厚労省・新着情報

人材開発総務担当参事官室

日時

令和4年3月23日(水)15:00~17:00

場所

WEB会議

議題

(1) 雇用保険法施行規則 等 の一部を改正する省令案要綱について(諮問)
(2) 職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)
(3) 職業能力開発促進法施行規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)
(4)  企業内の学び・学び直しを促進するためのガイドラインの策定に向けて
(5)  2021年度の年度目標の中間評価について

議事

議事内容
○武石分科会長 定刻となりましたので、ただいまから「第34回労働政策審議会人材開発分科会」を開催いたします。本分科会は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、労働政策審議会運営規程第3条第1項に基づきオンライン会議の開催といたします。本日の出欠状況ですが、公益代表の海老原委員、使用者代表の増田委員、渡邉委員が御欠席です。なお、御欠席の増田委員の代理として、日本・東京商工会議所産業政策第二部担当部長の杉崎様が代理出席されております。また、玄田委員につきましては、所用により途中退席される予定です。
 それでは、議事に入ります。議題1「雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令案要綱について(諮問)」です。資料1について、企業内人材開発支援室長より御説明をお願いいたします。
○吉岡室長 企業内人材開発支援室の吉岡です。よろしくお願いいたします。私のほうから、議題1の「雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令案要綱について(諮問)」ということです。資料1-1の改正省令案の概要で御説明いたします。それと、資料1-2で省令案要綱に係る諮問文をお付けしていますが、こちらにつきましては割愛させていただきたいと思います。資料1-1をお手元にお願いいたします。当分科会でお諮りするのが、真ん中辺りで下線を引いてある、5.人材開発支援助成金、7.認定訓練助成事業費補助金の見直しになります。昨日、国会において成立しました令和4年度予算に盛り込んでいた内容に伴う省令改正になります。あと、人への投資に関連する内容につきましては今回のには含まれておりません。
 1ページを説明させていただきます。上のほうから人材開発支援助成金ですが、事業主が雇用する労働者に対して職業訓練を実施した際の訓練経費とか、訓練期間中の賃金の一部等を助成するもので、この人開金のコースには4つございます。そのうちの3つのコースの内容について、今回、見直しをさせていただきたいと思っています。(1)の特定訓練コースの見直しですが、これは正規雇用労働者の方を対象としたコースで、同じ一般訓練コースというものがございますけれども、そちらの一般訓練コースと比較して経費助成率がちょっと高めになっていて45%になっています。大きい四角ですが、この特定訓練コースの助成を受けるに当たっての要件を細かく書いているところです。それに加えて、箱の下の改正後の内容ですが、1点、要件として追加させていただきたいと思っています。労働協約、就業規則又は事業内職業能力開発計画にキャリアコンサルティングの機会の確保ということで、そういった措置を規定又は明記していただきたいというのが1点です。
 下の○ですが、これまでセルフ・キャリアドック制度を導入している事業主に対して、先ほど助成率は45%と申し上げましたが、それに更にプラス15%加算して支給しているところです。実は導入している事業所が継続してこのプラス15%を活用できる仕組みとなっていますが、これもどうかなということで、プラス15%の加算は今年度限りで廃止させていただきたいと思っています。
 続きまして、2ページです。上のほうの○、グローバル人材育成訓練に対する助成については令和3年度限りで廃止ということですが、こちらにつきましては実績が低調ということもあり、このメニューにつきましては今年度限りで廃止とさせていただきたいと思っています。
 次の○、特定分野認定実習併用職業訓練に対する助成につきまして今年度限りで廃止ということですが、四角の中の現行制度の概要を見ていただいて、特定分野というのが建設業、製造業、情報通信業、この3業種においては、実習併用職業訓練というのがOJTとoff-JTを組み合わせた訓練ですけれども、このoff-JTに係る経費助成率が、この3業種につきましては45%に更に15%加算して、現行、支給対象としているところです。この15%の加算につきましても今年度限りで廃止させていただきたいと思っています。
 次の○ですが、同じく認定実習併用職業訓練、OJTとoff-JTを組み合わせた訓練で、off-JT以外にOJTに係る実施助成額というものも支給しているところです。下の箱の現行制度の概要で、OJTの実施助成額が1人1時間当たりの支給となっているところを、その下の四角で改正後の内容ですが、定額化にさせていただきたいと思っています。1人1時間当たりを1人1訓練当たりということで、2ページの下の中小企業事業主以外であれば1訓練当たり11万円、次の3ページで、中小企業事業主の場合だと1訓練当たり20万円と定額化させていただきたいと思っています。この定額化に伴い、事業主サイドで書類の簡素化などが見込まれると思っています。
 (2)の教育訓練休暇付与コースの見直しですが、現行、2つのメニューがございます。それに、3ページの○の教育訓練短時間勤務制度を新たに創設したいと思っています。短時間勤務制度の簡単な概要ですが、1日の所定労働時間を例えば1時間、2時間ぐらい短くしてもらって、その時間を教育訓練などに充ててもらいたいということです。この短時間勤務制度を事業主のほうで就業規則等に導入していただいて、実際に適用となる労働者の方が出た場合に、3ページの下のほうにあります経費助成、導入助成になりますけれども、20万円の支給となります。
 4ページの上のほうの○の、教育訓練休暇付与コースで今の短時間勤務制度の追加ですが、現行のメニューが2つあると申しました。教育訓練休暇制度と長期教育訓練休暇制度、これは30日以上休暇を付与した場合に対象となりますが、実はこの適用となる労働者の方は正規雇用の労働者が対象になっていたところを、均等均衡対遇ということも踏まえて有期契約労働者、非正規雇用の労働者も含めて、事業所内の全被保険者が適用労働者となる見直しとなります。
 下の(3)です。もう1つ特別育成訓練コースの見直しということで、こちらは非正規雇用労働者の正社員転換とか処遇改善を目的として、訓練を行った場合に助成をするものです。その下に○に中小企業等担い手育成訓練というメニューがありますが、この訓練は製造業とか建設業等の業界団体と事業主が共同して訓練を行った場合に、人開金のほうで助成するメニューです。実はこれを業界団体に委託していまして、この委託事業が今年度限りということです。それに伴って人開金のほうのメニューも廃止とさせていただきたいと思っています。
 4ページの一番下の○ですが、特別育成訓練コースの中にも有期実習型訓練ということで、これもOJTとoff-JTを組み合わせた訓練に対して助成しているところですが、先ほどの認定実習併用職業訓練同様にOJT実施助成額につきまして、こちらも定額化させていただきたいと思っています。
 5ページです。上のほうの箱が現行制度の概要ということで、OJT実施助成額が中小企業事業主であれば1人1時間当たり760円のところを、下の改正後は、中小企業事業主であれば1人1訓練当たり10万円ということで定額化させていただきたいと思います。
 最後に、7.認定訓練助成事業費補助金です。こちらは中小企業事業主等が行う認定職業訓練に対して、都道府県が運営費、施設費、設備費を補助しているところですが、国は都道府県に対して補助を行っています。これまで東日本大震災により被災した認定職業訓練施設の復旧に係る施設費、また設備費につきまして、国は都道府県への補助率を引き上げる措置を行ってきたところですが、今年度で被災した認定職業訓練施設につきましては全て復旧が完了していますので、この暫定措置につきましては今年度限りで廃止とさせていただきたいと思っています。議題1につきまして説明は以上です。よろしくお願いいたします。
○武石分科会長 ありがとうございました。出欠の確認ですが、先ほど渡邉委員は欠席と申し上げてしまいました。大変失礼いたしました。渡邉委員は御出席いただいています。
○渡邉委員 来ましたので、すみません。
○武石分科会長 それでは、ただいまの御説明に対する御質問、御意見がございましたら、Zoom機能の「リアクション」から「手を挙げる」マークを押していただき、指名された方はマイクをオンにして御発言をお願いいたします。いかがでしょうか。冨髙委員、お願いいたします。
○冨髙委員 ありがとうございます。内容について、特段異論はございませんが、今回、御説明いただきました中で、各種助成金の実績件数等が低調であるために廃止とされたものが幾つかございました。当然のことではありますが、件数が低調であるから単に廃止とするだけではなく、なぜ件数が低調であったのかを、しっかり分析していただいた上で、公表することも重要だと考えています。その上で今後、新たな助成金等を新設する場合には、そういった要因分析も踏まえつつ、さらにニーズの十分な把握や課題の対策を講じて設定することが重要ではないかと考えます。その点を踏まえて今後、御対応いただきたいと考えています。以上です。
○武石分科会長 ありがとうございます。杉崎代理、お願いします。
○増田委員代理杉崎様 ありがとうございます。厳しい財政状況の中、利用実績や事業効果などに基づいて、簡素化を含めた助成金の見直しを図ることは適当であると考えています。一方で、今回の見直しは非常に細かいものも含まれていますので助成金の利用者、特に中小企業に対して分かりやすい形での周知を、是非、お願いしたいと思います。以上です。
○武石分科会長 ありがとうございます。滝澤委員、お願いいたします。
○滝澤委員 滝澤です。御指名ありがとうございます。ただいま御説明いただきました省令の改正案について全体的に異議はございませんが、その中で資料1-1の3ページに、教育訓練短時間勤務制度が新設されるという御説明がございました。また、その説明の中に、この適用を受けるには、事業者が就業規則にこれを規定する必要があるという御説明があったかと思います。運用に当たっては分かりやすく周知を頂きますよう、よろしくお願いいたします。以上です。
○武石分科会長 ありがとうございます。平田委員、お願いいたします。
○平田委員 ありがとうございます。省令の改正案自体は妥当と考えています。その上で2点、意見を申し上げます。1点目です。今後、成長産業や分野への労働移動が必要になり、そのためには働き手の能力開発やスキルの向上が不可欠だと考えていますが、残念ながらコロナ禍への対応で予算が限られています。そこで、効率的な運用や活用をお願いしたいと思っています。2点目は先ほどの冨髙さんの御指摘と全く同じです。利用実績が少ない助成金を廃止していくことは妥当な対応だと考えていますが、単純に廃止ということで思考停止するのではなく、要因を分析し、次に新しい助成金を作っていくときの参考にしていくことが大事なのではないかと思っています。以上、意見として申し上げておきます。
○武石分科会長 ありがとうございました。皆さん、改正には賛成ということで幾つか御要望があったと思います。事務局から御説明はありますでしょうか。
○吉岡室長 御意見、どうもありがとうございました。冨髙委員、平田委員がおっしゃったように廃止に伴って、今後、また新しい見直し等にかかりましたら、検証なり要因分析を踏まえた上で今後の見直しを検討していきたいと思っています。あと、杉崎様、滝澤委員のほうからも助成金の周知等々ということですので、こちらにつきましては本省もそうですけれども、実際に審査、支給を行っている労働局からも事業主に対しての細かな周知については指導していきたいと思っています。ありがとうございます。
○武石分科会長 御説明、ありがとうございました。ほかに御質問、御意見等はございますか。よろしいですか。それでは、特にないようであれば議論はここまでとさせていただき、議題1の「雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令案要綱について(諮問)」は、本分科会として妥当と認める旨を、労働政策審議会会長宛てに御報告申し上げたいと思います。御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 
                                  (異議なし)
 
