厚労省・新着情報

1 日時

令和4年2月21日(月)15時00分~16時31分

2 場所

オンラインにより開催
傍聴会場 労働委員会会館講堂(東京都港区芝公園1-5-32 7階)

3 出席委員

公益代表委員
  • 東京海洋大学大学院海洋科学技術研究科教授 寺田一薫
  • 慶應義塾大学法務研究科教授 両角道代
労働者代表委員
  • 日本私鉄労働組合総連合会社会保障対策局長 久松勇治
  • 全国自動車交通労働組合連合会書記長 松永次央
使用者代表委員
  • 西新井相互自動車株式会社代表取締役社長 清水始
  • 昭栄自動車株式会社代表取締役 武居利春

4 議題

  1. (1)改善基準告示の見直しについて
  2. (2)その他

5 議事

議事内容
○中央労働基準監察監督官 定刻になりましたので、ただいまから第5回自動車運転者労働時間等専門委員会ハイヤー・タクシー作業部会を開催します。本日は、欠席委員はおられませんので、定足数は満たされておりますことを御報告申し上げます。また、国土交通省からオブザーバーとして、自動車局安全政策課の蛯原課長補佐、自動車局旅客課の髙瀬課長補佐に御出席いただいております。よろしくお願いいたします。
なお、本日は感染症の防止対策としてオンラインより開催するとともに、傍聴者の方は別室にて傍聴いただくこととしていますので御承知おきください。本日は、ハウリング防止のため、御発言されないときにはマイクをオフに設定をお願いいたします。また、御発言される場合には、画面上で挙手をお願いいたします。部会長から指名されましたら、マイクをオンに設定の上、氏名をおっしゃってから御発言をお願いいたします。そのほかに、進行中に通信トラブル等の不具合がございましたら、チャットに書き込みいただくか、画面上で挙手いただくことにより御連絡をお願いいたします。それでは、カメラ撮りについてはここまでとさせていただきます。これ以降の進行は両角部会長にお願いいたします。よろしくお願いいたします。
○両角部会長 部会長の両角です。それでは、本日の議題に入りたいと思います。議題1「改善基準告示の見直しについて」です。事務局から説明をお願いします。
○過重労働特別対策室長 それでは、資料1についてです。1枚めくっていただきまして、1か月の拘束時間です。左側が現行、右側が案となっています。これまでは、箇条書きで示していましたが、とりまとめに向けて、告示をイメージし文章形式にして示しています。日勤と隔勤がありますが、1か月の拘束時間の案としては、日勤は11時間減らして288時間ということにさせていただいています。年間の規定はありませんが、年に換算するとトータル132時間減らすということになります。隔勤については、労使双方の意見に開きがあり現行どおりとさせていただいています。
2ページです。1日及び2暦日の拘束時間、休息期間についてです。現行は一番左側に記載のとおりです。真ん中の案が10月8日の当初の事務局案です。日勤については1日の拘束期間は原則13時間、週3回まで15時間、休息期間はその裏返しですが、原則11時間、週3回まで9時間とさせていただいております。これについて労使で御議論いただいた結果、11時間の休息を原則にされると地方などは現実的に運用が難しい等々、様々な意見が出た結果、追加案(修正案)を一番右側に両論併記というイメージで示させていただいています。
まず、日勤の1日についての拘束時間は13時間を超えないということで、最大拘束時間は15時間とするということ、その場合において、拘束時間が14時間を超える回数をできるだけ少なくするよう努めるということ、そして更に通達において、1週間について3回以内を目安とするという案ににさせていただいています。
また、休息期間については、継続11時間以上の休息期間を与えるよう努めることとし、継続9時間を下回らないとさせていただいています。隔勤については、10月8日の案を現行どおりとしていて、追加の案についても現行どおりとさせていただいています。
3ページはハイヤーについてです。案については、労働基準法が改正されたことを踏まえ、まず1点目に労働基準法の規定を入れています。1か月45時間、1年360時間を限度として、臨時的特別な事情がある場合であっても、1年について960時間を超えないとしています。
さらに、36協定の指針が新しくなった関係で、その趣旨を踏まえ、労働時間を延長する時間数又は労働をさせることができる休日の時間数をできる限り少なくするよう努めるものというものを入れています。そして、睡眠時間の点ですが、ハイヤーについては、お客さんの要望に応じて運転する面が非常に強い形態であって、なかなか休息期間や睡眠時間を具体的に定めることができないという労使の一致した意見がございました。そのため、必要な睡眠時間が確保できるよう、勤務の終了後に一定の休息期間を与えるものとするとさせていただいています。
4ページです。日勤の車庫待ち等についてです。現行、車庫待ちについては、労使協定において1か月の拘束時間を322時間まで延長することができるとしています。車庫待ちがどういうものかという通達がありまして、こちらについては、人口30万人程度以上の都市においては、一般的に車庫待ち、駅待ちに該当しない実態にあるものと考えられるが、人口の多少のみによって一律に判断することなく、次の(1)(2)(3)を満たす場合には、車庫待ち、駅待ち等に該当するものとして取り扱って差し支えないということになっておりまして、下にその(1)(2)(3)を記載しております。これに関する案ですが、まず、1か月の拘束時間については、322時間から300時間に減少させています。そして、労側から車庫待ち等の基準をここで明確化すべきだという意見がございましたので、新たに示させていただいています。
※印の部分ですが、車庫待ち等については従来どおり、車庫待ち、駅待ちの形態によって就労する自動車運転者であり、以下の基準を満たす場合には車庫待ち等に該当するとして取り扱って差し支えないということで、まず、(1)として、事業場が人口30万人以上の都市に所在していないこと。(2)として、いわゆる「流し営業」を行っていないこと。(3)と(4)については、現行とほぼ同じですが、少し文言を変更し、(3)夜間に4時間以上の仮眠時間が確保される実態であること、(4)原則として、事業場内における休憩が確保される実態であること、この4つを満たした場合に車庫待ち等に該当するという案とさせていただきました。拘束時間の延長の要件は現行どおりとしています。
続いて、5ページです。隔勤の車庫待ち等についてです。労使協定により270時間を超えない範囲で延長することができるという部分は現行どおりとし、一定の条件を満たした場合の更なる延長できる時間を、20時間から10時間に変更しております。
次の6ページですが、例外的な取扱いというのは、今回新たに加えようと考えているものです。大きく2つあります。「予期しえない事象に遭遇した場合」と「適用除外業務」というものです。
