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令和4年6月17日(金曜日)
教育、文化、その他

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日本経済団体連合会との懇談会への出席と青少年の体験活動の推進のため経済界との対話、こども家庭庁関連法案の成立、私立学校法改正に向けた今後の取組について、「日本版CNC設立を求める会」の設立と日本映画の振興について、いわゆる「AV出演被害防止・救済法」の成立と学校現場への周知について、学習指導要領に基づく適切な部活動運営と地域移行について、PTAの運営の在り方について

末松信介文部科学大臣記者会見映像版

令和4年6月17日(金曜日)に行われた、末松信介文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

令和4年6月17日末松信介文部科学大臣記者会見

令和4年6月17日末松信介文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

末松信介文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭、私から1件でございます。
 昨日16日、十倉経団連会長をはじめ、経団連の幹部の皆様方と意見交換をいたしました。私からは、教育未来創造会議の提言につきまして、具体的には、まず1つ目はデジタル・グリーン等の成長分野への大学の再編、2つ目は、理系分野を志す女性を増やすための取組、3つ目は、企業によります奨学金の代理返還制度をこれまで以上に活用される仕組みの検討をぜひしてほしいと、4つ目は、博士号の取得者の積極的な評価をして、その上で、採用をですね、強化していってほしいというお願い、5つ目は、我が国の研究力の強化に向けた、組織対組織の大型共同研究の拡充、そして最後の6つ目には、アントレプレナーシップ教育への協力などのお話を申し上げまして、経済界の皆様方のご理解とご協力をお願いを申し上げました。17名の皆様方がお集まりをいただいておりまして、文科省と協力しつつ進めていきたいという大変前向きなお言葉を頂戴いたしまして、さすがに、企業トップの方々ばかりですので、大変有意義なご意見を頂戴いたしたところでございます。続いて、経団連や日本商工会議所の皆さんと「子供の体験活動の推進」について意見交換を行いました。既に子供の体験活動に取り組まれておられます、サントリーやリコーの方からも活動状況や課題についてお話を伺いまして、意見交換の最後に「子供の体験活動推進宣言」を私から発表し、その方向性につきまして賛同を頂戴することができました。今後は、経済界と教育界と関係者から成ります「リアル体験推進チーム」を作りまして、体験活動の推進方策を検討していきたいというふうに思っております。サントリーなんかは、水育と、そういう形で子供たちにいろいろと新鮮な課外授業をやっていただいているというんでしょうか、そういうことでございました。文科省としましては、こうした取組を含めて、引き続き、経済界と連携を密にしまして、対話の強化をすることで、政策の課題に対応してまいりたいと思っております。以上でございます。

記者)
 1点、お伺いします。通常国会が終わったと思うんですけれども、こども家庭庁の設置法案が成立しました。これを受けて、こども家庭庁と文科省の連携の在り方を含めた今後の取組をお伺いしたいのと、私学法改正案が提出できなかったと思うんですけれども、今後、私学改正に向けた取組を教えていただく、お願いします。

