外務省・新着情報

冒頭発言

沖縄戦戦没者慰霊の日

【林外務大臣】私(林大臣)から1件ございます。
 明後日6月23日、沖縄戦の戦没者慰霊の日を迎えるにあたりまして、戦没者の方々に心から哀悼の意を表します。
 戦後77年を迎えた今日もなお、沖縄の皆様には、大きな負担を負っていただいております事実を重く受け止めております。
 沖縄復帰50周年を迎えた本年の慰霊の日に、改めて沖縄の方々の心情に思いを致し、外務大臣として、沖縄の基地負担の軽減に、引き続き全力で取り組んでいく考えでございます。私(林大臣)からは以上です。

核兵器禁止条約締約国会合(オブザーバー参加)

【中国新聞 樋口記者】今日、オーストリアで、核兵器禁止条約の第1回締約国会議が開幕します。日本と同じく、いわゆる「核の傘」の下にあるとされているドイツとかオーストラリア、ベルギー等は、オブザーバー参加をすると、かなりこの動きが広がっているんですけれども、日本は、先日の総理の会見でも、今のところ核保有国が参加してないということで、オブザーバー参加も含めて今回しないということなんですけど、総理はかねがね橋渡しと、保有国と非保有国の橋渡しをする、というふうに言っていらっしゃいます。であるならば、今回その非保有国が多く参加する会議というのは、オブザーバー参加をしても良かったんじゃないかという声が、被爆者はじめ、いろいろなところから上がっているんですけれども。この点に関しての林大臣の見解をお願いします。

【林外務大臣】核兵器禁止条約は「核兵器のない世界」の出口ともいえる重要な条約であります。しかし、現実を変えるためには、核兵器国の協力が必要ですが、この条約には、核兵器国が1か国も参加をしていないわけでございます。
 我が国は、唯一の戦争被爆国として、核兵器国を関与させるよう努力し、「核兵器のない世界」に向けて、現実的な取組を進めていく考えであります。
 核兵器禁止条締約国会合に関する他の国の対応ぶりについて、我々としてコメントすることは差し控えたいと思いますが、我が国としては、先ほど述べた考え方から、今般の締約国会合に政府としてオブザーバー参加はしないわけでございます。まずは、国際的な核軍縮・不拡散体制の礎石であるNPTの維持・強化に向けて、8月に開かれるNPT運用検討会議で、意義ある成果を収められるように、全力を尽くす考えであります。その上で、効果的な核軍縮措置を積み重ねて、「核兵器のない世界」に一歩ずつ近づいていきたいと考えております。

【中国新聞 樋口記者】重ねてすいません、恐縮です。オブザーバー参加というと、その条約に正式に批准したりとか、署名したりということではなく、会議を、いわゆる傍聴するということに留まるので、非常にそのハードルは低いかなと思うんですけれども、それでも尚しないということについては、ある意味、被爆国として、何か誤ったメッセージを発信しちゃうんじゃないか、という懸念もあるんですけど、その辺については、どうお考えですか。

【林外務大臣】先ほど申し上げたとおりでございますが、やはり現実を変えるということのためには、核兵器国の協力が必要であるというふうに考えておりまして、この条約には、核兵器国が1か国も参加をしていないということであります。やはり、この核兵器国、これを関与させると、この努力をしなければならないということから、その努力を通じて「核兵器のない世界」に向けて、現実的な取組を進めていくということでありますので、先ほど申し上げたとおり、今般の締約国会合に、政府としてオブザーバー参加はしないということでございます。

日韓関係(旧朝鮮半島出身労働者問題に関する官民協議体)

【毎日新聞 日下部記者】日韓の懸案である徴用工問題についてお伺いします。韓国の方で、韓国政府の担当者が参加して、民間の団体も参加する官民の徴用工問題を解決するための協議体が発足するという話が出ています。これについての日本としての受け止め教えてください。

【林外務大臣】今ご指摘のあった報道は承知をしておりますが、韓国国内の動きの一つひとつについて、コメントをすることは差し控えさせていただきたいと思います。

TICAD8

【パンオリエントニュース アズハリ記者】
(以下は英語にて発言)
 次回のアフリカ開発会議は、8月にチュニジアで開催されますが、岸田総理が出席する方向で検討しているとの報道があります。岸田総理の出席は確定したのでしょうか。また、世界が食糧危機や、エネルギー価格を含む物価の高騰という状況にある中で、日本は同会議でどのような議題を扱うお考えでしょうか。ありがとうございます。特にアフリカについてということで。

【林外務大臣】8月27日及び28日に開催するTICAD8につきましては、引き続き、新型コロナウイルスの感染状況等を踏まえる必要がありますが、諸般の事情が許せば、岸田総理は、チュニジアを訪問し、TICAD8に出席する予定でございます。
 新型コロナに加えて、ウクライナ情勢を受けた食料・エネルギー価格の高騰が、アフリカの経済・社会にも甚大な影響を及ぼす中で、国際的な連携というものが、今こそ重要であると考えております。今年3月に、私(林大臣)自身が議長を務めましたTICADの閣僚会合においても、ウクライナ情勢がアフリカに及ぼす影響に対して、国際社会が協力をするということの必要性について議論したところです。
 今年の8月のTICAD8では、こうした閣僚会議における議論も踏まえまして、食料安全保障の強化、これも含むアフリカの開発課題について、議論をし、ポスト・コロナも見据えたアフリカ開発の針路、これを示していきたいと考えております。

中国による東シナ海での一方的な資源開発

【共同通信 前田記者】中国のガス田開発についてお伺いをします。外務省から昨日、中国が東シナ海の日中中間線の中国側の海域で、ガス田のプラットフォームを完成させたということを確認したとの発表がありました。5月、6月と、こうした動きが続いている上に、局長級の海洋協議というのも近く予定されていると思うんですけど、こうした中、こういった一方的な開発を続けているということの大臣の受け止めをお願いいたします。

【林外務大臣】東シナ海の排他的経済水域及び大陸棚の境界が、未だ確定していない状況におきまして、日本側からの度重なる抗議にも関わらず、中国側が同海域において一方的な開発行為や、その既成事実化を進めて、今般、新たなプラットフォームを設置をしたということは極めて遺憾であります。
 中国側に対しては、改めて強く抗議をするとともに、「2008年合意」に基づく、国際約束締結交渉、これを早期に再開して、同合意を早期に実施するように、強く求めたところでございます。

核軍縮(核兵器国の関与に向けた取組)

【朝日新聞 野平記者】核禁条約についてなんですけれども、ロシアによるウクライナ侵略を経て、核軍縮よりも、今、核抑止の方が、比重が高まっているとの指摘もあるんですけれども、核兵器国を具体的に関与させていくために、具体的に、日本としてどういった行動を、今後とっていくお考えでしょうか。

【林外務大臣】先ほども申し上げたところでございますが、国際的な核軍縮・不拡散体制、これの礎石であるNPT、これは核兵器・不拡散条約でございますが、この維持・強化に向けて、8月に、このNPT運用検討会議が開かれますが、ここで、やはり意義ある成果というものを収められるように、全力を尽くしていきたいというふうに考えておるところでございます。

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