まず、予期しえない事象に遭遇した場合についてですが、事故や故障、災害であらかじめその発生を予測することができない場合に、一定の遅延が生じた場合には、客観的な記録が認められれば、1日又は2暦日の拘束時間の規制の適用に当たっては、その対応に要した時間を含めないことができる。ただし、加えて得た時間が最大拘束時間を超えた場合には、勤務終了後、継続11時間以上の休息期間を与えるものとするということで、具体的な事由として、ア、イ、ウ、エとして限定列挙させていただいております。全て頭に「運転中に」という言葉が付いておりますが、まず、運転中に車両が故障した場合、乗船予定のフェリーが欠航した場合、災害や事故の発生に伴い、運転中に道路が封鎖された場合や道路が渋滞した場合、それから、運転中に異常気象、警報発表時としておりますが、これが発生した場合については先ほど申し上げたような例外的な取扱をするということです。
そして、適用除外業務です。現在、トラックのみに適用されていますが、今般の告示の改正を踏まえてバスとタクシーにもこれを追加するという考えです。具体的には、災害対策基本法等に基づいて、都道府県の公安委員会から緊急通行車両であることの確認、標章及び証明書の交付を受けて行う緊急輸送の業務については告示の適用除外にするということです。
続いて、参考資料1の20ページを御覧ください。只今説明した緊急通行車両についてです。真ん中に四角で囲んでありますが、災害対策基本法に定める緊急通行車両は次に掲げるものであるということで、1つ目は、パトカーや救急車、消防車等のいわゆる緊急用車両です。2つ目は、災害応急対策に従事する者又は災害応急対策に必要な物資の緊急輸送や応急対策に必要な車両ということで、主にお医者さんや患者さんの輸送用の車両等で、ここにタクシーが該当するということです。説明は以上です。
○両角部会長 ありがとうございました。前回の作業部会等での議論を踏まえ、ただいま事務局から修正案の提案の説明がありました。この分科会での議論は3月末までに取りまとめる予定になっていますので、本日、委員の皆様におかれましては、取りまとめに向けて議論していただくようにお願いいたします。それでは、資料1の順番で御議論いただきたいと思います。
まず、資料1の1ページ、1か月の拘束時間については288時間を超えないものとするという案が示されていますが、これについていかがでしょうか。久松委員、お願いします。
○久松委員 これについては、これまで議論してきた中でも労使ともにさほど争いはなかったと思いますので、これでよいのではないかと考えます。以上です。
○両角部会長 ありがとうございます。使用者側、よろしいでしょうか。
○武居委員 問題ないと思います。
○両角部会長 ありがとうございます。それでは、労使ともに、1か月の拘束時間についてはこの案のとおりでよろしいのではないかということですので、そのように伺いたいと思います。
次は、1日及び2暦日の拘束時間、休息期間についてです。これらは別個に議論できませんので、まとめて御意見を伺いたいと思います。日勤から御意見を頂きたいと思います。松永委員、お願いいたします。
○松永委員 日勤については何回も申し上げてきましたが、脳・心臓疾患の労災認定基準で、勤務間インターバルがおおむね11時間未満の勤務の有無等で評価するとなっています。また、厚生労働省が行った自動車運転者の実態調査で、タクシー運転者については、1日の休息期間は11時間超必要だという回答が35.4%、10時間超11時間以下という回答が10.6%、合わせて約半数を占めています。そして、国際基準の例として、ILOの勧告においても拘束時間の定めはないものの、休息期間については連続11時間以上は必要だとうたっています。こうした観点から、労働組合として、私たち労働者の立場としては、原則11時間以上というのは外せないということを申し上げてきました。これを、まず基本に話合いをしていきたいと思っています。また、継続9時間について、9時間という数字を入れることについては決して拒否しているものではありませんが、原則11時間という形としていただきたいということが私からの要望です。以上です。
○両角部会長 ありがとうございます。武居委員、お願いいたします。
○武居委員 松永委員がおっしゃるように、第1回目の案では原則11時間ということで、私どもは3業態で休息期間はある程度一緒にすべきだというのが、まず1点ございました。同時に、ILOの条約、勧告においてもタクシーは適用除外にできるとなっています。それと同時に、原則11時間となりますと最大拘束時間は13時間以上となったとしても、実際には13時間以上に拘束時間を延長することは確実にできないということになり、地方ではシフトが組めないなどの大きな問題が出てくることから、私どもはこれはのめないと、再三お話をさせていただきました。今回、追加案として、努力義務として11時間という言葉が入りました。同時に、9時間を下回らないようにということで、都市部では大体、実態的に拘束時間を13時間以内に収めていますけれども、地方では、この11時間の努力目標が入ることによって休息期間への意識も大分変わってくるだろうと思っています。そういう意味では、11時間という時間が入ったということと、9時間を下回らないという追加案については、のまざるを得ないと考えています。以上です。
○両角部会長 ありがとうございます。久松委員、お願いいたします。
○久松委員 松永さんの意見については、私も本当にそのとおりだとは思っています。しかしながら、これまで、現場の実態等も踏まえた中で、本当に労使で真摯に議論してきたと思っていますが、諸手を挙げてこのままというわけにはいかないというところも少しあるので、最後どうまとめるかということは別として、せめてなのですが、「勤務終了後、継続11時間以上の休息期間を与えるよう努めることとし」となっている部分を、「原則、継続11時間以上の休息期間を与えることとし、継続9時間を下回らないものとする」ということで、「努める」という言い回しではなく、「原則、継続11時間」ということで、少しメッセージを強くしてもらいたい。これができれば、使用者側のお考えも踏まえて検討できると思います。
今、自動車運転者の職場環境良好度認証制度というものも国土交通省を主体として進めていますが、労使の中でも先進的な事業者や、優良事業者では、武居委員がおっしゃったように、拘束時間は13時間を前提に労務管理をしてくださっている事業者も多々あるということですから、休息期間11時間というのは絵空事ではなく実態として可能な部分であると思います。ですから、しっかり従業員の健康管理を考えている事業者があるということも踏まえて、「努めること」というよりも、「原則」としていただいても十分ついてこれる事業者はたくさんあると考えていますので、文言の修正をお願いしたいと思います。以上です。
○両角部会長 ありがとうございました。今、久松委員から、取りまとめに向けて御意見があったと思いますけれども、それに対して、あるいはその他の点について委員から御発言はありますか。武居委員、どうぞ。