○武石分科会長 ありがとうございます。それでは、事務局から報告文(案)の配布をお願いいたします。
 
                 (報告文(案)を共有)
 
○武石分科会長 今、共有いただいておりますが、この報告文(案)により、労働政策審議会会長宛てに報告することとしてよろしいでしょうか。
 
                                  (異議なし)
 
○武石分科会長 特に御異議がないようであれば、そのように報告させていただくこととし、この議題についてはここまでといたします。ありがとうございました。
○吉岡室長 ありがとうございました。
○武石分科会長 次に、議題2「職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)」です。資料2及び資料3について、訓練企画室長より御説明をお願いいたします。
○平川室長 訓練企画室長の平川です。御説明させていただきます。資料2-1を御覧いただければと思います。求職者支援法の省令改正です。求職者支援訓練につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた特例措置を、今のところ3つ講じているところです。これらの特例措置の期限が令和4年3月31日までとなっていますけれども、これを令和5年3月31日まで延長しようというものです。
 3つの特例の御説明ですが、一番上にございます実践訓練の訓練期間の認定基準等に関する特例の延長ということで、こちらの詳細は次の2ページ目を御覧いただければと思います。この特例は去年、令和3年2月25日から実施していますけれども、求職者支援訓練につきましてシフトが減少したシフト制で働く方などが、働きながら訓練を受講しやすい環境整備を図るということで、短期間・短時間の訓練コースの設定が可能となるような特例措置を設けています。具体的には訓練を実施する期間につきまして、通常、2~6か月とされているところを2週間~6か月ということで緩和しています。訓練時間につきましても月100時間以上、1日5~6時間とされていますが、こちらを月60時間以上、1日2~6時間ということで緩和しています。併せまして、この特例コースにつきましては付加奨励金、こちらは就職率に応じて1万円又は2万円お支払いするというものですけれども、この付加奨励金の就職率の基準、欠格要件における就職率の基準を、通常のコースより引き下げているという特例措置を講じています。これが1番目の特例です。
 前のページに戻っていただいて真ん中の2番目の特例ですが、こちらは訓練実施実績の要件の緩和に関する特例です。コロナ禍において求職者支援訓練の訓練枠を確保する必要があったということで、訓練実施期間が認定を受けやすくなるような要件緩和を令和3年2月12日から実施しています。具体的には、従前からの要件を左側に書いていますけれども、過去3年間に認定を受けようとする訓練と同程度の訓練期間、訓練時間の職業訓練を適切に行った実績が必要ということで、ここで言う職業訓練は求職者支援訓練以外も含むわけです。これが従前から要件としてありますけれども、それに加えて、右側にございますとおり、3年より前であっても認定を受けようとする訓練と同程度の訓練期間、訓練時間の求職者支援訓練を適切に実施したことがある場合は認定を可能とするということで、認定要件の枠を広げた特例です。
 3番目の特例がその下で、基本奨励金の上乗せに関する特例です。訓練実施機関に支払われる基本奨励金につきましては、通常、1人1月当たり基礎コースですと6万円、実践コースですと5万円となっていますが、介護分野、障害福祉分野につきましては、職場見学を実施すること等を要件として1万円上乗せを行っています。
 今、この3つの特例の御説明をしましたけれども、この3つの特例の実施期限につきまして、令和5年3月31日まで1年間延長するという内容の省令改正になっています。
 続きまして、資料2-2ですが、こちらは省例案の要綱になっていますので、説明のほうは省略させていただきます。
 次に、資料3を御覧いただければと思います。こちらは求職者支援訓練に関する特例措置の実施状況です。1ページで特例措置の活用実績ですが、左上の表が求職者支援訓練全体の設定状況等で、設定コース数、設定定員数、受講者数となっています。令和3年度の所に書いてあるのは、まだ1年分の数字ではありませんので令和3年4月から令和4年1月までの数字になりますけれども、この令和3年度の数字が、例えばコース数で見ますと対前年度比で123.5%ということで増加しています。右側の表は、このうちの介護分野の設定状況ということで、コース数で見ますと伸び率は対前年度比122.6%となっています。下にございますのが短期間・短時間特例訓練の実施状況です。コース数で見ますと、特例コース数は上から2行目になりますが、短期間・短時間コースの設定コース数は741コースということで、全体のコース数が2,776コースですから、全体のコース数の26.7%を占めています。受講者数を見ますと、一番右の列になりますが、2万2,140人が利用しているところです。
 2ページを見てください。短期間・短時間特例訓練につきまして分野別でコース設定状況を見てみますと、短期間・短時間コースは、それ以外のコースと比較して赤い所、営業・販売・事務の分野での設定が多くなっています。これは、初歩的なパソコンスキルなど短時間でも設定可能なコースが多いためではないかと考えています。一方でIT分野、一番左の青い所ですけれども、IT分野とか右側にありますデザイン分野等につきましては、短期間・短時間コースの設定は比較的少ないという状況になっています。
 3ページ目を御覧いただいて、短期間・短時間特例訓練の受講事例です。類型としては、上にある新型コロナウイルスの影響により、シフトが減少又は離職した方が利用しています。事例を御紹介しますと、事例1ですが、飲食店で働いていた方がコロナの影響でシフトが激減したので、現職との両立が可能な短期間の医療事務の訓練を受講して転職しています。事例2は、母子家庭で3人のお子さんを育てておられて、お勤めされているホテルが休業して勤務日数が減少したので、働きながら短期間の介護分野の訓練を受講して転職しています。事例3は、飲食店でパート勤務する母子家庭のお母さんが、子供さんを保育園に預けていて送迎が必要だったので、訓練等の両立が可能な短期間・短時間のパソコン訓練を受講されました。事例4は、飲食店でアルバイトをしていた方が、仕事が全くなくなり、安定した仕事への再就職を希望されて短期間の訓練を受講し、資材管理業務職(正社員)へ転職したという事例がありました。
 それから、子育て中の方や健康上の配慮が必要な方も受講していただいています。事例1では、障害のあるお子さんの育児をされており、訓練期間や時間に制約があったため、短期間・短時間訓練を受講されました。事例2は、就学前のお子さんの養育や定期的な通院があり、短期間・短時間のパソコンスキルの訓練を受講されています。事例3は、前職を適応障害で離職されたということで、体調面を考慮して短時間の訓練を受講して再就職しています。事例4は、疾病の影響で働けない期間が長く、働くことに不安を感じていたということで、体調を踏まえながら短期間・短時間の介護分野の訓練を受けて就職されたという例がありました。私からの説明は以上です。よろしくお願いいたします。
○武石分科会長 ありがとうございました。ただいまの御説明に対する御質問、御意見がございましたら、Zoom機能の「リアクション」から「手を挙げるマーク」を押していただき、指名された方はマイクをオンにして御発言をお願いいたします。渡邉委員、お願いいたします。
○渡邉委員 説明、ありがとうございました。特に資料3の内容についてですが、今回、受講事例をヒアリングしていただき、御紹介いただきましてありがとうございます。今回、この事案はコロナ影響下で、特例措置として短期間・短時間のコースを設定したという内容ですが、今回の資料3の1ページにあります短期間・短時間特例訓練の受講状況を見たときに、例えば短時間コースのコース設定に対する受講者数の受講割合を見ると、半数近くの占有率を持っている中では非常に高い利用が見られるということで、ここら辺の需要がある。あと、私どもは小売業をやっていますので、小売業従事者、営業・販売・事務といったものに従事する時間給、いわゆるパートタイマー社員のITリテラシーとしてパソコンを使えるとか、そういうレベルのITリテラシーが求められています。それを学ぶ機会がなかなかない。そういった需要に対して今回、このコース設定というのは正に時宜を得ているコース設定だったと思いますので、是非、特例措置ではなくて継続的にこういう非正規の時間給社員が受講しやすいようなコース、また、今のDXの中でも専門的なITリテラシーより、初歩的な一般従業員が全部備えるべきパソコンスキル、こういったものの訓練というのを強化していただきたいと思いますので、是非、御検討のほうをよろしくお願いいたします。以上です。
○武石分科会長 ありがとうございます。まず、手が挙がっている方の御意見をお聞きしたいと思います。平田委員、お願いいたします。
○平田委員 ありがとうございます。感染症拡大の影響を受けている求職者等の実態を踏まえて作った特例を延長しようという改正だと理解していますので、改正案自体は妥当だと思っています。引き続き、制度の周知等をしていただきたいと要望として申し上げておきたいと思います。以上です。
○武石分科会長 ありがとうございます。田村委員、お願いします。
○田村委員 ありがとうございます。求職者訓練の特例措置は、コロナ禍の影響を受けるシフト労働者や多様な事情を抱える求職者への対応として、重要な施策であると認識しております。一方、訓練期間や時間の要件緩和などの特例措置延長については、求職者にどのようなニーズがあるのかなどを含めて、裏付けとなる背景や受講者属性ごとの実態の把握が重要だと考えます。今回の諮問内容は適当だと考えておりますが、今後、こうした諮問の際には、特例措置の効果の検証や受講者属性の分析などを通して、実態を適宜把握した上で、分科会に諮問していただきたいと思います。以上です。
○武石分科会長 ありがとうございました。今、3人の方から御発言、御要望がありましたが、事務局からお願いいたします。
○平川室長 まず、渡邉委員から御指摘いただきまして、ありがとうございます。おっしゃっていただきましたとおり、今回の短期間・短時間特例訓練はかなり使われているという状況で、事例を見ましても、特にパソコン系の訓練などは短い期間で使いやすいということで活用いただいています。田村委員の御意見とも関連してくるのですが、もともとは通常の訓練効果を出さなければならないということで要件がかかっていたものを特例にしたということで、ここは受けにくい方にできるだけ受けていただきたいという発想だったわけですが、こういった特例の実施につきましては、今回はコロナの特例ということがありまして緊急的に始めたところもあり、要件の検証的なものは余りされないまま始めたものになりますけれども、今後も引き続きデータ等を取っていきまして、効果検証を進めながらこういったコースの促進とか、内容についてもリテラシー関係のコースが有効だという実績もありますので、そういった方向で進めていき、データなどの分析を踏まえながらやっていきたいと思っています。それから、平田委員から周知を徹底ということで御指摘いただきましたので、こちらのほうも引き続き進めていきたいと思っています。以上です。
○武石分科会長 ありがとうございます。御発言いただいた委員の皆様、よろしいでしょうか。ありがとうございました。ほかに御質問等はございますか。特にないようであれば議論はここまでとさせていただきます。議題2の「職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)」は、本分科会として妥当と認める旨を、労働政策審議会会長宛てに御報告申し上げたいと思いますが、御意見等はございますでしょうか。
 
