厚労省・新着情報

医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全企画課

日時

令和4年3月24日(木)15:00~17:00

開催方法

オンライン会議

出席者

委員(敬称略)
事務局(12月23日時点)
  • 武井   貞治  (生活衛生・食品安全審議官)
  • 宮崎 敦文  (大臣官房審議官)
  • 小谷   聡司  (生活衛生・食品安全企画課長補佐)
  • 近澤   和彦  (食品基準審査課長)
  • 三木 朗   (食品監視安全課長)
  • 小池 紘一郎 (食品基準審査課残留農薬等基準審査室長)
  • 今川   正紀  (食品基準審査課新開発食品保健対策室長、食品監視安全課食中毒被害情報管理室長)
  • 田中 里依  (食品基準審査課器具・容器包装基準審査室長)
  • 蟹江 誠         (食品監視安全課輸入食品安全対策室長)

議題

  1. (1)審議事項
    1. 1.食品添加物の指定等について
  2. (2)報告事項
    1. 1.食品中の農薬等の残留基準の設定について
  3. (3)文書による報告事項
    1. 1.食品中の農薬等の残留基準の設定について
  4. (4)その他の報告事項
    1. 1.食品衛生分科会における審議・報告対象品目の処理状況について
    2. 2.令和4年度輸入食品監視指導計画(案)とその概要について
    3. 3.「第1回食品安全制度懇談会」の開催について
       