○武居委員 久松さん、原則11時間とすると、9時間という数字の意味はなくなってしまうのではないですか。原則11時間で9時間を下回らないというのは文言的に理解できないのです。原則11時間以上確保するということは、11時間は最低だけれども、例えば労使協定があれば9時間でもOKだよという意味ですか。11時間原則という形を取ってしまうと、9時間というのは基本的に特例になりますよね。そこは、受け入れ難いというのが本音です。努めることにしても、11時間というのを入れたということに大変大きな意味があるのではないかと私は思っています。原則ということで、努めるということはなくそう、11時間が最低義務で特例的に9時間ということは、日によっては9時間のときもあって、でも原則は11時間以上与えなければ駄目と、こういう意味で久松さんはおっしゃっているのだと思いますが、そういう理解でよろしいですか。
○両角部会長 久松委員、お願いいたします。
○久松委員 その趣旨です。理想というか、原則として11時間という休息期間を与えることとするが、継続9時間を下回らないものとすることで、拘束時間の延長で一定の制限とか条件を付けられると思いますので、その裏返しとして休息期間を9時間とすることも可能であるようにするということです。
○両角部会長 今、久松委員から御説明がありましたが、武居委員、いかがでしょうか。
○武居委員 もともと私どもは当初から、都心部のほとんどの事業者は13時間拘束でやっています。都心部は1日の拘束時間を13時間としても実車率も含めて生産性が高いですからやっていけますが、地方は曜日によって拘束時間がかなり変わるのではないかと思っています。そういう意味で、休息期間を8時間から急激に11時間とするいうことは拘束時間の延長ができなくなってしまう。久松さんが言うように、曜日に応じて15時間までできるといっても、その回数が非常に少ない部分になっていってしまうので、9時間を原則にしてもらわないと同意できないというのが、今のところ私どもの考え方です。
○両角部会長 ありがとうございます。この点につきまして、ほかに委員から御意見はありますでしょうか。そうしましたら、久松委員からは修正案の表現をもう少し強いものにできないかという御提案があり、武居委員からはその趣旨がどういうことかということでしたが、ほかに御意見はございませんか。松永委員。
○松永委員 ありがとうございます。今、そういう話が出たのですが、私たちは労働者として命を預かる仕事をしているのだというのを常に考えてきました。仕事をするということにおいて、しっかりした休息を取ることが一番必要であって、例えば今まで出てきた議論の中で、長時間働かないと歩合給だから給料にならないのだとか、そんな議論は基本的にこの場での議論の中に入れるべきではないと私たちは思っています。前も申し上げたとおり、自宅に帰ってから次の日の朝までに人は何を行うのかということを訴えてきたつもりです。そういった意味で、休息期間は11時間を原則にして9時間という定義も置くということは、私ども労働側から言えば大変前進した議論だと思っていますので、そこは是非、公益委員の方たちも声を出していただきながら、しっかりと協議をしていきたいと思っています。よろしくお願いします。
○両角部会長 久松委員、どうぞ。
○久松委員 もう一度確認をしたいと思います。まず、日勤の拘束時間ですが、1日についての拘束時間は13時間を超えないものとし、当該拘束時間を延長する場合であっても、最大拘束時間は15時間とする。これを押さえた上で、この反対側が休息期間になるかと思いますが、勤務終了後、原則11時間以上の休息期間を与えるよう努めることとし、継続9時間を下回らないものとするということで言えば、9時間ができないという読み取りにはならないと思っていますので、武居委員がおっしゃったほど厳しくしてくれと言っているわけではないつもりです。以上です。
○両角部会長 ありがとうございます。今の久松委員の御意見は9時間が例外であるという趣旨ではないということでしょうか。武居委員、お願いいたします。
○武居委員 今は日勤の1日の拘束時間は13時間から16時間で、休息期間は8時間以上確保するということです。この休息期間について、都心部では基本的に11時間以上与えているだろうというご指摘です。だから、休息期間は原則11時間でも問題ないという論議はなかなか難しい。というのは、今まで8時間だったものを、急激に3時間延長しても、今までどおり拘束時間を13時間以内でできるよねと、なおかつ1時間短くなったけれども拘束時間は15時間まで延長できるから、ある意味で拘束時間13時間と休息期間11時間、最大拘束時間15時間と休息期間9時間とで実務的にもやっていけるといういうことを久松さんはおっしゃっているわけですね。
最大拘束時間が15時間だと休息期間は9時間になりますし、拘束時間が13時間だと休息期間は11時間になるのだから、原則11時間で9時間を下回らないというのは、全然おかしくないですねと話されているのだと思っているのですが、私どもがもともと言っているのは、少なくとも休息期間は3業態一緒というのが労働者側としての意見であったということが1つと、もちろんタクシーの部会ですからタクシーのことだけ考えればいいと言うかもしれませんが、タクシー会社にはバス事業もやっている所が結構あるのです。タクシー事業とバス事業の両方ともやっているという会社は結構あるわけです。路線をやっている会社でタクシー事業をやっている会社はものすごく多いのです。そこでバスのほうからも、休息期間は現状維持をしたいのだという要望が全国から私どもには入ってきている。
私どもは、1日の拘束時間が13時間ですから、休息期間も9時間以上、11時間に近い実態があるのですが、数字的には9時間を超えて11時間を努力義務ということにすれば、今よりも過労防止という意味においては前に進んでいると私ども使用者側としては思っています。
ですから、8時間だったものが急に11時間まで取らせなければいけないということでは、全国的にシフトを組みづらい、実態的に問題があるという声が大きいです。案の内容である程度やむを得ないと思っていますが、これを原則11時間で9時間を下回らないものとなると、逆に9時間が特例で原則11時間を取らせなければいけないとなって、ある意味で基本的に拘束時間を13時間以上に延長することは確実にできないことになります。拘束時間13時間を延長する労使協定はありますけれども、休息期間は原則11時間ということにしてしまうと、実務的に1日の拘束時間13時間を延長することはできないということになります。拘束時間13時間を超えてしまったら休息期間11時間の確保はできないわけです。拘束時間13時間を1分でも超えたら休息期間は11時間を下回ってしまうわけです。だから、私どもはのめないと言っている。11時間が原則となると、13時間拘束すらもなかなかできないという論議になってきます。例えば何かの事情で確実に超える場合が出てきますからね。それを考えると、今の現状として追加案がぎりぎりのところだというのが私どもの今の考え方です。以上です。
○両角部会長 ありがとうございます。今の御意見に対して、あるいはほかの観点から御意見はありますでしょうか。久松委員。