                                  (異議なし)
 
○武石分科会長 特に御意見がなければ、事務局から報告文(案)の配布をお願いいたします。

                 (報告文(案)を共有)

○武石分科会長 今、共有されていますが、この報告文(案)で、労働政策審議会会長宛てに報告することとしたいと思います。よろしいでしょうか。
 
                                  (異議なし)
 
○武石分科会長 ありがとうございます。それでは、そのように報告させていただくこととし、この議題は以上とさせていただきます。次に、議題3「職業能力開発促進法施行規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)」です。資料4について、能力評価担当参事官より説明をお願いいたします。
○山地参事官 能力評価担当参事官の山地でございます。どうぞよろしくお願いいたします。私から技能検定制度の見直しを図るための職業能力開発促進法施行規則の一部を改正する省令(案)の概要につきまして、資料4-1に沿って御説明させていただきたいと存じます。
 2ページ目にございますとおり、技能検定の職種及び試験内容につきまして、近年の産業技術の動向等を踏まえまして、職種の新設・廃止、多職種に付随する作業の追加・廃止並びに試験科目及びその範囲等の見直しを行うために、所要の改正を行いたいと考えてございます。
 具体的な内容ですが、1の放電加工職種です。こちらにつきましては、赤字で書いてありますとおり、レーザー加工作業を追加させていただきたいと考えております。レーザー加工につきましては、近年、技術が非常に進展しておりまして、利用も進んでいるということで、業界のほうから技能検定化を要望されておりました。これを踏まえまして、私どもとしては試験の基準等の検討を進めた結果、今回、作業として新しく追加させていただきたいと考えております。
 レーザー加工職種の追加に伴いまして、この職種名が現在は放電加工職種となっておりますが、レーザー加工については光のエネルギーを使った除去加工技術ということでして、放電加工、それから、レーザー加工どちらも包含するものということで、職種名を非接触除去加工職種というように変更させていただきたいと考えております。
 続きまして、2の電気機器組立て職種についてです。こちらにつきまして、シーケンス制御作業というものがあったのですが、下の水色の四角囲みに書いてありますとおり、シーケンス制御法がラダー図と呼ばれるプログラムを使用するPLCを用いることによって自動制御化する技術ですけれども、生産設備等の機械に行わせる動作ということで、非常に機械も大型化して、専門性も高まったということで、こちらにつきましては電気機器組立て職種から独立化して、シーケンス制御職種という形で職種化を図りまして、専門性も高い試験問題として実施させていただきたいと考えております。
 続きまして、3の染色職種、4の紳士服製造職種です。染色につきましては、型紙なせん、スクリーンなせん、それから、紳士服につきましては、紳士注文服製作のそれぞれの作業につきまして、右側の四角囲みの棒グラフにありますとおり、受検申請者数が非常に少なくなっております。紳士注文服につきましては、最後の令和2年度の数が少し上がっているのですが、こちらについては最終試験ということで、少し多くなっております。こちらの3作業につきましては、それぞれの業界の方々とも合意いただきまして、今回廃止の手続を取らせていただきたいと考えております。
 続きまして、5の陶磁器製造職種についてです。国内の就業者が減少する中で、受検者数につきましても減少しまして、なかなか安定した受検者数が確保できないということで、業界団体の了解も得まして、R元年の有識者の検討会におきまして最終試験を実施して廃止するという方針が示されたことから、今年度前期に最終試験を実施いたしまして、今回廃止の手続を取らせていただきたいと考えております。
 次に、6のプリント配線板職種と、7のブロック建築職種についてです。実技試験と学科試験のそれぞれ試験範囲につきまして、使用されなくなった技術、材料等の現状ですとか、標準仕様の変更に伴いまして、文言の修正等の見直しを図らせていただきたいと考えております。これらの施行につきましては、一番最初の作業の追加、それから、職種の新設につきましては来年4月1日から、それ以外については今年の4月1日から施行させていただきたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
○武石分科会長 ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明に対する御質問、御意見がございましたら、Zoomの「リアクション」から「手を挙げる」マークを押していただき、指名された方はマイクをオンにして御発言をお願いいたします。では、早川委員、お願いします。
○早川委員 早川です。職種の拡充については賛成なのですが、陶磁器製造職種の技能検定廃止について若干の意見を申し上げさせていただきます。本件の廃止については、令和元年の有識者検討会での計画にのっとって最後の試験を終えられたということなのですが、一方で、私は佐賀から参加しておりますので、佐賀の地場産業として陶磁器というのはものすごく大切で、例えば最低賃金も佐賀県では陶磁器・同関連製品製造業について特定最低賃金を設定して、この従業者の待遇改善を県全体で努めているところであり、かつ、佐賀大学のPRになりますけれども、佐賀大学には地域デザイン学部という芸術系の学部がございまして、これは、大学がかつての県立有田窯業大学校を統合する形で芸術系の学部を設立して、有田キャンパスも設置して、この産業の後継者となる、芸術的なクリエーターや技能者・技術者を大学で育成しております。併せて、技能者育成には県の窯業技術センターというのもありまして、とにかく佐賀にとって陶磁器というのは重要な地場産業なわけです。
 この産業の成長可能性としては、例えば、有田町では毎年、春と秋に陶器市が開催されているのですが、コロナ禍の中でそれをWebでやったところ、もちろんコロナ禍で仕方なくWeb開催だったとは思うのですが、思いもよらずそれによって人気の窯元さんが出て新たな顧客獲得ができたとか、あるいはセラミックスということで言えば、新素材としての面白味もありまして、佐賀大学では先ほど言いました芸術系の学部もあり、大学院として地域デザイン研究科もあります。それで、大変申し訳ありません、こうしてせっかく後継者の育成をしている動きがあるのに技能検定をなくしてしまって大丈夫なのかということに懸念があります。
 あと、更に付け加えますと、ちょうど今、法改正で法定化しようとしている訓練協議会が佐賀には既に設置されております。もし、よろしければラストチャンスとして、こういった訓練協議会の意見をもう一回聞いていただくとか、あるいは本当に佐賀においてニーズがないのかのチェックを、この大学も含めて聞いていただくチャンスはないでしょうか。若者を育てているのに、この技能士という制度がなくなってしまうことでいいのかどうか。海外移転は確かにそのとおりなのですが、一方で、海外に技術協力をしたり、技術交流をしたりという可能性もあるのではないかということで、令和元年の検討会の計画どおりの進展ということは重々承知なのですが、残せる可能性はないのか教えていただきたいと思います。廃止してしまったら再開は難しいのではないかというところで、最後の一押しなのですけれども、すみません、よろしくお願いします。
○山地参事官 御質問ありがとうございました。陶磁器製造職種については、一部の作業が長いこと休止が続いていたりとか、検討会においても何度か議題に挙がっておりました。一度、29年も廃止が適当ではないかということだったのですけれども、もう一度30年の結果を見てから検討しようということで、30年の結果が79人ということで、職種としては年間平均100名を超えてこないと廃止の対象、検討対象に上っておりまして、今、いろいろ検討を重ねた結果、また、関係業界に対して廃止について改めて確認したところ、やはり受検者を安定的に確保できる見込みが立たないというように業界からも御回答いただきまして、今回の結論が出されているところでして、せっかくの御提案ではございますけれども、これまで重ねてきた議論に基づいて、今回廃止の手続をさせていただきたいというように考えてございます。
 技能の継承という点について申し上げますと、例えば今治タオル等のように、その地場の産業につきまして、組合のほうで社内検定という形で検定を運営化していただいて、それについて厚生労働大臣が認定するという制度も私どものほうで持っておりまして、そういった形でノウハウを継承していただくという方法もあるかと存じますし、また、卓越した技能者の表彰制度ですとか、ものづくりマイスターとして熟練した技能者の方を発見して、後継者を育成するという事業も私どもで行っているところでして、こういった取組で、引き続き技能者の育成に取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○武石分科会長 早川委員、いかがでしょうか。
○早川委員 御説明ありがとうございます。この件については二つ質問があり、パブリックコメントの募集はこれからされるのかという点が1つです。もう1つは、技能検定は全国的に行われているのでしょうけれども、例えば佐賀県など地域的な特徴に応じた実施可能性がないのか、たとえば全国から佐賀へ受検に来たら、そこで受検者に佐賀の職場を見ていただくこともできる良いチャンスにもなるような気もします。御無理は承知で念押しで伺いましたが、技能検定を地域的に残す可能性はないのかを伺います。最終的に廃止するとしても、もし、資格制度として存続させたい地方の動きがあれば、技能検定のノウハウや技術を持っていらっしゃる人とか、あるいは設備とか、そういった技能検定にかかる資産の移転を検討していただければと思います。佐賀なので、この件については一言も言わないのは気がとがめるので、最後の粘りで申し訳ありませんが、いろいろな御検討をよろしくお願いします。
○山地参事官 ありがとうございます。まず、パブコメについて申し上げますと、先ほど申し上げた廃止に関する検討会で結論を出す前に、それぞれパブコメを実施させていただいております。また、今回の省令改正につきましてもパブコメをさせていただいて、特段の意見は頂いておりません。
 地域について技能検定として残せないかという御意見ですが、技能検定という制度自体が国として実施する国家検定という形になりますので、なかなか地域での実施ということになりますと、先ほど申し上げた社内検定といったような形で残していく方法になるかというように考えております。技能継承について私たちも重要だと考えておりますので、できる限り対応してまいりたいというように考えております。どうぞ御理解賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
○武石分科会長 早川委員、いかがでしょうか。残念ですが。
○早川委員 そうですね。すごく残念な気持ちがありまして、正直言って、大学で若者を育てている側からすればニーズがない産業ではないのですと、逆に芸術と工芸のリンクという面で技能士が両者をとりもつ大切な位置にあるということを、一言言わせていただいて、議事録に残念な気持ちを残させていただきたいと存じます。
○山地参事官 ありがとうございます。
○武石分科会長 一旦あるものを廃止するというのは、なかなか難しい面もあると思うのですが、手続に沿って慎重に御検討いただいた結果ということで、早川委員の気持ちもよく分かります。手続的には廃止という方向なのかと思います。ありがとうございました。ほかに御意見、御質問はございますでしょうか。よろしいですか。特にないようであれば、議論はここまでとさせていただきます。議題3の「職業能力開発促進法施行規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)」は、本分科会として妥当と認める旨を労働政策審議会会長宛てに御報告を申し上げたいと思います。これに関して御意見等はございますか。特にないようであれば、事務局から報告文(案)の配布をお願いいたします。
 
