権運営の基本である国民の皆様と丁寧な対話を踏まえ、私も総務大臣として、地方の繁栄なくして国の繁栄なしをモットーに、これまで全力で取り組んでまいりました。まさに総務省は、地方とのつながり、地方との関係を大切にしながら、地方自治体の皆様方にお支えいただきながら、あるいは総務省としても寄り添いながら、丁寧に物事を進めさせていただいたわけであります。
  今思えば、地方6団体をはじめ、あらゆる関係の皆様方、そして、地方にも赴き様々な地方の悩み、私が知っている熊本の景色ではない、北海道から全国に渡って、様々な課題があるということを、身をもって感じたわけであります。
  まず、長期化している新型コロナ対策については、地方連携推進本部を立ち上げ、私も本部長としてワクチン接種の促進に関係省庁と協力して取り組み、一定の成果を上げてきていると考えております。しかし、今、4回目接種が始まっている中で、3回目接種がまだ終わっていない方々もいます。それぞれの個人の思いはありますが、できればワクチン接種をこれからもやっていただければと思っております。
  次に、岸田内閣の最重要課題であるデジタル田園都市国家構想の実現に向けては、本年3月末にデジタル田園都市国家インフラ整備計画を策定し、光ファィバや5Gの地方におけるデジタル基盤の整備を強力に進めるとともに、地域のデジタル化の基盤となるツールであるマイナンバーカードの普及促進に向け、全力で取り組んでいるところであります。
  しかしながら、政府は来年3月末までにほぼ全国民に行き渡るということを目標にしているわけですが、まだ5割にも達していないような状況の中で、マイナポイント第1弾、第2弾を含めて、あらゆる対策を取りながらマイナンバーカードの普及促進に向けて取り組んでいかなければいけないと思っております。
  まずは手続きが煩雑であるということもありました。これは知事会、市長会、町村会からも話がありましたし、大臣室に来られる地方自治体のトップの方々からもそのようなお話がありました。お年寄りにはわかりにくいということもありました。持っていて、もし落としたらどうなるのかというようなこともありました。そういう手続の煩雑さも、今、総務省を挙げて、非常に良い方向で対応方針を作って取り組み始めたところですし、公金受取口座、あるいは健康保険証との紐付け、それからマイナンバーカードを使ってe-Taxを簡単に進められるとか、あるいは救急車においてマイナンバーカードを使って適時適切な診療ができる救急体制が組めるような対策もやっております。これから各自治体や企業や学校にもお願いをしながら、政府が掲げている目標の達成に向けて、全力で取り組んでいかなければいけないと思っておりますし、関係省庁、関係自治体とも連携をしながらやっているところです。私自身も大臣の職は辞しますが、しっかりと応援をさせていただきたいと思います。
  また、この間、NTTドコモやKDDIの大規模な通信障害が発生し、通信サービスが社会全体に与える影響の大きさを改めて認識しました。これを踏まえ、総務省として再発防止策と障害発生時の対応策の検討に着手したところです。
  私自身、一昨年、令和2年7月豪雨災害の被災地であり、その被災した時に道路や河川の被害がありましたが、それと同時に情報通信網がずたずたになって、そこに行けない、連絡が取れない、安否確認ができないというようなことがありました。私自身、大臣になってすぐに情報通信網の強靱化もやるべきであるということを申し上げてきたところですし、そのことも総務省の中でこれまでもやっていただいているわけでありますが、今、もしものことがあった時のための取組も進めていただいているところです。
  NTTドコモやKDDIの大規模通信障害については災害ではありませんが、災害と同じような通信障害が起きた時に、熱中症やコロナ、あるいは本当に災害が起きた時の緊急の情報網が途絶してしまうということはあってはならないことだと思っております。私自身もKDDIの案件を機に、大規模通信障害が起きた時にローミングができるというようなことも含め、前向きに対策を進めていくべきということで、基準や、あるいはどういう場合についての範囲とか、そのようなことも含めて、今、前向きに進めさせていただいております。一日も早く、国民の皆様方が安心して情報が手に入れられるように、緊急な連絡ができるように、是非、総務省には取り組んでいただきたいと思います。
  また、地方の安定的な財政運営の面では、令和4年度地方財政対策において、知事や市町村長の意見も踏まえながら一般財源総額をしっかりと確保するとともに、地方交付税総額を確保し、また、臨時財政対策債の縮減を実現しました。地方の自治体の皆様方には喜んでいただいておりますし、財源が乏しい自治体、あるいは条件不利地域、様々な地方において、雪害だったり、赤潮だったり、様々なことに交付税措置もしたわけですが、これからも地方に寄り添って、地方財政対策をしっかりやっていくべきだと思っております。
  国際面では、欧州、シンガポール、オーストラリアを訪問し、岸田内閣において経済安全保障が極めて重要な政策課題になっていることも踏まえ、5GやBeyond 5G等のデジタル分野において、ハイレベルでの協力関係を強化することができました。これからも安全で安定的なデジタル社会の実現に向けて、努力を進めていただきたいと思っております。
  統計不適切問題の対応では、公的統計の信頼性確保のため統計委員会を全面的に支援し、公的統計の改善策を取りまとめていただくことができました。統計というのは国民の信頼であります。統計をもとに事業をやっている方、また、様々な対策も打っていかなければいけないわけですので、この統計問題というのは非常に重要な問題であると思います。二度とこのようなことが起きないように、しっかりと総務省が主体となり、関係省庁との技術的な連携も含めて、確実な統計体制を確立していただくように是非お願いをしたいと思います。
  それから、先ほど申し上げましたように、私は一昨年、豪雨災害にあった地域出身の国会議員です。その時に、やはり地域防災力、現場にいつもいていただいている消防団、常備消防の方々が全国に100万人近くおられるわけですが、消防団においては一刻も早く被災現場に行っていただくわけです。消防団員が減少している状況もあり、この地域消防力の強化という意味で、消防団の皆様がしっかり地域を守っていただけるように処遇改善にも取り組ませていただきました。熱海の土石流災害において、大変困難な救助作業でしたが、これをもとにハイスペックドローン、そのような特殊な環境の中でも救助作業ができるような資機材、このようなものも対応できるようにさせていただきました。これからも、安全・安心という意味で、消防組織の皆様方、救急もコロナや熱中症で今は大変な状況になっておりますので、現場で頑張っていただいている消防、救急組織の皆様方に、総務省としても支援していかなければいけないと思っております。
  このほか、国民生活に密接に関係をする地方税、地方交付税法、放送法、電気通信事業法などの改正を行ったほか、郵便、行政相談などの様々な課題に取り組んできているところです。
  郵便においては、全国2万4千局の重要な生活インフラである郵便組織を、地方において過疎化が進んでいく中で自治体と郵便局が連携し、デジタル分野、マイナンバーカードにおいても、郵便局はしっかりと地方を支えていくために必要な組織であると思っておりますので、我々も郵便局を応援していかなければいけない。
  行政相談においては、行政相談員制度が昨年で60周年でした。今年、60周年の記念式典を1年遅らせて行いましたが、私と同じ年にできたのが行政相談員制度で、災害の時でも、あるいは日々の時でも、行政相談は国民にとって非常に頼りになる組織です。先日、キティちゃんに表彰状を渡しました。
  総務省は国民に幅広く、身近なところにある行政を担っている省です。総務省がいかに様々なところに支援をしているかということがわからない方がおられますので、私は宣伝マンとして総務省はこんなこともやっています、地域おこし協力隊もやっていますと、いろんなことをやりながら、これからも地方を盛り上げていきたいと思います。