○久松委員 武居委員の思いとうまく噛み合っていないように感じているのですが、今までは継続8時間以上の休息期間を与えるということで、これは絶対でした。今回、案と追加案があって、案のほうは原則11時間、週3回まで9時間で、追加案のほうは継続11時間以上の休息期間というのが基準としてあるけれども、継続9時間を下回ったら絶対駄目だとなっていて、最低基準が9時間を下回らないものになっていると思っています。その上で、「努めること」という部分を「原則」とできないかと、9時間を絶対に下回ってならないでも、努力してもらうというメッセージとして、原則11時間としようという思いで私は言いました。
今、武居委員がおっしゃったように、9時間は絶対守ってもらわなければいけないとしても、「努めること」よりも「原則」という言葉になると、それをしなくてはならないと思ってもらえる事業者もあればいいなと私は思って、「努めること」よりも「原則」とするほうが、そう思ってもらえる事業者がたくさん増えるのではないかという期待を込めた発言でした。そういう意味です。以上です。よろしくお願いします。
○両角部会長 ありがとうございます。今、久松委員が御提案の趣旨を説明されましたけれども、武居委員の理解としては整合していますでしょうか。武居委員は、そのように久松委員の御意見を理解された上で、先ほど御発言されたということでよろしいでしょうか。お願いします。
○武居委員 原則と言ったとき、11時間を下回らないということになる。全国の事業者も、原則となると11時間を確実に下回ってはいけないと受け取る。努めるということになると、11時間となるように努力しなければいけないとなり、9時間を絶対下回ってはいけないとなる。つまり、久松さんがおっしゃるように、11時間以上の休息期間を与えるような意味、原則として継続9時間を下回らないものとするという形で事業者側が理解してくれるのかどうか。
逆に言うと、事業者側の受け止め方として、努めるということと原則という言葉でかなり受け止め方が違ってくるのではないかという感じを受けています。原則ということになると、通常は11時間で基本的にやりましょう、やむを得ない事情があったときだけ9時間を認めますという考え方に私は取ってしまう。だから、それはいくら何でも急激すぎるのではないですか、休息期間が8時間から11時間が原則になりますねというふうに受け止めてしまうのではないかと思うし、私もそう取ってしまいます。
ですから、「努めること」ということで、もし推進という意味で言うならば、何も原則という言葉を入れる必要はないのではないかと思っています。ここは、9時間は確実に下回らないようにしましょうと、そういう言葉だけでよくなってしまうのではないかという感じがしてならないです。11時間以上の所も地方の事業者ではあるのではないですか。原則というふうに入れると、11時間が基本的な休息期間の原則であると、特例のときだけ9時間を認めますと受け止めてしまうので、厚生労働省のほうでもう一度、文章的にうまく調整してもらえませんか。久松さんがおっしゃるように、なるべく11時間に向かうように推進するのだということならば、もう一度提案していただければ有り難いです。以上です。
○両角部会長 ありがとうございます。清水委員、どうぞ。
○清水委員 清水でございます。原則という言葉が将来的に独り歩きしてしまって取扱いが個々に異なった場合、いろいろな問題が生じるのかなと思っています。11時間という数字が入れば私はいいのかなと。特に9時間にこだわるというのは、現状いろいろシフトの組替えというのがありまして、例えば今日は8時に出庫だという車が、明日の朝はどうしても予約があって6時に来なさいということになると、2時間の前倒しということになるわけで、その場合は9時間確保できていれば前倒しは可能になりますけれども、地方の都市、ゴルフ場等々がある場所ではクラブバスというのが経費の節減で廃止されていますが、そういう地区は結構その手の予約が多いと聞いていますので、9時間を下回らないという、努力目標として11時間を入れるということで、是非御検討いただきたいと思っています。以上です。
○両角部会長 ありがとうございました。ほかに御意見はございますか。松永委員。
○松永委員 先ほど武居委員のほうから、原則11時間というふうに原則と付けると1分でも超えてしまうとという問題点を言っていただきましたが、これは例えば10時間にしても9時間にしても同じことであって、11時間だから守れない、10時間なら守れるという議論ではないと思っています。久松さんが丁寧に説明しているように、原則というのを、もう少し厚生労働省のほうから提案の内容を再度出していただきたいと思います。それから、私どもも全国を回っていますので全国の事情はよく分かっているのですが、例えばゴルフ場もそうですし、ホテル送りや空港送りも数多い仕事ではなく、本当に特例としてある仕事なのです。常時あるものではないので、本当に回数の少ないものを精一杯、それぞれの地方の事業者が苦労して労使で対応しているという実態でありますから、私は原則11時間、そして9時間という定義を付けても、この範囲で対応できると全国を回ってみて思っていますので、是非その対応でお願いしたいと改めて申し上げます。
○両角部会長 どうぞ。
○武居委員 久松さん、勤務終了後、原則継続11時間以上の休息時間を与えるよう努めることでは駄目なのですか。継続の前に原則と入れれば、原則11時間以上の休息期間を与えるよう努めることという形では駄目ですか。私から言うと、原則11時間の原則を後ろに持ってくるか前に持ってくるかによって、事業者側の受け止め方は大分違うと思っています。私どもとすると、事業者側から、シフトが組めないとか、こういう実態があるから守れないと後から言われても困るので、今の休息期間以上に与えなければいけない、休息期間は9時間以上となったということを確実に全国の事業者に説明しに上がりますし、少なくとも原則11時間以上与えるように努力してくださいという形を話すにしても、「努める」ということを入れないと正直言って説明が難しいというのが本音です。ですから、原則を入れて、「努める」ということで何とか御理解いただけないかなというのが私の提案です。以上です。
○両角部会長 ありがとうございます。久松委員、お願いします。
○久松委員 私が原則という言葉にこだわった理由というのは、将来にわたって次の改善基準告示の見直しがいつになるか分からないような中で、1つでも多くの事業者に11時間以上となるように頑張っていただきたいと、そういう強いメッセージができたらいいなという思いの発言です。今、武居委員のおっしゃっていただいた提案は十分評価させていただきたいと思いますし、公益委員の皆様と事務局には文言について検討いただけたらいいなと思います。以上です。
○両角部会長 ありがとうございます。今、久松委員からの御提案があり、武居委員からも御提案がありました。それぞれ意図していらっしゃる内容は、もちろん言ってはいませんけれども、私が伺うところ、かなり前よりは近付いてきているように思います。双方の御意向をうまく反映できるような表現ということが、今、課題になっているかと思いますので、久松委員、武居委員からもありましたように、事務局のほうと、もちろん公益委員もですが、検討させていただきたいと思います。もう一度機会がございますので、そのときまでに改めて検討させていただければと思いますけれども、よろしいでしょうか。ありがとうございました。