                  (報告文(案)を共有)
 
○武石分科会長 共有された報告文(案)により労働政策審議会会長宛て報告することとしてよろしいでしょうか。

                                   (異議なし)
 
○武石分科会長 ありがとうございます。それでは、そのように報告をさせていただくこととし、この議題はここまでといたします。
 次に、議題4「企業内の学び・学び直しを促進するためのガイドラインの策定に向けて」です。それでは資料5について、政策企画室長及びキャリア形成支援室長より御説明をお願いいたします。
○黒田室長 政策企画室長の黒田と申します。よろしくお願いいたします。私からは議題4「企業内の学び・学び直しを促進するためのガイドラインの策定に向けて」について、資料5-1及び資料5-2、そして、キャリア形成支援室長の國分から資料5-3を説明させていただきます。まず、資料5-1を御覧いただければと思います。今回はガイドラインの骨子案として、Ⅰの基本的な考え方の内容を提示させていただきましたので、本日はこの部分について忌憚のない御意見を頂ければと思っております。加えて、Ⅱの労使が取り組むべき事項について項目例をお示ししておりますので、本日は項目の選択ですとか追加のほか、それぞれの項目に盛り込む内容などについても御知見を頂ければ幸いと考えております。どうぞよろしくお願いします。
 それでは、中身に入ります。まず、タイトルですが、仮置きで、「社会人の職業に関する学び・学び直し促進ガイドライン(仮称)」としております。このタイトルについても御議論いただければと思います。
 次に、Ⅰの基本的な考え方に入ります。まず、※にありますとおり、Ⅰ 基本的な考え方は、Ⅱ 労使が取り組むべき事項及びⅢ 国等の支援策の記載により、今後変更があり得るものという前提で考えてございます。その点お含みおきください。
 1の「はじめに」の1つ目の○は、DXの加速化など、急速かつ広範な変化と職業人生の長期化が同時に進む中で、労働者の学び・学び直しの必要性が高まっているということ。2つ目の○は、変化の時代にあっては、企業主導型の職業訓練の強化を図るとともに、労働者の自律的・主体的かつ継続的な学びを促進することが重要ということ。3つ目の○は、企業は人材開発・人への投資の重要性を踏まえ、全ての労働者がその能力を十分に発揮できるよう学び・学び直しを強力かつ継続的に支援することが重要ということ。4つ目の○は、労働者個々人も、自律的・主体的かつ継続的な学び・学び直しに積極的に取り組むことが求められるということ。関係者の協働ということで、今回は労働者の役割についても記載しております。5つ目の○は、学び・学び直しを効果的に進めるためには、労使双方が一体となって主体的に取り組むことイコール協働が重要ということを書かせていただいております。
 次に「2 人への投資、自律的・主体的な学び・学び直しの重要性」です。OJTを取り巻く環境の変化ということで、1ページ目の一番下の○、これまでの日本企業内の人材開発はOJTを重視してきており、これが現場力の高さを生み出し、日本企業の高い競争力を支えてきたということ。2ページ目です。1つ目の○は、一方で、近年は、組織のフラット化やリモートワークの急速な浸透などによる働き方の個別化がみられ、こうした職場環境の変化は、上司や先輩の仕事を見て新しい能力・スキルを身に付ける機会の減少につながり、OJTによる人材開発機能の低下をもたらしている可能性があるということ。次の○は、DXをはじめとした技術革新の進展やグローバル化による企業間競争の激化など、経済・社会環境の変化は、これまでの企業内における上司や先輩の経験や、能力・スキルの範囲を超えるものということを書かせていただいております。
 続いて、off-JTや自己啓発支援の強化の必要性です。1つ目の○は、急速かつ広範な変化に対応して人材開発を強化していくためには、off-JTや自己啓発支援が重要ということ。しかしながら、日本企業のOJTを除くoff-JTや自己啓発支援の費用は低水準にとどまっており、かつ低下傾向にあるということ。2つ目の○は、世界的にDX時代が到来しようとしている中で、OJTの強化だけではなくて、企業におけるoff-JTや自己啓発支援の費用の少なくとも倍増を目指したいということを書かせていただいております。
 続いて、自律的・主体的な学び・学び直しの重要性です。1つ目の○は、変化が進む中で、労働者には新しい成長分野の体系的な専門知識・スキルや、正解のない仕事を処理する上で必要な問題発見・解決能力が期待されてきているということ。変化の時代にあっては、顧客に直に接する労働者の役割は大きいということ。2つ目の○は、女性活躍をはじめ、多様な人材の活躍(ダイバーシティ)が求められ、労働者のキャリアの多様化も進んできているということ。必要な学び・学び直しの内容も個々に異なるものとなり得ることから、自律的・主体的な取組がますます重要となるということ。3ページ目の1つ目の○ですが、自律的・主体的な学び・学び直しに対する意欲を向上させ、取組を継続させるような伴走的な支援が重要となるということを書かせていただいております。
 続いて「3 学び・学び直しにおける協働の必要性」です。1つ目の○は、労働者の自律性・主体性を尊重した学び・学び直しを企業全体の力に高め、労働者本人と企業双方の持続的な成長につなげていくためには、企業が目指すビジョン・経営戦略といった基本認識を労使が共有することが重要ということ。これは、労働者の学びに対する内発的動機付けにつながるということ。2つ目の○は、必要となる能力・スキルの方向性と、個々の労働者の学び・学び直しの方向性・目標に関する労使の擦り合わせが必要となるということ。擦り合わせの方向性・目標に基づいた取組が継続されるためには、企業による伴走的支援が重要となるということを書かせていただいております。3つ目の○は、民間調査によれば、企業からの指示と労働者が自ら進んで学ぶことの両方がそろう場合に、学びの効果や仕事上の成果が高くなるということ。4つ目の○は、学び・学び直しを促進する上では、労働者相互の学び合いや学びの成果の共有など、労働者間の協働も重要になるということ。最後の○は、個々の労働者の自律性・主体性を強調することは、労働者任せにすることではないということ。労使の協働した取組が必要であり、自律性・主体性を強調することが、学び全体の後退や、個々人の学びへの取組の差へとつながることがないようにしていくことが重要ということを書かせていただいております。
 次に、4ページ目の「4 学びのプロセス」です。1つ目の○は、現場で自律的・主体的な学び・学び直しが円滑に行われるためにはということで、①は、職務に必要な能力・スキル等の可能な限りの明確化。学びの目標の関係者間での共有。②は、効果的な教育訓練プログラムの開発・設定及び提供ということです。③は、学び・学び直しを後押しするための伴走的な支援策の展開。こういうプロセスを踏まえて進められることが望ましいと書かせていただいております。
 次に、①についてということで、1つ目の○は、役割明確化と合わせ、職務に必要な能力・スキル等を可能な限り明確化し、労働者と企業が学び・学び直しの目標を共有することが重要ということ。2つ目の○は、目標の明確化は、学びのモチベーションの維持につながるものであり、労働者のライフステージ等の変化に応じて目標を不断に見直すことが求められるということ。3つ目の○は、ジョブ・カードの活用も含め、個々の労働者が節目ごとにこれまでのキャリアを振り返ることが重要ということを書かせていただいております。
 続いて、②及び③についてということで、1つ目の○は、労働者が学び・学び直しに取り組むことができるよう、企業が教育訓練プログラムの提供・情報提供をはじめとした機会の提供や、時間の確保、費用の支援など、学び・学び直しのための環境整備や支援を行うことが重要となるということ。また、これまで以上に外部の教育訓練プログラムの活用が重要となるということ。2つ目の○は、個々の労働者の学び・学び直しのモチベーションを高め、次の学びを呼び込むためには、学び・学び直し後に身に付けた能力・スキル等を発揮することができる場の提供や、適切な評価を行うことが重要ということ。5ページ目です。1つ目の○は、労働者がキャリアコンサルタントによる伴走支援を受けることができる機会を確保することが望ましいということを書かせていただきました。
 次に「5 管理職等の現場のリーダーの役割」です。個々の労働者の主体的な取組を企業全体の人材開発にまとめ上げていく上では、この部分の記述が不可欠と考えまして記載したものです。1つ目の○は、変化が進む中では、現場の主導的・機動的な役割がこれまで以上に増し、企業が目指すビジョン・経営戦略の浸透、学びの方向性・目標の擦り合わせと伴走的支援を的確に行うためには、その間に立つ管理職等の現場のリーダー、この役割が極めて重要ということ。また、管理職等の現場のリーダーは、個々の労働者のキャリア形成をサポートする役割も担っているということを書かせていただきました。2つ目の○は、企業が現場のリーダーに対して、企業のビジョン・経営戦略や人材開発方針の理解、学び・学び直しの重要性の理解を促すこと。また、個々の労働者との双方向のコミュニケーションを強化することも必要ということを書いております。3つ目の○は、現場のリーダーは、時間的余裕やマネジメント能力を強化する余裕がない場合があるので、企業が現場のリーダーのマネジメント能力の向上支援や、部下の人材開発に充てる時間確保のための配慮等を行うことが極めて重要であること。最後の○は、キャリアコンサルタントは、管理職等の現場のリーダーへのサポート役や、現場のリーダーと労働者との仲介役としての役割も期待されるということ。こういったことを書かせていただいております。