次の総務大臣に期待すること

問:
  今晩、新内閣が発足しますが、次の大臣に期待することについてお願いいたします。
答:
  総務省の抱える大変重要な役割を、自らが体験した中で皆様方にお話をさせていただきましたが、総務大臣は地方行政、地方財政、消防、情報通信、行政評価、放送、統計、郵便など、非常に幅広く国民生活に密着した行政分野を所管するポストであります。国民の皆様にとっては必要な政策を1つ1つ着実に進めて、結果を出していっていただきたいと思います。
  今、名前に挙がっておられる次の大臣は、総務副大臣もやっておられましたし、財務省におられて財政のことも非常に詳しい方でありますし、非常に柔らかい、また、総理の信頼も厚い方でありますので、私がこういったことを述べることもなく、よくわかっておられると思いますが、現場の声や関係者の声をよく聞いて、その施策をしっかりと反映をしていただくとともに、日々緊張感を持ちながら様々な課題に立ち向かうという姿勢を是非お願いしたいと思います。
  機会があれば総務省におられるだけでなく、様々な地方、地域を見ていただき、いろんな方々との車座対話は私にとって重要でありました。また、総務大臣が視察に行くとマスコミの方々も一緒に行っていただけるという意味では、次の大臣にも現場主義といったことを是非心がけていただければ、自ずと良い政策ができていくと思っております。

問:
  以上で会見を終わります。ありがとうございました。
答:
  本当にありがとうございました。

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