それでは、隔勤の拘束時間、休息期間について御意見を頂きたいと思います。武居委員、お願いいたします。
○武居委員 先般の作業部会で、松永さんから実態調査の中の結果を重視すべきだという御意見がございました。長時間労働により疲労度が高まるのだということは間違いないのだと、私どもも認識せざるを得ないだろうと思っております。私どもとしては、今まで隔勤の場合には、拘束時間を守っていれば残業時間もそれほど長くならず休息期間を確保できますという考え方があったので、何とか現行どおりということでお願いをしてきた経緯があるのですが、やはりここはある程度は実態調査を踏まえて休息期間は延ばさざるを得ないだろうというのが、今、考えているところでございます。
提案でございますが、私どもは日勤においても9時間ということで、1時間を延ばさせていただきました。9時間を下回らないというのが提案であるわけでして、隔日というのは日勤の2日分という考え方とすると、やはり疲労度もある程度日勤より、通常よりも出てくるだろうと思います。ということで、私どもは今の休息期間20時間を22時間まで延長し、過重労働を少しでも軽減しようということで提案させていただきます。
それと同時に、私どもがお願いしたいのは、前々からお願いしているのですが、2暦日の拘束時間は21時間を超えないものとする、これは当然現状維持という提案でございますので、これを超えないという部分については問題ないと思っているのですが、実態的に、実は1日の拘束時間を多少30分、例えば道が混んでいたとか、特例の除外の状況ではないにしても少し遅れてしまうという実態が都市部を中心に、コロナの前はかなりありました。
同時に、労災請求の件数について、令和2年度は20件と出ているのですけれども、タクシーではほとんど今は出ていないのが実態でございます。その中で、やはり隔日勤務というのは拘束時間の問題があるものですから、2暦日の拘束時間を延長しようとは考えておりません。ただ、通常30分とか45分遅れてしまう状態があります。事業場内労働を入れると、少なくとも21時間拘束を、例えばハンドル時間の問題はぎりぎりで帰ってきてしまうと、当然事業場内労働を入れるとその事業場内労働分が拘束時間からオーバーしてしまうといった実態が、今かなり出てきております。うちの会社で申し訳ないのですが、うちの会社は、もうメーターが入らないようになっていますので、運転士さんは諦めて、かなり前に帰ってきてしまいますが、メーターで管理している会社は余り都心部でもないので、ハンドル時間ぎりぎりに帰るような予定で、例えば途中で工事に当たってしまったとかで長時間のオーバーではないのですが、30分ぐらいのオーバーが出てきているということがある。休息期間の延長の代わりと言ったらおかしいのですが、2暦日の拘束時間は21時間を超えないものとする。ただし、22時間を限度とし、2暦日ではなくて2乗務部分ですから、4暦日の拘束時間は平均して21時間を超えないものとなるというようになるのでしょうか、この数字でいきますと。平均で21時間も可能とするという形で何とか拘束時間の部分で、少しフレキシブルにできないかなというのが提案でございます。現行の休息期間21時間以上の確保については、22時間まで延長すべきだろうというのが、今のところ私どもの考えです。以上です。
○両角部会長 ありがとうございました。確認させていただきたいのですが、今、武居委員が御説明いただいた案で、休息期間のほうはよく分かりましたけれども、拘束時間のほうは原則21時間はそのままで、ただし、2乗務でみると。
○武居委員 そうですね、2乗務というのは4暦日になります。
○両角部会長 その平均が21時間を超えないものとするということは。
○武居委員 要するに、4乗務で平均で21時間でも可能とする。30、40分遅れたら、次の出番のときに30、40分早く帰ってきてくださいと、こういう管理の仕方もさせてくださいという形です。
○両角部会長 なるほど。そうすると、それは1乗務目が18時間で、2乗務目が24時間でもいいとかというような極端な話ではなくて。
○武居委員 ですから、最大22時間という限度を入れるという提案です。
○両角部会長 最大22時間。
○武居委員 はい。
○両角部会長 分かりました。
○武居委員 これは常時ではないです。オーバーしたときだけ、次の出番のときに、その分早く帰ってくるようにという管理の仕方も可能にさせてくださいということです。
○両角部会長 分かりました。それでは、今の武居委員の御提案も踏まえて、ほかの委員から御意見を頂きたいと思いますが、いかがでしょうか。では、清水委員が先でしたので、まず、清水委員にお願いいたします。
○清水委員 事業の生産性を高めていくためには、あるときに効率よく長く働いて、そうではないときには労働時間を短くすることのほうがいいのかなと。1か月の総拘束時間の範囲内で各勤務の拘束時間への配分は、現場の実情をよく知る労使に任せることのほうが私は望ましいと思っております。現状、日勤については、タクシーの就労現場において実情を配慮して拘束時間は原則13時間ですが、最大16時間まで延長することを認めていることに鑑みれば、隔勤の勤務についてもその弾力化の措置があったほうがいいと思います。今後、労働生産性を上げていかなければいけない中であるわけで、その辺を工夫して直していったほうがいいのかなと。隔日勤務の1勤務の終了の間際に、確かにその利用者の都合であったり交通の状況など様々な状態で、5分、10分超過してしまう場合があるのですが、5分、10分、15分でも超過してしまえば改善基準告示違反とされてしまうという現状がございます。
逆に、その超過した分、次の勤務を短くしたほうが労働者にとってはいいと思います。次の時間は短く帰ってこさせるという管理のほうが私はいいのかなと思っております。隔日勤務の拘束時間と休息期間でありますけれども、1勤務についての拘束時間は2勤務を平均し、1勤務当たり21時間を超えないものとする。ただし、1勤務についての拘束時間の限度は22時間とすると。今回こういう弾力化を是非行ってもらいたい。休息期間については現状20時間ですが、そこは22時間以上休息期間与えるということにしてはいかがでしょうかと思っております。以上です。
○両角部会長 ありがとうございます。松永委員、お願いいたします。
○松永委員 武居委員から休息期間を22時間という考え方について説明いただきました。ありがとうございました。今の拘束時間については、なかなか言葉で表していただいていることについて受け止め方が難しいのですが、そういうことを議論するのであれば、私どもが提案している休息時間を24時間という位置付けにさせていただくことから議論をさせていただいたほうがよろしいのではないかという気がしております。以上です。
○両角部会長 ありがとうございます。ほかには御意見はいかがですか。よろしいでしょうか。久松委員、お願いいたします。