 続いて「6 学びの好循環の実現を」です。まず、学びの好循環の重要性ということで、1つ目の○は、労使の協働により学び・学び直しが実践され、能力・スキル、キャリアの向上を実現し、学びが学びを呼ぶ状態、言わば、学びの好循環が実現されることが期待されるということ。6ページ目です。1つ目の○は、学びの気運や企業文化・企業風土が醸成・形成されれば、学びが自走的に進むことが期待され、労働者のエンゲージメントや職場満足度の維持向上、企業の持続的成長にもつながるということを書かせていただいております。
 最後に、中小企業の強みを活かした人材開発です。1つ目の○は、中小企業は規模が小さいからこそ、経営者の考えが浸透しやすく、機動力を持って改革を実行していける強みがあるということ。鍵は、経営者のリーダーシップと継続的な発信力ということ。2つ目の○は、この機をチャンスと捉えて、中小企業の強みを最大限に活かして、学び・学び直しを促進し、人材力を高めることが期待されていることを書かせていただきました。
 次に、第Ⅱ章、労使が取り組むべき事項の項目例です。ここについて、項目の追加などを是非御意見を頂ければと思っております。①~⑬まで、今、仮に掲げておりますけれども、上からですが、①経営戦略・ビジョンと人材開発の方向性の提示、共有。②役割明確化と合わせた職務に必要な能力・スキル等の明確化。③学び・学び直しの方向性・目標の擦り合わせ、共有。④節目ごとのキャリアの棚卸し。⑤学び・学び直しの機会の提供。⑥労働者が相互に学習し、刺激し合える場の提供。⑦時間の確保。⑧費用の支援。⑨キャリアコンサルタントによる伴走支援。⑩身に付けた能力等を発揮する場の提供や適切な評価。これ以降は管理職等の現場リーダーの役割・支援ということで、⑪管理職等の現場リーダーの自律的・主体的な学び・学び直しの理解の促進。⑫マネジメント能力の強化と支援。⑬労働者との双方向のコミュニケーションを挙げさせていただいております。資料5-1の説明は以上です。
 引き続いて、資料5-2も御覧ください。時間の都合で全ての説明はできませんので、1、2ページ目だけ説明いたします。まず1ページ目は、2月に中小企業3社へ追加ヒアリングを実施させていただきました。秋に実施した2社と合わせて合計で5社の中小企業にヒアリングしました。今回は、上から、大阪府の50人超の規模のメッキ加工業のG社と愛知県の100人超規模の運輸業のH社、埼玉県の100人超規模の金属加工業のI社の3社にヒアリングしています。
 I社の社長は、地域の商工会議所の幹部もしていらっしゃって、商工会議所の取組ですとか、商工会議所の立場から見て、いわゆる小企業の課題についてヒアリングできています。本日は割愛しますけれども、後ろのほうに資料を付けておりますので、それぞれ御覧いただければと思います。本日は、2ページ目にヒアリングで得た考察という1枚紙を作っておりますので、先ほどガイドライン骨子案にも少し出てきた所と重なりますが、御説明します。
 2ページ目です。ヒアリングで得た考察ですが、まず、人材確保、定着をきっかけとして、人への投資に着手している。それでやっていくうちに経営者がその重要性を認識して効果を実感して、続いていくということが分かりました。
 目的については、そのように人材の定着とか、人材確保が図られるということから始まるのですけれども、結果的には従業員の満足度の向上とか、求職者や顧客から選ばれる会社になっていくということにつながっているという、好循環みたいなものが生まれていくというのが、各企業に共通していたことです。
 企業による取組支援の内容は①~⑤を挙げさせていただいておりますが、①ビジョンや目標の共有というのを社長が音頭を取ってやっている。②学びの機会の提供ということで、これは後ろのほうを見ていただくと、例えば、外部の知見ということで、企業組合が実施する研修とか、商工会議所が提供するプログラムの活用なども含めて、あとは省庁がやっている研修等に人を出している会社もありました。そういうことも活用しながら中小企業としても学びの機会を提供しているということでした。③学びを後押しする支援策の整備ということで、金銭的な支援とか、時間の確保とか、そういったことをやっておられます。④希望するポストへの配置・昇格や処遇改善・賃上げということがセットで出てきていました。⑤は、やっている企業は少なかったのですけれども、中には、現場リーダーのマネジメント能力の強化をすごく意識してやっておられる企業もあって、それが大事ということを言っておられる社長さんもいらっしゃいました。
 最後の2つの○ですが、まとめですけれども、先ほどと重なりますが、中小企業において、鍵は経営のリーダーシップであって、規模が小さいからこそ機動力があり、それが強みになるということが分かりました。それと、経営者がビジョンや目標を社員へ共有して、粘り強く学び・学び直しの重要性を発信し続ける、本を読みなさいとか、学びは大事だということを言い続けることが重要だということ。それで、現場に学びが浸透していくということが分かってきたということで、そういう考察をまとめております。資料5-2の説明は以上です。引き続き、資料5-3の説明をさせていただきます。
○國分室長 キャリア形成支援室の國分です。資料5-3を御覧ください。これまでの分科会において、企業でのキャリアコンサルタントの具体的な活動実態とか課題をもっと明らかにする必要があるという御指摘がありました。そうしたことを踏まえて、今回ヒアリングを行いました。
 1ページは、ヒアリング対象の方々を一覧にしたものです。独立して、フリーでキャリアコンサルタントとして活動している方3名。前回、他の専門家の方から話を聞いたほうがよいという御指摘がありましたので、社労士の方1名。企業の中で実際にキャリアコンサルタントとして活動している所、中小企業2社、大企業1社、合計7か所を対象に行いました。
 2ページから4ページはポイントをまとめたものです。2ページは役割についてです。キャリアコンサルタントは、個人支援と企業等の組織面、組織開発支援にも関わることができる。下のほうの、学び・学び直し支援に関しても、学びの必要性や先を見据えながら、労働者と一緒に考えていくといった役割があるという話がありました。
 3ページは、企業との関わりについてです。ほとんどの方から、経営者の理解が不可欠であるというお話がありました。また、管理職の意識変化も必要だという話も一部の方からありました。前回の分科会において、相談過程で労働者から難しい課題が出てきたときに、企業側でちゃんと対応できるのかという御指摘がありました。その点については、ほとんどの方から個別相談の内容については、守秘義務として尊重しつつも、組織課題として改善の必要がある内容については、本人の了解も得ながら組織側に丁寧に働きかけを行っていく。長い目で見た場合には、組織側にもメリットがあるようにきちんと対応しているという共通したお話がありました。
 4ページ目も前回御指摘があったかと思います。内部人材、あるいは外部人材の活用という点です。基本的にはおおむね共通して、企業の風土・文化、あるいは業務内容をよく知っている社内の人材の活用が望ましいというお話でした。ただ、社内の方だけでは、経験・ノウハウ等が不足している所もあるので、そういう所では外部人材とチームによる取組も有効であるというお話がありました。課題・専門性向上については、時間の関係で割愛させていただきます。
 5ページ目以降は、それぞれのヒアリング対象の方々から伺った内容を、それぞれ2、3枚でまとめたものです。なぜキャリアコンサルタントをやっているのか、会社の中でキャリアコンサルタントを行うきっかけになったのはどういうことなのかという経緯も含めて書いてあります。時間のあるときに、是非お読みいただいて、実際の活動実態とか、あるいは今後のガイドラインの策定・検討に役立てていただければと思います。
 簡単ですが、私からの説明は以上です。よろしくお願いいたします。
○武石分科会長 ただいまの説明に対し、御質問や御意見がありましたら、Zoomのリアクションから手を挙げるなどをしていただき、指名された方はマイクをオンにして御発言をお願いいたします。いかがでしょうか。挙がっている順番で、松浦委員、お願いいたします。
○松浦委員 ガイドライン策定に向け、ⅠとⅡに関して、2点発言させていただきます。労働側として、改めての発言となりますが、企業内の労働者の能力開発は、企業の責任で行うことが前提であり、企業の人材育成のビジョンや方針を踏まえた形で、希望する全ての労働者が受けられる環境を整備することが重要です。また同時に、自分の将来像やキャリアパスを意識してもらう取組も望まれると考えております。特に、非正規で働く労働者や育児・介護中の労働者、障害を抱える労働者等においては、スキルの向上やキャリアアップの機会確保に向けた環境整備や配慮も非常に重要だと考えます。
 2点目として、学び・学び直しの導入や促進に当たっては、関係者の協働が重要でありますので、労使での議論を積み重ね、学び・学び直しの意義や必要性などの認識を共有する必要があると思います。また、労使の議論にとどまらず、職場内での学び・学び直しへの理解も重要であるため、職場環境の整備のほか、学び・学び直しの気運の醸成を図る取組も必要だと考えております。以上、よろしくお願いいたします。
○武石分科会長 たくさんの方の手が挙がっているので、宮田委員、橋本委員、渡邉委員、堀委員のところまでで、一旦事務局にお返ししたいと思います。宮田委員、お願いいたします。
○宮田委員 御丁寧な御説明を頂きました。また、今までの議論を踏まえて丁寧にまとめていただいたと感じております。その上で感想的になってしまうのですが、幾つか意見を述べさせていただきます。
 私は、企業の立場でいろいろなステークホルダーと話す機会が多いのです。正に、皆さんの企業に対する見方が、従業員の人材育成というところにかなり注目が高まってきていると思います。そういう意味では、正に企業の発展には社員・人材が不可欠であるという流れが更に強まっているのを感じています。