議事

議事内容

○小谷補佐 すみません、遅くなりました。それでは、ただいまから薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会を開催します。本日の司会を務めさせていただきます生活衛生・食品安全企画課長補佐の小谷と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
この度、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、引き続きWebでの審議とさせていただきます。不都合がありましたら、お電話若しくはチャット機能にて御連絡いただければ、随時、対応させていただきます。
本日のWeb会議に際し、感染拡大防止のため、説明者においてマスクを着用したまま説明させていただく場合があります。御了承いただければと思います。
はじめに、本日の分科会委員の出席状況ですが、木下委員、高橋委員、津金委員、二村委員、脇田委員、今村委員から御欠席との御連絡を頂いています。堀内委員、松嵜委員からは、途中から御参加される旨、御連絡いただいております。現在の分科会員総数22名のうち、現時点で14名の御出席を頂いており、出席委員が過半数に達していますので、本日の分科会が成立することを御報告申し上げます。
続きまして、事務局の職員を御紹介します。武井生活衛生・食品安全審議官です。宮崎大臣官房審議官です。近澤食品基準審査課課長です。三木食品監視安全課長です。今川食中毒被害情報管理室長兼新開発食品保健対策室長です。小池残留農薬等基準審査室長です。田中器具・容器包装基準審査室長です。蟹江輸入食品安全対策室長です。西川生活衛生・食品安全企画課長、浦上HACCP推進室長については、公務のため不在とさせていただきます。
続きまして、本日の議題ですが、お手元の議事次第にありますように、審議事項として「①食品添加物の指定等について」について御審議を頂いた後、何点か事務局から御報告申し上げたいと考えています。
この分科会は、原則公開とさせていただいていることから、一般聴講についてもWeb会議システムによる音声のみでの傍聴とさせていただいています。一般傍聴者の方については、事前に御連絡しているところですが、厚生労働省ホームページに分科会の資料を公開していますので、各自御確認ください。
また、本日の審議事項に関して、利益相反の対象はございませんでしたので、こちらもお知らせします。
続きまして、審議の進行方法にについて御説明します。審議中に御意見、御質問されたい委員におかれましては、まずカメラがオンになっていることを御確認の上、挙手をしていただきますようお願いいたします。その後、分科会長から順に発言者を御指名いただきます。御発言いただく際は、マイクがミュートになっていないことを御確認の上、御発言ください。またノイズを減らすため、御発言が終わりましたら、マイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。なお、発言者が多くなり、音声のみでの判別が難しいほど混線した場合には、一度、皆様の発言を控えていただき、発言したい委員についてはチャットに記入していただくよう、事務局又は分科会長からお願いする場合があります。その場合には、追って分科会長より発言者を御指名いただきます。
それでは、本日の議事進行を、村田分科会長、どうぞよろしくお願いいたします。
○村田分科会長 村田です。今日はお集まりいただきまして、ありがとうございます。私の声は聞こえていますか。
それでは、(1)審議事項①「食品添加物の指定等について」の審議を行います。事務局から御説明願います。
○田中室長 審議事項を御説明させていただきます。資料1を御覧ください。
資料1、審議事項に関する資料です。今回は、1件で、添加物の新規の指定に関することとなっています。
3ページ目から中身に関して御説明をさせていただきたいと思います。名称は、炭酸水素カリウムです。こちらを審議の対象として、添加物としての指定の可否及び規格基準の設定に関する諮問をさせていただいています。
経緯ですが、令和3年12月の添加物部会にて御審議いただき、報告を頂いています。化学式はこちらに記載のとおりのもので、用途がワインに用いる除酸剤となっています。
この添加物「炭酸水素カリウム」に関しては、ぶどう酒中で炭酸水素イオンとカリウムイオンに解離します。炭酸水素イオンは、ぶどう酒中の酸と反応し、中和して二酸化炭素と水になって、大部分(二酸化炭素)は揮散するということになります。また残るカリウムイオンに関しては、同じくぶどう酒中にもともとあった酒石酸と結合し、酒石酸水素カリウムとなって、酒石という澱になって沈み、これが濾過されて取り除かれる。そういう形で使われるもので、結果的に過剰な酒石酸をワインから取り除くことができるという添加物です。
諸外国での状況ですが、欧州ではワインへの加工助剤として使用ができるということのほかに、粉ミルクや栄養補助食品への使用が認められています。酸度の調整の効果があるということです。なお、ワインに使用する際の上限量は定められていません。アメリカでは、GRASと言われる一般に安全と認められる物質とされていまして、ワインを含む広範な食品への使用ができるということです。またオーストラリアではワインへの使用が認められているということを確認しています。
食品安全委員会における食品健康影響評価結果ですが、こちらが添加物として適切に使用される場合は安全性に懸念はないと考えられて、ADIの設定の特定をする必要がないという評価です。
摂取量の推計ですが、ぶどう酒に対して、酒石酸として最大3.5g/Lの除酸がされる可能性があるだろうという想定をしていまして、この場合に必要な本品の添加量を計算しています。こちらが3.18g/Lであり、これが仮に全て残存したとすれば、摂取量が2.7mg/kg 体重/日と推計しています。ただし、先ほど申し上げましたように、実際には二酸化炭素とカリウムイオンになって、結果的に除去あるいは揮散されていくものと考えられます。
答申としては、添加物として人の健康を損なうおそれはないことから、指定することは差し支えないという案です。添加物としての規格基準に関しては、使用基準(案)は、炭酸水素カリウムを、ぶどう酒の製造に用いるぶどう果汁及びぶどう酒以外の食品に使用してはならないという案です。成分規格(案)は、こちらに掲載のとおりですが、このアルファベットでの名称に関して、合田先生から御指摘がありましたので、今回、添加物部会の報告から一部微修正をして御用意させていただいています。以上です。
 