○久松委員 武居委員、清水委員から、隔日勤務について過酷な労働だという認識をしっかりしていただいた上で、一定、休息期間の見直しは必要であるという考え方を出していただいたことは非常にうれしいのですが、やはり24時間という数字については、労側としてはまだまだこだわりはあります。しかも、その上で、現状の拘束時間について、大きな緩和ではありませんが、一定の緩和の御提案を頂いたというところも非常に悩ましいところかなと思っているところです。以上です。
○両角部会長 ありがとうございます。では、寺田委員にお願いします。
○寺田委員 いろいろ御意見が出て参考になりました。ただ1点、気付いたこととしては、タクシーの場合は連続運転時間規制が全くありません。これは、拘束時間の中で運転時間も制限している、適正化しているという枠組みだと思うので、拘束時間を延ばすと運転時間をどうするかというかを決めなくてはならないという気もするのですが、その点はいかがでしょうか。
○両角部会長 武居委員、お願いいたします。
○武居委員 御心配はもっともだと思います。ただ、私どもは、なぜ4暦日と、次の出番で調整しなさいというかというと、実は運転時間、労働時間をどうするかという問題が多分厚生労働省から出てくるだろうという辺りは認識していました。例えば1か月の拘束時間の範囲内で自由にやるという論議をしているわけではなくて、たまたまその日が遅れたら、次の出番は必ず早く帰ってきて、2乗務平均で、必ず21時間以内にしてくださいということなので、拘束時間を延ばそうという発想ではありません。ここだけは御理解いただきたいのですが、今は2乗務の拘束時間は21時間となっていますが、たまたま何かの事情で適用除外とはまた別の理由で5分、10分、30分と遅れるときには、次の出番で調整をして、休息時間も多く取って、その次の運転時間を確実に短くして、2乗務平均して21時間を決して超えてはならないということなので、労働時間、運転時間を延ばそうという意味で緩和してくださいということではないというように御理解いただきたいと思っています。以上です。
○両角部会長 久松委員、お願いします。
○久松委員 タクシーの労働実態は、乗合バスや貸切バスと違いまして、乗合バスのように系統ごとに組んだダイヤや、貸切バスのように運行計画によって運転士さんが拘束されるのではなくて、お客様を乗車させ、降車させ、次のお客様を乗せるまでの間のその辺のペース配分というのは比較的やりやすいところもありますので、連続運転時間とか、運転時間といった規制はなじまないとか、そこまではいらないのかなと労側としても思っているところです。
○両角部会長 ありがとうございます。寺田委員はよろしいですか。私からも質問というか、一言言わせていただきたいのですが、使用者側が御提案の拘束時間の柔軟化ということについて、これは現場で運用するときに、ちょっと複雑なルールになるような気もするのですけれども、現在のように拘束時間が21時間というのは非常にシンプルですが、それを柔軟化して、21時間だけれども2乗務平均、21時間でもよいと。その場合も最大22時間ということの御趣旨はよく理解できましたが、これは何か複雑で、運用が難しいような問題はないのでしょうか。武居委員、お願いいたします。
○武居委員 私どもの管理者というのは、当然21時間拘束を、1日の拘束を守っています。つまり、もしこれを超えた場合には、運転士さんから理由書並び始末書みたいなものをその度に取っております。ですから、次の出番できちんと労働時間を調整するということです。逆に、私どもとすると、1回何かの事情で、例えば途中で眠くなりましたから途中で止めて寝過ぎてしまいましたと言っても、これは私どもからすると最大拘束違反なのです。ですから、1回違反したものは二度と取り返せないと言ったらおかしいのですが、今の現状としては監査が入ったときには、眠っていようが何をしようが、これは休息だという見方をしてくれません。ですから、次の出番で調整をして、平均でその延長をした部分を必ず次の出番で労働時間を短くするということが管理もしやすいといったほうがいいのかなと思っています。以上です。
○両角部会長 ありがとうございます。ほかに隔勤の拘束時間、休息期間について、久松委員、お願いいたします。
○久松委員 例えばですが、現場の運用上の部分で、拘束時間について2暦日の2つ分の勤務で調整するというのは、実務的にはありうるのかなということも理解はできます。しかし、私どもとしては休息期間24時間というところは少しこだわりがあるということで、例えばですが、日勤の休息期間の修正案である文言について、継続11時間のところを、隔日勤務では24時間と読み替えていただいて、そして下回らないものとするというところの9時間というのを22時間に読み替えていただくことはいかがでしょうか。したがいまして、勤務終了後、継続24時間以上の休息期間を与えるよう努めることとし、継続22時間を下回らないものとするという文章です。
○両角部会長 武居委員からお願いいたします。
○武居委員 先ほどと同じなのですが、久松さんがおっしゃるように、これから次の作業部会までにこの原則という部分をどのように厚労省のほうで文章をまとめてくれるかにもよるのですが、私どもとして、24時間を与えるように努力すると、努めるということについては異存はありません。ただ、文章の問題があるので、そこは是非調整させていただきたい。
先ほど申し上げたとおり、21時間拘束を延ばそうという意図は今回ございません。少なくとも、たまたまそういったことがあったら、次の出番で調整することも可能にできませんかというのが私どもの御提案でございまして、それで、今の20時間を22時間までは延ばしましょうというのが今の提案でございます。24時間としたときにどういった形で御提案いただけるのか、私はその文章によってはやぶさかではないと思っています。21時間拘束を守れば確実に24時間以上の休息時間は取れるわけでございまして、そういう意味でその文章の部分の中ではそれほど大きな問題ではないのかなと思っています。
ただ、義務にしてしまうと、何かの都合で、運転士さんの拘束時間オーバーの一番大きな原因である、実は途中で休憩して寝てしまったとか、都心部の場合には、工事がコロナ前には結構ありました。つまり、都心部の場合でも工事がありますと1時間半ぐらい、通常の帰庫時間は少なくとも1時間ぐらい遅れるのがざらにコロナ前にはありました。工事が理由ですとは書けないので、都心部の事業者では、帰庫時間をオーバーしてしまいましたという理由書を各運転士さんに出してもらっています。全国の事業者でどのように運行管理をしているかまでは確認していないのですが、少なくとも文章として24時間をどういう形で入れるかについては、私どもは考慮の機会があると思っていますので、是非厚労省のほうで、日勤の拘束期間と併せて次回文章として御提案をいただきたいです。以上です。
○両角部会長 ありがとうございます。久松委員、拘束時間について使用者側の御提案についてはいかがでしょうか。
○久松委員 もし、仮に使用者側の拘束時間の提案を受け入れるとすればですが、先ほど申しました読み替え、2日勤の休息期間の追加案の記載を24時間と22時間との読み替えをお願いしたいという趣旨です。以上です。