大臣)
 まず、こども家庭庁関連法案が可決をされたということで、文科省としてどのように連携していくか、受け止めですよね。6月15日にこども家庭庁法案が成立をしまして、令和5年4月にこども家庭庁が設置をされることになりました。300人体制でということは、私も伺っているところです。児童虐待、あるいはいじめ、貧困、少子化対策と複雑化しております多岐にわたる子供を巡る課題に対応していく上で、何度も出てきた言葉でありますけれども、司令塔としてこども家庭庁が設置をされることは、大変大きな意義があるということ、この半年間ずっと言い続けてまいりました。文科省としても、頼れる良き相談相手ができた、パートナーができたというように、そのように受けとめてございます。野田大臣とも、こういう話は何度も繰り返しお話を申し上げてまいりました。先日の参議院本会議場でも、こちらの方をじっと見ておられましたことを覚えております。こども家庭庁設置後も、教育につきましては、文科省が責任を持ってその充実を図ることとしておりまして、教育の一貫性と継続性というものを確保しつつ、福祉との連携をしっかりと図りながら、施策の充実に努めてまいりたいと思います。こども家庭庁の準備室では、来年4月のこども家庭庁の発足を待たずに、就学前のこどもたちの育ちに関する指針や、こどもの居場所づくりに関する指針づくりなどの取組を始めておりまして、文部科学省としても、積極的にこれから取り組んでいきたいというように、そのように思ってございます。いろいろと、今日も幹部とも話し合いましたけれども、放課後児童クラブはどうだ、放課後子供教室はどうか、いろいろとございますんですけれども、そういったことにつきましても、きちっと、それぞれで意義あるものとして存続しながら、お互いに子供のために前に進めていくということを考えてございます。まずは、4月発足、来年からしていってですね、時代はしっかり見ていかなきゃいけませんけれども、考え方としては、司令塔としての存在ができたということは、私は大変頼りにしております。
 それで私学ですね、すみません、これはですね、今国会で、目指しておりましたけれども、今国会に提出ができなかったわけなんですが、学校法人のガバナンス改革につきましては、学校法人の制度特別委員会(注)の議論を踏まえまして、5月20日に骨子をまとめました。「私立学校法改正法案骨子」をまとめたわけです。現在、この骨子に基づきまして、法制化作業は進めてはおります。また、6月7日に閣議決定されました「骨太の方針2022」におきましても、学校法人につきましては、沿革とか、あるいは多様性に配慮しつつ、社会の要請に応え得る、実効性のあるガバナンス改革の法案を、秋以降速やかに国会に提出することが盛り込まれたところであります。従いまして、秋以降速やかに提出ができればと願ってございます。文科省としましても、我が国の公教育を支える私学が、社会の信頼と支援を得て一層発展していくということ、このことを願っております。秋以降速やかに提出をしたいというように願ってございます。その準備をいたしているところでございます。
(注)「学校法人の制度特別委員会」と発言しましたが、正しくは「学校法人制度改革特別委員会」です。

記者)
 映画界への支援についてお伺いします。是枝裕和さんなど有志による方々が14日に会見をいたしまして、フランスの映画支援の機関である国立映画映像センターの日本版の設立を求める会というのを立ち上げました。監督らは文化庁とも協議を重ねてきたそうなんですけれども、大臣のこの設立を求める声の受け止めですとか、今後の検討について教えてください。

大臣)
 記事も拝見をいたしました。映画界の課題改善などを目指されて、映画監督の是枝裕和さんが有志の方々と、日本版CNCですね、の設立を求める会を設置をしたことは新聞を見て、また、文化庁の方からもお話を伺いました。詳細につきましては、確かにまだ把握が十分でないんですけれど、映画関係者が取り巻く課題の解決のために連携する取組の一つと考えてございます。文部科学省としましては、これまでも日本映画の振興のために、国立映画アーカイブを設置をするとともに、映画製作への支援、海外映画祭への出品支援、若手映画作家の育成などに取り組んできたところでございまして、引き続き、これらの施策の充実を図って、魅力ある日本文化の創造と国内外への発信に努めてまいりたいと、そのように願っているところであります。ある面で共済互助組織的な意味合いを持っておられましたので、しばらく、是枝氏らが積極的な活動というのを、私自身は、注視をしていきたいということ、文化庁からも逐次報告を求めるつもりでございます。

記者)
 直接の所管は内閣府になってしまうかもしれないんですけれども、同じく15日に成立したアダルトビデオに関連する性被害防止の法律成立に関して伺いたいんですけれども。附帯決議で相談体制の拡充や広報啓発の強化というのが盛り込まれていると思うんですけれども、経緯として、民法改正で18歳の契約取消権がなくなってしまうというところから出発した議論だと思うんですが、そういう意味で、高校生や大学生への広報というのはポイントなのかなと思うんですけれども、この法律に関連して、文科省としての何らかの取組の考えがあればお願いします。