○村田分科会長 どうもありがとうございました。議論に入る前に、部会での審議の状況について、佐藤部会長から御報告いただくことはありませんか。
○佐藤委員 佐藤です。聞こえていますか。
○村田分科会長 はい、聞こえています。
○佐藤委員 食品添加物部会では、ただいまの厚労省からの詳しい御説明のほか、安全性試験について各専門委員の先生から御解説いただきましたが、部会での特段の議論というものはありませんでした。以上です。
○村田分科会長 どうもありがとうございます。それでは、本件について何か御意見、御質問はありませんか。合田先生、よろしいですか。
○合田委員 結構です。IUPACの名前の付け方の所だけです。
○村田分科会長 分かりました。いかがでしょうか。ほかの御意見、御質問はありませんか。挙手等はありませんが、それでは本件について何か御意見、御質問はありませんか。ほかに御意見がないようですので、分科会としてはこれで了承したいと思いますが、いかがでしょうか。
○合田委員 賛成します。
○村田分科会長 ありがとうございます。それでは、事務局には答申に向けた手続を進めていただきます。その他の経過については、次回以降の本分科会で御報告ください。
次に、報告事項に進みます。食品衛生分科会規程第8条第1項により部会の議決をもって分科会の議決とされた事項については、同条第3項の規程に基づき、その決定事項を分科会に報告することとされています。まず(2)、報告事項の①「食品中の農薬等の残留基準の設定について」事務局から御報告願います。
○小池室長 まず資料の2の3ページ目を御確認ください。今回、報告させていただく品目は、昨年12月及び本年1月に開催された農薬・動物用医薬品部会で御審議を頂いた品目です。ここにありますように農薬5品目、動物薬等1品目について、いずれもADI又はARfDの範囲内ということで御評価を頂きました。
簡単に1品目ずつ説明をさせていただきます。4ページを御確認ください。1つ目、ピラフルフェンエチルです。農薬取締法に基づく適用拡大申請に伴う基準値設定の要請を受けて、今般、基準値を設定するものです。用途としては除草剤で、国内では小麦、大麦等を対象作物にしております。食品安全委員会における食品健康影響評価の結果として、ADIを0.17mg/kg体重/dayと設定をされています。今回の基準値に基づく暴露評価の結果に関しては、ADIの範囲内ということで特段問題ないものと評価を頂いています。
6ページを御覧ください。実際の基準値ですが、6ページの表の左から4列目の「登録有無」という欄に、申請の「申」という文字があるもの、大豆類、えんどう、そら豆、らっかせい等の各種品目がありますが、これらの品目を中心に対象食品に関する作物残留試験等のデータが提出されており、これに基づき基準値を設定しています。その他の食品についても新たな作物残留試験データ等に基づいて、値を適宜、更新させていただいています。
続きまして、2品目です。13ページを御覧ください。ベンタゾンです。これは平成18年の、いわゆるポジティブリスト制度導入時に設定した基準値を行政側の判断で基準値見直しを行うというものです。これは農薬で、除草剤の用途として用いられていまして、我が国では、稲やたまねぎ等を対象作物に登録されています。
食品安全委員会における健康影響評価の結果として、ADIは0.09 mg/kg体重/day、ARfDは0.5 mg/kg体重とされています。やはりADI又はARfD範囲内ということで、特段問題がない旨、評価を頂いているものです。
15ページを御覧ください。実際の基準値案ですが、こちらは申請が特にあったものではありませんので、「登録有無」の欄に「申」の文字があるものはありませんが、新しいデータに基づいて変更したもの、さらには、根拠データがなかったので基準値を削除したものを含め、15ページ以降の表にあるように、「基準値現行」から「基準値案」に変更させていただいています。
22ページを御覧ください。ポリオキシンD亜鉛塩です。こちらもポジティブリスト制度導入時に設定した基準値の見直しで、用途としては殺菌剤です。現在は、キャベツ、レタス等を対象作物に登録されていまして、食安委における健康影響評価としては。ADIが7.2 mg/kg体重/dayと設定をされています。
実際の基準値ですが、24ページを御覧ください。これについてもやはり申請はありませんでしたが、最新のデータが提出されたものについては、値の見直しをさせていただくとともに、根拠がないものについては基準値を削除させていただくという対応をさせていただいています。