○両角部会長 ありがとうございます。ほかにこの隔勤の問題について御意見はありますでしょうか。そうしますと、日勤のほうと同様に、少しその表現についてより精査する必要があります。調整が不可欠ですので、これについても次回までに厚労省のほうで、公益委員ももちろん加わって検討させていただきたいと思います。それではこの問題についてはよろしいでしょうか。
続いて、ハイヤーについてです。ハイヤーについては改正案が出ております。全部読み上げることはいたしませんけれども、こちらについては労使ともこれまで合意しておられるというか、御異論がなかったところかと記憶しておりますが、改めて伺いたいと思います。何か御意見はありますでしょうか。松永委員。
○松永委員 ありがとうございます。労働側としては、このハイヤーについては前回申し上げたとおり理解を示しております。そういう対応でよろしくお願いします。
○両角部会長 武居委員。
○武居委員 使用者側にしても、これは問題ないと思いますのでよろしくお願いします。以上です。
○両角部会長 ありがとうございます。ハイヤーについては、今日出ておりますこの案で労使ともに問題がないということで承ります。それでは、車庫待ちについてです。車庫待ちも日勤と隔勤がありますが、まずは車庫待ちについては今回初めて定義が案として出てきています。この定義について御意見を伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。久松委員、お願いします。
○久松委員 定義の中で人口要件が入っています。人口30万人以上という要件、以前事務局のほうでは中核市でしたか、その要件に合わせて20万という数字になっていて、今回は30万というふうになりますと、流し営業はあるかないか際どいところの数字になるのではないかということをちょっと心配しますが、使用者側の委員の皆様がこれで大丈夫ということであれば、これで異存はありません。以上です。
○両角部会長 ありがとうございます。それでは、使用者側の委員の方々いかがでしょうか。武居委員、お願いします。
○武居委員 これについては、改めて私どもでは全タクの意見を聞きました。基本的には30万で問題ないという話をしております。基本的には流し営業を行わないというところをきちんと管理できれば問題はないだろうということですので、これでいいのかなと思います。以上です。
○両角部会長 ありがとうございます。労使ともこの定義で問題ないのではないかという御意見ですが、ほかにはよろしゅうございますか。寺田委員、お願いします。
○寺田委員 割って入る話ではないのかもしれませんが、結果的に流し営業になるという、流し営業が事実上ほとんどない場所というのは理解するのですけれども、福祉タクシーでない場合、流し営業が発生するケースがどんな場所でもあるような気がするのですが、この点はいかがでしょうか。
○両角部会長 寺田委員の今の御質問ですが、武居委員、お願いします。
○武居委員 この流し営業を行わないというのは流し営業を目的としていないということで、例えば車庫に帰るときにお客様がいたのを拾ってはいけないということではないと理解しているのです。目的として流し営業はしませんよということで、私ども事業者側は理解をしております。例えば、車庫に帰るのにたまたま信号待ちをしていたらお客さんがいたとか、これもある意味では流し営業になってしまいますが、そこまでは制限できないと私は理解しています。このような理解でよいか国土交通省にお尋ねしたい。
○両角部会長 流し営業の定義の(2)の所について御質問がありました。これは国交省からお答えいただけますか。
○国土交通省オブザーバー いつもお世話になっております。国土交通省自動車局旅客課で課長補佐をしております髙瀬と申します。ただいま御質問のあった流し営業ということですが、私どもは流し営業についてこういうことを言いますといった定義は定めてはおりません。
○両角部会長 公的な定義はないということで、いわゆる流し営業という、だから「いわゆる」というのが付いているのだと、今理解しましたけれども、行っていないということの意味が、武居委員の御理解だと、それを目的とした営業をしていないという、結果としてお客様がいたのでそれを拾うということまで、これに違反するということではないということです。
○監督課長 確かに寺田委員が御指摘のとおり、結果として起こった流し営業についてどう取り扱うのかという疑念が生じかねない文章になっているかと思います。左側にあるとおり、従前は「勤務時間のほとんどについて「流し営業」営業を行っている実態でないこと」ということで、全体の勤務時間の中で割合が低いことということで、実態で見るという基準になっていました。そこは確かに今の書き方が、武居委員からは目的というふうに理解しているとおっしゃっていただきましたが、やや不明確な点がありますので、また改めて我々のほうで検討させていただきたいと思います。御指摘ありがとうございます。
○両角部会長 ありがとうございます。この定義をされた趣旨は、武居委員がおっしゃったような趣旨ということでよろしいですか。結果としてそうなってしまったことまで排除することではないということでしょうか。
○監督課長 もちろんおっしゃるとおりで、比率が高いということは流し営業営業をある意味目的としてやっているということです。表か裏かということかと思いますので、方向性としては合致していると思います。
○両角部会長 分かりました。それでは、ここの表現が若干明確でないところがありますので、そこは次回までに検討していただくことにしたいと思いますが、この点以外でも結構ですので、他の委員から何か御指摘、御意見ありますでしょうか。よろしいですか。
それでは、その流し営業営業の所については少し修正というか再検討するということで、基本的にはこの定義でよろしいということで御理解いただいたと考えます。ありがとうございます。
それでは、車庫待ちの場合の日勤と隔勤のそれぞれの時間の上限ですが、日勤については案としては現行どおりとなっていますが、この点について御意見ありますでしょうか。よろしいでしょうか。
続いて、車庫待ちの隔勤についてです。これについては読み上げるのは省略しますけれども、現行の2項目目、資料で御覧いただきますと2項目目の所、20時間延長が現行可能であるところを、10時間にこれを削減するという修正が案として出てきています。これについて御意見ありますでしょうか。これも含めて、隔勤の内容について御意見があれば伺いたいと思います。よろしいでしょうか。それでは、車庫待ちについては労使ともに案について御了解いただいたと承ります。
それでは、最後の論点にまいります。例外的な取扱いについてです。資料の6ページにありますが、これも長いので読み上げませんけれども、この案の例外的な取扱いについて御意見があればよろしくお願いします。久松委員、お願いします。