 その中で、基本的な考え方の中に労使の協働ということが出てきて、正にそこは必要だと思うのです。もう少し踏み込むと、これは労使の共通課題というぐらいのところまで話をしてもいいのではないかと思っています。共通認識というのは、企業側にとっても労側にとっても、正に共通目標として一緒に取り組む共通命題みたいなトーンがあってもいいかと思いました。
 もう1点は、2ページに書いてあるOJTのことです。この辺もよく外から言われる、off-JTが少ないというところはあると思います。その辺も少し考慮してお書きいただいています。ただ、日本企業にとって、これまでOJTの良さというところもありましたので、そこを大切にしながら、off-JTを重ねていく。OJTが、そこばかりに悪い方向の議論が少し出ているのではないかと個人的には感じています。OJTの持つ今までの強みと、off-JTの組み合わせが少し前面に出ればと思いました。
 最後に3点目は、4ページの管理職の順番のところです。これは、正に今後の管理職のスキルには、この人材育成の観点は必須だと思っていて、ここを反映いただいたということ。その意味では、キャリアコンサルタントの関係で、この本人を支援するとともに、5ページにあるように管理職をいかにサポートしていくことによって、現場の中での人材育成につなげていくことが果たされていくと感じております。以上です。
○武石分科会長 橋本委員、お願いいたします。
○橋本委員 教育訓練の内容について1点確認させていただきます。今回のガイドラインは、全体として個々の労働者の自律的・主体的な学び直しが必要であること。そのために、使用者が学び直しの機会を提供し、その具体的な実施においては、上司の役割が重要であるということが主な内容かと理解しています。
 この点に異論はありませんけれども、教育訓練に参加するよう使用者から命じられたら、労働者にとっては業務命令ということで拒否はできないと思います。そのため、教育訓練を実施するかどうかという問題は財源の問題もありますし、使用者の経営判断になる事項かと思います。しかし、教育訓練を実施することになった場合には、どのような教育訓練の内容になるのか、プログラムの具体的内容や時間や場所など、労働者にとって実現可能な教育訓練となることが重要かと思います。そのためには、あらかじめ労働者との協議が非常に重要なのではないかと思います。労働組合があれば、これは労働組合の役割になるかと思います。
 また、プログラムの具体的な内容だけでなく、誰に教育訓練を行うのかという点についても、中高年労働者や、育児や介護責任を負っている労働者が対象から外されてしまうなど、特定の労働者に不利益が及ばないよう、労働者代表がこういうプログラムの具体的な内容の策定に関与する必要性は高いと思います。この点を確認させていただければ幸いです。以上です。
○武石分科会長 渡邉委員、お願いいたします。
○渡邉委員 あちこちに話が散漫になるかもしれません。1ページの1の4つ目の○で、労働者個々人も主体的なキャリア形成の軸となるというのはそうだと思うのです。今、正に各社で取り組んでいるように、メンバーシップ型からジョブ型になっていくときに、このキャリア形成自体が、どちらかというと今までは会社が与えてきた。それが対等な関係になって、従業員・労働者が自ら学ぶことによって主体的・自律的にキャリアを考える。会社側が提示してきた、例えばジョブ・スキルマップやそういうものに対して、自分にはどれが足りていないのか。それに対して自発的に学んでいくというところは、もうちょっと強調したほうがいい。会社と対等な関係になったのだというところが重要かと思います。
 2ページで、off-JTとか、自己啓発の支援の強化の必要性で、ここに出ている事例が2010年から2014年ということですが、もうちょっと新しい足元の数字を取ったらどうか。例えば小売業から言うと、うちの規模で考えたときに、アメリカのアマゾンとかウォルマートを見ると、200億とか300億単位で一般従業員に対するITスキルの研修をしているわけです。そういう事例というのはいろいろな所に出ているので、いかに日本が遅れているかというのは、もうちょっと足元の数字のほうがいいかと思います。
 4ページなのですが、これは先ほどのお話とちょっとダブるところがあります。一方で自己啓発のところで、教育と学びというのは何となく私の中ではニュアンスが違うのです。学びというのは、自発的な学びの好循環となったときに、自己啓発というのが大切なのだろうと。先ほど言ったように、自律型のキャリアを考えたときに、キャリアマップがあって、その中でこのスキルが足りないということで自分で選んでこのスキルを身に付けて、リスキリングして仕事内容を変えていく。
 そういう観点で、自己啓発というものをどう捉えていくのか。これを労働時間として捉えなくてはいけないという働き方改革だと、私どもは8割ぐらいの方が時間給社員なのです。家に帰ると家事もある、育児もあるといった中で学ぶというのは非常に大変だろうと。職場で学べる、そういう環境を提供する、これも企業側としては非常に重要なのではないかと思います。そういうことで、学ぶ機会、学ぶチャンスを作っていくというのが企業の責任かと思っておりますので、この辺はもうちょっと突っ込んだ議論がされれば有り難いと思います。
 先ほどの松浦委員の話ともかぶります。これを読んでいると日給月給、いわゆる非正規社員をイメージしてしまうのです。あえて時間給社員とか、今は同一労働同一賃金が言われている中で、その辺を想起させるようなフレーズが入れられないかと思っていますのでよろしくお願いいたします。
 最後は、労働組合の労使が取り組むべき事項として、労使協働でもちろんやるのですけれども、これは単一の労使間だけでいいのか、それとも産業別といった切り口もあるかと思っていますので、その辺も一緒に検討していただければと思います。以上です。
○武石分科会長 堀委員、お願いいたします。堀委員のところで、一旦切らせていただきます。
○堀委員 丁寧な御説明を誠にありがとうございました。全体の方向性としては賛成なのですけれども、2点教えてください。1点目は、伴走的支援という言葉が度々出てきます。この文章に限らず、政策文書に最近多く見られるようになりました。この文章の中で伴走的支援というのは具体的にどのような意味になるのかを教えてください。
 また、今回は管理職の責任が非常に強調されています。この管理職というのは、具体的にどのような程度の管理職についてイメージしているのかということ。以上2点について教えていただければ幸いです。以上です。
○武石分科会長 たくさんの御意見や御質問がありました。事務局から一つ一つお答えいただくと、まだ手を挙げている方もいますので、その御意見はごもっともですというのはいいと思うのです。これは難しいですとか、御質問を中心にお答えいただければと思います。
○黒田室長 政策企画室長の黒田です。様々な御意見をありがとうございます。全体を通して協働の重要性について御指摘を頂き、御賛同ありがとうございます。松浦委員と渡邉委員から、非正規とか日給月給でない時間給の職員についても何か記載をということでした。これを受け止めて、どのように対応するかについては今後検討させていただきます。
 OJTの話が出ましたけれども、私どももOJTの重要性は変わらないと考えております。宮田委員の御発言にもありましたが、OJTの強化の必要性については文章の中でも書かせていただきましたので、そこは御理解いただければと思います。大切にしながらというのはそのとおりだと思います。
 管理職の大切さについても、何人かの委員から言っていただいて有り難いと思っています。堀委員から、管理職のイメージはとのご質問がとありました。「管理職等の現場のリーダー」というようにあえて書かせていただいて、しつこいように書いています。中小企業だと、管理職ではなくて現場の何人かのリーダーだったりすると思うのです。そういうことも含めて、その現場の一番近い所で、ちょっと役職が上で、労働者のそばにいてサポートしてあげられるし、1on1ミーティングなどで経営側の意向を伝えたりという方だと思っています。例えば、係長ですとかそういうことではなくて、こうですとは言えないのですけれども、その現場ごとで労働者に寄り添うこともできるし、経営側にも立ってその学びの重要性を教え諭すというような役割の人をイメージしています。企業規模によっても全然違うと思うので、そこのイメージはそんな感じです。
 橋本委員から質問のありました、協働について確認ということです。組合の役割ということについて言及していただいたと思います。具体的に「この労働組合は」という書き方はしておりませんけれども、「労使の協働」という中には、当然労働組合も入ってくるものだと考えております。今後また、これを受け止めてどのように対応するかについては改めて御相談なりをさせていただければと思います。
 あと、渡邉委員から労働時間の話がありました。自己啓発の場合は労働時間としてカウントできないから、その学びのサークルみたいな、ゼミ活動みたいなものは進まないのではないかという御指摘かと思います。このガイドラインの中で、労働時間の整理まで踏み込めるかというと、なかなか難しいかもしれません。御存じのとおり、労働時間というのは、その労働者が指揮命令下に置かれた時間ということですので、渡邉委員御指摘のとおり、全くの自己啓発というか、QC活動みたいな感じになると労働時間ではないという形になると思うのです。
 例えば、勤務時間内にそれを行うことが認められる場合とか、実質的な学びとか、あとは認められない場合とかいろいろあると思うのです。中小企業の例を読んでいただくと、実は中小企業の中でも勤務時間内で1時間だけ学びの時間を取るとか、ある曜日の特定の何時間かは学びに充てるとかして、実はそこは給料を払いながらやっている。でも、自主的な学び合いみたいな、読書会みたいなのをやったりということもしていたり、そういう工夫もあったりするのかなと。そこは、経営者が結構かぶっている部分もあるかもしれませんが、そういう工夫もあったりします。一概には言えないので、そこは個別の労使の間で話し合って決めていっていただくことかと思います。真正面から答えていない形なのですけれども、結構難しい論点だと思います。