27ページを御覧ください。ポリオキシン複合体です。これについては、農薬取締法に基づく適用拡大申請とポジティブリスト制度導入の自主的見直しの両方を、併せて対応させていただいております。ポリオキシンの複合体ということで、ここにある8種類のポリオキシン類が含まれているものをまとめて1つの基準として定めています。用途としては農薬で、殺菌剤、殺虫剤です。我が国の登録状況としては、ぶどう、きゅうり等を対象作物として登録されているものです。
実際の基準値については、29ページを御覧ください。登録有無の欄に申請の「申」と書いてあるものは、その他のきく科野菜、パセリ、マンゴーといったもので、農薬登録拡大がされているものです。それ以外の項目についても、やはり提出されたデータに基づいて基準値案を設定させていただきたいと考えています。
次に33ページを御覧ください。5つ目、メトミノストロビンです。これも農取法(農薬取締法)に基づく適用拡大申請に伴う基準値設定で、用途としては殺菌剤です。現行は、稲を対象作物に登録されていて、食安委における健康影響評価としては、ADIが0.016 mg/kg体重/day、ARfDが0.78 mg/kg体重と設定されています。
35ページを御覧ください。実際の基準値案ですが、マンゴーが新しく農薬登録に申請されましたので、それに合わせて作物残留試験の結果に基づいて、マンゴーの基準値案を1と設定させていただきたいと考えています。
最後の6品目です。37ページを御覧ください。ピランテル及びモランテルです。ポジティブリスト制度導入時に設定した基準値の見直しです。用途としては、動物用医薬品及び飼料添加物として寄生虫駆除等に用いられるものです。我が国としては、ピランテルは承認等されていませんが、モランテルは豚を対象として承認されています。類似物質でありますので、両物質を1つの基準値として合算して設定させていただきたいと考えています。食安委における健康評価として、ピランテルについては、ADIが0.012 mg/kg体重/day、モランテルについても同じく0.12 mg/kg体重/dayということで、「グループADIの設定」ということで、38ページの③に書いてありますが、ピランテル及びモランテルの両方のグループのADIとして、0.012 mg/kg体重/dayという値を設定させていただいています。
実際の基準値については、40ページを御覧ください。現行の基準はピランテルとモランテルは別々に設定されていますが、先ほど御説明したとおり、まとめて1つの基準値として設定をさせていただくのが適切だろうと判断しまして、ピランテルとモランテル両方のお互いの数字が入っている所は、より厳しい側に立った値を採用することとして、40ページに記載のとおり、基準値を設定させていただきたいと考えています。資料2の説明は以上です。よろしくお願いいたします。
○村田分科会長 どうもありがとうございます。ただいまの事務局からの報告について、穐山部会長から追加発言はありますか。
○穐山委員 穐山です。聞こえますか。今、事務局より詳細に御説明されたので繰り返しなってしまいますが、一応、概要を御説明します。農薬取締法に基づく適用拡大申請がインポートトレランス申請等により、ピラフルフェンエチル等について、食品中の残留基準を設定したものです。これら農薬は、昨年12月と本年1月に開催したオンライン会議による部会において審議を行いまして、幾つかの報告書の記載整備に関する指摘はありましたが、食品安全委員会の評価結果として、生体にとって問題となる遺伝毒性等は認められていないので、閾値が設定できると評価されていること、また作物残留試験、あるいは代謝試験等の結果のデータから規制対象物質、また暴露評価対象物質の選定に特段の問題がなかったということ。また作物残留分析法、また作物残留試験のデータ、長期暴露評価、短期暴露評価及び国際基準等の情報により、残留基準値は適切であり、特段の問題がないという結論に至りました。私からのコメントは以上です。
○村田分科会長 どうもありがとうございます。それでは、このほか委員の方から何か御意見、御質問はありますか。
○合田委員 合田ですが、いいですか。また非常にマイナーで、事前に言えればよかったのですが、27ページのポリオキシンHとJのキシロースのOHが落ちていますので、これはデオキシ糖ではなくて、3位、4位もちゃんとOHが入っています。ですから、これだとメチル基になっていますから、ここは直しておいたほうがいいと思います。以上です。
○村田分科会長 どうもありがとうございます。事務局、よろしいですか。