大臣)
 大事なご指摘をいただきましてありがとうございます。一昨日、議員立法によりまして、いわゆる「AV出演被害防止・救済法」が成立をいたしました。ただ、この法律は、年齢に関わらず、第1条は年齢に関わらずですよね、AV出演契約に関する特例を設けるとともに、今おっしゃったように、相談体制の整備、これは第17条から19条に書かれております、相談体制の整備や出演被害を未然に防止するための教育啓発の充実等を定めたものでございます。文部科学省といたしましては、本法律の成立を受けて、今おっしゃったように内閣府等ともですね、ともに連携をいたしまして、まず、法律の意義、内容、そして相談窓口を含めた取組の参考となり得る資料を各学校に通知をするとともにですね、発達段階に応じて、子供たちを、やはり性犯罪とか性暴力の加害者、被害者、傍観者にさせないための、これは「生命の安全教育」のより一層の充実を図っていきたいと、そのように考えてございます。予定といたしましては、6月22日に各大学、教育委員会等に通知をする予定でございます。ご理解をいただきたいと思いますし、皆様方の協力をぜひお願いを申し上げたいと思っております。

記者)
 部活動の地域移行等、学習指導要領の関係について伺いたいと思います。中学校の学習指導要領では、部活動は教育課程外の学校教育活動として位置付けられておりまして、これが、教員が部活動の指導を行うという根拠にもなってきたと思うんです。一方で、学校の働き方改革に関した部活動の地域移行を巡る議論の中では、スポーツ庁や文化庁の方から、学習指導要領における部活動の規定の見直しというのが一つの論点として出されたと思います。これを受けまして、文部科学省としてですね、学習指導要領における部活動の位置付けというのを変更する必要があると現時点でお考えなのかどうなのかというのが1点と、もう1つは、学習指導要領はですね、見直しが10年に1度のペースであります。一方で、部活動の地域移行については、来年度から3年間で考えてくれということになっておりますので、どうしても時間的な、タイムラグが出てしまって、これから3年間で部活動の地域移行を見直すときには、現行の学習指導要領で、いわば学校の教育活動の一環として部活動が位置付けられた状態のままで、地域移行を考えてなくてはいけなくてですね、そうなりますと、なかなか実際、教育委員会とか学校現場の方ではですね、学習指導要領に定められている状態のまま、一部を外に出すということになるので、なかなか議論が難しくなってきてしまう。当然、どっちを守らなきゃいけないということになってしまいますので、その辺りのタイムラグも含めて、お考えを伺えればと思います。

大臣)
 二重スタンダードであるという考えはないんですけれども、おっしゃったように、10年に1度の改訂になってきますけれども、提言は、この3年間でですね、少し移行してはどうかというご提言をいただいているわけなんですが。部活動につきましては、現行の学習指導要領では、学校教育の一環として、おっしゃったように教育課程との関連が図られること、これを留意することが規定をされてございます。一方で、先日公表されました「運動部活動の地域移行に関する検討会議」の提言では、現在の部活動は、地域移行が完了するまでの間に過度的に設置・運営されるものという認識の下で、見直しを図っていく必要があるとされてございます。その上で、まず、現行の学習指導要領に基づく適切な部活動運営のために、1つは、生徒の自主的・自発的な参加により行われるものであり、強制的に加入させることは不適当であるということ、2つ目は、教師に限らず、適切な指導者の下で行うことなどの課題や留意事項につきまして、国から通知を発出するとともに、必要に応じて、ここですけれども、学習指導要領の解説に明記する旨を盛り込んでございます。解説でございます。また、学習指導要領の次期改訂における見直しにつきましては、今後、地域におけるスポーツ環境の体制整備の状況も見据えながら検討する旨が示されてございます。具体的には、現在の部活動の意義であるとか留意事項につきまして、例えば削除することや、あるいは地域のスポーツ等の環境が整備されるまでの間、設置・運営される部活動の規定であることを明確化すること、そして2つ目に、学校の教育課程の編成・実施に当たりましては、スポーツ団体等とですね、連携・協働を深める旨を記載することなどが考えられると、このようにされております。文科省としては、まずこの提言を踏まえまして、今後、学習指導要領の部活動に係る規定につきまして、適切なタイミングで必要な検討、見直しに取り組んでまいりたいということでございます。この前の学習指導要領は、直近、平成29年に改訂ですから、そういう面では、平成39年ということは、あと5年後に見直しになりますので、この間に十分な検討をしていくということでございます。