○久松委員 内容的には問題ありません。ただ、文言の部分なのですが、予期しえない事象に遭遇した場合の2行目、「1日または2暦日」となっています。しかしながら、次の「ただし」からの行ですが、「勤務終了後、継続11時間以上の休息期間を与えるものとする」ということで、日勤の休息期間の数字しかここには入っていないということになりますので、先ほどの議論の結論ということになるのかとは思うのですが、2暦日の場合の休息期間を「又は」で入れるべきではないかと思います。以上です。
○両角部会長 ありがとうございます。今、久松委員から御提案いただきました。確かにそうだと思います。日勤の場合と隔勤の場合と、それぞれ1日の拘束時間を勤務終了後延長した場合、どれだけ休息期間を与えればいいのかということの記載が必要だと思います。この点について御意見いかがでしょうか。もちろん、本則のほうがまだ確定していませんけれども、日勤だと継続11時間以上となっているということですね。
そうしますと、隔勤の場合はこのまま当てはめると24時間となりそうでもあり、あるいはそれは22時間とすべきなのか、これは本則が決まっていないと議論しにくいところでありますが、現時点で御意見があればお願いしたいと思います。清水委員、お願いします。
○清水委員 数字を入れなければいけないと思いますので、とりあえず22時間を下回ってはいけない部分の数字は入れるべきだと思います。ですから、休息期間が22時間に決まれば22という数字を入れるべきだと思います。
○両角部会長 ありがとうございます。武居委員、お願いします。
○武居委員 これは例外的な数値なものでして、逆に言うと予期しない事案なものですから、結構拘束時間をオーバーするというか、24時間ぎりぎりまでいく可能性が非常に高い。例えば災害のときなどは拘束時間が24時間ギリギリとなったことがあったのです。そうすると、22時間では特例的には難しいと思いますので、例外的な取扱いの場合の休息期間は24時間でいいのかなと、そういうふうに考えています。実態的にはかなりオーバーするので、30分や40分のオーバーではないのです。そうすると、例えば隔勤の場合は1日ぐらい休息を与えないとならないと考えています。
少なくとも、休息ではなくて、1日の最大拘束時間は21時間と今決まっているわけでして、それは例の4暦日の問題を別にしても原則21時間ですから、24時間でも通勤を入れても確保できると私は考えています。なぜかというと、これは特例なのです。特例なので、かなりオーバーする可能性があるので、継続した休息はきちんと与えないといけないと思っています。ただ、例えば災害の場合、特例的に厚生労働省から要請があった場合には、下手をすると休息期間を24時間とすると、車が足りないとか、災害のときにもっと動かせといったときには、そういう問題も出てくるので、その辺の兼ね合いですね。特例中の特例と言ったらおかしいですが。
例外的な取扱いにおける休息期間は、原則24時間としてもいいのではないかと考えています。以上です。
○両角部会長 どうもありがとうございます。ほかに御意見はありますでしょうか。清水委員。
○清水委員 例外的な取扱いについてですが、最近タクシーの中にはドライブレコーダーが付いていまして、今までであれば犯罪を立証することが大変難しかったのですけれども、特に近年増加傾向にあるタクシー車内の犯罪行為、車を壊された等の犯罪行為に遭遇した場合に、例外的な事項に扱っていただけるのかどうか。ここを確認したいと思います。よろしくお願いします。
○両角部会長 それでは、清水委員から御質問がありましたが、事務局お答えいただけますか。今のようなタクシー車内の犯罪がこれに該当するかどうか。
○監督課長 ヨーロッパの事例でもそういったものは入っていなかったものですから、私どもとしては余り想定はしていなかったですけれども、そこは改めて事務局のほうで、今の御意見を踏まえて検討させていただきたいと思います。
○両角部会長 ここに今、挙がっている事由は、基本的にフェリーの欠航とか災害とかそういったようなものですけれども、タクシー車内の犯罪がそれに当たるかどうか、次回までに検討されるということでしょうか。清水委員、それでよろしいですか。
○清水委員 はい、よろしくお願いいたします。
○両角部会長 それでは、ほかに御意見ありますでしょうか。話を戻しますと、隔勤の場合の数字を入れるわけですけれども、そのことは先ほど来申していますように、本則のほうとも関係がありますので、最終的にはそれを見てということにはなりますけれども、本日のところ、労使からそれぞれ御意見を頂いたということで承っておきたいと思います。
それでは、ほかに何か特段この場で御意見がありましたら、承りますがよろしいですか。清水委員、どうぞ。
○清水委員 参考資料の1ページにあります自動車運転者の基礎統計で、賃金がタクシーは他の産業に比べて非常に低いとなっています。そこで、他産業との賃金の格差の是正ですとか、今回労働時間が短くなるのに伴っての賃金の補填が必要なのかなと思っています。その中で先般、令和3年12月27日に、国土交通省の自動車交通局長から、一般乗合旅客自動車運送事業の運賃及び料金の上限の認可に関する処理方針の一部改正がされています。
今回の改正では、バスの乗務員さんの賃金の運賃改定をするときの査定の項目が変更されて、今までは乗務員さんの実績の平均給与だけで査定が行われていましたけれども、今回から全産業平均の給与月額も査定の中に含めるとなったと報道されていますが、タクシーについてはその部分の改正は行われないような報道になっていると私は思っているのです。是非、全産業との格差是正をしていただきたいのです。格差是正をしていただかないと、人材の確保が更に厳しく、タクシー事業の経営が大変厳しい状況になってしまうと想定しています。なかなか個々の事業者の裁量で決めることのできない、公共料金としてのタクシー料金を見直すことからまず先行してやっていただきたいと思っていますので、その点は是非、国土交通省の御理解を頂ければと思っています。よろしくお願いいたします。
○両角部会長 それでは、これは国土交通省のほうから何かありますか。
○国土交通省オブザーバー 国土交通省自動車局旅客課の髙瀬と申します。今、頂きました御意見ですが、確かにバスの運賃改定についてはおっしゃるように、全産業平均という形で査定するということが示されたところです。運賃改定はタクシーもバスも同じですが、事業者からの申請に基づき実施するものと考えており、改善基準告示の見直しが行われても、各社から運賃改定の申請があった場合には適切に審査してまいります。以上です。
○両角部会長 ありがとうございます。それでは、労使から活発な御意見を頂きまして、課題もまた明らかになったところですが、本日はここまでとさせていただきたいと思います。
最後に、事務局から連絡などありましたら、お願いします。
○中央労働基準監察監督官 次回の日時場所については調整の上、追ってお知らせいたします。
○両角部会長 それではこれをもちまして、第5回自動車運転者労働時間等専門委員会ハイヤー・タクシー作業部会を終了いたします。皆様本日はお忙しい中ありがとうございました。終了いたします。
 

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