○小池室長 事務局です。すみません、こちらは確認不足で間違いがあって申し訳ありません。修正させていただきまして、合田先生に御確認していただいた上で、正しいものに差し替えをさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○村田分科会長 どうもありがとうございます。何か、ほかに御質問はありませんか。
○浦郷委員 すみません、浦郷ですが、よろしいでしょうか。ピラフルフェンエチルについてなのですが、別紙のほうを見ますと、残留基準値が一律基準と同じ0.01ppmということで、それで作物残留試験成績等の所で、※1というものが多くに付けられていて、それについては残留しないことが合理的に明らかとなっているのですが、これはどういうことなのかということをちょっと説明いただければと思います。お願いいたします。
○村田分科会長 事務局、又は穐山先生、いかがでしょうか。
○穐山委員 こちらは登録がされていないということなので、恐らく使われない作物ということではなかったでしょうか。この作物には登録されていない、使用されることは登録されていないということではなかったでしょうか。事務局、いかがですか。
○小池室長 すみません、厚生労働省事務局です。もう少し正確に申し上げますと、登録自体はされているのですが、現時点において使用がないということなので、最終的な作物に対して残留することは考えられないということで、一律基準と同じような値の設定を基準値として採用させていただいているということです。
○浦郷委員 分かりました。使用される見込みがないということですね。
○小池室長 そうですね。
○浦郷委員 分かりました。ありがとうございました。
○村田分科会長 ほかにありませんか。ほかにないようですね。どうもありがとうございました。
それでは、文書による報告事項等に移らせていただきます。(3)文書配布による報告事項に移ります。「食品衛生分科会における確認事項」において特に定められた事項については、文書配布により分科会に報告を受けることとされております。この資料に関しては、事前に委員の皆様のところに配布されていると思います。部会長からの補足説明、あるいは委員の方から何か御意見、御質問などはありませんか。穐山先生、特にありませんか。
○穐山委員 一応、繰り返しになってしまいますが、これも農薬取締法に基づく適用拡大申請やインポートトレランス申請等により、スルホキサフロル等について、食品中の残留基準を設定するものです。これも、昨年12月と本年1月のオンラインによる部会による審議で、幾つかの報告書の記載整備に関する指摘はありましたが、食品安全委員会の評価結果として生体にとって問題となる遺伝毒性は認められていないので、閾値が設定できると評価されていること、また作物残留試験や代謝試験等の結果から得られたデータに基づき、規制対象物質、また暴露評価対象物質の選定に特段問題がないということと、作物残留試験の分析法、作物試験のデータ、長期暴露評価及び短期暴露評価、国際基準等の情報により、残留基準値は適切であり特段問題はないという結論に至りました。以上です。
○村田分科会長 どうもありがとうございます。小池室長、何か追加の発言はありますか。
○小池室長 今、部会長に御説明していただいたとおりで、追加は特にありません。
○村田分科会長 何かほかに御質問はありませんか。それでは、特段の御意見がなさそうですので、次に移らせていただきたいと思います。
続いて、「その他の報告事項」に移ります。①食品衛生分科会における審議・報告対象品目の処理状況について、事務局から報告願います。
○小池室長 事務局から御説明させていただきます。資料4の3ページを御覧ください。これは前々回が9月10日、前回が12月23日、それぞれの分科会におきまして報告又は御審議いただいた品目です。これらの品目について、現行の処理状況を整理した表になっておりまして、いずれもパブコメ及びWHO通報について順次進めているところです。特段、問題となる進捗になっているものはありません。御説明は以上です。
○村田分科会長 どうもありがとうございます。ただいまの事務局からの報告に対して御意見、御質問はありますか。どうもありがとうございました。次に、令和4年度輸入食品監視指導計画(案)の概要について、事務局から御報告ください。
○蟹江室長 輸入食品安全対策室長の蟹江です。輸入食品監視指導計画(案)について御説明いたします。この監視指導計画については、食品衛生法に基づいて、毎年度、作成しているものです。目的としては、輸入食品等の重点的、効率かつ効果的な監視指導の実施を推進し、輸入食品等の安全性の確保を図るというものです。基本的な考え方ですが、監視指導の実施体制としては、輸出国における生産段階から輸入後の国内流通までの各段階におきまして、必要な衛生管理対策の措置を講じることにしております。