記者)
 1つフォローさせてください。今の大臣のご発言にもあったように、学習指導要領から部活動の規定を削除してしまうということも、もちろん検討対象になってくるんですけど、一方で、今、部活動がやりたくて学校に、中学校や高校に通っている生徒たちというのが日本中にたくさんいるという現実もあると思うんですけれども、この削除するというのが、教員の働き方改革を考えれば仕方がないのかもしれないけれども、一方でちょっと極端な気もしなくもないんですが、大臣はどのようにお考えですか。

大臣)
 お話の趣旨もよく分かります。部活動に対する思いも、いろいろな保護者の方、教師もそうでありますし生徒もそうでありますから、いろんな考え方がありますから、今のご趣旨も踏まえた上で、十分な検討を行っていきたいというのが思いであります。ただ、現状、我々の耳に入ってくるのは、やっぱりマイナス面が入りますから、指導者がいないということ。そのことによってですね、本当に、対外試合もなかなかできないから、他の学校と共同でチームを作ってというようなことになってきておりますから。そういった実態も、すべてやっぱり見ていかないといけないという、理想を追いながら現実も見るという、そういうところで、この次の改訂まで見守っていただきたいと思うんですけれども、貴重なご意見は受け止めたいと思っております。

記者)
 小中学校のPTAについてお伺いします。PTAを巡ってはですね、全国組織から脱退を検討するような動きが最近ありまして、専門家の方からもそのような指摘がなされています。具体的にはですね、多くのPTAでお子さんが入学すると同時に入会するというようなシステムになっていたりとか、そもそも入退会の規定みたいなものがないというような実態があるようなんですけれども、こうした自動入会とか規定の未整理ということに関して、適切なPTAの在り方というのを大臣はどのようにお考えかというのをまずお願いします。もう1つは、運営面でも半ば活動を強要されるような実態もあるということが指摘されているんですけれども、こうしたPTA活動についてどのようにお考えか、ご所見をお願いします。

大臣)
 PTAのことなんですけれども、全国大会を、私も、ニューオータニで行われた大会に、去年出たことがございます。各学校のPTAは、児童生徒の健やかな育成のために、保護者と教師が自ら組織する任意の社会教育団体でありますから、長い歴史がありますから、学校と家庭と地域の連携を強化していく上で重要な役割が期待されていると思います。一方で、その運営の在り方につきましては、これは、記者さんがおっしゃっておられる通りなんですけども、それぞれのPTAの地域の状況に応じて協議をしまして、自主的に決めていくものが1つの考え方だと、正しい考え方であると私は思っております。このため、PTAの、今お話がありました入会、退会につきましても、それぞれのPTAでご判断いただくというのが筋であるというのが認識です。全国各地のPTAにおかれましては、保護者の声を十分伺いながらですね、子供たちの健やかな育成を支えるための、その役割を十分に発揮していただきたいということが願いなんです。従いまして、PTAのことにつきましては、任意の団体でありますから、これはいつの歴史から、自然発生的にできたものであろうと私は思うんですけれども、子供を思う意味から、また地域を思う意味から、そういう意味で、文科省としては期待をいたしておりますけれども、今のご質問につきまして、明確にお答えをすることは、これは控えたいと思っております。難しいご質問ですね、これは。

記者)
 そうですね。ちょっと、1点だけ。今、任意団体というお言葉がありましたけれども、逆に言うと、文科省も助言はできるお立場であるというふうに理解をしているんですが、今ほどの言葉のように、基本的にはもう、お任せするという理解でよろしいでしょうか。

大臣)
 そうですね、任意ですから。お任せ申し上げて、ご判断に、尊重したいと思いますね、私は。

(了)

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