 あとは、伴走的支援の意味ということです。私どもが考えているのは、学びについて重要だと思って学び始めたけれども、1人だと最後まで学びきらずに諦めてしまうとか、学びが続かないということが往々にしてあると思います。私自身もそうだったりします。そういうときに、そばで支えてくれて、ずっと一緒になって走ってくれるという意味で、そういう意味では職場の管理職等の現場のリーダーとか、企業の支援とか、場合によってはキャリアコンサルタントの相談支援といったことが、一緒に寄り添ってその学びを完遂する、継続して、完結して、学びきるというところを支えていくというイメージで書かせていただいているということになります。
 全てに答えきれていないかもしれませんし、雑駁ではありますが以上です。全体的に御意見を頂いたものについて、今後また検討させていただきます。
○武石分科会長 御意見を頂いた委員の皆様から何かありますか。渡邉委員のデータに関するご質問については、それが最新なのかと思います。
○黒田室長 今のところ、これが最新のデータです。具体的に言うと、平成30年の労働経済白書で出されているもので、5年に1回となります。調査自体は毎年あるのですけれども、その質問項目は5年に1回のものを使って、平成30年時点で最新のものを作っています。これに代わるものはないという状況です。また、別の方法があるかどうかも含めて検討させていただきます。
○武石分科会長 それでは、よろしいでしょうか。杉崎代理、滝澤委員、岡野委員、平田委員の手が挙がっているので順番にお願いいたします。まず、杉崎代理からお願いいたします。
○増田委員代理杉崎様 中小企業への追加ヒアリングに関する資料の中の、中小企業のヒアリングデータ考察に記載されているとおり、中小企業での学び・学び直しは、人材の確保・定着のみならず、従業員満足度の向上、また企業の持続的な成長・発展など幅広い効果が期待されるものと思います。
 中小企業において、学びの気運、企業文化、企業風土を醸成するための鍵は経営者である、経営者のリーダーシップであるということも的を射ていると思います。中小企業は、雇用の7割を占めておりますので、中小企業における学びとか、スキルアップを促進していくこと、また中小企業の強みを活かしていくことが非常に重要であるかと思います。今回のガイドライン(案)には、そうした点が盛り込まれておりますので、非常に適切であると考えております。
 中小企業における学びの好循環実現の鍵は、何よりも経営者のリーダーシップでありますので、ガイドラインは中小企業の経営者を意識していただいて、より平易な表現、また具体性のある表現、中小企業の好事例を盛り込むなど、リアリティを是非重視していただきたいと思います。また、中小企業が学びを促進していく上で資金面が課題であるという声が聞かれておりますので、助成金等の支援策の強化・拡充についても是非お願いしたいと思います。
 最後に、①~⑬で提示された、労使が取り組むべき事項に関してです。資料の、中小企業へのヒアリングデータ考察の中に、学んだ暁に社員が自分の成長、自分の未来の可能性を感じられるということが非常に大事であるという記載があります。正に、これはそのとおりであるかと思います。こうした点はちゃんとイメージしていただくことによって、自発的な学びにもつながってくるかと思いますので、是非学んだ暁には自分の成長にどのように役に立つのか、寄与するのか、自分の未来の可能性をどのように高めるのかということの要素を、この①~⑬のいずれかに追加していただくといいのかと感じた次第です。以上です。
○武石分科会長 滝澤委員、お願いいたします。
○滝澤委員 御指名ありがとうございます、滝澤です。今回のガイドラインの骨子案について、様々な御意見が出ているようです。全体的には、これまでの本分科会の議論であるとか、あるいは行っていただいたヒアリングの内容等が適切に反映されていると感じております。大変細かくて恐縮なのですが、私から2点、このガイドライン骨子案の文言についてお願い申し上げます。
 具体的には資料5-1の2ページの下の部分です。「自律的・主体的な学び・学び直しの重要性」の2行目に、「正解のない仕事」という表現があります。こちらは、恐らく環境変化をする中で、前例のない手探りの中で仕事をするという意味合いで使っていると思います。「正解のない仕事」という記載だと、少々言い方の印象が強いように感じますので、もう少し柔軟な表現はないかと感じております。
 2点目は、同じ資料の6ページ目です。「労働者のエンゲージメント」という言葉が2か所出てまいります。恐らくこちらも企業と従業員との間の相互の信頼関係・愛着といった意味合いで使っているかと思います。杉崎代理の発言にもありましたとおり、このガイドラインが出来上がった暁には、中小企業の経営者や従業員が広く御覧になるものだと思います。この「エンゲージメント」という言葉についても修飾語を付け加える等、分かりやすい表現にしていただくようお願いいたします。以上です。
○武石分科会長 岡野委員、お願いたします。
○岡野委員 丁寧な御説明ありがとうございました。私からは、他の委員からも御意見がありましたが、2点意見を述べさせていただきます。資料に記載の通り、管理職等の現場のリーダーの役割は、学び・学び直しを進めていくに当たって、極めて重要なものであると考えます。一方、そのためには、現場のリーダーの立場から、日々の労務管理に加えて、企業の人材育成の方向性の周知や労働者へのキャリア形成に資するサポートなど、多方面での役割の発揮が欠かせないところでありますが、現場のリーダーの役割・業務がこれまで以上に過重になることも想定されます。
 実際、私が勤務しておりました会社の生産現場においても、過重な負担により、管理・監督職のなり手不足が課題でありました。そのような課題等に対して、国としては、今後企業が現場の管理者や労働者などを総合的にサポートすること、場合によってはキャリアコンサルタントが両者をつなぐ第三者として橋渡しを行うことが重要であるとしていますが、実効性という観点から、管理職等の現場リーダーの役割の重要性のみの記載に留めず、具体的な支援をどのように行っていくのかなどの検討も必要ではないかと考えます。
 また、今後の検討に当たっては、資料5-3の企業ヒアリングの中での意見にもある通り、管理職の意識変化といった観点も含めて、関係者への丁寧なサポート・働きかけなども考慮いただきたいと思います。以上です。お願いいたします。
○武石分科会長 平田委員、お願いいたします。
○平田委員 御丁寧に説明いただきありがとうございました。まず、総論的なことを申します。企業の持続的な成長に向けて、人への投資は不可欠だと思っています。この骨子案の中には、そうした問題意識が示されていて、基本的な方向性に異論はないと考えています。 その上で各論を幾つか申し上げますが、時間も限られていて、全部は言い切れないところもあると思います。そこで進め方について、まずお願いです。本日御欠席の方もいると思いますので、この場だけではなくて、事務局で事後に委員からの意見を受け付けていただけるようにご配慮をお願いしたいと思います。
 具体的に各論についての意見です。1ページ目の「はじめに」の最後の○に「学びの好循環」という言葉が出てきます。本日お集まりの委員の方々はこれで理解できると思うのですが、少し唐突な印象を受けます。例えば、5ページの6に「学びの好循環の実現を」という記述もありますので、この部分を最初に持ってくる形で、このガイドラインのキーとなる概念として説明をしたほうがよいと思います。
 2つ目は、2ページの1つ目の○にある、「OJTによる人材開発機能の低下」という記述についてです。「職場環境の変化は上司や先輩の仕事を見て新しい能力・スキルを身に付ける機会の減少につながり」とありますが、データがあれば、エビデンスを示していただきたいと思います。
 先ほど宮田委員からも御指摘がありましたが、技術の進展などによって求められる能力が急速に変化している中で、OJTだけでは不十分であるという状況にあって、off-JTや自己啓発支援の必要性が高まっていることは十分認識しております。しかしながら、「OJT自体の機能低下」という表現自体は、ちょっと書きすぎではないかと思います。OJTとoff-JTは両輪だと思いますので、意見として申し上げます。
 2ページの4つ目の○に、off-JTの費用に関して「少なくとも倍増を目指したい」と言う記述があります。人への投資には様々な形があり、各企業が自社の状況や働き手の求めに応じて、多様な方法の中から自社に適した選択をして実施するべきものと考えております。あくまでもガイドラインですので、off-JTと自己啓発支援の費用に限定して倍増といった目標を記述することは余り適切ではないのではないかと思います。
 最後です。学ぶことは目的ではなくて、学んだ知識やスキルを仕事に活かして、付加価値の増加につなげることが重要と考えておりますので、こういったニュアンスをガイドラインの基本的な考え方の中で記述していただければと思います。以上です。
○武石分科会長 いろいろな御意見を頂きました。すみません、私は時間管理をしなければいけないのですが、私にも一言意見を言わせてください。学ぶ機会の捉え方なのですが、企業で仕事をしながらoff-JT、自己啓発といろいろな言葉が出てきますけれども、これからは従来型ではない学ぶ機会がこれからは出てくるかと思っています。1つは、企業の外で学ぶ機会として、外部の教育訓練プログラムという言葉が出てきます。それ以外にも、例えば副業といったものも学ぶ機会だと思うのです。その学ぶ機会というのを、柔軟に広く捉えてまとめる必要があるのではないかということを感じました。すみません、私は司会の権限で自分の意見を言ってしまいました。大体御意見が多かったと思うのですが、事務局から何か追加で確認などがあればお願いいたします。