具体的な令和4年度における監視指導の内容については、基本的には令和3年度と同様です。特に重点的に実施すべき事項として、輸入届出の審査による食品衛生法への適合性の確認、各種検査の実施、特にモニタリング検査については令和4年度の計画として、延べで約10万件を予定しております。個別の事項ですが、輸出国段階における衛生管理対策の推進、輸入者による自主的な衛生管理の推進、法違反が判明した場合の対応、関係者相互間の情報及び意見交換、こういったことを中心に監視指導計画の中に詳細を記載しております。
この監視指導(案)については、令和4年1月12日から2月10日までパブリックコメントを募集いたしまして、6件の御意見を頂いております。特に監視指導体制の充実・強化、リスクコミュニケーションの充実といった御意見を多く頂いております。また、意見交換会を実施しました。1月26日にWeb会議システムを用いたオンラインの開催ということで、当日は188名の方に参加していただき、後日のオンデマンド配信は330名の方に視聴していただいております。また浦郷委員に御配慮、御協力いただきまして、消費者団体の方との勉強会も行ってまいりました。いろいろな御意見、御要望を頂きましたので、そういった御要望に、我々としても対応していこうということで今後とも努力をしていきたいと思います。
資料の7ページに参考資料として、輸入状況についてグラフをお示ししております。令和2年度については、令和元年度と比べますと、輸入届出件数、重量ともに減少しておりますが、コロナウイルス感染症の関係で、飲食店の営業が自粛になったということで、そこで使用される食材等の輸入が減ったことも1つの要因だと考えております。令和3年度については、令和元年度に近い輸入の状況になっております。一番最後に、参考として、令和2年度における監視指導計画の概要を付けておりますので御覧ください。私からは以上です。
○村田分科会長 どうもありがとうございます。ただいまの事務局からの報告に対して、御意見、御質問はありますか。村松先生、どうぞ。
○村松委員 何点かお伺いしたいことがありますので、よろしくお願いします。9ページになりますが、輸入食品の監視指導計画の5番に、「輸入前指導」があって、多分これは、まだ国に輸入する前、流通する前の結果だと思いますが、違反該当件数が523件とあります。これは具体的にはどのようなものだったのかを教えてください。
○蟹江室長 これは輸入前相談の結果です。今、委員がおっしゃられたとおり、令和2年度は523件、延べ数として666件の違反の荷物を確認しております。これは輸入されていないということになりますが、その内容としては、九割以上が食品添加物の関係です。実数で見ますと、日本で使用が認められていない添加物が含まれているという食品が、190件確認されております。日本では使用できますが、輸入しようとする食品には使用できない。いわゆる対象外使用と言っておりますが、それが実数として366件確認されておりまして、九割以上を占めているのが現状です。以上です。
○村田分科会長 村松先生、まだありますか。
○村松委員 輸入食品の検査についてお伺いしたいことがあります。私たち自治体になってきますと、流通段階の輸入食品を検査する場合があります。例えば、基準値を超えた残留農薬が含まれた野菜などを発見したときには、輸入者を管轄する自治体に御連絡したりするのですが、そういう輸入食品の違反の状況が厚労省に集まってくると思うのですが、集まった情報は、その後どんなふうに対応されているのか教えてください。
○村田分科会長 事務局、お願いします。
○蟹江室長 自治体で輸入食品を検査して、例えば残留農薬の基準を超過した食品の例がありましたが、その違反情報を私どもが受け取りますと、輸入時の検査の強化をするかどうかを判断します。通常ではモニタリング検査の頻度を上げて対応しております。
その違反となった原因究明、再発防止策については、輸出国側に要請をしております。また、いただいた結果については、輸入食品の違反事例については、水際で見つかったものも含めて、厚生労働省のホームページに、併せて掲載するようにしております。基本的には、輸入時で確認された対応と同じような対応を取っているということです。
