外務省・新着情報

令和4年8月10日

 8月10日(日本時間)、G7外相は、標記声明を発出しました。

(声明仮訳)
 我々、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国及び米国のG7外相並びにEU上級代表は、現在も続く、ロシア連邦のウクライナに対する、いわれのない、不当な侵略戦争に対する最も強い非難を改めて表明する。ロシア連邦は、国際的に認められたウクライナの国境内から直ちに軍を撤退させ、ウクライナの領土及び主権を尊重しなければならない。

 この文脈で、我々は、安全で防護された運用を確保するため、ロシアが、ザポリッジャ原子力発電所及び国際的に認められたウクライナの国境内の全ての原子力施設の完全な管理を正当な主権を有する所有者であるウクライナに直ちに戻すことを求める。ザポリッジャ原子力発電所を運営するウクライナ人職員が、脅迫や圧力なしに職務を遂行できるようにしなければならない。地域を危険にさらしているのは、ロシアによる継続した原子力発電所の管理である。

 我々は、原子力事故や異常事象のリスクを著しく増大させ、ウクライナ、近隣諸国及び国際社会の人々を危険にさらす、ロシア軍によるウクライナの原子力施設の占拠その他の活動がこうした施設の安全及び核セキュリティに与える深刻な脅威に引き続き深い懸念を抱いている。それはまた、ウクライナによる平和的な原子力に関する活動に対し、保障措置を目的としてモニタリングを行うIAEAの能力を損なう。

 我々は、ウクライナの原子力安全及び核セキュリティを強化するためのグロッシーIAEA事務局長の取組を歓迎及び支持し、本件に関する事務局長及びIAEA職員の確固たるコミットメントに感謝する。こうした背景から、我々は、ウクライナの領土及びインフラに対する同国の完全な主権を尊重する形で、原子力安全、核セキュリティ及び保障措置の懸念に対処するため、ザポリッジャ原子力発電所へのIAEA専門家ミッションを促進する重要性を強調する。我々は、グロッシー事務局長により示された「原子力安全及び核セキュリティの7つの柱」の重要性を強く支持する。

 我々は、IAEAに対する全面的かつ継続的な支持を改めて表明する。IAEA職員が、ウクライナの全ての原子力施設に安全かつ障害なくアクセスし、これらの施設の運営に責任を有するウクライナ人職員と直接に、また、干渉されることなく協働することが可能とならなければならない。ウクライナにおける原子力安全、核セキュリティ及び保障措置を強化するため、これらの取組を実施する全ての人員の安全に注意が払われなければならない。


発信元サイトへ