○黒田室長 全体的には、御指摘いただいたことをこれから検討させていただきます。例えば、第Ⅱ章をこれから書いていくときに、今ご意見をいただいた岡野委員、平田委員、杉崎代理、滝澤委員の意見や、その前にご意見をいただいた先生方の意見も含めて第Ⅱ章に書き込むこともたくさんあろうかと思いました。そこを踏まえて、具体的にどのような支援策、どのような取組ということを書いていきたいと思います。
 質問があったところで言えば、OJTの機能低下というのは書きすぎではないかとか、OJTのところはエビデンスはあるのかということですが、エビデンスとまで言えるかどうか分からないのですけれども、最近のリクルートワークスの調査で、本当に直近の変化ですが、コロナ禍でリモートワークが進んでいて、上司の背中を見て育つということはなかなか少なくなってきた、単年度の変化で、2019~2020年の変化で、上司を観察するというのは明らかに減っていますというような調査結果が出ています。そして、それは、リモートワークが進化したからだということが言われています。そういうことは、少しのエビデンスになるかと思います。
 OJT自体がちょっと変質してきている中で、新たな変化の時代にあって、どういうOJTをやっていくか。先ほど宮田委員への回答で申し上げましたけれども、OJT自体の重要性は変わらないと我々は思っています。そこが、もしそのように伝わらないような表現になっているようであれば、それは本意でないので表現を工夫させていただければと思います。時代の変化に合わせたふさわしいOJTというものは何かということも、ちょっと考えなければいけないだろうと思っています。
 平田委員がおっしゃったことは、冒頭に私から申し上げればよかったです。もちろん本日は時間が限られている中ですので、言い足りない意見があれば事務局まで是非お寄せいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。武石分科会長がおっしゃられたことも含め、第Ⅱ章でどう書いていくかということをまた御相談させていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。以上です。
○武石分科会長 十分意見が言えなかったということがあれば、事務局宛てにお寄せいただければと思います。次は、議題5「2021年度の年度目標設定の中間評価について」です。人材開発総務担当参事官から資料6の説明をお願いいたします。
○黒澤参事官 総務担当参事官の黒澤です。よろしくお願いいたします。本日最後の議題5、資料6です。2021年度の中間実績評価です。この年度目標の設定及びその評価については、平成22年度より実施しております。今回は、2021年度目標の中間の実績について、資料6で御説明させていただきます。
 ①地域若者サポートステーションの就職率です。本件については、2021年度の目標は60%に設定しております。2022年2月末時点での実績は67.6%ということで、まだ途中段階ではありますが、目標を上回る状況です。2021年度においても、コロナ禍の影響により、対面での支援などに制約もありましたが、私ども2020年度はオンライン支援に関するガイドラインを作成し、対面とオンラインとを組み合わせた効果的な支援というものの工夫をしてまいりました。そういう成果も一定程度出てきているのかと感じているところです。引き続き利用者の方々のニーズを踏まえた支援に取り組んでまいりたいと考えております。
 ②わかものハローワーク等を利用して就職したフリーターのうち、正社員として就職した者の割合です。目標を64%としているのに対し、1月末時点で63.7%ということで、ほぼ目標と同程度の水準となっております。一方で、例えばコミュニケーション能力に課題がある方など、就職に至るまでの支援期間が長期間となる方も増えているという声もありますので、引き続きこの就職に至るまでの継続的な支援に取り組む。マッチング支援も丁寧に行っていく、といった取組を引き続き進めてまいりたいと考えております。
 ③就職支援ナビゲーターによる支援、正社員就職者数です。2021年度の目標17.2万人に対し、1月末時点でほぼ14万人ほどとなっています。これを月数で按分すると、若干目標を下回っている状況です。要因としては、コロナ禍の影響の中で、新卒者の就職内定率については、前年同期よりは僅かな増加にはなっておりますが、新卒応援ハローワークへの来所者数に関しては、コロナ禍前の水準まではまだ戻っていないということもあります。今後の取組として、学生に対する個別支援はもちろんですが、専門学校卒業予定者の支援、あるいは大学のキャリアセンターなどとの連携の強化にも取り組んでまいりたいと考えております。
 ④ジョブ・カード作成者数です。12月末時点での実績は20万人ほどとなっています。前年同期が17万人でしたので、およそ18%ほど増加しています。年度目標に対しても達成できるペースで推移しています。
 ⑤公共職業訓練(離職者訓練)の就職率です。年度の目標として施設内訓練が80%、委託訓練が75%となっています。途中段階までの実績は、施設内訓練が86.7%ということで、目標を上回るペースで推移しています。一方、委託訓練については、途中段階ではありますが、69.5%の就職率です。現時点では年度の目標を下回っています。要因としては、コロナ禍の影響で有効求人倍率がまだ大きく落ち込んでいますので、やはり就職につなげていくという点での求人の回復というものにまだ至っていないという背景もあろうかと思っております。取組としては、なかなか就職が難しい状態の受講生を、ハローワークに積極的に誘導し、訓練の実施とハローワークの就職支援をよく連携させ、就職の実現に取り組んでまいりたいと考えております。
 ⑥求職者支援制度による訓練の就職率です。目標は、基礎コースが58%、実践コースが63%です。途中段階として、基礎コースは実績が55.2%、実践コースは62.7%です。まだ今後の推移を見る必要がありますけれども、2020年の同時期と比べると、やや上昇傾向にあります。引き続きこの求職者支援制度のそもそもの周知広報も含め、積極的な活用促進といったものに取り組んでまいりたいと考えております。
 最後に、⑦技能検定受検合格者数です。年度目標33万人に対し、途中段階ではありますが10月、あるいは9月といった段階までで22万人が合格者数となっています。コロナ禍の影響で、例えば入国制限の影響などもあろうかと思っています。引き続きコロナ感染症拡大防止対策を徹底しながら、この技能検定を着実に運営してまいりたいと考えています。
 以上が資料6です。いずれも今回は中間の御報告ということになりますので、引き続きそういう取組、必要な部分を進めていき、目標の達成に向けて取り組んでまいりたいと考えています。私からの御報告は以上です。
○武石分科会長 ただいまの説明に対する御質問、御意見がありましたらZoom機能の「リアクション」から手を挙げていただき、指名された方はマイクをオンにして発言をお願いいたします。篠原委員、お願いいたします。
○篠原委員 御説明ありがとうございました。私から、③就職支援ナビゲーターに関して意見を述べさせていただきます。ここ数年はコロナ禍の影響があり、コロナ禍を踏まえた様々な工夫をした対応がなされ、きめ細かな支援策が行われていることは承知しております。また目標についてもコロナ禍での影響を考慮して、設定されており、実績も徐々に増えていると思いますが、結果として、目標を達成できていない状況にあります。
 今年1月末時点で薬14万人という状況でありますが、説明にもありましたようおに、今年度も目標達成は難しいのだろうと考えております。
 一方、コロナ禍の長期化により、大学や専門学校などにおいては、コロナ禍の対応として、休校だけでなく、オンラインを活用したリモート授業などさまざまな対応を余儀なくされてきております。そのような状況下において、学生においては通常の生活だけでなく、就職に関する様々な悩みなどがあり、相談事が多いのではないかと思います。
 2022年3月18日に公表された令和4年3月の大学等卒業予定者の就職内定状況(2月1日時点)が公表されています。その結果を拝見すると、大学生の就職内定率は前年同期比を0.2%上回っておりますが、北海道・東北地区、中国・四国地区などの地域において、前年同期比4%程度下がっている地域もあります。こうした状況を踏まえて、引き続き新卒応援、ハローワーク等のナビゲーターのPRの強化も含め、地域の実態に応じた、学生に寄り添った丁寧な御支援をお願いしたいと思います。
○武石分科会長 御要望ということでしたが、事務局から何かありますか。
○黒澤参事官 篠原委員、ありがとうございました。御指摘を頂戴しましたように、それぞれの地域によって様々な要因もあります。私どもも、それぞれの労働局に対し、取組の徹底を指示しております。それぞれの実情を踏まえ、画一的ではない形で丁寧な取組が進んでいくように、私たちも現場の取組状況をよくフォローしていきたいと考えています。
○篠原委員 ありがとうございます。
○武石分科会長 他に御意見等はありますか。特にないようであれば、この議題は以上とさせていただきます。本日の議題は以上となりますが、全体を通して委員の皆様から何かありますか。特にないようであれば、本日は以上で終わらせていただきます。次の開催日程については決まり次第、事務局から御連絡をさせていただきます。以上をもちまして、第34回労働政策審議会人材開発分科会を終了いたします。皆様お疲れさまでした。
 

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