○村松委員 ありがとうございました。最後に、自治体としての悩みと言いますか、輸入食品を抜き取り検査、行政が収去して検査をしておりますが、なかなか全体のロットを反映したサンプリングができないのです。流通量がどれぐらいあるかによって収去する量とか、頻度とかを考えて本当は収去するべきなのでしょうが、とても難しくて、流通段階での輸入食品の監視指導計画を作っておられる中で、自治体に流通段階で検査まで求めていると考えたほうがいいのですか。とてもサンプリングは難しいので、もしお考えなどあればお聞かせください。
○蟹江室長 国内に流通する食品については、各自治体で監視指導計画を策定しております。その中で、収去についても検討し、記載されているものと考えております。ですから、今回御説明した輸入食品の監視計画については、基本的には輸入時の収去検査の件数です。先ほど御説明しましたが、特にモニタリング検査、これは収去検査になりますが、輸入時での検査について示しているものです。
○村田分科会長 村松委員、どうですか。今の回答でよろしいですか。
○村松委員 分かりました。資料に記載のある「国内流通までの」というのは、流通する手前という意味に読んで、国の計画ということなのですね。国内の流通までを含めた計画ではないと解釈すればいいですか。
○蟹江室長 収去検査については輸入時のことをお示ししておりますが、例えば違反食品が見つかった場合の対応とか、そういったものについては、自治体での対応についてもこの計画の中に記載しております。
○村松委員 分かりました。御丁寧にどうもありがとうございました。
○村田分科会長 よろしいですか。ほかに御意見はありますか。
○浦郷委員 全国消団連の浦郷です。学習会のときは大変お世話になりました。ありがとうございました。1つ確認ですが、今、ロシアとウクライナのほうで戦争が始まって、私も大変憂慮しているのですが、ロシアから輸入している食品はたくさんあると思いますが、それが輸入できない状況になっているものもあるかと思います。急遽、別の所から輸入ということになった場合、初めての国からの輸入とか、初めて取引する事業者からの輸入ということになると、初回輸入時の確認はしっかりと、そこではきちんと行われて安全性は担保されるということで考えて、理解していいのですか。そこだけ確認したいと思います。
○村田分科会長 事務局、どうぞ。
○蟹江室長 浦郷委員のおっしゃるとおりです。まず、輸入の状況ですが、我々常日頃から輸入届出状況を確認しております。今回も日常的に確認しておりますが、今のところ大きな変化はありません。
初めて輸入される食品というのも日常的にありまして、現状の輸入実績のある国や地域の数を見ますと180を超える国や地域から輸入されてきております。初めて輸入される食品も日常的にありますが、まず、輸入前の相談をしていただけるように事業者の方に周知をしながら、実際に貨物が日本に到着した場合には、食品衛生法に基づく規格基準に適合しているかどうか検査をして、確認をしております。
それから、モニタリング検査も幅広く網を掛ける形になっておりますので、初めて輸入されてくる食品であっても、しっかりと安全性の確保体制を取っているということです。
○村田分科会長 どうもありがとうございます。浦郷委員、どうですか。今のでよろしいですか。
○浦郷委員 ありがとうございました。まだ、そんなに変動がないということで、別の所から来ることになってもきちんと確認されているということが分かりましたので、ありがとうございました。
○村田分科会長 ほかにありますか。
○有薗委員 自分が関係しているところでもあるのですが、6ページの「輸入者による自主的な衛生管理の推進」というところです。1番目に、「食品衛生上のうんぬん」とあり、その2つ目のポツですが、「食品用器具・容器包装のポジティブリスト制度に関する周知及び指導」と書いてありますが、こういうのは具体的にどんなことを指導していただいているのでしょうか。簡単に教えていただければと思います。
○蟹江室長 これは前回の食品衛生法改正で、器具・容器包装のポジティブリスト制度が施行されておりますので、その内容、及び輸入者御自身が輸入する器具・容器包装について、その材質等を確認していただくという指導をしております。
○有薗委員 ありがとうございました。自分がやっている所ですが、今後、東南アジア等への、私どもがやっているポジティブリスト制度が波及するということも少し期待したいと思うところもありますので、こういうことが少しうまく機能すればと思ったものでお聞きいたしました。
これは関係のないことかもしれませんが、私は熊本なので、今、少し気になるのでお聞きしたいことがあります。現在問題になっている貝類の話です。輸入の場合のチェックとか、以前は農薬の話もあったような気がしますが、今回の件に関しては、この分野で監視指導というところでは関与していないということになりますか。このことは関係のない話だったかもしれませんが、輸入というところで気になったものですから。
○蟹江室長 中国から輸入されるアサリについては、貝毒とか、残留農薬の検査を実施して、日本の基準に合っているかどうかを確認し、適合するものが輸入されているということで、アサリ自体の安全性は問題ありません。
○有薗委員 安全性が確認された貝類が撒かれているということですね。
○蟹江室長 それが、国内で熊本県産という形で売られていたということです。安全性については問題ありません。
○有薗委員 情報ありがとうございました。
○村田分科会長 ほかに御意見はありませんか。よろしいですか。どうもありがとうございました。次に食品安全制度懇談会の開催について、事務局から報告をお願いします。
○小谷補佐 10ページを御覧ください。3月30日に、第1回食品安全制度懇談会を開催することとしております。本懇談会は、平成30年の食品衛生法改正や、食品の販売形態の多様化、分子生物学的技術を用いた新たな育種技術の実用化など、今後、食品衛生を取り巻く環境は大きく変化することが見込まれていることなどの背景を踏まえて、食品衛生を取り巻く環境の変化への総合的な対応に資するように、食品安全等に係る制度の在り方等に関して関係者に幅広く意見を聞く場として開催するものです。
構成員については、11ページの名簿のとおりです。30日の開催に当たって、12、13ページに、プレスリリースを出させていただきました。この懇談会の議論については、必要に応じて適宜、分科会にも共有させていただくこともあろうかと思います。私からの説明は以上です。
○村田分科会長 ただいまの事務局からの報告に対して御意見、御質問はありますか。
○穐山委員 これは、この懇談会で是非御審議いただきたいことだと思いますが、今、HACCPの衛生管理の義務化が進んでいるかとは思いますが、例えば、パン業界にとっては、基本的にHACCPのクリティカルポイントというのは、アレルゲンの混入が結構大きなウエイトを示しているのです。米国でもイギリスでも、基本的にはハザードのランクとしては、サルモネラとリステリアの次にアレルゲンのハザードが重要なウエイトを示しているということであります。基本的に、アレルゲンの対応は消費者庁に移ってしまっておりまして、消費者庁のリスク管理になっていますが、食品安全のウエイトとしてアレルゲンの混入による食物アレルギーの防止というのは、もともと厚労省でやられていたのですが、消費者庁だとなかなか難しいような気が私は感じております。これは是非、食品安全懇談会のほうで審議していただければと思っております。
○村田分科会長 事務局、どうですか。
○三木室長 食品監視安全課長の三木です。穐山先生、ありがとうございます。この懇談会自体が、運用の中身というよりは、大きく言えば制度のことをご議論いただくものだと理解しておりますが、今お話のあったパンの危害の要因としてのアレルゲンについては、パン業界が作成しているHACCPの考え方を取り入れた手引書の中でも、まずは危害分析をしなさいとなっていて、その中でアレルゲンのことも含まれていますので、それは適宜、実施をしていく中で各事業所若しくは事業者団体が、指導や助言をしながら進めていくものと理解しておりますので、特に消費者庁というよりは、まずは事業者の自主管理の中でやっていくべきものと思っております。引き続き業界を含めて、そういったことについては厚労省としても周知を図っていきたいと思っております。以上です。
○村田分科会長 穐山先生、これでよろしいですか。
○穐山委員 ありがとうございます。
○村田分科会長 ほかにありますか。どうもありがとうございました。まだ時間はあるのですが、これまでを通して御質問、御意見がありましたら、委員の先生方どうぞ挙手していただいて御発言いただければと思います。よろしいですか。
それでは、以上で、審議事項と報告事項の議事は終わりました。最後に、事務局から何か連絡事項はありますか。
○小谷補佐 本日の御審議、誠にありがとうございました。次回の食品衛生分科会は6月を予定しております。詳しい日時等は追って御連絡させていただきます。どうぞよろしくお願いします。
○村田分科会長 それでは、予定の時刻よりは早いのですが、長時間の御審議、誠にありがとうございました。これをもちまして閉会とさせていただきます。どうもありがとうございました。

 

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